ダイワリールVSシマノリール より耐久性が高いのはどっち?
作成:2021.06.28更新:2021.08.20
目次
ダイワVSシマノ 一概に優劣は付けられない!
リールの耐久性比較の記事の冒頭でこんな事を言うのもアレですが、メーカー単位での優劣は付けられません。そんな簡単に決められるほどリールは単純ではないからです。一言に耐久性と言っても、防水性能・ボディ剛性・ギア強度など様々な要素が絡みます。また、ノーメンテナンスで長く使えることを耐久性の高さと見るのか、きっちりメンテナンスしたうえで長く使えることを耐久性と見るのかで話は変わってきます。「耐久性」の定義は見る人によって違いますので、その事を頭に入れたうえで読み進めて頂ければと思います。
シマノリールのギアが強いと言われるワケ
現在存在するインターネット上の記事では「ダイワのギアよりもシマノのギアの方が強い」と書かれていることが多いですが、これはシマノが世界的に有名な自転車のメーカーである、つまりギアの専門家だからだという意見が有力です。確かに一理あるとは思いますが、これだけでシマノのギアがダイワのギアよりも優れていると言い切る根拠にはなりません。
ダイワのギアとシマノのギアについて知ろう!
一言にダイワのギア、シマノのギアと言ってもリールによって使われているギアは違います。ここではそれぞれのドライブギアの特徴を簡単に解説します。
ダイワのギア
ダイワのスピニングリールに使われているギアは5種類。マシンカットタフデジギア・マシンカットデジギア・タフデジギア・ハイパーデジギア・デジギアⅡです。それぞれのギアが持つ特徴を見ていきましょう。
マシンカットタフデジギア
冷間鍛造+マシンカットというダイワの独自技術で作られるギアです。冷間鍛造で高強度に仕上げられた超々ジュラルミン素材に精密なマシンカットを施すことでよりノイズの少ないギアが形成されます。搭載されているリールはイグジスト・ルビアスエアリティ・セルテート・バリスティック FW・バリスティック・ソルティガ・セルテートSW・トーナメントサーフ45・サーフベーシア45・キャスティズム25などです。
マシンカットデジギア
ダイワ独自のデジタル設計技術と高精度マシンカット加工によるギヤです。搭載されているリールは月下美人エア・紅牙エア・スティーズ・イージス・プレッソリミテッド・ブラストLT・トーナメントサーフ35・トーナメントISO遠投・トーナメントISO競技LBD・トーナメントISO2500SH-LBD・インパルトLBD・尾長モンスター・銀狼LBQDなどです。
タフデジギア
冷間鍛造で作られたギアのことです。マシンカットタフデジギアと比べると滑らかさに欠けます。使われている素材はリールのグレードによって違います。搭載されているリールはルビアス・カルディア・フリームス・レグザ・レガリス・レブロス・クレスト・エメラルダスエア・エメラルダス・月下美人MX・月下美人X・タトゥーラ・アオリマチックBRなどです。
ハイパーデジギア
恐ろしく強くて硬いC6191という素材で作られたギアで耐久性はトップクラスです。近年のリールには搭載されておらず、搭載されている機種が減ってきています。搭載されているリールはモアザン・ソルティガBJ・モアザンLBD・鏡牙LBD・トーナメントISO3000サイズなどです。
デジギアⅡ
デジタル解析によって導き出された理想的な歯面を実現するために超高精度マシンカット技術を採用し、従来のギアの数倍以上の歯面精度が実現されました。搭載されているリールはリバティクラブ・シーパラダイス・エメラルダスMX・Xファイア・紅牙MX・イプリミ・ヴァデル・BG・グランドサーフ35・パワーサーフシリーズQD・パワーサーフ SS QD・ウインドサーフ・ファインサーフ・グランドサーフ35・プロカーゴ遠投シリーズ・ウインドキャスト・クロスキャスト・タマンモンスター・カープイズム・スイッチヒッターLBD・バトルゲームLBQD・ラグザスLBD・シグナスLBDなどです。
シマノのギア
シマノのリールに搭載されているギアはほとんどが超々ジュラルミン製のHAGANEギアです。冷間鍛造で形成され、切削はしないので加工後の変形が少なく、素材を傷つけることもないので非常に精度が高く耐久性も高いという特徴を持ちます。
ドライブギアの耐久性はダイワとシマノどちらが高い?
もちろんグレードによります。メーカー単位で決めることは出来ません。ただし多くの現行モデルに限って言えば、同グレードならシマノの方が上です。大変申し訳ないのですが僕がそう考える理由や根拠に関しては、大人の事情でお話することが出来ません。ご了承ください。
ボディ剛性
いくらギアが強くてもそれを支えるボディの剛性や精度が低いとギアはきちんと嚙み合わず傷んでしまいます。つまりボディの剛性は巻き上げ時のパワーや使用感の良さだけでなく、リールの耐久性に大きく関わります。
ボディの剛性や精度は形状や材質によって変わります。今回はリールに使われる素材の特徴を簡単に解説します。
アルミニウム
リールのボディに使われる素材の中ではトップクラスに剛性が高いですが重いという特徴もあります。
マグネシウム
マグネシウムは非常に軽量かつ強度も高く凹みにくいのでリールの素材としてかなり優れています。ただし錆びやすいので防錆処理をしっかりと施さなければならなかったり、加工が難しかったりするので、高額のリールにしか使われていません。
ZAION
ダイワが誇る高剛性樹脂素材です。樹脂素材に混ぜるカーボン素材の量を可能な限り高密度にしたもので、一般的な含有量の3倍量のカーボンが入っています。金属素材ほどの剛性や精度はありませんが、樹脂素材の中では最もリールに向いた素材の1つです。
ZAION V
下記の記事を参考にして下さい。
DS5
ダイワが開発した素材です。ZAIONとはプラスチック樹脂に配合されたカーボン繊維のサイズや密度が違い、エントリーモデルやミドルクラスのリールに採用されています。
DS4
ダイワが出している強化樹脂素材のことです。樹脂素材にカーボン繊維ではなく、ガラス繊維が配合されています。主にエントリーモデルに採用されています。
CI4+
シマノが開発した強化樹脂素材で、樹脂素材にカーボン繊維の粉を混ぜ込んで形成された素材です。剛性は高いとは言えませんが多くの場面で、実用には十分な剛性を備えています。
ダイワのボディとシマノのボディ どちらが強い?
もちろん材質にもよるのでメーカー単位で優劣をつけることは出来ません。素材的に言うとアルミニウム>マグネシウム>ZAION>ZAION V=CI4+>>強化樹脂(シマノ)>DS5>DS4です。ただしボディ剛性はボディの形状によっても変わるので剛性が高い素材を使っているリールの方が高剛性であると決めつけることは出来ません。
個人的な意見になりますが、素材が同じであるならばダイワのモノコックボディ搭載のリールはシマノのリールよりも剛性が高いと思います。
防水性能
リールの耐久性を語るうえで避けては通れないのが防水性能です。リール内部に水、特に海水が入り込むと一気にリールが傷んでしまいます。そのためメーカーは防水対策に大きく力を入れています。
ダイワの防水機構
ダイワの防水機構は「マグシールド」です。正体は磁性流体(磁気を帯びた液体)で、水が浸入する隙間を液体で塞ぐことで、回転を重くせず防水性能を高めています。
シマノの防水機構
シマノの防水機構はXプロテクトです。従来の撥水処理とラビリンス構造(関門を複数作り、水圧がかかっても内部まで水が入らないようにしたシマノ独自の技術)を合わせることで高い防水性能を実現しています。またSWリールに搭載されているXシールドは、ボディの合わせ面にゴムパッキンを入れることで物理的に水をシャットアウトする構造です。
ダイワリールとシマノリール 防水性能が高いのはどっち?
防水性能ももちろんメーカー単位で優劣をつけることは出来ません。ただし同グレードの場合、シマノのリールの方が防水性能が高いです。ダイワのリールで唯一イグジストだけがシマノリールと同等の防水性能を持ちます。申し訳ないですがこの話も大人の事情でこれ以上は言えません。ご了承ください。
近年のリールの防水性能は非常に高くなっていますが、それでも完全防水は出来ませんし、定期的なメンテナンスは必要です。使い方やメンテナンスが悪いと防水性能が高いリールでも内部まで水が入ってしまいます。防水性能の過信は禁物です。
ダイワとシマノで優劣をつける必要ナシ!
今回はダイワリールとシマノリールの耐久性を比較しましたが、はっきり言ってメーカー単位で優劣をつける意味はありません。特に初心者の方はメーカーで悩んでしまいがちですが、同じメーカーでもグレードやコンセプトによって全く違うリールになるのでメーカー単位で見ることは無意味です。メーカーで見るのではなく、購入候補のリールを1台ずつ細かく見ていくのが良いリールを選ぶためのコツですよ。