令和元年に誕生をしたこのレグザは、ダイワのLTコンセプトを最大限に活かしたモデルといえるでしょう。2500番から6000番までのラインナップは、引きの強い魚と戦う事を前提に考えられており、軽く(Light)、強い(Tough)設計となっています。搭載機能においては、初級者にはオーバースペック、上級者には物足りないと言われる事がありますが、これから本格的なショアジギングやロックフィッシュなどに挑戦をしていきたい中級者にはピッタリのモデルといえるでしょう。もちろん上級者のサブ機としても人気があることも確かです。そして、シルバーとブラックのシンプルなデザインは、価格を見誤る程の高級感を創出してくれています。
レグザの
スペック
SPEC
- 19レグザ
品番 | 番手 | ギア 比 | 最大ドラグ ・耐力 | 自重 | B/R | ハンドル 長 | 糸巻量 | ナイロン 糸巻量(lb) | PE 糸巻量(号) | 価格 |
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LT2500 | 2500 | 5.3 | 10kg | 235g | 5/1 | 50mm | 75cm | 4-230 / 6-150 / 8-100 | 0.6-290 / 0.8-200 / 1-190 | ¥ 13,149 |
LT2500D-XH | 2500 | 6.2 | 10kg | 235g | 5/1 | 55mm | 87cm | 8-220 / 10-190 / 12-150 | 1-360 / 1.2-300 / 1.5-230 | ¥ 13,680 |
LT3000D-CXH | 3000 | 6.2 | 10kg | 245g | 5/1 | 55mm | 93cm | 10-260 / 12-200 / 16-150 | 1.2-430 / 1.5-300 / 2-230 | ¥ 15,242 |
LT3000 | 3000 | 5.2 | 10kg | 260g | 5/1 | 55mm | 77cm | 8-150 / 10-120 / 12-100 | 1-200 / 1.2-190 / 1.5-170 | ¥ 13,800 |
LT3000-XH | 3000 | 6.2 | 10kg | 260g | 5/1 | 60mm | 93cm | 8-150 / 10-120 / 12-100 | 1-200 / 1.2-190 / 1.5-170 | ¥ 14,300 |
LT4000D-CXH | 4000 | 6.2 | 12kg | 275g | 5/1 | 60mm | 99cm | 10-330 / 14-230 / 20-150 | 1.5-430 / 2-300 / 2.5-260 | ¥ 15,148 |
LT5000D-CXH | 5000 | 6.2 | 12kg | 290g | 5/1 | 60mm | 105cm | 14-260 / 20-170 / 25-150 | 2-350 / 2.5-300 / 3-210 | ¥ 15,814 |
LT6000D-H | 6000 | 5.7 | 12kg | 380g | 5/1 | 65mm | 101cm | 14-310 / 20-250 / 30-150 | 2.5-420 / 3-300 / 4-220 | ¥ 15,800 |
LT2500S-XH | 2500 | 6.2 | 5kg | 235g | 5/1 | 55mm | 87cm | 4-150 / 5-120 / 6-100 | 0.6-200 / 0.8-190 / 1-140 | ¥ 13,320 |
LT3000S-CXH | 3000 | 6.2 | 10kg | 245g | 5/1 | 55mm | 93cm | 4-230 / 6-150 / 8-100 | 0.6-290 / 0.8-200 / 1-190 | ¥ 14,978 |
LT4000S-CXH | 4000 | 6.2 | 12kg | 275g | 5/1 | 60mm | 99cm | 8-150 / 10-120 / 12-100 | 1-200 / 1.2-190 / 1.5-170 | ¥ 16,000 |
基本情報
- ボディ
- アルミ素材
- ローター
- DS4素材
- スプール
- 薄肉アルミ素材
- ハンドル
-
- アルミマシンカット素材
- ネジ込式取付
搭載機能・機構
- マグシールド
- タフデジギア
- エアローター
- LC-ABS
- エアベール
- ATD
マグシールド
搭載箇所:ボディ
磁力のある液体を使った防水技術です。従来の防水技術では、リールの隙間にゴムパッキンを挟む事で水の進入を防いでいました。ところが、この仕様ではリールの回転時に摩擦が強く発生してしまうため、ハンドルの回転が重くなってしまう事が課題とされていました。そこでダイワが目をつけたのが、磁石にくっ付いて、水は弾く「磁性流体」という素材です。まず、水が進入してしまう箇所の周りに磁石を配置し、その隙間にこの「磁性流...体」を流し込みます。すると、この液体は周辺の磁石にくっ付き、絶妙なバランスで隙間を塞いでくれるようになります。ゴムパッキンのように固定されるものでは無く、液体の膜が張られているだけなので、摩擦の抵抗を極限まで少なくすることに成功しました。磁力のある液体の壁「Magnet(磁石)Sealed(壁)」を略して「マグシールド」と呼びます。
タフデジギア
タフデジギアは、2018年にダイワが発表した、リールの新設計基準「LTコンセプト」に採択された技術です。LTコンセプトとは、「Light(軽さ)」と「Tough(強さ)」という、相反する特性を両立するための指標です。タフデジギアの材質である亜鉛ダイカストもしくは超々ジュラルミン製ギアの構造解析の精度をさらに高め、冷間鍛造によりドライブギアの薄肉化、大口径化を果たし、これまでのデジギア、デジギアⅡよ...りも、ギアの剛性と耐久性を高めつつ、軽量化も実現しています。2018年以降に発売された「LTコンセプト」採用リールには基本、タフデジギアもしくはマシンカットタフデジギアが使われています。
エアローター
ローターの形状を変える事で、操作性の高いリーリングが可能となりました。ローターはリールの巻き心地とアクションに関わる非常に重要なパーツであり、ここの技術革新は、リール性能を飛躍的に伸ばす事に繋がります。従来は防水の観点からローターの形状は変えられないとされてきました。しかしダイワの防水技術「マグシールド」が開発された事によって、ローターの形を変える事ができるようになりました。ローターの外観を、滑ら...かな曲線を描くアーチ型に設計する事で、回転時の負荷が分散・軽量化され、「軽やかな巻き心地」「巻き始めの速さ」を実現する事ができるようになりました。殆どの釣りにおいてはリールの俊敏さが求められるため、この技術革新は大きな前進と言えます。
LC-ABS
スプール形状を変える事で、ライントラブルを最小限に抑えつつ、且つ飛距離を担保した技術です。通常のABS(アンチバックラッシュシステム)では、ライントラブルは大幅に軽減するものの、テーパー型のスプールと比べ、飛距離が低下してしまうという課題がありました。そこでダイワが新しく開発したこの「LC-ABS」では、スプールの軽量化は勿論のこと、スプールとラインが接触するスプールリング部をライン放出側(前方)...に突き出すことにより、キャスト時にラインとスプールが接触しにくくなる形状を設計しました。これにより、従来モデルと比較して、飛距離が5%UPする事に成功しました。
エアベール
ベールからラインローラーまでの段差を無くす事で、ライントラブルを軽減させる技術です。従来では、ベール側で受け取った糸をラインローラーまで渡す際に、つなぎ目の凹凸が邪魔をして、度々ライントラブルを招いていましたが、つなぎ目の無い滑らかな形状に設計する事で、この課題をクリアしました。更に、設計的な理由からベールを太く・中を空洞にする必要があったのですが、これが副産物となり、従来のものよりも歪みにくい強...度の高いベールを実現しました。
ATD
ドラグに掛かる力を自動調整をしてくれる技術です。従来のドラグシステムでは、予期せぬ大物などが掛かると、ドラグが緩過ぎてしまい上手く合わせらなかったり、逆に強く締めすぎるとラインが切れてしまうため、常にドラグを調整しながら戦わなければなりませんでした。このATDという機能は、自分で調整したドラグ値を大幅に上回る負荷が発生した際、自動的にドラグをキツく締めてくれるものです(自動車のシートベルトと似てい...ます)。これによりフッキングの際のバラし率を軽減するだけでなく、格闘中の細かいドラグ調整が不要となりました。
レグザのライバル
比較対象モデル
RIVAL
フリームス

同じダイワで比較をするのであれば、フリームスになるでしょう。スペック上の違いはほとんどないのですが、ボディーの素材が異なる事が最大の特徴で、レグザが金属のアルミなのに対しフリームスは特殊プラスチックの「DS5」が採用されています。そのため、耐久性を求めるのであればレグザ。軽さによる機動性を重要視するのであればフリームスを選択するのが得策でしょう。
スフェロス SW

高い番手で考えているのであれば、スフェロスSWもよく比較されているリールの一つです。レグザと同じく耐久性や剛性を売りにしたアルミ製のボディーとなっており、差別化が難しいリールです。ポイントとしては、ボールベアリングの数がレグザの方が多いので、リール全体の滑らかさという点ではレグザに軍配が上がるでしょう。一方、スフェロスSWの方が若干安いので、機能性よりもコストを重視したい場合は、スフェロスSWでも良さそうです。
アルテグラ

同価格帯で比較対象として上がってくるのが、このアルテグラです。機能面において非常に似通ったスペックですが、唯一の違いとしてはボディー素材があります。金属アルミボディーのレグザに対してアルテグラは高強度樹脂素材となっているため、強度としてはレグザの方が上になるでしょう。また、発売年もレグザの方が新しくなるため、ダイワの最新技術がてんこ盛りです。それでもシマノのリールが良いということであれば、予算を増やしてストラディックも比較検討に入れた方が良いでしょう。