シマノ・ダイワリールの番手を比較!番手からの選び方も詳しく解説!
作成:2020.07.18更新:2022.09.16
目次
【初心者向け】シマノ・ダイワリールの番手を比較!(スピニングリール編)
釣り具の中でも一番コストが掛かりやすい「リール」。そのため、じっくりと様々なリールと比較をしてから購入されるという方も多いはずです。とはいえメーカー各社はあらゆる種類の製品をラインナップしているので、簡単に決めるのも難しいですよね。よくリール選びの基準に「番手」というものがありますが、果たしてどのように参考にすれば良いのでしょうか?この記事を読んで、今後のリール選びの参考にして頂ければと思います。
そもそも番手って何?
リールを選ぶ基準としてよく参考にされる「番手(ばんて)」。この番手というものは各リールメーカーによって規格が異なっており、リール選びの時に必ずといっていいほどユーザーを悩ませてくれる厄介な指標です。よく「その釣りなら○○○番が良いよ」なんてアドバイスを貰いますが、一体何を基準にそのように決められるのでしょうか。今回はその番手というものについて詳しく説明をしていきます。
番手はリールの大きさの事ではない
番手が高いとリールも大きくなるというような印象がありますが、実際はそういう事では無いです。一説によれば、元々は生産管理のために割り振られた単なる数字に過ぎなかったという話もあるくらいです。そのため、軽くて小さいリールでも高い番手に設定されるという事もあります。
番手の違いは「どれだけ巻けるか」の違い
とはいえ、番手には全く定義が無いという事でもありません。簡単に言うと「リールにどれだけの糸を巻けるのか」によって番手というものが振り分けられています(厳密には違いますが)。そういう意味では、どれくらいの糸を巻けるのか?といった事が、番手を比較をする上で重要になってきます。
シマノ・ダイワによって規格が違う
冒頭にも書いたように、番手というものはメーカーによって若干規格が異なります。例えば、洋服には「S」「M」「L」というサイズがありますが、メーカーによって大きさは若干異なりますよね。リールも同じく、各社独自の規格の中で開発をしているので、全世界共通の基準で統一させるというのは難しいのです。だた、2018年よりダイワから発売されている「LTコンセプト」シリーズは、シマノの番手と近い規格になっています。今後このように基準が統一されて、メーカーをまたいだ比較が簡単にできるようになっていくと良いですね。
シマノ・ダイワ番手を比較表で見てみる
それでも強引にメーカーをまたいで番手の比較をするのであれば、「どれくらい糸を巻けるのか」を基準にする事で公正な判断ができます。ここではスプールの大きさを基準に比較をしてみました。
スプール経 | ダイワ | ダイワ(LT) | シマノ |
---|---|---|---|
φ39.5 | - | - | 500 |
φ40 | 1000/1000R | LT1000 | - |
φ42 | - | LT2000 | 1000/C2000 |
φ43 | 2000 | - | 2000/C2500 |
φ45 | - | LT2500 | - |
φ46.5 | - | - | 2500/C3000/3000 |
φ48 | 2500/2500R | LT3000 | - |
φ51 | - | LT4000 | 4000 |
φ54 | 3000 | LT5000 | C5000 |
φ55 | 3500 | - | - |
φ57 | 4000 | LT6000 | - |
φ57.5 | - | - | 6000/SW6000 |
φ61 | - | - | 8000/SW8000 |
※「φ」=「円の直径(mm)」を意味する記号です。
それぞれ近い数値ではありますが、全く一緒という事ではありませんね。例えばシマノのC5000番はダイワだと3000番クラスと同等という事になります。このように厳格に番手を基準にしてしまうとバラつきが出てしまいます。
ちなみに、「TL」とか「C」とかの意味がよく分からないという方も多いと思いますので、下記の記事で詳しく解説しました。気になる方は是非読んでみて下さい(※本記事の一番下にもリンクを貼っておきます)。
リールを番手で選ぶのは間違い!?
規格定義がメーカー毎に異なるのでは、リール選びの基準の指標としては全く成り立ちません。そもそも異なるブランドの番手を一つの基準にまとめて比べようとしている事自体が間違いなのです。ではどのような基準でリールを選定していけば良いのでしょうか?
決めておくべき事は「どういう釣りをするか?」
リールを比較する時には、何釣りをするのか?何の魚を釣るのか?といった事を明確にしておくべきです。釣具屋さんに行って、店員さんにリールの機能について質問しても、大体「何を釣られるのですか?」と聞き返してこられます。つまりリール選びには、どういう釣りをしたいのかという事を基準に考えるのが基本という事になります。
釣りたいものに合わせて適正な番手を調べる
目的が明確になったらそれに見合ったリールの番手を調べてみましょう。ネットでも良いですし、釣具屋の店員さんに相談してみても良いと思います。そこで、次項では釣法や魚種に合わせた適正な番手を紹介していきますので、参考にしてみて下さい。
「何をどのように釣るか」から正しい番手を確認
適正な番手というものは、基本的に対象魚から選ぶことが多いです。ここでは簡単に釣りたい魚を基準にして、適正な番手をシマノ・ダイワリール毎に紹介していきます。厳密にいうと糸の種類・リールのパワー・ドラグ力なども考慮する必要もありますが、まずは目的の釣法や魚種に合わせて参考にしてみて下さい。
小型の魚を戦略的に狙いたい【上級者】:500〜1000番
例えば「メバル」や「アジ」といった小型の魚を、専門的に狙う釣法(メバリング・アジング)においては、500〜1000番台のリールを選択する場合があります。なお、こちらの番手はこだわりの強い上級者向けのリールなので、釣り初心者の方にはおすすめできないです。
▼上級者が小型の魚を戦略的に釣るのに最適なリールの番手
ダイワ | ダイワ(LT) | シマノ |
---|---|---|
1000 | 1000 | 500、1000、C2000 |
1000番のリールについては下記の記事でも詳しく解説をしていますので、気になる方はぜひ読んでみて下さい。
小型の魚を戦略的に狙いたい【中級者以上】:2000番
1000番が上級者向けなのは良く分かったけど、僕(私)だって小型の魚を戦略的に狙いたいという中級者の方には、2000番台のリールがおすすめです。このあたりの番手になると、アジング、メバリング以外でも、ライトロック、メッキ、カマス、小型青物、ネイティブトラウト、エリアトラウトなどを狙う時にも活躍します
▼中級者以上が小型の魚を戦略的に釣るのに最適なリールの番手
ダイワ | ダイワ(LT) | シマノ |
---|---|---|
2000 | LT2000 | 2000、C2500 |
2000番のリールについては下記の記事でも詳しく解説をしています。
小〜中型の様々な魚を狙っていきたい:2500〜3000番
特に「これを釣りたい」といった決まった魚種はないものの、堤防や磯などから、少し遠くに投げて小魚よりも少し大きい魚を狙いたいな。ということであれば「2500〜3000番台」をおすすめします。重さも丁度よく、お子様などでも使いやすいです。釣り初心者の方は、まずはこの辺りの番手を購入されると良いでしょう。あまり大きい魚が掛かると苦戦しますが、闘えないこともないです。「サビキ釣り」など一般的な餌釣りから、アオリイカを狙う「エギング」。ブラックバス、シーバスゲームなどの専門的な釣りでもこの辺りの番手が最適です。
▼汎用的なリールを探している場合に最適な番手
ダイワ | ダイワ(LT) | シマノ |
---|---|---|
2500 | LT2500、LT3000 | 2500、C3000、3000 |
食べ応えのある大きい魚が釣りたくなってきた:4000〜6000番
2500〜3000番台のリールを持っていると、様々な釣法にチャレンジできるようになっていきます。その結果、「もっと大きい魚を狙いたい」と思ってくるようになるでしょう。となると、リールもそれなりに耐久性のあるものを選択しなければなりません。そのような場合は、4000〜6000番あたりのリールを選択されると良いでしょう。
具体的には、堤防や磯、サーフ(浜辺)などから、青物などの引きの強い魚と闘う時に欲しいリールです。特に青物などは飛距離が大切になってくると同時に、ルアーに掛かると沖に引っ張られるので、余裕を持って糸を巻けるこれくらいの番手は欲しいところです。「ライトショアジギング」や「遠投カゴ釣り」、磯場からの「ショアプラッギング」や「ヒラシーバス」「ヒラマサ」を狙うのに必須のリールと言えます。
▼大きい魚を釣るのに最適なリールの番手
ダイワ | ダイワ(LT) | シマノ |
---|---|---|
3000、3500、4000 | LT4000、LT5000、LT6000 | 4000、C5000、6000 |
釣人の夢を釣りたい:8000番以上
マグロ、ヒラマサ、ブリといった、痛烈な引きを経験できる魚を釣ることを目標とした釣人も多いでしょう。そのような魚を狙うには、毎回バナナ一本くらいの大きいルアーを投げ込んでいくので、それに耐えられるリールである必要があります。初心者には無縁かも知れませんがそんな巨大魚を釣り上げるためだけに開発された番手が8000番以上になります。
▼かなり大きい魚を釣るのに必要なリールの番手
ダイワ | ダイワ(LT) | シマノ |
---|---|---|
6000番以上 | 対応リールなし | 8000番以上 |
この辺りのリールになってくると、番手という要素以外にも、「耐久性」「ギア比」「防水性」「ドラグ性能」といった部分が重要になってきます。その辺を上手く網羅しているリールにはブランド名に「SW」という2文字がついているので参考にすると良いでしょう。
番手は「大は小を兼ねる」とはならない。
「大きい番手のリールを買えば、どんな釣りもできるじゃん!」と思いますが、そういう事ではありません。例えば、軽自動車は小回りがしやすいですが、高速道路ではパワーが出ません。スポーツカーは少しアクセルを踏み込むだけで、あっと言う間に加速しますが、道の狭い住宅街では運転しづらいですよね。リールも同じで、狙う魚によってリールを使い分ける事が、釣果を上げるポイントになってきます。ここでは番手を考慮したリール選びのポイントについて説明していきます。
小さい番手のリールのメリット
小さい番手のリールは繊細な動きが得意です。習字で名前を書く時も小さい筆を使いますよね。小さい魚はパワーが無いので泳ぐのが遅く、警戒心が強いです。そのため、目の前に丁寧に料理が運ばれてこないと食べてくれません。料理を魅力的に見せるために、魚の目の前をゆっくりと一定の速度で巻く事ができるのは、小型リールでしか為せない技です。
大きい番手のリールのメリット
大きい番手のリールはダイナミックな動きが得意です。堤防から100m以上も先にルアーを飛ばし、高速で回収をすることができます。大きい魚はパワーがあって早く泳げるので、いきの良い新鮮な小魚を演出するためにも、このようなリールが必要になります。そして一度ルアーをくわえると、そのパワーを駆使して広大な海に引きづり込もうとしてきます。そんな釣りには、糸を余分に巻いておける大きなリールが必要なのです。
前後1000番くらいはそんなに差が無い
もし3000番か4000番で悩んでいるとしたら、それはどっちでも良いです。3000番で狙える魚は4000番で狙えますしその逆も同様です。ここから先は番手ではなく、他の条件を考慮していく必要があります。例えばリールの重さというのは分かりやすいです。合わせるロッドとの相性が良い方が長時間釣りをしていても疲れにくく無難です。ロッドにリールをセットして、グリップ辺りに重心がくるのがベストバランスとされていますので、相性の良い方をセレクトしましょう。
初心者に無難なリールの番手は2500〜3000番代のリール
軽自動車だったら高速道路も乗れるし、住宅街だってスイスイ運転できますよね。ところが、まだ運転も慣れていないのに最初からフェラーリのようなスポーツカーに乗ってしまっては、事故を起こしてしまいそうです。最初から大きい魚を狙うというのはかなりレベルが高いです。各YouTube等では簡単に釣っているように見えますが、あの一瞬を撮影するためには途方もない苦労をしています。また逆に小さ過ぎるリールを扱うのにも技術が必要です。動きが繊細な分、少しでも変な動きをしてしまうと、魚に気付かれてしまうからです。そこで、これから初めてリールを購入される方は、まずは2500〜3000番代のリールを買って中型の魚を狙う事をオススメします。シマノ・ダイワ(LT)なら「2500〜3000番代」ダイワなら「2000〜2500番代」です。重さも大きさも扱いやすいので、このリールでキャスティング(投げ方)や、リトリーブ(巻き方)の技術を磨き、経験を積んでから大型・小型のリールにチャレンジしていくのが良いでしょう。
リール選びにおける番手は、「参考」レベルでいい
以上、シマノ・ダイワリールの番手を目的別に比較していきました。繰り返しになりますが、リール選びで必要なのは「どんな釣りをしたいか」です。定義が定まっていない番手だけで比較すること自体が難しいので、自分がやりたい釣りは「どれくらい糸が巻けないといけないのか」「重さはどれくらいだと良いのか」といった事も考慮しながら比較していくのが良いでしょう。よくあるのが、自分のやりたい釣りに見合わないリールを購入し、オーバースペックになってしまう事です。高ければ良いという事でも無いので、しっかりと比較をして今の自分に最適なリールを選ぶ事が大切です。
最後にリール選びの順番をまとめます。
- 釣りたい魚・釣法を明確にする
- 適正な番手を選ぶ
- 番手以外の条件を考慮する
- 財布と相談
番手で全てを決めるのではなく、様々な条件も考慮して後悔のしないリール選択をしましょう。リールを選んでいる時は、釣りをしている時と同じくらい楽しいものです。番手以外にもリールを選ぶ基準は色々ありますので、下記の記事も是非参考にしてみて下さい。