【比較】ツインパワーVSセルテート!どちらを選ぶべき?結論、好み次第です
作成:2021.05.12更新:2021.08.20
目次
ツインパワーとセルテートの大きな違い
ツインパワーとセルテートの大きな違いはローターにあります。ツインパワーは少し重いけどガッチリ高剛性のメタルローター(1000系マグネシウム・それ以外はアルミニウム)、セルテートはメタルより剛性は劣るけど圧倒的に軽いZAIONローターです。このローターの特徴の違いが大きな使用感の違いを生み出します。
ローターによってリールはどう変わる?
ローターの剛性や重量は、巻き心地やレスポンス、パワーに直結します。強い負荷が掛かっても変形しづらい高剛性のローターが搭載されているリールはパワーロスが少ないので、巻き上げパワーが非常に強いです。またローターに力が吸収されない分ドラグの滑りがスムーズになります。
ローターが軽ければ、ハンドルを巻き始める際の力が少なくて済みます。つまり巻き出しが軽い、よく「レスポンスが良い」と表現されます。またリトリーブ中に働く慣性が小さいので僅かな巻き抵抗の変化にも気づきやすくなります。よく「巻き感度が良い」と表現される部分ですね。
巻き心地は軽いローターでは軽くてスカスカしたような質感、重量があるローターだとしっとりとしたシルキーな巻き心地になります。また慣性が大きいので巻き続ければ巻き続けるほど楽に巻けるようになります。
メタルローターとZAIONローターの比較表
レスポンス | 巻き心地 | 巻き感度 | パワー | 重量 | |
---|---|---|---|---|---|
メタルローター | △ | シルキー | ◯ | ◎ | △ |
ZAIONローター | ◎ | スカスカ | ◎ | ◯ | ◎ |
※あくまでも理論上での話です。ギア部やその他の構造や要素によって質感は変わります。
ツインパワーとセルテート 性能面での比較
皆さんが1番知りたいのは性能差でしょう。ここでは性能面を分類して1つ1つ解説します。※20ツインパワー3000MHGと19セルテートLT3000を使い比べた結果に基づいてお話します。
防水性能の比較
防水機構はツインパワーはXプロテクト、セルテートはマグシールドです。同条件での比較実験をしたわけではないのではっきりと言い切ることは出来ませんが個人的にはXプロテクトの方が上だと思っています。ラインローラー部に限定していえば、防水性能はレベルが違います。数年に渡り釣具屋でアフター担当をしていましたが、Xプロテクト搭載のリールで内部が潮噛みしていたリールは見たことがありません。Xプロテクト搭載のリールで約15分間水没していたのにも関わらずボディ内部は浸水0だったという実例があります。また私も20ツインパワーを水没させましたが内部は無事でした。※水没した場合は必ず内部まで点検する、もしくはメーカーに送るようにしましょう。優れた防水性能を持つリールでも過信は禁物です。
飛距離の違い
これも恐らくツインパワーが上です。ほぼ同じ長さのロッド、同じ号数のライン、同じワームとジグヘッドで友人と投げ比べしましたが目視で分かるレベルで飛距離が違いました。全く同じロッド・ラインではないことやリーダー巻き込みの有無、投げ手が違う事などから同条件での比較ではないのであくまでも参考程度にお考え下さい。
3000サイズのスプール比較。このストロークの差が飛距離に関係しているかもしれません。
レスポンスの違い
圧倒的にセルテートが上です。レスポンスに関してははっきり言ってレベルが違います。ローターの違いが顕著に表れています。
巻き感度の違い
ツインパワーの方が上です。「え?ローターが軽いほうが巻き感度が良いって言ったじゃん!」と思った方もいるかと思いますが、それはあくまでもローターだけ見ればの話です。セルテートが巻き感度でツインパワーに劣るのはギアの大口径化によるギアパワーの強化が原因です。ギアのパワーが上がり過ぎてしまっているためリグに掛かる負荷の変化が感じ取りにくくなってしまっているのです。
巻き上げパワーの違い
巻き上げパワーは同レベルです。ただしそれは最大値の話で、よほど大物が掛かったり、長時間のファイトにならない限りはセルテートの方がパワーが強いように感じると思います。短時間で決着がつくファイトや、ZAIONローターの限界を超えないレベルの相手なら単純にギアパワーが強いセルテートの方が楽なはずです。ZAIONローターでは変形してしまうレベルの大物や長時間のファイトとなると、メタルローターの「剛性が高くパワーロスが少ない」というメリットが大きく働きます。ただしZAIONローターもかなりの剛性があるので、ZAIONローターではダメな場面はなかなか遭遇しないでしょう。
圧倒的なギアパワーの高さで総合的なパワーを底上げするセルテート、ギアとローターのバランスを最適化しパワーを確保しつつ巻き感度も確保したツインパワーとでも言いましょうか。そんなイメージです。
重量の違い
スペックから分かる通りですが、全番手でセルテートの方が軽いです。2500番サイズではわずか5gの違いですが、4000番サイズになると20g~25gも変わってきます。ロッドとのバランスがあるので必ずしも軽いほうが良いとは言えませんが、同等のバランスでタックルを組める場合であればセルテートで組んだタックルの方が軽量になります。つまり長時間の釣りでも楽に行えます。
メンテナンス性やカスタム性の違い
ほとんどの方には関係ない話だとは思いますがお話しておきます。メンテナンスやカスタムはツインパワーの方が自由に行えます。「ダイワのリールはマグシールドが入っているからメンテナンスが難しい」といったようなレベルの話ではありません。マグシールドが入っていようがいまいが自分でオーバーホールする方はいます。しかしどれだけ技術があっても、たとえプロより上手くてもセルテートのメンテナンスやカスタムには限界があります。なぜならセルテートには部品単体で買えないパーツが15種類以上もあるからです。つまり単品で買えないパーツが傷んでしまったり紛失したりするとメーカーに送るしか方法がなくなるのです。
ツインパワーならギアを交換するだけで、4000XGを4000PGにするようなカスタムも可能なわけですが、セルテートではこういった楽しみ方は出来ないのです。僕がダイワのリールを買い渋るのはこれが原因だったりします...
ツインパワーは半プラだからショボい?
ツインパワーはアルミニウムとCI4+のハイブリッドボディ(よく半プラと言われる)です。ツインパワーが発表された時にはこの件についてインターネット上で大論争が巻き起こりました。ボディ半分がCI4+になったことでパワーが下がる、メタルローターの剛性とバランスが合わない、高級感がないなど批判の嵐でした。
しかし実際に使ってみると半プラだからパワーが下がったという事はなく、フルアルミボディの15ツインパワーや17ツインパワーXDと比べてみても格段にパワーは上がっています。ただしフルアルミボディ特有のカッチリした精度の高い巻き感はなくなっています。質感よりも性能を重視したのでしょう。
セルテートVSツインパワー 結局どっちを買うべきなの?
期待外れな答えだと思いますが好み次第としか言いようがありません。レスポンスや軽快さ重視ならセルテート、しっとりした巻き心地や巻き感度重視ならツインパワーを選ぶと良いでしょう。
ツインパワーとセルテートは比べる意味がない。比べるならセルテートとツインパワーXD
ここまででツインパワーとセルテートは全く違う特徴を持ったリールだという事は分かって頂けたと思います。全く違った特徴を持つリールなので比べても仕方ありません。どちらを選ぶかどうかは好み次第です。現状、ツインパワーと比べられるリールはダイワにはありません。セルテートと比べるなら、似た特徴を持つツインパワーXDになるでしょう。
自分にとって最高のリールを選ぼう!
ツインパワーもセルテートも良いリールであることに間違いはありません。自分のスタイルや好みをしっかりと把握し、リールの特徴を理解したうえで自分に合うリールを選んでいただければと思います。この記事がその手助けになれば幸いです。