BGは2016年にダイワのSWリールの最下層としてリリースされました。実売で1万円強という安さが魅力です。安価であることで、誰でもSWモデルのリールに手を伸ばしやすくなりましたが、ダイワリールの象徴とも言えるマグシールドが非搭載であり、それ以外を見ても必要最低限の性能が備わっているとは言い難いです。ボディは剛性の高いスーパーメタルボディでありながら、ローター剛性が低いことで、ボディの強さが活きません。巻き上げパワーは高いとは言い難く、重いジグを動かし続けるジギングでのアクション時や中型以上の青物が掛かったときのアングラーへの負担は非常に大きいでしょう。しかし同じ価格帯の汎用リールよりも耐久性は間違いなく高いので、とにかく耐久性重視かつ極力安く済ませたい方にはおすすめです。BGはショアジギングやオフショアでの青物ゲーム、海上釣り堀などに使える初心者向けのリールです。
BGの
スペック
SPEC
- 16BG
品番 | 番手 | ギア 比 | 最大ドラグ ・耐力 | 自重 | B/R | ハンドル 長 | 糸巻量 | ナイロン 糸巻量(lb) | PE 糸巻量(号) | 価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
3500 | 3500 | 4.9 | 8kg | 400g | 6/1 | 65mm | 83cm | - | 2-300 / 3-200 | ¥ 9,850 |
3500H | 3500 | 5.7 | 8kg | 400g | 6/1 | 65mm | 97cm | - | 2-300 / 3-200 | ¥ 13,620 |
4000 | 4000 | 4.9 | 8kg | 405g | 6/1 | 65mm | 87cm | - | 2.5-300 / 3-250 | ¥ 10,154 |
4000H | 4000 | 5.7 | 8kg | 405g | 6/1 | 65mm | 101cm | - | 2.5-300 / 3-250 | ¥ 10,742 |
4500 | 4500 | 4.9 | 10kg | 610g | 6/1 | 75mm | 94cm | - | 3-400 / 4-300 | ¥ 13,646 |
4500H | 4500 | 5.7 | 10kg | 610g | 6/1 | 75mm | 109cm | - | 3-400 / 4-300 | ¥ 13,565 |
5000H | 5000 | 5.7 | 10kg | 625g | 6/1 | 75mm | 120cm | - | 4-400 / 5-300 | ¥ 15,679 |
基本情報
- ボディ
- アルミ素材
- ローター
- DS4素材
- スプール
- アルミ素材
- ハンドル
-
- アルミマシンカット素材
- 折りたたみ式取付
- パワーノブ
- ベールリターン
- オート
搭載機能・機構
- デジギアⅡ
- エアローター
- ABSⅡ
- ATDタフ
デジギアⅡ
デジギアⅡは、デジギアの発表から20年近い歳月を経て登場した、旧デジギアの進化版です。デジギアⅡでは、構造解析の精度が格段に上がっています。コンピュータの進化による演算回数の増大と、そこから弾き出された計算結果を寸分違わず形にする加工技術(加工機)の進化により、デジギアでは実現できなかった、よりなめらかな巻き心地を可能にした技術です。現代のモノづくりにおいて必須の、CAE(Computer Aid...ed Enginering:コンピュータ支援による製品や工程の事前検討)、FMEA(Failure Mode and Effect Analysis:潜在的故障モードとその影響の分析)による設計及び生産工程構築手法などの進化の賜物といえます。
エアローター
ローターの形状を変える事で、操作性の高いリーリングが可能となりました。ローターはリールの巻き心地とアクションに関わる非常に重要なパーツであり、ここの技術革新は、リール性能を飛躍的に伸ばす事に繋がります。従来は防水の観点からローターの形状は変えられないとされてきました。しかしダイワの防水技術「マグシールド」が開発された事によって、ローターの形を変える事ができるようになりました。ローターの外観を、滑ら...かな曲線を描くアーチ型に設計する事で、回転時の負荷が分散・軽量化され、「軽やかな巻き心地」「巻き始めの速さ」を実現する事ができるようになりました。殆どの釣りにおいてはリールの俊敏さが求められるため、この技術革新は大きな前進と言えます。
ABSⅡ
スプール形状を変える事で、ライントラブルを最小限に抑えた技術です。従来のスプールは、先端に近づくにつれて直径を細くする事で、飛距離を伸ばしやすくする工夫がなされていました。しかしこの形状では、ライン放出時に周りの糸も巻き込んでしまう、バックラッシュというライントラブルが度々発生します。これは、リーリング時の巻き取りが緩いという原因もありますが、比較的軽いルアーなどを使う場合は、どうしても巻き取りが...緩くなってしまうという事実もあります。そこで、逆に先端に近づくにつれてスプールの直径を太くする事(「逆テーパー」と呼びます)で、周りの糸が巻き込まれにくくなり、このバックラッシュを大幅に軽減することができるようになりました。また、スプールの直径を全体的に広げる事で「糸クセ」を軽減し、ラインとスプールの接触部(スプールエッジ)の形状も滑らかに加工する事で、飛距離という課題もクリアしています。
ATDタフ
ドラグに掛かる力を自動調整をしてくれる技術です。従来のドラグシステムでは、予期せぬ大物などが掛かると、ドラグが緩過ぎてしまい上手く合わせらなかったり、逆に強く締めすぎるとラインが切れてしまうため、常にドラグを調整しながら戦わなければなりませんでした。このATDという機能は、自分で調整したドラグ値を大幅に上回る負荷が発生した際、自動的にドラグをキツく締めてくれるものです(自動車のシートベルトと似てい...ます)。これによりフッキングの際のバラし率を軽減するだけでなく、格闘中の細かいドラグ調整が不要となりました。また、青物やシイラのような強烈な引きを見せる魚においては、ドラグの耐久性が求められます。この「ATD(タフ)」はカーボンワッシャーを採用する事で、耐久性・耐熱性を強化し、大型の魚とも安心して戦う事ができます。
BGのライバル
比較対象モデル
RIVAL
スフェロス SW

シマノのSWリールの最下層に位置するリールです。最下層に位置する非常に安価なリールですが、Xシップ・Xプロテクト・Xシールド・ねじ込みハンドルなど、必要最低限のテクノロジーは搭載されています。この価格帯でありながらボディはアルミニウムが使用されたHAGANEボディと樹脂のハイブリッド。アルミニウムが使用されていることにより大幅に剛性が高まっています。あらゆる面でBGを上回るため、手が届くならスフェロスSWを選ぶべきでしょう。
ヴァデル

BGの1ランク上に当たるリールです。安価でありながらボディにはアルミニウム製のスーパーメタルボディが採用されています。しかしローターが剛性の低いDS4製のエアローターであることからボディの剛性が活きていません。高負荷が掛かるとたわむため巻き上げパワーが低く、アングラーに相当の負担が掛かります。パワーや耐久性が求められるシチュエーションで選ぶこと自体おすすめしませんがBGよりは使いやすいでしょう。
ストラディック SW

Xシールド・Xプロテクト・HAGANEギア・HAGANEボディなどのシマノのSWリールを代表するテクノロジーは完備、さらにギアのガタツキを軽減するサイレントドライブ、そしてステラSWにしか搭載されていなかったインフィニティドライブまでが搭載された超ハイコストパフォーマンスなリールです。価格差が大きいので当然ですが、あらゆる状況下でBGより遥かに頼りになるでしょう。