オフショア向けエントリーモデルのダークフォース!!ペン バトルⅡ6000のインプレッションをご紹介
バトルⅡ6000の特徴
バトルⅡシリーズを始め、ペンのリールは価格以上の剛性、ドラグ性能があることで広く知られていますが、中でもこのバトルⅡ6000はラインキャパシティがPE4号:320mがある為、オフショア向けの青物ジギングなどに広く活躍します。引きが強烈な青物に対してフルメタルボディによる安心感から強引なファイトが展開でき、また荒磯でのショアジギングなどの非常に過酷な環境でもガンガン気にせず使用できるコスパの高いリールです。また表記にはありませんが、ギア比5.6となり一巻き当たりの巻き取り量:104㎝である為、国内メーカーの同サイズと比較すればハイギアタイプのモデルに該当し、キャスティング、ジギングオールマイティに使用できる汎用性の高さも特徴です。
価格に見合わない剛性
ペンのリールと言えば真っ先に思い浮かぶのは高い剛性ではないでしょうか。バトルⅡシリーズも他機種と同じフルメタルボディを搭載し、剛性の高さが売りになっています。国内メーカーのオフショアエントリーモデルと比較すると巻き心地などは確かに劣る部分もあるのですが、それを差し引いても有り余る剛性がペンのリールにはあるので、長く人気がある理由の一つです。
ドラグ性能の高さ
高い剛性と合わせてペンのリールの評価が落ちない理由のもう一つとして高いドラグ性能が挙げられます。特にこのバトルⅡ6000サイズでは、青物等の走る魚をターゲットにすることが多い中で、ドラグ性能は絶対的に必要になります。まずドラグの作動性ですが、国内メーカーの同価格帯のリールと比較すると明らかに滑らかです。一部の釣り人の間ではステラSW並みなのでは...と言われる程でこの価格帯でこのドラグ性能は非常に良好で、また独自のHT-100ドラグワッシャーの採用により走られ続ける環境でのドラグ値の低下も少なく非常に高性能です。
構造がシンプルそのもの
バトルⅡシリーズに限らず、ペンのリールは部品点数が少なく部品交換やオーバーホールが非常にし易いのも特徴の一つです、特に日本の釣り人は、メンテナンス好きの方が多く、ご自身でパーツ交換、クリーニング、オイル・グリズアップを行う方も多いですが、そうでない方でも簡単にご自身で実施することが出来ます。この点が強い剛性と耐久性を生み出している理由の一つなのではないでしょうか。まだご自身でリールメンテナンスを実施したことが無い方のメンテナンスを覚えていく最初の一台としても非常にオススメです。
パーツが安い
オフショア、特に遠征を行う方は経験があると思いますが各用途に応じたタックル持ち込み数にも限界がある為、ライントラブルで釣りが中断してしまうことは非常に大きなタイムロスとなり、場合によってはそのタックルはその日使用できなくなることもあります。また揺れる船の上でのシステムの組み直しは、人によっては船酔いしてしまい容易ではありません。そんな状況を防ぐ為、替えスプールなどを持参することが望ましいのですが、バトルⅡシリーズを始め、ペンのリールは国内品と比較し、比較的安価で手軽に予備を用意し易いです。
国内リール他機種との比較
価格
国内リールと違い、輸入方法により価格にばらつきがある様ですが、実売価格:1万円台後半~2万円台中盤が大体の相場ではないでしょうか。ダイワであればブラストLTとヴァデルの中間、シマノであればストラディックSWとスフェロスSWの中間に位置する価格帯です。この価格帯はオフショアでの釣りに関して言えば、エントリーモデルに位置しており初心者の方にもオススメできます。
使用感
バトルⅡシリーズはオフショアでの釣りに必要な耐久性や剛性、ドラグ性能に偏っている為、通常ルアーを操作する様な使用感はハッキリ言うと良くないです。特に国内リールを使用した直後に比べると違いが非常に明確にわかります。この点は、日本のリールの完成度の高さを非常に強く感じる点で、バトルⅡは良くも悪くも大雑把なリールだと感じます。しかしこれも慣れてしまえば繊細ではないオフショアでの釣りでは問題のない範囲です。
重量
上位機種のスラマーⅢの様に剛性に優れながらも非常に重いリールのイメージがあるペンのリールですが、国内メーカー品の同サイズのリールとカタログ上の数値は意外にもそこまでの差がありません。バトルⅡ6000のリール自重ですが、626gとシマノ ストラディックSW8000HG:645g、ダイワ ブラスト4500H:620gと比較しても、差が無いことがわかると思います。この点に関しては、操作性や一日の疲労感も少なく済み剛性と合わせてストロングポイントと言えます。
気になる点
巻き心地が重い
巻き心地にのみ関して言えばバトルⅡ6000はシマノ、ダイワの2社のエントリーモデルのリールと比較しても明確に劣ります。剛性と耐久性にベクトルを振った為か、巻き心地に関しては重く、ゴロツキを感じました。これについては好み分かれると思いますが、巻き心地なんて気にしない!と言う方には最強のエントリーモデルのリールとなりますが、国内リールに慣れてしまっている方にとっては中々抵抗があるかもしれません。
部品交換が不便
先程もご紹介しましたが、バトルⅡを始めペンのリールは自分でメンテナンスを容易にできることが強みですが、ギアやワッシャー等の構成部品の取り寄せが国内メーカー品と異なり容易ではなく、国内代理店に在庫が無い場合、アメリカへの発注となり部品到着に時間が掛かってしまうこともある様です。人によってはワッシャーの類似サイズのワッシャー等を自分で加工して使用する方もいる様なので、この点はデメリットと言えると思います。
オススメの釣り
ショアジギング
バトルⅡ6000は基本的にオフショアシーンでのイメージが強いですが、個人的には地磯などのハードなショアジギングに最もマッチするのではないかと感じています。その理由としては、フルメタルボディによる外からの衝撃の強さが必要だからです。過去、他のリールで南伊豆の地磯で滑ってしまいリールを地面に軽く触っただけで、樹脂製のローターが折れ、その日の釣りが強制終了することがありました。近年の樹脂制ローターは非常に強く、魚の引きへの耐久性は充分ですが、それでも外からの衝撃にはメタル材質と比較すると勝てないことがあります。釣り人が注意を怠らないのが一番ですが、それでも足場の悪い地磯などでは、そうした事が起こってしまうこともありますので、この点はバトルⅡシリーズのメリットです。
オフショアジギング、キャスティングゲーム
PE4号:300m巻けるラインキャパシティ、高いドラグ性能、剛性を総合的に見るとオフショアでの青物ジギング、キャスティングにピッタリの一台だと思います。特にワラサやブリ、ヒラマサ、カンパチなどのリールの剛性やパワーが重要になってくるターゲットにはバトルⅡのメリットが非常に良く生きてくると思います。またドラグのレスポンスが良い為、細糸でも心配なくファイトできる安心感もあります。
バトルⅡ6000の総評
ここまでバトルⅡ6000のご紹介をしてきましたが、結論から言うと個人的には同価格帯オフショアリールの中では最も高性能だと思います。特にドラグ性能と剛性はズバ抜けている為、ジギングなどの常にリールに負荷が掛かる釣りには打って付けではないでしょうか。もちろんその分、巻き心地が悪いと言うデメリットもありますが慣れてしまえば問題ないので、巻き心地に目を瞑れる方にとってはコスパ最強のリールです。使用感と剛性を両方求めるならばツインパワーSWやキャタリナ(セルテートSW)クラスのリールをオススメしますが、その分価格も2倍以上ですので、セカンドリールとしても選択肢に入れることは有りではないでしょうか。