ロッドのガイドの寿命を見極めよう!ガイドのぐらつきや曲がりは要注意

作成:2021.06.23更新:2021.09.29

川辺にて岩に沖竿をしてロッドの付け根から先端に向かって撮影

ロッドのガイドには寿命がある

この記事にたどり着いたということは大切なロッドのガイドが故障、またはガイドがぐらついていたり曲がったりでお悩みの方でしょう。そんなアングラーの方のためにガイド修理や交換するのがベストなのか?なぜガイドが故障するのか?故障防ぐ方法はないのか?解りやすくご説明したいと思います。その前に【ロッドガイド】について知っておきましょう。

ガイドはラインを通すだけではない?

ロッドは釣りで一番必須のアイテムです。アングラーのみなさんはいつも何気なく使っているロッドですが意外とガイドの構造を知らない方が多いと思います。ロッド自体の素材がグラスからカーボンになり強度が上がっているから曲がっても折れないと考えがちです。しかし、ラインを引く力(魚側)から見ると力のかかる順番は【フック】⇒【リーダー】⇒【結束部分】⇒【ライン】⇒【ガイド】⇒【ロッド】⇒【リール】⇒【ハンドル】⇒【アングラー】です。ラインから一番最初に力が加わる場所はロッド本体ではなく【ガイド】という事です。では力のかかり方を図解でご説明します。

ロッドとガイドの力のかかり方の違い

ロッドとガイドの力のかかり方の違い

ラインを強く引っ張るとロッドがしなりますが、実は最初にガイドに力が加わってます。矢印の部分です。そしてロッドに伝わります。ガイドは点でラインの力を受けますがロッドはガイドを中心にロッド全体で受けとめていますので力が分散するわけです。

ガイドからロッドへの力の伝わり方(力の分散)

ガイドからロッドへの力の伝わり方(力の分散)を解説したイラスト

一つのガイドを例に力の伝わり方を見ます。①最初にガイド⇒②ガイドとロッドの接続部⇒③ロッドと伝わります。これがロッドについているガイドの個数だけロッドに分散して伝わります。ラインはガイドと直線で接していますがロッド全体のしなる曲線で力を分散しているというわけです。このようにガイドは大切な役割をしていることは意外と知らないアングラーも多いかもしれません。

そもそもガイドとは?

ガイド(guide)と聞いてピンとくるのはバスガイドとかガイドブックでしょうか。『案内』とか『道標』という意味です。これをアングラー流に考えるとラインを通す『道標』ということでしょう。しかしガイドの意味はもう一つあります。『手引き』です。『手引き』は人の手を引いて、助けたり導いたりすることです。これが『ガイド』本来の役目なんです。釣りにおける『ガイド』はラインの道標となり魚をアングラーに導いてくれる大切な役割なんです。

ガイドはどんな構造になっているのか

ガイドの構造を詳しく解説したイラスト

ガイドの役割は分かりますがその構造は意外と知らないものです。特に最近のガイド自体はPEラインの出現でKガイドなど形状が変わっていますがロッドとガイド接続の方法は基本的に昔から変わっていません。簡単に言うとガイドとロッドは糸で縛られているだけなんです。そんなガイド接続部分は見た目はシンプルですが非常に繊細な作り方がされています。なんとこの令和の時代でも職人が手作業で取り付けています。フィッシングロッドが高い理由の一つですね。

構造はガイド(金具)をラッピングスレッド(糸)でロッドに固定されています。ガイド本体には接着剤は使われません、理由はガイド金具とロッドに接着していると万が一ガイド金具が取れた時にロッドの表面を剥ぎ取りロッドが折れてしまうからです。ですのでガイドに力が掛かった時にラッピングスレッド(糸)に力が掛かるように接続されています。ガイドを固定したラッピングスレッド(糸)は剥き出しではラインが絡みますのでエポキシ樹脂を何層にも塗り時間をかけて丁寧に綺麗に仕上げて完成となります。これがガイドの構造です。

進化するガイド

ロッドを購入する時にロッドのしなりや硬さ、軽さに目が行きがちですね。ところが良いロッドはガイドが違います。ガイドの素材や形状で軽さにも直結します。皆さんのガイドよく見たことありますか?そこでガイドといえば日本はおろか、世界トップシェアの富士工業『Fujiガイド』を参考に形状での違いを比較してみます。

ガイドフレームの素材・材質

昔はワイヤー(針金)のガイドが主流でしたが最近は様々な素材のガイドフレームが開発されておりより軽くより強くなっています。

  • ステンレスフレーム:一般汎用的なエントリークラスのロッドに採用されています。
  • チタンフレーム:ステンレスの数倍の剛健さと軽さを実現しフラッグシップモデルのロッドなどに採用されている
  • カーボンフレーム:ビッグフィッシュとのゲームをするためのロッドやハイクラス、ハイエンドクラスのロッドに採用されており、近年で最も軽く最も強いロッドガイド素材です。

ガイドフレーム形状の種類

現在ほとんどの主要ロッドがこのガイドを使用していると思います。大きく分けて4種類あります。写真はスピニングリール用ロッドのガイドです。ベイトロッドも基本系は同じですがリールからラインの出る位置が低い(ロッド側)為、フレームが短いガイドになります。

KLガイド

KLガイド

2本のフレームが丸く外側に開いたタイプ。キャスト時にガイドにラインが絡まないフレーム設計。長距離キャスト、重量ルアー向け

KL-L,M,Hガイド

KL-L,M,Hガイド

2本のフレームが少し外側に開いた細身タイプ。キャスト時にガイドにラインが絡まないフレーム設計。キャスト時の空気抵抗が受けずらい。軽量ルアー向け

ATガイド

ATタイプのロッドガイド

フレームが1本のガイドで軽量タイプ。エリアフィッシングやアジングなどのライトフィッシング向け

KWガイド

KWタイプのロッドガイド

キャスト時にガイドにラインがより絡まないダブルフットフレーム設計。太糸、大型リール、重量ルアー向け

ガイドリングの種類

ガイドの形状にこだわるアングラーは多いと思いますが、ガイドリングまでこだわるアングラーは少ないと思います。リングはガイドが直接ラインと擦れる部品なのでとても重要でこのリングも壊れやすい部品です。主に3種類あります。

TORZITE(トルザイト)リング

富士工業が新開発したセラミック製・硬度、比重、熱伝導、強度の性能が高く高価なロッド用ガイドに使用されている

O(オー)リング

画期的なリングとして一世を風靡し現存するロッドで一番多く使用されているアルミナ製のリング

SiC(エスアイシー)リング

シリコンカーバイト製リング。TORZITE製には劣りますが、最新のロッドに多く使用されており主流となっている。

ガイドは一番壊れやすい

ガイドは進化していますが役割は変わっていません。いかにロッド本体を傷つけないで守るか?です。そして何キロもの大物が掛かってもロッドは折れずにラインから伝わる魚のパワーを耐えて支えているか?ご理解いただけたと思います。これだけ酷使されるガイドはロッドの部品の中で一番壊れやすく消耗するため寿命があります。そんなガイドの寿命を見極める症状をご紹介します。こんな経験最近多くありませんか?

ガイド寿命を知る症状とは?

軽微な症状から重度な状態までをご説明します。修理や交換の目安にしてください。

注意レベル

以下のレベル1~2の症状がでた場合、原因がガイドにあると感じずらいのでよく確認してみましょう。

  • レベル1:ルアーをキャストした際に飛距離が出なくなった。真っ直ぐ飛ばなくなった。
  • レベル2:ラインの消耗が早くなった。PEラインの毛羽立ちやナイロン、フロロラインの傷やヨレなど。

要注意レベル

レベル3~6の症状では釣りをしていて気が付くレベルですが、まだ大丈夫と考えるアングラーも多いです。最悪ロッドが折れる可能性もありますので修理を検討しましょう。

  • レベル3:キャスト時にラインが切れたりラインがガイドに絡みやすくなった。
  • レベル4:ガイドがグラついている。
  • レベル6:ガイドリングが割れている、ガイドの根元にヒビがある。

危険レベル

ガイドが1つ取れただけ、ガイドリングが1つ取れただけで他のガイドは大丈夫なので支障がないと使っているとかなりの確率でロッドが折れますので至急修理かガイド交換しましょう。

  • レベル7:ガイドが割れたり折れたりした。ガイドリングが取れたり割れた。

ガイドの寿命を延ばし長持ちさせるには?

ガイドは故障しやすいのですが少し気を付けるだけで長持ちできます。

ロッドを地面に置かない

特に堤防などの硬い場所。サーフなどの砂も危険です。ガイドに砂が付き擦れてガイドやリングに傷がつきます。ロッドをまたぐことは絶対にやめましょう、自分のロッドはもちろんですが他人のロッドを間違って踏んだり蹴ったりするだけで見た目は大丈夫でも釣行するたびにガイドが劣化していきます。

ラインとリーダーは丁寧に結束する

様々な結束の仕方がありますが結ぶ際に丁寧に結束しなければコブが大きくなりガイドに当たりやすくなり傷が付きやすくなります。

ルアーをガイドトップまで巻かない

移動する時にラインを巻いてロッドのトップガイドにスイベルやルアーをガッチリ巻いて移動しているアングラーを良く見かけます。トップガイドとリングを傷つけます。ルアーはロッドにフックキーパーを付けるなど直接ガイドに当たらないようにしましょう。

ルアーのフックをガイドに引っ掛けない

こちらもよく見かけます。フックは特に鋭利ですのでガイドリングはもちろんガイドフレームにも引っ掛けてはいけません。やはりフックキーパーを利用しましょう。

ロッドケースを使用する

車の床にロッドをそのまま置いている人を良く見かけます。車の床にはマットがあるから大丈夫というアングラーも多いでしょう。ロッドを床においていると運転中に何かがロッドに落ちたり荷物で押されたりする可能性があります。必ずロッドケースに入れましょう。

ロッドベルト(バンド)を使用する

ロッドケースに入れている場合でもロッドを数セット入れる場合が多いと思います。ロッドケースに入れる場合はロッドごとにベルトやバンドでロッド同士がぶつからないように固定しましょう。ベルトはネオプレンなどの柔らかい素材のものを使用しましょう。

釣行後必ず水洗いする

釣りから帰ったらリールを洗う人は多いと思いますがロッドも必ず洗いましょう。特にガイド部分とリールシールの部分は砂や土、海藻や塩などが付着している可能性があります。水で洗い流してセーム皮などでふき取りましょう。

ロッドスタンドにロッドを飾る

WOODWORKSのロッドスタンドの全体写真

ご自宅のロッドはどこに置いていますか?箱に入れてしまっているなんてアングラーはほとんどいないと思います。部屋に立てかけて置いてる場合や壁にフックに引っ掛けて飾っているアングラーも多いと思います。どちらもロッドとガイドが何かに触れていると思います。カッコよく収納し大切なロッドを守るためにもロッドスタンドにロッドを保管しましょう。

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釣行前、ラインを通す前に必ずガイドをチェックして安心安全に釣りを楽しみましょう。

ガイドの寿命を見極めて修理交換しフルキャストしよう!

ロッドのガイドがいかに大切で重要なのか?お解りいただけたと思います。キャストや魚とのファイトで酷使したり、ご自分の不注意で故障で交換する場合や、ガイド自体が旧式になりお気に入りのロッドを最新のガイドにアップデートする場合も交換するタイミングになります。別の記事でガイドを交換する際の費用とその方法をわかりやすく解説しています。是非ご参考にしてください。

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釣りは一生できる趣味!
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 ネイティブトラウト全般(ソルト・ナチュラル)、アイナメ、ソイ、メバル、ルアー全般(ショア・ナチュラル)、ロックフィッシュ、エギング、北海道全域:湖(支笏湖、屈斜路湖など)・河川(尻別川、千歳川など)・ダム湖・サーフ・磯


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