釣りをする際に、あると便利なツールや意外な便利グッズをご紹介!
作成:2021.08.11更新:2022.01.06
目次
釣りをする際に、これがなければ釣りは出来ないという必須アイテムを除き、あると便利なツールや、本来は釣りのためのものではないけれど、釣りのシーンにあると便利なグッズというものを紹介して行きます。釣具店に行けば、アングラーの利便性を高める様々なツールやグッズが売っていますが、そのうち結構な数のグッズは、「買ってはみたものの、結局使わなかった...」というものもたくさんあるでしょう。
ここでは、ショアからの釣りに際して、実際に現場で使って便利だったなぁと、私が感じたものを中心に紹介して行きます。なお、現地入りの手段が、自家用車使用なのか、公共交通機関を利用するのか、バイクや自転車、徒歩で行けるのかによって、携行できる荷物の量が異なりますが、ここでは、効率的に荷物の量を吟味しなければならない、公共交通機関を利用して現地入りする前提で、なるべくコンパクトに携行できるものを中心に説明して行きます。
釣具店で売っている、便利なツール
まずは、釣具店で販売されているもので、必須とまでは言わないけれど、あると便利なものを紹介して行きます。
マルチファンクションツール
マルチファンクションツールと言えば、スイス・VICTRINOX(ビクトリノックス)社のアウトドア用マルチツールが世界的に有名ですが、ナイフ、ノコギリ、缶切り、ドライバー、アーレンキー(六角レンチ)ワインオープナー、ハサミ、ヤスリなど、様々な機能を果たすツールを一つのホルダーにコンパクトにまとめたもので、アウトドアアクティビティを楽しむ人たちに古くから親しまれているものがマルチツールです。
釣具店で手に入るマルチファンクションツールとしては、スプリットリングオープナー、PEラインカッター、フックシャープナー、プラスドライバー、マイナスドライバー、六角スパナ、六角レンチ、カーブニードル、ルアーアイチューナーといった機能がコンパクトにまとまった、アブガルシア・マルチツールプライヤーというものがあります。
これひとつで、多くのスピニングリール、ベイトリールの分解ができます。フローティングベストのポケットにすっぽり収まるコンパクトなツールで、価格もリーズナブルで、大変重宝しています。私はこれひとつで、仕掛け作りから様々なライントラブルまで対応しています。
マルチツールを購入するにあたっての注意点は、決して「メーカー名が分からない1,000円以下の安物」は買わないことです。金属の剛性がなく、使用に耐えないものや錆びやすいもの、各ツールを束ねて止めるリベットの強度が足りず、固定トルクがすぐに緩くなってしまい、ツールとして使い物にならないものが多いです。安物はほぼ100%、「安物買いの銭失い」になりますので注意が必要です。
ピンオンリール
ピンオンリールは、それ単体で使うものではありませんが、なくしたくないものをピンオンリールにつけて、フローティングベストなどに固定するための道具です。例えば、ラインカッターなどの小物類や、カギ類など、落下させたくないもので、常に手元に置いておきたいツールを取り付けておきます。テトラ帯での穴釣りをする場合、或いはウエーディングで釣りをする場合など、落としてしまったら回収が難しい場所で釣りをする場合は、大事なものは必ずピンオンリールに取り付けて、リールを体に取り付けましょう。
ピンオンリールには「耐荷重」がありますので、耐荷重を超える重量のものは取り付けないように注意しましょう。正しくピンオンリールにつながれた小物類は、使う時にリールから引っ張り出し、使ったら手を離せばコードがリールに巻かれ、元の位置に戻ります。ピンオンリールも「安かろう悪かろう」の傾向が大変強いため、100円ショップなどで入手できるようなものは、リールの故障、コードの断線、水濡れ耐性がないなど、避けた方が賢明です。釣具店でしかるべきものを求めた方が良いでしょう。
UVライト
エギングやジギングの時に、UV(紫外線)に反応する塗料がエギやルアーに塗装されている場合は、UVライトを数秒照射してからキャストすると、着水後水中で強く発光し、イカや魚へのアピール効果が簡単に高まります。また、投げ釣りやフカセ釣りの場合でも、ハリスや針のチモトにUVに反応する発光玉をつけるケースがあります。そういう発光玉にも数秒照射すれば、簡単・確実に集魚効果がアップします。
UVライトはブラックライトとも呼ばれ、釣具店で千円台前半程度で手に入りますので、ひとつ持っていると良いでしょう。釣具店で手に入らなくても、ホームセンターや家電量販店でも手に入ります。乾電池式で防滴性のあるものを選びましょう。紫外線は直視すると目に悪影響を及ぼしますので、決して光源を覗き込んではいけません。
小型ナイフ
ショアからの釣りでは、意外と小型ナイフを使う場面は多いです。釣った魚を締めるケースはもちろん、それよりも多いケースとしては、仕掛けに複雑に絡まってしまった大きな海草類や漂流ゴミなど、ラインを切るための小型のハサミではどうしようもない時に、ナイフで一気に切り捨てるという場面があります。それ以外でも、特に川釣りの際など、水際に出るために藪の中を抜けなければならないときに、小枝や植物の蔓などを切りながら歩いたりと、小型ナイフを使うシーンは多く、1本持っていると様々な「困った」を解決できます。
刃渡り6cm以上のものは銃刀法の規制に抵触します。正当な理由なく所持することは禁じられていますが、釣りなどの「レジャー」目的での所持は正当な理由と認められています。ただし、刃面を露出させないことが条件です。すぐに使える状態での所持は罰せられます。そのため必ず、シースと呼ばれる鞘に収納した状態か、フォールディングナイフであれば、折りたたんでロックを掛けた状態で携帯しなければなりません。また、刃渡りが6cm未満でも、バタフライナイフや飛び出しナイフなど、所持しているだけで銃刀法に抵触するものもありますので注意が必要です。
貝剥き
貝を剥くための道具ですが、餌釣りをしていて、残念ながら餌を切らしてしまった際に、岩などに着生しているイガイ(カラス貝)を剥がして剥いて餌にしたり、潰して撒き餌にしたりするときに重宝する道具です。イガイ以外にも、ヨメガカサ、マツカサガイなどを岩から剥がし、急場を凌ぐ餌を確保します。これらの貝類は万能餌として使えます。18-8ステンレス(一般的にはSUS304ステンレスと言われる、クロム18%、ニッケル8%、鉄74%で構成されるステンレス材)製のものが錆びにくく、硬く万能です。
コンパクトメジャー
メジャーは必須か否かと言えば、必ずしも必須ではありませんが、写真に撮って記録する場合は必須でしょうか? 写真と一緒に写り込ませるのであれば、幅10cm~15cm程度のターポリン製の大型折り畳み式フィッシングスケールを使うことが多いでしょうが、写真撮影との相性を問わないのであれば、よりコンパクトに持ち運びができる、キーホルダーサイズの超コンパクトメジャーをおすすめします。
条件は、すべて樹脂パーツで構成されていることと、ノッチ式のストッパーが付いていることです。ストッパーが付いていないものは、引き出した状態で止めることができませんので、例えば一緒に写真を撮影する場合、スケールを写すことができません。スケールは1mもあれば問題ありません。釣り上げた魚のサイズを測るだけでなく、仕掛けづくりの際にラインやハリスの長さを測ったり、そこそこ使用のシーンは多いです。
釣具店以外で入手できる便利グッズ
釣り用として製造されたものではなくとも、釣りに使うと非常に便利なものはたくさんあります。そうしたものの中で、簡単に入手でき、便利なものを紹介します。
薄手のゴムシート
ホームセンターなどで手に入る、薄手のゴムシートを、リールやロッド、ルアーの傷つき防止に使えます。厚み1.5mm~2mm程度で、幅15cm×長さ1mほど駆っておき、任意のサイズに切って使います。陸っぱりでは、ロッドホルダー付きのクーラーボックスや三脚を使いたいところではありますが、なかなか荷物になりますので、ロッドを地面に直置きしなければならない場面が多くなります。
そんな時に、15cm角程度に切ったゴムシートをリールの下に敷く、または、コンクリート製の岸壁にロッドを立てかけるような場合は、コンクリートの壁の角にゴムシートを置き、そこにロッドを立てかける、その他、交換したルアーをゴムシートの上に置き、傷つきを防止させながら乾燥させるなど、用途は無限にあります。
ゴムの材質は、耐候性の高いEPDM(エチレン・プロピレン・ジエン・メチレン)ゴム製の無発泡タイプのシート(発泡タイプは軽すぎて風で飛ばされます)をおすすめします。ホームセンターで売っている、屋外使用可能の無発泡のゴムシートはほとんどがEPDM材ですのであまり気にする必要はないかも知れません。
カラビナ
カラビナも、ホームセンターでいくらでも手に入ります。大きなものから小さなものまで、いくつか用意しておくと大変便利です。特に現場が濡れているとき、リュックなどを置きたくない場合は、大きめで耐荷重の高いカラビナをひとつ、リュックに取り付け、フェンスや金網などの構造物にリュックを掛ける、フローティングベストやズボンのベルト通しの部分などにカラビナをつけておき、使用頻度の高いツールを取り付けたり、タオルを掛けたり、カラビナはいくつあっても困らないほど便利なツールです。カラビナの強度は価格に正しく比例します。必ず「耐荷重」が表示されているものを求めましょう。くれぐれも安価な粗悪品は買わないように気をつけましょう。
瞬間接着剤
釣り場では予期せぬトラブルが起こりがちです。中でも多いのがロッドの破損でしょう。ロッドが折れてしまった際、ほぼ現地で修理は不可能ですが、唯一、ソリッドティップの先端部が折れた時だけは一縷の望みがあります。それには、予備のトップガイドを持っていることが条件ですが、折れてしまったティップ先端は、縦に裂けていることがありますが、裂けている部分は爪切りや切れ味の良いハサミで切り落とし、予備のトップガイドをかぶせることができるかどうか確認します。
ティップはテーパー状になっているため、切りすぎると径が太くなり、替えのトップガイドがつけられなくなります。そうなってしまったら、ティップの先端をサンドペーパーで丁寧に研磨し、ガイドが取り付けられる太さになるまで磨きます。その後、シアノアクリレート系の瞬間接着剤をごく少量ティップの先端につけ、トップガイドをかぶせたら修理完了です。瞬間接着剤は、液状、ゼリー状の両方を常備し、ロッドの修理だけでなく、様々なトラブルに対応できるようにしておきましょう。
チャック付きポリ袋
「ジップロック・フリーザーバッグ」が有名ですが、正式には「チャック付きポリ袋」と言います。これもいくらあっても困りません。クーラーボックスに魚を入れる際に、この袋に魚を入れてからクーラーボックスに入れれば、魚が傷まず、クーラーボックス内も汚れません。特にイカ、タコが釣れた時は、締めた後必ずチャック付きポリ袋に入れてからクーラーボックスに入れましょう。真水と触れると著しくイカタコが傷みますし、クーラーボックスの中で墨を吐かれると非常に厄介です。
チャック付きポリ袋はゴミ袋としても有能で、臭いの強いゴミや濡れたゴミでも、チャックを確実に閉じれば安心です。私は大きなサイズを10枚程度、小さく折りたたんでリュックのポケットにいつも入れています。
ゴム手袋
コマセを使う釣りをする場合、私は必ずゴム手袋を使用してコマセを作ります。コマセを作る際、配合コマセ(ベース材)、添加材(比重調整や増量、煙幕効果を付与)に、オキアミブロックを3kg程度を加え、海水を入れてよく混ぜるのですが、私はマゼラー(コマセをよく混ぜるための金属ヘラ)はほとんど使いません。オキアミブロックの解凍が出来ていない場合はマゼラーを使ってオキアミブロックを砕きながら混ぜますが、完全に解凍ができているときは、ゴム手袋をはめて、手でやさしく混ぜます。理由は、オキアミの形をつぶさないためです。オキアミをつぶさない理由は、撒き餌と食わせ餌を水中で見分けをつけづらくさせるためと、食わせのオキアミが切れた時は、コマセの中のオキアミを食わせ餌にすることができるためです。
輪ゴム
輪ゴムをバカにしてはいけません。釣りの現場では本当に重宝します。ロッドに巻いておけばフックキーパーの代わりになります。ランガンで移動を繰り返す場合は、ルアーのフックをひっかければ安全にロッドを持って移動ができますし、トレブルフックが2個以上ついているミノーなどはトレブルフック同士を輪ゴムでひっかければ、保管時もトレブルフックが動いて他のルアーと絡み合ったりするトラブルが軽減できます。その他にも、太めの輪ゴムであれば、複数のロッドを束ねたり、幅広の輪ゴムであればスプールにはめてラインストッパー代わりにもなります。
アイデア次第で様々な使い方ができる輪ゴムは、適当なプラスチックケースや小さなチャック付きポリ袋に、サイズごとにまとめて入れておくと良いでしょう。ただし、輪ゴムは劣化しやすいので、基本使い捨てと思っておいた方が良いです。
【番外編】ドライファストルブ
最後に番外編を。ご存知の方も多いかも知れませんが、私は、PEラインを巻いてあるスプールに対し、ラインメンテナンスは、釣具店で売っているPEラインスプレーは使わず、ホームセンターで手に入る、KURE ドライファストルブを使っています。有効成分はどちらもフッ素樹脂、これを石油系溶剤で溶かしてガスを封入したものですが、釣具店で売っているラインメンテナンススプレーの4分の1以下の価格で手に入ります。ドライファストルブは速乾性でベタつかず、潤滑効果も問題ありません。吹きかかりが白く残るのが難点ですが、布で拭き取れば簡単にとれます。毎釣行後、リールに水をかけて塩分やほこりを洗い流し、完全に乾燥させたら注油し、一番最後にPEラインにたっぷりとドライファストルブを吹きかければOKです。ランニングコストが安いので、潤沢に使えます。
自分なりのアイデアで、安価に、快適に釣りを楽しもう!
以上、釣りをする際に、あると便利なツールや意外な便利グッズについて、私の経験上の話を紹介しましたが、貧乏くさい記事になってしまいましたね。しかし、無尽蔵にお金を掛けられる富豪アングラーには関係のない話かもしれませんが、釣りには「お金をかけるべき」ところと、「お金をかけるべきではない」ところが明確にあります。きちんと理解したうえで、メリハリのあるタックルを構築したいですね。アングラーのアイデアひとつで、お金を掛けなくても質の高い釣りができるのです。「貧乏くさい」のではなく、「賢い」釣りをこれからも模索したいと思っています。
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