釣りに行った際、食事はどうしていますか?弁当買って行きますか?我慢しますか?
作成:2022.01.04更新:2022.01.04
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釣りに行く際、ヒットアンドアウェイで、釣れたらすぐに帰宅するような場合は別として、通常は半日もしくは終日のアクティビティになることでしょう。釣りは思いの外、体力の消耗が激しい過酷なアクティビティです。特にショア釣りであれば、ポイントを探すため、重い荷物を持って歩き回り、実釣においても一日中ロッドを振り続けます。
そんな過酷な釣りのシーンにおいて、「飲まず食わず」て釣りを続けることはあり得ません。釣り場のそばに食事が出来る店があれば良いですが、そんなことは稀でしょう。夏は熱中症対策として、冬は身体を中から温めるため、釣りをする際は、飲み物と弁当を持ち込む必要があります。そんな釣りのシーンで効率よくエネルギーをチャージするための飲食物や、簡単で野趣溢れるアウトドアメシについて紹介します。
釣りに持ち込む弁当などの前提条件
釣りの際に持ち込む飲み物や弁当などの飲食物については、ショア釣りかオフショア釣りか、現地へは車で行くのか、公共交通機関を利用して行くのかによって、どんなものを選べば良いか、どのくらいの量を持ち込むべきかが変わって来ますが、持ち込む飲食物選びの基本を説明します。
傷みにくいものを選ぶ
まずは、クーラーボックスなどで、温度がある程度管理できる場合は別として、傷みやすい食べ物を持ち込むのは避けましょう。生モノが使われているものや、常温保存が出来ない食品は持ち込まないほうが無難です。総菜パンなども、常温販売されているものは、保存料などが使われているため、ある程度日持ちしますが、冷蔵ケースで販売されているサンドイッチなども傷みが早く、避けたほうが良いでしょう。
風などで飛ばされないものを選ぶ
海辺は風が強いことが多いので、例えばコンビニ弁当の蓋、割り箸の袋、レジ袋など、風で飛ばされやすいものは、他のアングラーにも迷惑がかるので、出来れば避けたほうが良いかと思います。これらが風に飛ばされて、磯で慌てて走ったりすると大変危険です。また、風で飛ばされた袋類が海に落ちると環境破壊に直結しますので、釣り師のイメージ低下に繋がります。
大型の鳥に注意!!
ショアでもオフショアでも、海鳥は釣り師が食べ物を持っていることを学習して知っています。特にショア釣り師が狙われやすいです。バッグやクーラーボックスがら弁当やおにぎりなどを出しっぱなしにしていると、鳶などの猛禽類に電光石火の一撃を食らうことも少なくありません。手に持っているおにぎりにピンポイントで襲いかかってくることもあり大変危険です。また、一度鳥の爪が触れた食べ物は絶対に食べてはいけません。様々な菌に汚染されている可能性があります。
対策としては、ピクニックのように、食べ物を大きく広げないことと、鳥に背を向けないように、常に「見ているぞ!」と、旋回する鳥に目を向けながら食事をすることです。間違っても、上空を旋回して食べ物の強奪の機会を伺っているトンビなどに向かって、面白がって食べ物を投げたりしてはいけません。
短時間で完食できるものを
上空には鳥がいます。陸上にはさらに猫がいます。なぜ釣り場に猫が多いのでしょうか? それは釣り師が食べ物を与えてしまうからです。愛らしい姿でニャーニャー鳴きながら寄ってくる猫を見てしまうと、エサをあげたくなる気持ちはわかりますが、人間が食べるものは動物には不要な過剰な味付けがされているため、塩分、糖分、脂質全てが過多であり、結果として彼らの健康寿命を短くしてしまう事を知るべきです。絶対に鳥獣類に人間が食べるものを与えてはいけません。
そんな彼らにむやみに食べ物を見せつけないためにも、なるべく嵩張らず、素早く食べ終わることが出来るものを持ち込むべきです。おにぎり、総菜パンなど、小さなものを随時サッと食べられるようにいくつか持ち込むのがよいでしょう。
ゼリー飲料は夏場に特にオススメ!
「10秒チャージ」「速攻メシ」などのキャッチフレーズで、様々な機能を付与した商品が販売されているゼリー飲料は、文字通り、発汗などで失われたミネラル分やビタミンを簡単に補える栄養食で、真夏の釣りには特におすすめです。
固形タイプの栄養補助食品を食べる食欲がないほど体力を奪われてしまった場合でもゼリー飲料なら喫食出来るでしょう(そうなる前にこまめに補給しておくのが本来のあるべき姿ですが)。クーラーボックスに2〜3個入れておき、いつでも冷たい状態で摂取し、身体の中からクールダウンできるようにしておきましょう。
ロッドを振りながら食事はNG!
釣りしている時は釣りに集中しましょう。おにぎり片手に釣りしていては、いざという時に何もアクション出来ません。運良くフッキングが出来たとしても、口にくわえながらのファイトは大変危険ですし、足元などに取り敢えず食べかけのおにぎりを置いてしまったりすれば、たちまち上空から鳶が直滑降してくるか、猫の餌食になります。食事をする時間は休憩時間と捉え、食事に集中しましょう。
そして、お腹が満たされたら、仕掛けのチェックをして、傷んでいる箇所があれば補修し、万全の状態にして、余裕を持って釣りを再開すればよいでしょう。
野趣たっぷり、アウトドアメシのすゝめ
コンビニ弁当やおにぎりも良いですが、ショア釣りの場合で、かつ自家用車を使用して釣り場まで行ける環境が整っている場合は、思い切って野趣たっぷりのアウトドアメシを楽しむのも一興です。ただし、本格的なアウトドア・キャンプのように焚き火をしたり、キャンプ道具を大々的に広げるたり、煙を発生させるなどの行為はご法度です。お湯を沸かす程度の最小限の煮炊きにとどめましょう。また、漁港では原則火気の使用は禁止されていますし、堤防でも人がたくさんいる場合の火気の使用はNGです。これらのルールをきちんと守った上で、楽しくおいしく、アウトドアメシを楽しみましょう。
お湯さえ沸かせれば意外と何でも出来る!
もちろん、メインのアクティビティは釣りでありますが、なかなか釣果に恵まれず、状況の好転が見込めそうにない時などは、思い切ってブレイクタイムにすることも大事です。
例えば真冬の釣りで寒風に晒され続けた上に、雪混じりの雨まで降り始め、心を折られそうになったら、雨の当たらない場所に避難して、徐にお湯を沸かして淹れる一杯のコーヒーが身も心も救ってくれます。インスタントコーヒーでも、こういうシチュエーションで喫する一杯は格別の美味さで、心底「あぁ、生き返る!」と思うはずです。
コーヒー以外にも、カップ味噌汁やカップスープ、カップラーメンなど、お湯を注ぐだけで食べられるものを作って食べれば、普段より格段に美味しく感じるから不思議なものです。
お湯を沸かすツール
お湯を沸かすための「ストーブ」と呼ばれるシングルバーナーコンロは、アウトドアショップに行けば様々な製品があります。それぞれ一長一短がありますが、釣りに持ち込むことに特化することを考えれば、出来るだけコンパクトなものを選ぶのが良いでしょう。
シングルバーナー【LPGカートリッジタイプ】
燃料にプロパンやブタンを使用したLPG(液化石油ガス)をカートリッジ化したものを使うバーナーです。最も種類が多いカテゴリーですが、ガスがなくなったらカートリッジごと交換しなければならないため、ゴミが出るのが玉に瑕ですが、カートリッジは入手が容易で、かつ着火や火力の調整が簡単で、最も普及しているタイプのバーナーです。低温下(おおよそ10℃以下)では火力が落ちるという弱点があります。
シングルバーナー【ガソリンタイプ】
燃料にガソリンを使うタイプのバーナーは、ガソリンを直接本体に注入するタイプで、ランニングコストが安く、低温下でも火力が落ちにくいメリットがありますが、着火にはガソリンを霧化させる必要があるため、ポンピングという、タンクについているピストンを数十回ポンプし、ガソリンタンクの内圧を上げる作業が必要です。内圧が十分に上がったらガス栓を開け、霧化したガソリンに点火しますが、着火装置はついていないので、別途ライターなどの着火道具が必要です。着火後も炎が青く安定するまで数十回ポンピングを続けなければならないという手間が最大のウィークポイントです。
昔は自動車用のレギュラーガソリンが使用できるレギュレーターが搭載されたモデルが一般的でしたが、日本国内においては、ガソリンスタンドでのガソリンの手売りに関する規制が強化され、車両への直接給油以外の方法でガソリンを購入することが原則出来なくなったため(ガソリン携行缶に給油し、身分証明書と使用目的の提示をし、販売履歴を店舗側で記録すれば購入は可能です)、レギュラーガソリンが使えるバーナーは販売されていません。
現在日本国内で販売されているガソリン式のバーナーは、全て不純物を徹底的に除去したホワイトガソリン専用です。ホワイトガソリン仕様のバーナーにレギュラーガソリンを使うと、レギュレーターに不純物が詰まり、燃料供給ができなくなりますので、絶対にレギュラーガソリンは使ってはいけません。
ホワイトガソリンはホームセンターなどで入手できますが、スーパーやコンビニエンスストアでは入手出来ません。こうした、燃料の入手性、燃料タンクへの給油の手間、着火作業の手間などが敬遠され、アウトドア用のシングルバーナーは、LPGタイプのバーナーが主流となっています。
アウトドアケトル
アウトドア用のケトル(やかん)は、通常のやかんとは異なり、携行性を再重視して設計されたもので、著しく扁平した形状をしています。写真のアウトドアケトルは容量0.9リットルと多くありませんが、コーヒーなら5杯、カップラーメンなら2杯作れる容量です。取っ手をたたむと蓋も含めてフラットになりますので、リュックにも簡単に収まります。
水は持参しなくても、空のPETボトルがあればなんとかなる?!
お湯を沸かすには当然ながら水が必要です。一日釣りをしながら、お湯を沸かしてコーヒー淹れたりカップラーメン作って食べたりするには、一人あたり2リットル程度必要です。2リットル入りの水を持ち込むわけですが、釣り場の周辺に公園など、公共の水道があるならば、空のPETボトルだけ持ち込んで、水を分けてもらっても良いでしょう。水は必ず煮沸するので、通常の上水道水であれば、問題なく飲食に使えるはずです。
近くに水道がないことが分かっているならば、水の入ったPETボトルを持ち込むか、釣り場までの道すがら、水道を見つけて水を汲んでから釣り場に入りましょう。
その他、持っていると便利な食べ物
これまで紹介した、釣り場に持ち込む弁当、おにぎり、総菜パン、カップ麺などの他、持っていると何かと便利な食べ物について紹介します。基本的には、保存が利き、嵩張らず、いざと言う時にはエサとして使えるものをひとつふたつ、リュックの中に忍ばせておくと、重宝することがあるかも知れません。
ちくわ、魚肉ソーセージなどの練り物
魚のすり身を原材料とする加工食品はすべからく釣りのエサとして使うことができます。もちろん自分のおやつとして準備するものですが、どうせなら、万が一のエサ切れ時に慌てなくて済むよう、エサの代わりになるものを持っていれば、臨機応変に立ち回りできる、スマートな釣り師の雰囲気を漂わせることができます。
缶詰
サバの水煮、ノンオイルタイプのツナ缶、アサリの水煮缶など、魚の缶詰め代替エサになります。その場合、味付けが強くない水煮が向いています。味噌煮など味の濃いものやオイル漬けのものは釣りエサには向きません。アサリの水煮缶詰は魚の嗜好性が高く、針持ちもよく、オススメです。
身エサ
既に魚が何匹か釣れていれば、それらを餌にするのが確実です。大きな魚は切り身にして、小魚の場合は活きたまま針に掛け、泳がせておきます。思いもよらない大物がかかることもあります。
釣りは体力勝負、エネルギーを適宜補給しながら乗り切ろう!
真夏の過酷な陽射しの下での釣り、真冬の極寒の中での釣り、どちらも体力を奪われる過酷な条件下でなアクティビティです。夏場は特に水分補給をこまめに行い、適宜塩分をはじめとしたミネラル分を補給しながら、熱中症にならないよう対策を万全に行い、冬場は温かい飲み物や、米やパン、麺類など、体内で熱エネルギーとなる炭水化物を適宜摂取し、体の中から温めて体温の維持を図りましょう。
何でそんな暑い時期/寒い時期にわざわざ釣りなんか行くのか? と、釣りをしない人から言われたことは誰でもあるでしょう。しかし、「何で」と言われても、答えようなどありませんね。「それが釣り師の性だから・・・」としか言いようがないというものです。
しかし、ちょっとした工夫で、過酷な時期の釣りでさえ、至福の時間に変えることができるのが、釣り師の特殊能力であるとも言えますよね・・・言えませんか!?
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