REVO MGX THETA 2500SHは、投げヨシ、巻きヨシ、感度ヨシ、デザインヨシ!
2020年1月にアブガルシアが満を持して発売した、フラッグシップライン「REVO」の最新シリーズ「THETA(シータ)」より、REVO MGXをベースモデルとした「MGX THETA」が発売されました。THETAシリーズでは、アブガルシア初の新技術である「フリクションフリー」を搭載し、従来のクリティカルなリーリングフィールに加え、シルキーな巻き心地を手に入れました。2021年2月現在のハイエンドモデル、REVO MGXtremeと並ぶハイスペックモデルとなっています。アブガルシアのスピニングリールでベイトフィネスをするなら、REVO MGX THETAに決まりです。今回は、最もボリュームゾーンのREVO MGX THETA 2500SHを紹介します。
アブガルシアがついに「フリクションフリー」機構を搭載、過去最高のリールフィールを実現!
アブガルシアのスピニングリール「REVO」シリーズは、同社のハイエンドラインとして、アブガルシアのテクノロジーを極めた商品群となっていますが、このREVO MGX THETAには、ほぼすべての技術が投入された製品として、ハイエンドモデル「REVO MGXtreme」に匹敵する性能を誇っています。REVO MGXtremeのセールスポイントが「圧倒的な軽さ」であるのに対し、REVO MGX THETAは「アブガルシア史上最高のシルキーな巻き心地」がウリとなります。
REVO MGX THETA 2500SHの基本スペック
REVO MGX THETA 2500SHの基本スペックを見てみましょう。ギア比は6.2、ハンドル1回転当たりの最大巻き上げ量は87cmのハイギアタイプとなっています。ドラグは、最大釣力をパワフルな5.2kg(toughモード)と、より細かい調整が可能な、2.6kg(lightモード)の切り替えができる2wayドラグシステムが搭載されています。ラインキャパは、ナイロン/フロロカーボン6lb(1.5号)で100m、PE0.8号(12.8lb)で150mとなっており、ウルトラライトタックルでのフィネスゲームに向いていることがわかります。
マグネシウム合金ワンピースギアボックスで、軽量強靭な骨格を手に入れた
REVO MGX THETAのドライブギア、ピニオンギアを収納するギアボックスは、アブガルシアが開発した「ワンピースFeathermetal製ギアボックス」となっています。このFeathermetalとは、マグネシウム合金のことで、リールフットからステム、ギアボックス、ボディ側板までを一体化し、軽量で剛性が高く、軸心がブレることのないドライブギアがベイトフィネスのような繊細で、しかしイザというときにはバワフルなリーリングを支えています。
MGX THETAの進化の目玉「フリクションフリー」とは?
2020年にモデルチェンジされ、新たに登場した「THETAシリーズ」には、「MGX THETA」と「ALX THETA」の2モデルがあります。上位機種はマグネシウム合金をボディコアに採用したベイトフィネスモデルのMGX THETAですが、進化の目玉として、どちらにも新たなメインシャフト支持構造の「フリクションフリー」が採用されています。これは、シマノでいう「インフィニティドライブ」に当たる機構です。一般的に、メインシャフトはグリースで満たされたピニオンギアの内壁に挿入される形となっていますが、スプールの前後運動をさせるために、メインシャフトは常に前後に動きながらピニオンギアの内壁と擦れ合っています。このメインシャフトとピニオンギア内壁に隙間を設け、最小限のサイズの高摺動ブッシュ2個でメインシャフトを支持することで、メインシャフトとピニオンギア内壁との接触をなくし、巻き抵抗の低減と、シルキーな巻心地を実現した画期的な構造です。
アブガルシアの象徴、DURA CARBON製ハンドル、真紅のベールなど、ファンを虜にする秀逸なデザイン
REVO MGX THETA 2500SHは、その優れたデザイン性も大きな魅力です。アブガルシアの象徴とも言える、インパクト抜群の、カーボンプリプレグを切り出して熱曲げ加工を施した「DURA CARBON ハンドル」と、マシンカットによる肉抜きのみならず、パンチングも施し、さらなる肉抜きを施したアルミスプール、さらにスパルタンな真っ赤なベールが、繊細なベイトフィネスゲームへの適性をイメージさせ、かつ、ビッグバスやビッグトラウト釣りといったアグレッシブなタックルという、相反するイメージを見事に具現化した、アブガルシアらしいデザインも大変魅力です。
アブガルシアのフラッグシップモデル、REVO MGXtremeとの違い
2021年2月現在、アブガルシアのスピニングリールのフラッグシップモデルは、REVO MGXtremeとなります。同じ2500SHでメーカー希望小売価格を比較すると、MGX THETA 2500SHは36,500円、MGXtreme 2500SHは43,500円と7,000円の差があります。大きな違いはローター材質です。MGX THETAはアブガルシア独自開発のカーボン繊維強化樹脂「C6カーボン」製であるのに対し、MGXtremeのローターは、マグネシウム合金とC6カーボンの複合材である「CMgローター」を採用、より軽量で低慣性モーメントのローターはアングラーへの応答性がより優れています。自重はMGX THETAは180g、MGXtremeは170gです。ただし、MGXtremeには、フリクションフリーは搭載されておらず、シルキーな巻き心地はMGX THETAに軍配が上がります。
ライバルはシマノ・ヴァンフォード2500SHG!
REVO MGX THETA 2500SHのライバル機種は、同じく2020年に、シマノ・ストラディックCI4+の後継機種としてデビューした、ヴァンフォード 2500SHGです。素材やスペックが最も似通っています。どちらも軽量で高感度を特徴としており、カーボン繊維強化樹脂を多用したモデルです。リーリングフィールも、シマノお家芸のマイクロモジュールギアⅡ、サイレントドライブによるシルキーなリーリングフィールは、MGX THETAのフリクションフリー採用により互角のフィールを実現しています(ヴァンフォードには、「インフィニティドライブ」は非搭載)。ドライブギアの絶対強度は、マシンカットをしていない、超々ジュラルミンの冷間鍛造「HAGANEギア」を採用したヴァンフォードに軍配が上がるでしょう。ベイトフィネス適性はどちらもほぼ同じです。より細いラインを使用し、本流トラウトやアジングなど繊細かつパワフル釣りをするならば、2wayドラグのLightモードが使えるMGX THETA 2500SHが向いているでしょう。その他、汎用性を求めるならば、ヴァンフォード 2500SHGをおすすめします。
アブガルシアの2021年モデル「ZENON」のデビューを控えて、REVOシリーズはターニングポイントとなるか?
アブガルシアは、2021年、前身のABウルファブリケン(ABU)社がスェーデンで産声を上げて100周年の節目を迎えます。その記念事業のひとつとして、2021年5月、業界を震撼させる、世界最軽量スピニングリール「ZENON(ゼノン)」シリーズをリリース予定です。自重はZENON 2500SHで何と148gです。一躍同社のフラッグシップラインに躍り出ます。しかし、これにより今後REVOの立ち位置がZENONに置き換わるようなことはないと思います。ZENONはREVOとは一線を画し、スペシャルなラインとして、次の100年に向け、ZENONをパイロットとして新技術を採用し続け、ブレイクスルーをして培ったテクノロジーが今後のREVOシリーズ以下に続々と移植されて行くものと期待しています!