アブガルシアの高コスパモデル、スーペリアはエントリークラスながら使い道は多い!
アブガルシアのスピニングリールで、メーカー希望小売価格が1万円前後のエントリークラススピニングリールであるスーペリアシリーズは、1000番から5000番まで10モデル展開するフルラインアップ機として人気があります。実質8,000円前後で手に入るスピニングリールとしては、オリジナリティあふれる機能をもつ、非常に面白いモデルであります。今回は、ラインアップ中最小サイズのスーペリア 1000Sを紹介します。
スーペリアシリーズの立ち位置
アブガルシアのスピニングリールのラインアップは、2021年4月現在、ハイエンドから順に「レボ」、「ロキサーニ」、「スーペリア」、「クロスフィールド」、「オーシャンフィールド」、「カーディナル」となっています。スーペリアは、非常に安価ながら、上位機種のロキサーニの機構も取り入れて、非常にコスパの高いモデルとなっています。アブガルシアのスピニングリールを初めて触るアングラーは、最も安価なシリーズで、本体と同じアルミ製替えスプールが付いた驚異のハイコスパモデルである「カーディナルⅡ STX」あるいは、さらに安価なグラファイト製替えディープスプールが付いた「カーディナルⅡ SX」から手にする人が多いのではないかとは思いますが、スーペリアからアブガルシアデビューしたアングラーは、アブガルシアの、ダイワやシマノとは一味違うオリジナリティを十分堪能できるのではないかと思います。
スーペリア 1000Sの基本スペック
スーペリア 1000Sの基本スペックを見て行きましょう。ギア比は5.2、ハンドル1回転あたりの最大巻き上げ量は63cmのノーマルギア機です。ドラグは、最大釣力3kgの「2Way DRAG」が搭載されています。2Way DRAGとは、スーペリア以上の機種に搭載されているアブガルシア独自のドラグ機構です。ドラグ内部に挿入されている4枚のドラグワッシャーのうち、1枚に使われている、カーボンマトリックスとフェルトを組み合わせたハイブリッドドラグワッシャーの位置を、上から2枚目→3枚目に並べ替えるだけで、通常のドラグよりも細やかで、ドラグの効き始めを軽く設定することができる「Light」モードにすることが可能です。これにより、非常に細いナイロンラインやフロロカーボンラインを使いながらも、通常リールではアワセた時点でラインブレイクしてしまうような、タックルのキャパを上回る相手との対決が可能となります。
ラインキャパは、ナイロン/フロロカーボン3lb、PE0.4号でそれぞれ100mです。スーペリア 1000Sが極細ライン専用機であることがうかがえます。自重は215gとなっています。
上位機種の素材、機構を可能な限り導入して基本性能を充実
ボディ構造はアブガルシアが「デュラメタル」と呼ぶ、高強度アルミ鋳造合金でステム、ボディ、側板(カバー)までを一体化、ドライブギアを1部品でサポートしているため、ねじれの力に強く、回転軸がブレない最適なギアリングが可能となっています。また、ピニオンギアのベアリングには、Salt Shield ベアリングという、ベアリングの外部はもとより内部にも撥水コーティングを施した、耐食性の大変高い特殊ベアリングが使用されており、塩噛みを徹底的に排除し、回転性能を長期間維持します。その他のベアリングも、高耐食性素材を使用したHCPRベアリングが使用されています。ベアリング数はボールベアリング4/ローラーベアリング1となっています。
スーペリア 1000Sの楽しい使い方とは?
スーペリア 1000Sは、フレッシュウォーターでもソルトウォーターでもライトゲーム中心に様々な使い方が可能です。このリールの良さを体感したければ、2Way DRAGを初期設定の「Toughモード」ではなく、非常に細かい調整が可能な「Lightモード」で使うことをおすすめします。切り替えは簡単です。スプールを外し、ドラグ上部のワッシャ固定金具を外し、上からドラグワッシャーを3枚取り外し、上から2番目のカーボンマトリックスハイブリッドドラグワッシャーを上から3番目のドラグワッシャーと順番を入れ替えるだけです。
Lightモードに設定し、ドラグの効きはじめを極力早くします。具体的には、アワセを入れた瞬間にドラグが効きはじめるくらいに設定にし、ファイト中はリーリングの手を止めたらすぐにドラグが作動するくらいまで緩いめ、ラインブレイクを回避しながら一進一退の攻防を楽しむような使い方が良いでしょう。ズバリ、ターゲットは、淡水でも海水でも「尺超え」の魚です。エリアトラウト、本流バス、尺アジ、尺メバルなど、1000番のスピニングリールの限界を超えるサイズの魚を、超ライトタックルで仕留めるスリリングな釣りができるのは、2Way DRAGシステムを持つスーペリアならではと言えるでしょう。
ライバル機はシマノ・ナスキー、ダイワ・レガリス
メーカー希望小売価格10,000円前後でスーペリア 1000Sのライバルになり得るモデルは、シマノ・ナスキー 1000、ダイワ・レガリス LT1000Sです。自重で言えば、スーペリア 1000Sとナスキー 1000はともに215g、レガリス LT1000Sは185gと、レガリスが大きくリードします。ギア機構については、ナスキーのHAGANEギア、レガリスのタフデジギアがスーペリアを一歩リードしているでしょう。ただし、ドライブギアのマウント構造はスーペリアのデュラメタル製ワンピースボディが最も強固でしょう。ドラグについては、スーペリアの2Way DRAGが抜きん出ています。
3モデルともコスパを追求した優良モデルでありますが、極細ラインを使用し、スリリングな釣りが一番楽しめるのは2Way DRAGてLightモードに設定したスーペリアでしょう。
2Way DRAGの特徴を生かした釣りを!
アブガルシアのスピニングリールで、スーペリア以上の機種に搭載されている2Way DRAGの特性を熟知して、Lightモードを使いこなせるようになると、このスーペリア 1000Sの守備範囲が大幅に広がります。このリールの最大の特徴である2Way DRAGを駆使し、ライトタックルで大物をあげる面白さを味わってみて下さい!