ビッグバスからライトショアジギングまで、何でもこなすロキサーニ 4000SHはコスパ最高!
アブガルシアから2018年に発売された「ロキサーニ スピニング」は、フラッグシップ群の「REVO」シリーズに次ぐモデルながら、REVOの機構を惜しげもなく取り入れながら、実質価格1万円前後で手に入る驚異の高コスパ機です。黒で統一したデザインに赤の挿し色を施したドラグノブの組み合わせが特徴的なロキサーニシリーズより、ラインアップ中最大サイズの4000SHを紹介します。
REVOシリーズのエッセンスを存分に味わえるロキサーニ
アブガルシアのフラッグシップラインであるREVOシリーズは、フィネスゲームに特化したモデルから、キャスタビリティに長けた超ハイスピードモデルまで、そのラインアップは多岐にわたっています。そのいずれもが、強烈な個性を主張する、「ザ・アブガルシア」といった感じの尖ったモデルたちがマニアの熱狂的な支持を獲得しています。そんなREVOシリーズのエッセンスを存分に取り入れつつ、メーカー希望小売価格を14,000円から15,600円に抑えたハイバリューモデルがロキサーニシリーズです。
ロキサーニ 4000SHの基本スペック
ロキサーニ 4000SHの基本スペックを見てみましょう。ギア比は6.2、ハンドル1回転あたりの最大巻き上げ量は100cmのハイギアタイプです。ハンドル1回転で1m巻けると言うことは、様々なメリットがあります。例えば、ロングキャストした際に出るラインスラックを素早く回収したり、青物のナブラ打ちで超高速リトリーブしたり出来ます。
ドラグは最大釣力5.2kgの2Way DRAGが搭載されています。この2Way DRAGは、ターゲットや釣法に応じて、スプール内に4枚収められているドラグワッシャーのうち、カーボンマトリックスワッシャーの順番を変えるだけで、ドラグの効き方を最大釣力まで満遍なく使う「Toughモード」と、実用釣力の範囲内でより細やかなドラグ調整ができる「Lightモード」を使い分けられる、アブガルシアオリジナルのドラグ機構です。ラインキャパはナイロン16lbで150m、PE2号で220mです。フレッシュウォーターではランカーサイズのビッグバス、ソルトウォーターではシーバス、フラットフィッシュ、中型青物まで対応できるキャパを持ち合わせています。
剛性もREVO譲り、デュラカーボンハンドルまでもREVO譲り!
ロキサーニの剛性については、アルミ鋳造合金「デュラメタル」製ワンピースボディが担保しています。ドライブギアやピニオンギア、メインシャフトなどを、側板のない鋳造ワンピースボディにすへて収めるため、特にねじれの力に対し強い剛性を発揮します。上下左右に走りまくる相手に対しても怯むことなく優位に立つことができます。
そしてやはりロキサーニの驚愕のコスパを象徴するのは、「デュラカーボンハンドル」の採用でしょう。カーボン繊維を熱硬化性樹脂で焼き固めたカーボンプリプレグの切り出しと穴開け、曲げ加工を施したハンドルです。このハンドルバー一本で、数千円するパーツであると推測されます。メーカーから、あとからパーツだけ購入する場合、デュラカーボンハンドルASSY(ハンドルノブ、取り付けベースを含めたハンドル一式)は5,000円と、完成品のメーカー希望小売価格の3分の1を占める、驚きの高価格です。ひとつ下位モデルの「スーペリア」のハンドルASSYは一式2,000円ですので、デュラカーボンハンドルがどれだけ高価であるかがわかります。
また、この価格帯のスピニングリールには、ラインローラーにベアリングが入っていないことが多いのですが、ロキサーニのラインローラーにはベアリングが1つ入っています。
2Way DRAGを使いこなせれば、このリールの用途は大きく広がる!
アブガルシアのスピニングリールの多くのモデルに搭載されている、同社の特徴的なドラグ機構が「2Way DRAG」です。ロキサーニの場合は、4枚挿入されているドラグワッシャーの並び順を変えるだけで、最大釣力5.2kgまでを幅広く使う「Toughモード」と、実用釣力2.6kgまでの範囲で細かく設定できる「Lightモード」に、ドラグの挙動を変えられる機構です。いわば、シマノの「ノーマルドラグ」と「エリアドラグ」が2つついたようなドラグです。
「Toughモード」は、主に青物ジギングなど、パワーのあるターゲット狙いに、「Lightモード」は、極細ラインと軽量リグといったライトタックルで挑むエリアトラウトやアジング、エギングなどで重宝します。このドラグをうまく使いこなせるかどうかが、ロキサーニスピニングの驚異のコスパを骨の髄まで堪能する秘訣です。ただし、ロキサーニ 4000SHの場合は、サイズ的にLightモードを多用する機会はあまりないかも知れませんね。
ライバルはシマノ・ナスキー 4000XG、ダイワ・レガリス LT4000D-CXH!
アブガルシア ロキサーニ 4000SHのライバルとなり得る機種はシマノ・ナスキー 4000XG或いはダイワ レガリス LT4000D-CXHとなるでしょう。いずれも、中小型青物狙いのショアジギング、シーバス釣り、ヒラメやマゴチなどのフラットフィッシュ釣りなどに向いている、コスパの高いモデルです。ラインキャパはレガリスが圧倒しているため、オフショアでの使用も考えるならレガリスを、剛性、リーリングがバランス良く仕上げられており、トータルの使い勝手ならナスキー(ただし自重は3モデル中最も重い295g)、2Way DRAGとデュラカーボンハンドルに魅せられたならロキサーニを選ぶことをおすすめします。
ロキサーニには、「差異化」が求められる商品開発の今後の方向性が見える
当然といえば当然ですが、リールの進化は目覚ましく、「軽さと強さの両立」だけでは、ユーザーに訴求することが難しくなりつつあります。毎年毎年何種類ものリールが市場に投入されますが、生き残る(すなわち、定期的にモデルチェンジをして存続して行く)とは限りません。他のメーカーと同じようなモデルを出しても目の肥えたユーザーには既視感しか感じません。今後は他のモデルとの「差異化」がキーワードとなって行くのは間違いありません。アブガルシアの商品を見ていると、「信念を持ち、我が道を行く!」そんな気概が見え隠れします。そういうところが、熱狂的ファンの心をガッチリ掴むのかも知れません。