REVOシリーズのフラッグシップ機、MGXtremeはその軽さと造形美を味わう逸品!
「美しい」。釣具に美しさは必要か? と言われれば、必ずしも答えは「YES」ではないかも知れません。しかし、アブガルシアの製品には、日本メーカーのモノ造りが得意とする「機能性」「耐久性」「合理性」と言った、いわゆる「実用的」で「質実剛健」なものづくりとは一線を画す「圧倒的なデザインの美しさ」があります。
極端に言えば、「釣りには使わず、部屋にずっと飾っておきたい」「持ってるだけで満足」と言った不思議な魅力があります。とは言え、実際にフィールドでパフォーマンスを発揮しなければ、ツールとしての存在価値がありません。心配無用。アブガルシア・REVO MGXtremeは、スピニングリールとしての性能は最上級でありながら、比類なき造形美も誇る、アブガルシアファンには熱狂的に支持されているモデルです。
アブガルシアのスピニングリール最高峰の座を3年間守ったハイエンド機
アブガルシア REVO MGXtreme 2500MSHは、2018年に発売されたスピニングリールですが、アブガルシアには「スピニング元年」と呼ばれ、同社のターニングポイントとなった年があります。日本では、ダイワが「LTコンセプト」を発表し、新設計基準を取り入れ、「軽くて強い」モデルが続々とリリースされはじめたのが2018年です。アブガルシアの「スピニング元年」は、それより2年早い2016年です。
アブガルシアは、2016年以降、軽さと回転の滑らかさを極めたスピニングリール開発にシフトチェンジします。その第一弾として、「REVO MGX」をリリースします。この、REVO MGXは、これまでのスピニングリールの常識を覆す圧倒的な軽さと、滑らかな回転性能が多くのプロアングラーに支持され、ヒットモデルとなりました。
そして2018年、REVO MGXをブラッシュアップし、さらに軽く、さらに滑らかな回転性能を獲得した、「REVO MGXtreme」が登場しました。このモデルは、2021年5月に、ABU社創業100周年記念行事の一環で発売された新フラッグシップシリーズ、「ZENON」に明け渡すまで、3年ほど、アブガルシアのスピニングリールのフラッグシップ機として君臨しました。もちろん、今でもREVOシリーズのフラッグシップ機であることは変わりません。
REVO MGXtreme 2500MSHの基本スペック
それでは、REVO MGXtreme 2500MSHの規範スペックを見てみましょう。ギア比は6.2、ハンドル1回転あたりの最大巻き上げ長さは87cmのハイギアタイプです。ドラグは最大釣力3.2kg、カーボンマトリックスを使用した高耐久ドラグワッシャーにより、微調整のしやすい高性能ドラクが搭載されています。
ラインキャパはナイロン8lbが170m、PE2号が150m巻ける、ミディアムシャロースプール仕様となっています。軽量リグを投げて行うフィネスゲームから、メタルジグをロングキャストするショアジギングまで、広く対応するバーサタイル性を持ち合わせています。自重は170gと、非常に軽量で、一日アクションを繰り返す釣りでも身体への負担が少なく、手返しの良い釣りが可能です。
究極の軽量ローター・CMgローターの軽さは他の追随を許さない!
REVO MGXtremeに採用されているローターは、マグネシウム合金で成形されたローターフレームに、アブガルシア独自開発の、強靭で軽量のカーボンコンポジット材料「C6カーボン」を切り出したローターアームを組み合わせた「CMgローター」です。これは、MGXtremeだけに採用されているローターです。ローターの絶対重量の軽減はもとより、ローターの回転軌道の最外縁部に垂直に立ち上がるローターアームをマグネシウムより軽量なカーボン罪に変更することで、回転運動の際に、ハンドルを止めてもさらにローターが回ろうとする力である慣性モーメントを大幅に軽減できるため、見た目の重量以上に、実使用環境でローターの軽さ、すなわち、ローターの動き出しの軽さ、回転中のハンドルの軽さ、手を止めた時にピタリと止まる操作感、すべてが向上します。
2500番サイズの同社のマグネシウムローターと比較して、CMgローターは、重量で約13g(30%)軽く、慣性モーメントは約14%低減されています。これが、究極のフィネスゲーム用タックル「REAL FINESSE」と呼ばれる所以です。同社の超軽量ソルトロッド「エラディケーター」シリーズ或いは、超軽量フレッシュウォーターロッド「ファンタジスタ」シリーズと合わせることで、フィールドやターゲットを問わず、最高のパフォーマンスを発揮します。
REVO MGXtreme 2500MSHのパフォーマンスを存分に発揮するシーンとは?
REVO MGXtreme 2500MSHは、非常に基本性能の高いスピニングリールです。そして、「ミディアムシャロースプール」という、シャロースプールでは少しラインキャパが足りない、ディープスプールでは不経済になってしまうという問題を解決した、絶妙なラインキャパのスプールが搭載されています。オフショアフィッシングではラインキャパが足りない場面があるかも知れませんが、ショアではサーフキャストフィッシングを除き、まずラインキャパが足りないというシーンはないでしょう。
中でも、MGXtreme 2500MSHの売りはやはり「REAL FINESSE」つまり、軽量リグを自在に操り、全身を研ぎすませてわずかなアタリをセンシングしてすかさずドカンと大型魚を掛ける、パワーフィネスフィッシングに向いています。フレッシュウォーターであれば、活性が低い、冬季の深場に潜むビッグバスをダウンショットリグとワームで狙う釣り、ソルトウォーターであればエギングやメバリング、ジグヘッドを使ったロックフィッシュ狙いなど、感度優先の釣りに威力を発揮するでしょう。
新機構・フリクションフリーは搭載されるか?
アブガルシアのスピニングリールの機構で、2020年に発売された、「REVO MGX THETA」と「REVO ALX THETA」の2モデルのみに採用されている「フリクションフリー」という機構があります。これは、メインシャフトの支持構造を、従来品のピニオンギアの内壁で支える構造から、ピニオンギアに噛ませた極小の摺動ブッシュ2点で支持することで、オシレーションの摺動抵抗を大幅に軽減することに成功した機構です。
この機構が、MGXtremeに今後搭載されるか? と言われれば、現行モデルでは「ない」でしょう。ピニオンギアの肉厚変更もしくはメインシャフトの径変更が必要になるため、REVO MGXtremeにすぐに適用することは難しいでしょう。今後発売される、巻きの軽さを求められるモデルには標準的に採用される機構だと思います。その証拠に、新フラッグシップ機のZENONシリーズにも採用されています。
タックルとしての機能美とデザイン美を堪能するためには、服装にもこだわろう!
REVO MGXtremeは、アブガルシアが提唱する「REAL FINESSE」用スピニングリールを具現化した製品であり、「REAL FINESSE」用ロッドと合わせることで、最高のパフォーマンスを発揮します。そして、リールとロッドを合わせた時の優れたデザイン性をさらに高めるため、アングラーの服装にもこだわりたいですね。全体のまとまり感を演出し、いかにも上級者っぽい佇まいを醸し出し、周囲に無言のプレッシャーを与えるのも楽しみのひとつです!