21アルテグラは業界震撼、フルモデルチェンジで超絶進化を遂げた問題児!
2021年にフルモデルチェンジしたスピニングリールには、ダイワ・バリスティックやカルディア、シマノ・ツインパワーXD、ツインバワーSWなどがありますが、2021年のフルモデルチェンジ機種はみな、大きな変貌を遂げています。そんなニューモデルの中で、ひときわ大きな変貌を遂げ、話題となっているのは21アルテグラであると言って間違いありません。21アルテグラは、メーカー希望小売価格16,300円〜20,500円(税抜)のクラスのリールには当然搭載されないと考えられてきた機能が満載です。今回は、トラウト釣りやメバリングなどに最適な、21アルテグラ C2000SHGを紹介します。
21アルテグラの大幅な機能追加とは?
21アルテグラに追加された機能について説明します。
マイクロモジュールギアⅡ
ステラ、ヴァンキッシュ、ツインパワー、ヴァンフォード、ストラディックといった、ミドルクラス以上のモデルに搭載されて来たギア機構で、歯面形状の最適化、歯の微細化、歯数の増大などにより、より繊細でシルキーな、ワンランク上の巻きフィールを実現しました。
サイレントドライブ
ボディに駆動関連部品をマウントするに際し、部品間の位置関係、支持構造を最適化し、微細な隙間やガタを徹底的に排除、異次元の滑らかさと静粛な回転性能を発揮する機構で、マイクロモジュールギアⅡとセットとなることで、高い静謐性となめらかな回転を長期にわたり維持します。
Xプロテクト
シマノが誇る防水機構です。これは、水の侵入経路に当たるパーツに撥水加工を施し、侵入する水を大きな水玉にして、中に入り込まないようにする「コアプロテクト」に加えて、中に侵入を許してしまった場合でも、駆動部に水が入り込めないよう、関所となるクランク状のトラップを何重にも設け(ラビリンス構造)、水の侵入を食い止める機構で、ローラークラッチ部とラインローラー部に採用されています。
ボディ材質が高強度樹脂からCI4+へ
これまで、ボディ、ローターともに、高強度樹脂が使われていましたが、ボディ材質はさらに軽量、高強度のカーボン繊維強化樹脂のCI4+に変更されました。これにより、ボディ剛性が上がり、たわみ剛性がアップすると同時に、巻きの安定化、自重の軽量化に寄与しています。
ベールがワンピースベールへ
21アルテグラの進化はまだあります。ベールの構造が、マルチピースベールからワンピースベールへと変更されています。これは、ラインローラー部からベール部にかけて、ひとつのパーツとして一体化されているか、ラインローラー部の穴にベールを挿入しているかの違いですが、実は大きな違いがあります。マルチピースになっているものは、どうしてもパーツの継ぎ目にラインが引っかかり、ラインに傷をつけてしまうことがあります。特に極細PEラインを使うときは、この引っ掛かりが高切れの原因になることがあります。ワンピース形状であれば、少なくともこの現象は起こり得ません。非常にありがたい進化です。
AR-C&ロングストロークスプール搭載
キャスタビリティの高い、ロングストローク化したAR-C(All Round-Casting )スプールを採用し、キャスト時のライン放出時のパワーロスを最小限に抑え、理想の放出をすることで飛距離が向上しました。ステラやヴァンキッシュなどと同じ構造のスプールとなっています。
21アルテグラ C2000SHGの基本スペック
それでは、21アルテグラ C2000SHGの基本スペックを見て行きましょう。ギア比は6.1、ハンドル1回転あたりの最大巻き上げ長さは82cmのハイギアタイプです。ドラグは最大釣力3kgのドラグが装備されています。ラインキャパは、ナイロン3lbで125m、4lbで100m.5lbで75m、フロロカーボン3lbで110m、4lbで85m、5lbで65m、PE0.6号で150m、0.8号で110m、1号で80mです。自重は185gと、17アルテグラの同番手205gから20g軽量化しています。
どこでコストをセーブしているのか?
ここまで上位機種の機能をてんこ盛りにしてしまった21アルテグラですが、一体どこでコストをセーブしているのでしょうが? カタログ上では、ストッパーON/OFFスイッチが廃止されていることくらいしか分かりません。パーツ表をよく見ても分かりません。強いて言えば、ローター、ボディのパーツ単体の価格に大きな差があります、17アルテグラのローター価格は単品で1,265円ですが、21アルテグラのローターは385円です。ボディは、17アルテグラは1,706円ですが、21アルテグラは990円です。こうした、パーツ単位での価格差の積み上げが、21アルテグラの驚異のコスパを物語っているのかも知れません。
巻きの軽さ、滑らかさは別格!
21アルテグラ C2000SHGは、私もまだ、ロッドと合わせてみたことはなく、リール単品を回してみただけなんですが、まず最初に感じたことは、「あ〜、全然違う!」と言うことです。もちろん、ステラやヴァンキッシュのような、ヌルリとしたシルキーさには及びませんが、これまでのアルテグラを知っている御仁は、「これが同じアルテグラなのか!」と驚くことでしょう。実勢価格1万円台前半でこのフィーリングが味わえるなんて、いい時代になったものです。
この価格でこのクオリティ、エントリー機とは呼ばせない!
21アルテグラ C2000SHGは、アジングに、メバリングに、エギングに、エリアトラウトに、ネイティブトラウトに...とにかく、あらゆるライトゲームに使えます。そして、決して「代用品」としての汎用性ではなく、古い年式の上位モデルを確実に食ってしまうであろう、高いレベルの汎用性です。感度を優先するフィネスゲーム向きでありながら、キャスティング主体のエギングやスーパーライトショアジギングもこなす、まさに「やりすぎ」と言えるほどのモデルに生まれ変わりました。正直な感想です。この価格でこの仕上がりは「やりすぎ」です!
シマノさん、このあとどうする?!
一般消費者なんて私も含め、ワガママで欲張りです。なるべく懐を痛めずに、少しでも良いものを貪欲に求めます。今回の21アルテグラは、そうしたユーザー層の心を完全に掌握した会心の一撃商品であることは間違いありません。雑誌でもネット記事でも、21アルテグラは大きな賞賛を以て受け入れら入れています。「費用対効果」の観点で言えば、ここ数年間のベストモデルと言えるでしょう。問題は、一般消費者は、今後は21アルテグラのインパクトが基準となってしまうということです。当然今年以降も様々な商品が上市されるでしょうが、21アルテグラのインパクトに少なくとも並ぶインパクトを与えないと、一般消費者は満足しなくなってしまうことですね。
シマノさん、そんなことはわざわざ言われなくても重々承知でしょう。二の矢、三の矢を当然用意した上でのパンドラの箱が21アルテグラであると確信しています。21アルテグラは間違いなく、シマノのみならず、業界全体が大きな影響を受けるモデルとなります。今後の各社の切磋琢磨による気鋭のニューモデルが続々と登場する予感に、ワガママな一般消費者は胸を躍らせています。