シマノスピニングリールのメンテナス方法は!?基本的なやり方をご紹介します
作成:2021.05.21更新:2021.08.20
目次
スピニングリールのメンテナンスはなぜ必要か?
スピニングリールはその機能を保つためにメンテナンスを定期的に行う必要があります。リール内部では、使用している間にオイルやグリスがなくなってしまったり、ギアの摩耗、ベアリングへのごみの侵入や潮噛みなどが原因で、ゴリシャリ感や異音が発生することがあります。
オイルの注油などで機能の維持は可能ですが、数年に一度分解してオーバーホールをすることでさらにその機能は持続します。しかし、オーバーホールはメーカーなどにリールを送付し、数千円の費用が掛かり、期間も数週間掛かってしまいます。これを自分で行うことができるようになれば、時間と費用の節約になり、さらに愛用のリールへの愛着も増すでしょう。
シマノのリールはどこまでメンテナンスできる?
シマノのリールは、全部分解して洗浄・注油・グリスアップすることが可能です。ダイワの場合は、マグシールド搭載機はボディまで分解することができないため、リールの分解が好きな人はシマノのリールを好むかもしれません。
シマノのリールを分解するときの注意点は?
分解・メンテナンスができることが魅力であるシマノのリールですが、分解時には注意しておくべき点がいくつかあります。
撥水グリス
機種によりますが、ワンウェイクラッチの部分に特殊撥水グリスが塗布されているものがあるので、分解時にはあまり触れずにピンセットなどで取るようにしましょう。グリスがなくなってしまうと、防水効果が減少してしまうので、注意が必要です。
ワンウェイクラッチ(ローラークラッチ)
18ステラなどに搭載されている最新のワンウェイクラッチは、ひとつのユニットになっておらず、ばねやローラーを分解できるようになっています。しかし、このクラッチを誤って分解してしまうと元に戻すのはかなり困難です。ばねやローラーはかなり小さく、部品も個人で手に入れることはできないものであるため、分解時には細心の注意をはらいましょう。ワンウェイクラッチを取り外す際には、リールをさかさまにして取り外せば、誤って落とす可能性も減るでしょう。
シマノのスピニングリールでのメンテナンス箇所は?
スプール内部
スプール内部でのメンテンナンス箇所は、ドラグワッシャーと内臓のベアリング(換装している場合)です。ドラグワッシャーは、グリスの量が少なくなってしまうと効きが悪くなってしまいます。量が少なくなっていると感じたらグリスを追加しましょう。ワッシャーを外す際には金具を一つ外さなくてはいけません。ピンセットを使用すれば飛んでいくこともないでしょう。ワッシャーは一度パーツクリーナーできれいに脱脂してから再度グリスを付けます。
ラインローラー
ラインローラー部分にはオイルを追加します。内部にはベアリングもしくはカラーが入っていますが、ラインローラーは海水が入りやすい箇所なので、メンテナンスを怠ると潮が固着してラインローラーが動かなくなり、異音やライントラブルの原因となります。ラインローラー内部の部品は向きが決まっているものが多いため、分解時にはどの向きで入っているかをしっかりと確認しながら一つずつ外していくようにしましょう。
メインシャフト
シャフトは回転のたびに上下しているため、定期的に注油が必要です。摺動する部品は、オイルが汚れたり無くなりやすい箇所であるため、定期的な注油が必須です。オイルの量は大量には必要なく、1滴2滴で十分です。注油後にハンドルを回してオイルをシャフト全体にいきわたらせるようにすると良いです。汚れが激しい場合には、分解したときにパーツクリーナーで一度脱脂してから再度注油しましょう。
ローター
ローターを固定しているナットをカバーする部品を外してから、スパナでナットを緩めます。ナットは「逆ねじ」であるためスパナを回す方向は通常とは逆になります。つまり、時計回りに回せば緩みます。スパナ使用するのは最初にナットを緩めるときだけで良いので、緩まったら手でナットを外しましょう。ローターの裏側にも砂などが入る場合があるので、きれいにしておきましょう。
ワンウェイクラッチ(ローラークラッチ)
ローターを外すとワンウェイクラッチが見えます。この部品は繊細ですので、取り扱いには注意しましょう。シマノの最近のリールはワンウェイクラッチがユニットになっているものと、すべて分解できるものがあります。分解する前に良く調べておかなければ、中の部品がすべて飛んでいきかねないため注意が必要です。画像のように17ソアレではユニットになっているため、3本のねじを外すだけで取り外せます。
しかし、18ステラなどはこのタイプではないため、取り外す際は、リールをさかさまにして、ゆっくりと取り外しましょう。中に入っているのは非常に小さいピンとばねです。バラバラになってしまうと、元に戻すのは非常に困難ですので慎重に。
ボディ内部
ボディを開ければ、ドライブギア、ウォームシャフトギアなどの機関部になります。この部分はいわばリールの心臓部分なので、丁寧に扱いましょう。内部にはグリスがたくさん塗布されていることが多いですが、一度も開けられていなければ、グリスにも汚れがついているかもしれません。リールを使用している中で違和感があまりないようであればそのままでも良いでしょう。ただし、砂などが入り込んでいる場合は、ギアや摺動部を傷つけてしまう可能性があるため、一度取り外して洗浄することをオススメします。
ギアへのグリス塗布
グリスがなくなっている場合や、洗浄した場合は、各ギアにグリスを再度塗布しなければなりません。塗布量については使用しているグリスにより異なりますが、どんなグリスでも塗布しすぎると回転時にかなり重たくなってしまうので、注意が必要です。つまようじや筆を使用して少量から始め、組みなおして巻きを確認という作業が必要になります。
組み上げ~最終確認
部品の入れ忘れに注意
ボディ内部の調整が終われば、あとは元に戻していくだけですが、その際には部品のひれ忘れに注意しなければいけません。特に忘れやすいものがOリングです。最後まで組み上げて、ふとトレイを見るとOリングが残っているなどということは良くあります。その場合はまたバラさないといけないため、ゆっくりと一つ一つのパーツをよく確認しながら組んでいきましょう。
巻きの最終チェックはこだわろう!
ローターまで組み上げたら、ハンドルをつけて巻きの最終確認をしましょう。ここで自分の思っている通りの仕上がりになっていなければ再度ばらして調整をします。自分がどこまで妥協できるかに関わる箇所ですが、納得のいくまで何度もトライすることで、リールの事を少しでも多く理解できるはずです。一度組みなおしたものを再び分解することはメンタル的にキツイものがありますが、ここで妥協するかどうかで仕上がりが変わってきます。
オーバーホールの技術を身に着けて愛用のリールを長く使おう
リールの分解、メンテナンスという作業は慣れていなければ中々手を出しにくい部分であるとは思います。しかし、スピニングリールは、どのリールもそこまで構造が複雑というわけではなく、メーカーの差はあるものの基本構造は同じです。慣れてしまえば分解図を見ずともある程度のことはわかるようになります。また、分解し、構造を知ることで高いリールと安いリールの差もわかってくることでしょう。もちろんこだわれば使用するオイルやグリスの種類、調整方法など細かい点はたくさんあります。しかし、まずは分解にチャレンジし、ご自身が買ったリールのメンテナンスの大切さを知ってみてください。