エギングにおすすめのリールを一挙紹介! 専用リールから汎用リールまで!
作成:2023.01.25更新:2023.01.25
目次
ここ数年、ショア、オフショア問わず、全国的にエギングが盛んに行われ、実績も非常に良いと言われています。それに伴い、エギング人口は右肩上がりに増加し、専用タックルも各社から続々と発売されています。今回は、これからエギングをはじめようとしているアングラーに、おすすめのリールを紹介して行きます。
エギング用リールに求められる特性
エギングは、エギという、海老とも魚とも見て取れる疑似餌を巧みに動かしてイカに抱かせる釣りなのですが、知能が高いイカはエギを見切るのが早いため、エギはスピーディに、ピンピンと軽快に跳ね上げるアクションでイカの興味を惹かなければなりません。その後、フォールでエギを充分見せ、抱く「間」を与えます。
イカが、あなたがアクションして命を与えたエギを無事抱いたらフッキングさせるのですが、イカの身は非常に柔らかく、アワセた瞬間や、リーリング中に身切れが起こることがあります。このため、魚を掛ける時のアクションとは少し異なり、慎重なタックルさばきを要求されます。すなわち、「エギを動かすときのスピーディかつパワフルなアクションを長時間続けられる軽さ」があり、「小さなアタリをラインのわずかな動きで感じとるための感度」を持ち、さらにフッキング後はラインテンションを保ったままランディングまで持ってくる必要があるため、「素早く仕掛けを回収できるハイギアモデル」であることが求められます。
これらの要素がすべてバランスよく織り込まれた、エギングに特化した専用リールを求めるのが良いでしょう。エギング専用リールと言っても、専用設計である場合は少なく、ベースとなる汎用スピニングリールがあって、エギングが快適に行えるよう、さまざまな部分をチューンアップしたモデルであることがほとんどです。そのため、エギング専用機でないとダメということは全くありませんので、その辺はご心配なく。
軽さ
エギングのアクションは先述の通り、非常に大きなアクションを必要とします。それも、ロッドを下から上へと大きくしゃくりあげる動きを基本とします。それも、1回のシャクリ動作で2段シャクリ、3段シャクリを頻繁に行います。これを何時間もひたすら続けます。そのため、非常に体力を消耗する釣りと言えます。エギング用リールに求めたい性能は、まずは軽さを優先したいです。
感度
エギングはイカという特殊な相手がターゲットです。以下は直接口で餌を捕食するわけでなく、「触腕」という、イカ類だけが持つ、伸縮自在で獲物を捕獲するために存在する特殊な2本の腕を使って、獲物を軽く触って、食べられるものか否か判断する、通称「イカパンチ」という、エギを抱く前の確認動作を行い、その後、違和感を抱かなければ、エギに抱きつきます。この一連の動作は、完全にイカが抱き着くまではそーっと行われます。手元にアタリがひしひしと伝わってくることは少なく、ラインの微妙な動きによる違和感を感じる必要があります。エギング用のリールにはそんなラインの違和感を確実に掬い取り、アングラーへ伝達する感度が求められます。
ギア比
エギング用のスピニングリールは、ハイギア、エキストラハイギアといった、ギア比の高いモデルをおすすめします。ギア比の高いモデルは、ラインスラックの回収が素早くできるからです。また、地磯での藻場打ちなどの場合は常に根掛かり→エギロストの危険がありますので、スピーディに仕掛けが回収できるハイギアモデルの方が、根掛かりを避けられる確率が高いと思います。また、エギのカンナ(針部分)にはカエシがありません。そのため、フッキング後はラインテンションを絶対に緩めてはいけません。ハイギアのリールであれば、ファイト中にテンションが抜けることなくランディングまで持ち込める確率が高いでしょう。
ドラグ特性
エギングのドラグ設定は他の釣りとはかなり異なります。イカを誘う時はエギを瞬間的にピンピンと勢いよくスピーディに跳ね上げなければなりませんが、イカがアプローチしてきたら車の運転と同じで、急発進、急ブレーキ、急ハンドルなど、「急」のつく動作は避けなければなりません。身切れを起こして、切れてしまった足だけが釣れたという悲劇を起こさないためにも必要以上の強いアクションは慎みます。そのため、ドラグの設定は非常に緩めにしておかなければなりません。
目安は、エギを強く、大きくしゃくった時にドラグが「ジッ!」と作動する程度です。「ジャーッ!」となるようだと緩すぎです。ドラグの強度を細かく調整でき、緩めの設定でもきちんと制御してくれる高性能ドラグを備えたモデルが良いでしょう。アブガルシアの「2way DRAG」搭載機の場合は、ドラグワッシャーの並び方を変えて「Lightモード」にするとエギングに適したドラグフィールになりますのでお勧めです。
エギングのドラグ設定は、誘っているときはドラグは締めた方が良く、フッキングからは極力緩い方が良いため、本当ならダイワのクイックドラグやシマノのハイスピードドラグなど、ドラグノブの調整ストロークが短い特殊なドラグシステムを積んでいるモデルが良いのですが、エギングに向いたモデルに搭載されているケースが少ないのが残念です。
エギングにおすすめのスピニングリール(エギング専用モデル)!
それでは、エギングにおすすめのスピニングリールを紹介して行きます。まずはエギング専用チューンドリールから(カッコ内はベースモデル名)。
シマノ・21セフィアXR(20ヴァンフォード)
シマノ公式サイト「21 セフィア XR C3000SHG」
2021年秋にデビューしたセフィアXRは、旧モデル・セフィアCI4+の後継機として、シマノのエギング専用機のフラッグシップモデルとして満を持して登場しました。ベースモデルは、2020年春にストラディックCI4+の後継機として登場した20ヴァンフォードです。20ヴァンフォードは、それまでハイエンドクラスのモデルにしか使われてこなかった、マイクロモジュールギアⅡ、サイレントドライブを備え、オールCI4+ボディにCI4+製マグナムライトローターを搭載、さらに、シマノ最強の防水性能を誇るXプロテクトを装備するなど、最新のシマノテクノロジーをふんだんに取り込み、軽さと強さ静粛性を兼ね備え、かつ価格を抑えた業界騒然のモデルで、以後のミドルクラス、エントリークラスの高性能化の手本となっている、エポックメイキング的なモデルです。この20ヴァンフォードをベースに、ドラグ機構をエギングに適したラピッドファイヤドラグに変更し、さらにリジッドサポートドラグを追加した、春のモンスター級アオリイカを狙いたいアングラーにおすすめのハイエンドモデルです。
シマノ・19セフィアSS(17アルテグラ)
amazon.co.jp「19 セフィア SS C3000SHG」
シマノのエギング専用リールの中ではミドルクラスのモデルである19セフィアSSは、17アルテグラをベースモデルとし、セフィアXR同様、ドラグがラピッドファイヤードラグに変更され、スプールの底部とスプール受け部にはベアリングを使い、滑り出しの軽いリジッドサポートドラグが搭載されています。
但し、ベースモデルの17アルテグラは既に旧モデルになっています。現行の21アルテグラは、20ヴァンフォード同様、大化けを遂げたハイコスパ機となっていますので、21アルテグラベースのニューセフィアSSの発売に期待したほうが良いかも知れません。
シマノ・22セフィアBB(22アルテグラ)
シマノ
セフィア3兄弟の末弟ながら、2022年秋にモデルチェンジしたばかりの22セフィアBBの最大の利点は、ベースモデルが17アルテグラから22アルテグラに変わっている点です。19セフィアSSの項で触れたとおり、21アルテグラは、17アルテグラとは全く違うモデルと言えるほどの大進化でした。マイクロモジュールギアⅡ、サイレントドライブ、Xプロテクトと言ったハイエンド機の機構を網羅し、エントリーモデルの概念をガラリと変えたモデルです。
そんな22アルテグラから、ローターをマグナムライトローターに、ドラグをラピッドファイヤードラグに、さらにリジッドサポートドラグも搭載し、軽さと感度、そして強さも高めたエギングチューン機となりました。15,000円程度で入手できるモデルとは思えないポテンシャルを備えたモデルで、性能と価格のバランスを考えたら現在のイチオシモデルと言えるでしょう。
ダイワ・21エメラルダス AIR(20ルビアス)
ダイワ「21 エメラルダス エア LT2500-XH」
21エメラルダスAIRは、ダイワお得意のカーボン繊維強化樹脂「ZAION」で成形されたモノコックボディと、超々ジュラルミン製タフデジギア、18イグジストと同様のZAION製エアローターを搭載することより、軽さと強靭さを両立したダイワの傑作ミドルエンドモデル、20ルビアスをベースモデルとして、専用ハンドルやマグシールドラインローラーを追加し、印象的な専用カラーリングを施したエギングスペシャルモデルです。ボディサイズは2500番のLTモデルと、1000番ボディのFC(フィネスカスタム)モデルの2サイズのみとなりますが、春アオリ狙いならLTモデルを、秋アオリ狙いなら軽さ重視でFCモデルを選択することをおすすめします(スプールは2500番相当のものがついています)。
ダイワ・17エメラルダスMX(17セオリー)
エメラルダスシリーズ3兄弟の中間グレードである、17エメラルダスMXは、17セオリーをベースモデルとしたエギングチューンモデルです。デビュー当時は軽量エギングチューンモデルとしてもてはやされましたが、さすがに2017年モデルですと、ダイワのLTコンセプト導入前の製品であるため、古さは否めません。ベースモデルのセオリーもラインアップから外れていますし、非常に特徴的なカラーリングが好きだと言う場合以外は強いて選ぶ理由はないかも知れません。
ダイワ・19エメラルダスLT(15レブロス)
ダイワ「19-エメラルダス」
エメラルダスシリーズの末弟である、19エメラルダスLTは、LTコンセプト導入前の15レブロスをベースモデルとするモデルではありますが、駆動部からハンドル、ローター、スプールに至るまで全てにおいてチューンナップが行われ、15レブロスの面影はほとんどなくなっています。
ねじ込み式アルミマシンカットハンドル、薄肉アルミスプール、DS4(ガラス繊維強化樹脂)エアローター、タフデジギアを装備し、LTコンセプトの基準を満たす軽量モデルに仕上がっています。ピニオン部にはマグシールド防水が採用され、エントリーモデルとしては十分のスペックです。ハンドルはダブルハンドルモデルしかラインアップされていませんので、シングルハンドル希望の方は改造が必要です。
エギングにおすすめのスピニングリール(汎用リール)!
続いて、汎用スピニングリールの中から、エギングに向いているモデルを紹介して行きます。エギング専用リールのベースモデルとなっているものは当然エギングにも向いているモデルです。ここではそれ以外の汎用スピニングリールを中心に紹介します。
シマノ・23ヴァンキッシュ
2023年1月20日〜22日、パシフィコ横浜・釣りフェスティバル2023でベールを脱いだ2023年のニューモデルの中で、23ヴァンキッシュは特にエギングに向いているモデルと言えます。慣性力を最も抑えた新・マグナムライトローター、超スローオシレーションによる超密巻き機構「インフィニティループ」、ライン落ちを防止し、たるんだままラインがスプールに巻かれることを防ぐ「アンチツイストフィン」など、大きな進化を遂げています。エギングで細いPEラインを使う場合でもトラブルなくエギを自在に操ることができます。
ダイワ・23エアリティ
2021年にルビアスエアリティとして発売されたモデルが2023年、エアリティとしてリニューアルを遂げました。マグネシウムモノコックボディに、アングラーの操作性を軽くするため、あらゆるパーツのレスポンスと重量バランスを最適化し一体感を極限まで高めたエアドライブデザインが、エギングの繊細なアクションにベストマッチしてくれます。
シマノ・20ヴァンフォード
主に上級者から非常に評価が高かった、16ストラディックCI4+の後継機として登場した20ヴァンフォードは、素材にCI4+を多用した軽量ボディに、これまでハイエンドクラスの機種にしか採用されていなかったマイクロモジュールギアⅡ、サイレントドライブ、Xプロテクトなどを採用した万能スピニングリールです。ほぼ全ての釣りに対応可能なモデルとして、シマノのミドルエンドクラスの重要戦略モデルとなっています。
ダイワ・21カルディア
ダイワ「21 カルディア LT2500S-XH」
2021年にモデルチェンジした21カルディアは、ダイワ新開発のZAION V(ザイオン・バーサタイル)というカーボン繊維強化樹脂を使用したモノコックボディにより、軽さと強さを両立しつつ価格を抑えたモデルとなっています。モノコックボディに大口径ドライブギアを搭載したモデルの中では最も安価なモデルです。
ダイワ・19レグザ
アルミボディにタフデジギアを組み合わせ、剛性を重視したモデルながらLT化を達成し、さらにピニオン部にはマグシールド防水も採用し、価格を2万円以下に抑えた画期的なモデルです。実売価格15,000円前後で手に入る万能スピニングリールとして、エギングビギナーにもおすすめのモデルです。
エギングタックルは様々な用途に使えるバーサタイル性が魅力!
いかがでしたでしょうか? エギング用のタックルは、パワーと感度のバランスがよく、さらに繊細な制御が求められるドラグを備えています。そのため、エギング以外の釣りにも適する場合が非常に多いという特徴があります。シーバス、チニング、ライトゲーム、エリアトラウトなどなど、エギングタックルで代用できる釣りは色々あります。そのため、充分に吟味したエギングタックルを構築しておけば、使い勝手の良い万能タックルになってくれるでしょう。そして、エギングタックルを中心に、より強いタックル、より繊細なタックルへと軍拡を進めて行くと、無駄のない軍備となって行くことでしょう。