スピニングリールのスペック表にある各項目の意味と捉え方
作成:2022.02.03更新:2022.11.16
目次
購入予定のリールを選ぶ時や、既に持っているリールの許容値などを知りたい時、リールのスペック表は多いに役立ちますよね。そんなスペック表に記載されている各項目ですが、それぞれの意味は理解できていますでしょうか?完全に理解をしておく必要はないですが、知っておくと大変便利です。この記事では、スペック表に記載されている各項目の意味と捉え方について解説していきます。
スペック表に表示されている主な指標
番手
スピニングリールを選ぶ時、「番手」という指標が軸になる事が多いです。基本的には、番手の高いリールほど大きいサイズのリールになる傾向があります。単純に番手が高ければ良いという事ではなく、自身のやりたい釣法に合わせて選択をする必要があります。また番手の基準はメーカーによって異なる(番手の存在しないリールもある)ため、おおよその目安として考えておくと良いでしょう。番手については下記の記事で詳しく解説しています。
ギア比
ハンドル一回転で、どれだけラインを巻く事ができるのかを表しています。ギア比が高いリールは低いものと比べて、ハンドル一回転で巻き取れるラインの量が多くなります。つまり、より早く仕掛けを回収できるという事にもなりますが、ゆっくり回収することが求められる釣法であれば、ギア比が低いリールの方が望ましい場合もあります。
このようにギア比の基準は、釣法に応じて向き不向きがあったり、釣り人各々の好みもあるので、正解というものがありません。ギア比に関する詳しい内容は下記の記事で整理しています。「どれくらいの数値だとギア比の高いリールといえるのか」についても解説しています。
最大ドラグ・耐力(kg)
ドラグを限界まで締め込んだ際に滑り出す負荷の数値を表しています。こちらの数値はあくまで目安であり、最大ドラグ力より重い魚であっても寄せることはできます。参考程度の指標としておくと良いでしょう。なお、ドラグはしっかりとしたメンテナンスが必要です。下記の記事にて詳しく解説しています。
自重(g)
自重はリール全体の重さを表しています。リールの自重は、タックルバランスを大きく左右するポイントです。タックスバランスが安定していないと、キャスティングを繰り返すうちに腕が疲れてしまいます。リールは軽ければ良いということではなく、ロッドの重さや重心によっては重めのリールの方が相性が良い場合もあります。すでにお持ちのロッドに合わせたいという方は、そのロッドとのバランスを考慮しながらリールを選定する必要があります。
ちなみにタックルバランスにも正解はありません。人それぞれ感じ方が違うので、自分に合ったスタイルを見つける必要があります。どのように見つけるかについては、下記の記事を参考にしてみて下さい。
B/R(ボールベアリング数/ローラーベアリング数)
スピニングリールに搭載されている回転軸(ベアリング)は、「ボールベアリング」と「ローラーベアリング」の2種類です。ボールベアリングはハンドルノブや、ドラグなどに使われており、ボールベアリングが数多く搭載されているリールは回転が円滑になります。
スペック表に記載されているボールベアリングの数値はこのベアリングの搭載数を表していて、高価なリールほど多い傾向があります。※ベアリング内のボールの個数を表しているのではありません。
一方ローラーベアリングは、一定方向にしか回転しないベアリング(ワンウェイクラッチ)となっており、リールの逆転を防止するパーツとして起用されています。ローラーベアリングはほとんどのスピニングリールにおいて、1つしか使われていません。また、ラインローラー部に使われているものベアリングをローラーベアリングと勘違いしがちですが、それはボールベアリングです。
ハンドル長(cm)
ハンドル長はその名の通りハンドルの長さのことです。スペック表に記載されているハンドル長は、そのリールで行う釣法に適したハンドルの長さになっていることが一般的です。例えば、ライトゲームなどの繊細な釣りに適したリールは短めのハンドル。ジギングゲームなどの大胆な釣りに使われるリールには長めのハンドルが採用されています。
ハンドルの長さは、リールを選ぶ際にはあまり気にしなくても良い指標ではありますが、それぞれメリットとデメリットがあるので、気になる方は下記の記事も参考にしてみて下さい。
巻上長/回転(cm)
巻上長/回転(cm)は、ハンドル1回転で何cmのラインをスプールに巻き取ることができるのかを表しています。ギア比と比例する形で数値が変動する指標ですが、スプールの大きさによっても巻上長は変化します。各リール巻上長を把握することは、例えば、キャストした仕掛けを回収するのに、ハンドルを何回転させたかをカウントすることで、おおよその飛距離を計測することが可能になります。
ライン毎の糸巻量
「PE」や「ナイロン」と記載のある糸巻量は、それぞれのラインにて何m(メートル)巻き取ることができるのかを表しています。ナイロンラインの太さは「lb(ポンド)」、PEラインの太さは「号(ゴウ)」で表しています。ご自身が求める釣法において、どれくらいの糸巻量を必要なのかを把握しておく必要があります。ラインの種類については下記の記事が参考になります。
また、リールに対してどれくらいの量のラインを巻くのが適切なのかについては、下記の記事を参考にしてみて下さい。
その他の指標
スペック表の項目には記載のないものですが、リールを探す上で参考にしておきたい指標も紹介します。
適性釣法
スピニングリールは主に、
- 各釣法に合わせて最適化されたリール
- 様々な釣法で活躍する汎用的なリール
に分けられており、リールによっては目的の釣法がしっかりと定義されている場合もあります。既に釣法が決まっている場合には、適切な釣法から探すのも良いでしょう。釣法に合わせて最適化をされたリールは下記の記事でも整理しています。
年式
ダイワとシマノのリールは、リール名の頭に「18」や「22」といった数字を記載して表記する場合があります。これはそのリールの発売年を表しており、例えば「22ステラ」ならば2022年に発売されたステラ、「18ステラ」ならは2018年に発売されたステラであることを表しており、前作モデルと区別をするために設けられています。
この年式を確認することは、そのリールが最近発売されたものなのかを確認できるだけでなく、現行モデルが古い場合にはモデルチェンジの可能性を予測することもできます。
また旧式モデルは安価であることが多く、予算の関係から、敢えて旧式を購入するような場合にも、年代別でのスペック比較をした方が良いでしょう。尚、メーカー公式サイトのスペック表は常に最新のモデルにアップデートされてしまうため、旧式モデルのスペックは確認できません。前作のスペックを含め、各ブランドの年式を確認したい場合には「ブランド一覧ページ」から各ブランドを見れば確認できます。
リールの特性を理解すれば釣りも楽しくなります!
これらの指標の意味を理解していれば、自分に適したリールも探しやすくなるでしょう。また、既に持っているリールのスペックを把握すれば、2台目のリールを選ぶ上での基準にもなります。よく理解していなかったという方は、それぞれの意味はしっかり覚えておくと良いでしょう。リールの特性を理解しながら釣りをするのはとても楽しいですよ!