スピニングリールへの糸巻き量はどのぐらいが目安?ラインごとの適正量と巻き方を解説
作成:2022.01.17更新:2022.09.16
目次
スピニングリールへの糸巻き量。どのくらい巻けばいいのか分からずに困っていませんか?適正な糸巻き量はラインの種類ごとに少し違います。巻き方はもっと違います。今回はラインごとの適正糸巻き量と巻き方について解説しますので是非参考にしてください。
僕は元釣具屋店員です。正社員として2年半弱ほど働いていました。その間に2000台以上は巻き、その中で色々試しながら技術を身に付けました。お客さんから「糸巻きをお願いするのは○○さんかキノピー」「県内ならどの店でもリール持って行くから県外に転勤はしないでくれ」と言われるぐらいの技術はありました。正直言うと糸巻きはかなり感覚的なところが多く、簡単に伝えられるものではありませんが出来るだけ伝わるように頑張ってみます。
ぶっちゃけ好み次第
糸巻き量の目安は正直なところその人の好みによるところが大きいです。スプールエッジをはみ出るまで巻いて欲しいという方もいれば、かなり少なめに巻いて欲しいという方もいます。これが真理ですがこの記事を見に来てくれている方は、適正な糸巻き量を知りたいはずなので分からなければこうしておけば無難な糸巻き量を次で解説します。
スピニングリールへの糸巻き量の目安
スピニングリールへの糸巻きはスプールエッジから-1㎜~-1.5㎜ぐらいがトラブルが少なくラインの放出も良いです。巻く長さの目安はラインの種類によって違いますのでそれぞれ解説します。
ナイロンラインの糸巻き量
太さにもよりますが、リールに表記されている量の80%~90%が目安です。リールに表記されている量は巻こうとすれば巻けますが、そうしてしまうと糸巻きの時のテンションが強くなります。ナイロンラインはテンションを強く掛けてしまうと糸グセが付き扱いづらくなり、傷みも早い(気がするだけかも)のでフワフワにならないギリギリのテンションで巻くのが望ましいのですが、そのように巻くとリールに表記されている量が入りません。少なくとも僕は入ったの見たことないです。ナイロンラインはしなやかなのでスプールエッジギリギリまで巻いたとしてもそれほどトラブルが頻発することはありません。
フロロカーボンラインの糸巻き量
太さにもよりますが、リールに表記されている量の80%~90%が目安です。フロロカーボンラインは硬くて糸グセが付きやすく、バックラッシュが多いラインなのでスプールエッジギリギリまで巻くとトラブルが起こりやすいです。
エステルラインの糸巻き量
リールに表記されている量の70%~85%が目安です。エステルラインはスプールエッジから-2㎜を超えてしまっても問題ないと思います。エステルラインは今回ご紹介する4種のラインの中では最も硬くトラブルが起こりやすいラインなので、使用に不便を感じない範囲内でギリギリまで少なくするべきです。
PEラインの糸巻き量
太さにもよりますが、リールに表記されている量の90%~100%が目安です。PEラインは非常にしなやかで糸グセが付きにくいので少々巻きすぎてもそれほどトラブルには繋がりません。
スピニングリールへの糸巻き量による特徴
糸巻き量多め
PEラインであれば少々多めでもトラブルは起こりにくいです。多めに巻くことでスプールエッジとの角度がなくなり抵抗が生まれにくくなるので、理論上飛距離は伸びますが体感したことがないというのが正直なところです。トラブルは明らかに増えますので僕はおすすめしませんが、多めに巻くのが好きな方も偶にいます。
糸巻き量適正
中級者以上なら快適に使える糸巻き量です。しかし初心者だとフロロカーボンラインやエステルラインではトラブルを起こしてしまいます。
糸巻き量少な目
ライントラブルに悩む方は1度試して頂きたいです。糸巻き量を少なくするだけでライントラブルは劇的に減少します。特にフロロカーボンラインやエステルラインでは効果抜群です。PEラインや極細エステルでは不便は感じませんが1号以上のナイロンラインやフロロカーボンラインでは飛距離の低下を感じるかもしれません。
ラインの巻き方
それぞれのラインの巻き方を解説します。冒頭でもお話した通り糸巻きは感覚的なものであり、しっかりは伝わらないと思いますのでこれを参考にしてご自分で試行錯誤してみてください。
ナイロンラインの巻き方
先程も触れましたがナイロンラインはテンションを強く掛けてしまうと糸グセが付き扱いづらくなり、傷みも早いのでフワフワにならないギリギリのテンションで巻くのが望ましいです。
フロロカーボンラインの巻き方
フロロカーボンラインもナイロンラインと同じく、テンションの掛け過ぎは良くないのですがナイロンより硬い分、気持ち強くテンションを掛けます。
エステルラインの巻き方
リールに巻くエステルラインはアジング用やトラウト用の1lbクラスが多いと思いますが、これらのラインの糸巻き難易度は最高クラスで釣具屋の店員さんでもきちんと性質を理解して長く快適に使えるように巻くことが出来る方は極々僅かです。
エステルラインは硬いですが、非常に細いのでテンションの掛け過ぎは厳禁です。テンションを掛け過ぎるとチリチリになります。ナイロンラインと同じくフワフワにならないギリギリのテンションで巻くのが望ましいです。高速リサイクラーなどの機材はテンションをユルユルにしても強すぎるので使用できません。また一瞬のテンションの掛けミスが即ラインブレイクに繋がるので慎重に作業を行いましょう。
PEラインの巻き方
PEラインは他の3種とは違い、しっかりテンションを掛けて巻く必要があります。このラインは(他のラインの同号数と比べて)強くて、(同じ強度なら)細くて、伸びないという性質があるのでテンションの掛け方が甘いと高負荷が掛かったときに、下に巻かれてあるラインに食い込む現象が起こります。ラインが食い込んでしまえばドラグが効かずにラインが切れてしまいますし、そのあとの釣りでもラインの放出が悪くなり非常に不快になります。以上の理由からPEラインは可能な限り強いテンションで巻く必要があります。3号以上の太いPEではラインがスプールから溢れてしまい、「ラインが表記より太い」「メーカーの表記はアテにならない」なんて言ってる方をチラホラ見かけますが、それは明らかにテンション不足です。かなり乱暴な言い方になりますがPEラインは自分が思っている2倍~3倍のテンションを掛けてちょうど良いです。
ラインは自分で巻こう
ラインを買ったら必ず釣具屋さんで巻いてもらう方は多いと思いますが、元釣具屋店員の僕からすればおすすめはしません。理由を深く説明したいところではありますがそれは無理です、すみません。でも元釣具屋店員の僕がもう1度言っておきます。釣具屋でラインを巻いてもらうのはおすすめしません。練習して自分で巻けるようになりましょう。
適正な糸巻き量で快適に釣りを楽しもう!
糸巻き量次第で釣りが快適に楽しめるかどうか決まると言っても過言ではありません。スピニングリールへの糸巻き量の目安はしっかり覚えておきましょう。