ダイワ・シマノのリール表記の見方について徹底解説。表記の意味とそれぞれの違いとは?
作成:2022.04.26更新:2022.04.28
目次
ダイワ・シマノのリール表記とは
スピニングリールの品番を確認すると、様々なアルファベットが混ざっています。そして、それぞれにはしっかりとした意味があり、分かる人からすると、品番を見ただけでそのリールがどのような釣法に適しているのかを判断することができます。
この記事では、ダイワとシマノのリール表記について、それぞれを分かりやすく比較をしていきたいと思います。記事末には一覧表でもまとめていますので、すぐに確認したいという方はそちらを確認してみて下さい。
スプールタイプ
スプールタイプは、スプールの溝の深さを表していて4種類の表記があります。溝が浅いほど、ラインキャパ(糸巻量)が少なくなりますが、下巻き分のラインが不要になるため、それほどラインキャパを必要としない釣法においては経済的です。逆にラインキャパが必要なオフショアゲームなどでは、スプールの溝は深くなければいけません。
スーパーシャロースプール(SS)
- ダイワ:番手数の後に「SS」が付きます『例:バリスティック LT2000SS-P』
- シマノ:番手数の前に「SS」が付きます『例:ステラ 1000SSPG』
シャロースプール(S)
- ダイワ:番手数の後に「S」が付きます『例:イグジスト LT2500S』
- シマノ:番手数の後に「S」が付きます『例:ステラ 2500S』
ミディアムディープスプール(M)
- ダイワ:なし
- シマノ:番手数の後に「M」が付きます『例:ステラ 4000M』
ディープスプール(D)
- ダイワ:番手数の後に「D」が付きます『例:レグザ LT6000D-H』
- シマノ:なし
ボディーサイズ
ボディーサイズを表すリール表記は一つしかありません。
コンパクトボディー(-C・C)
ボディーサイズが記載の番手よりも一回り小さいリールのことを「コンパクトボディー」と呼びます(5000番のコンパクトボディーなら4000番と同じボディーサイズ)。ボディーサイズを小さくすることで「軽量化」という大きなメリットが生まれます。スプールのサイズは据え置き(5000番のコンパクトボディーでもスプールは5000番サイズ)となるので、軽いリールでありながら、対象の番手相当のラインキャパを確保することができているリールのことです。
- ダイワ:番手数、スプールタイプの後に「-C」が付きます『例:セルテート LT4000-C』
- シマノ:番手数の前に「C」が付きます『例:ツインパワー C5000XG』
ギア比
ハンドル一回転における巻上量(厳密にはローターの回転数)を示す指標で3種類の表記があります。ギア比が高いリールはそうで無いものと比較して、ハンドル一回転で巻き取れるラインの量が多くなります。手返しよくキャストを繰り返すゲームや、掛かった魚をハイスピードで引き上げるような釣法に有利と言われています。
一方ギア比が低いリールは、ルアーなどの仕掛けに繊細なアクションを伝えることができたり、巻上けパワーが向上するため、大物が掛かっても効率的に巻き上げることが可能となります。自転車でも坂道を上る際には「ローギア」にすると登りやすいですが、これと同じ原理です。
なお、「ノーマルギア」と呼ばれる中間的なギア比は、リール表記では記載されていません。
パワーギア(ローギア)(-P・PG)
- ダイワ:ボディータイプ、スプールタイプの後に「-P」が付きます『例:イグジスト LT2000S-P』
- シマノ:ボディータイプ、スプールタイプの後に「PG」が付きます『例:ステラ 1000SSPG』
ハイギア(-H・HG)
- ダイワ:ボディータイプ、スプールタイプの後に「-H」が付きます『例:イグジスト LT2500S-H』
- シマノ:ボディータイプ、スプールタイプの後に「HG」が付きます『例:ステラ 2500SHG』
エクストラハイギア(-XH・XG)
- ダイワ:ボディータイプ、スプールタイプの後に「-XH」が付きます『例:フリームス LT3000-XH』
- シマノ:ボディータイプ、スプールタイプの後に「XG」が付きます『例:ステラ C5000XG』
ギア比による具体的な違いや、選び方などは下記の記事を参考にしてみて下さい。
ハンドルタイプ
ハンドルタイプを表すリール表記は一つしかありません。
ダブルハンドル(-DH・DH)
ハンドルノブが2つあるリールです。手元を目視しなくても、簡易的にハンドルの位置を把握することができるため、ナイトゲームを中心とするエギング専用リールなどでは、ダブルハンドルのラインナップが多いです。
- ダイワ:品番の最後に「-DH」が付きます『例:イグジスト LT2500S-DH』
- シマノ:品番の最後に「DH」が付きます『例:セフィア XR C3000SDH』
ダイワ独自のリール表記
ダイワのリールにしか記載されていない表記もありますので、合わせてご紹介していきます。
LTコンセプト(LT)
LIGHT(軽く)・TOUGH(強い)ことを追求して設計されたリールのことを「LTコンセプト」と呼びます。この設計思想はダイワにしか存在しません。
- ダイワ:番手数の前に「LT」が付きます『例:カルディア LT2500』
- シマノ:なし
フィネスカスタム(FC)
超軽量設計となっているリールのことを「フィネスカスタム(FC)」モデルと呼びます。こちらの設計思想もダイワにしか存在しません。
- ダイワ:モデル名の後に「FC」が付きます『例:エメラルダス エア FC LT2500S』
- シマノ:なし
クイックドラグ(QD)
ドラグノブを約1回転させるだけで、ドラグの効き具合を最小値から最大値まで調整できる機構のことです。サーフ(砂浜)から置き竿で大型キスやヒラメを狙う際は、ドラグを緩めておくことで仕掛けに違和感を与えずに済みます。アタリがあって合わせる際に、瞬時にドラグをキツく締めれる「クイックドラグ」は、このような時に重宝されます。 シマノでは類似の機構として「ツインドラグ」というものがありますが、リール表記には含まれていません。
- ダイワ:モデル名の後に「QD」が付きます『例:キャスティズム 25 QD』
- シマノ:なし
ブレーキタイプ
ブレーキタイプは厳密には、リール表記ではなくモデル名に付くことが多いのですが、せっかくなので紹介します。ブレーキタイプとは下記の「レバーブレーキ」の搭載有無を表します。
レバーブレーキ(LB・BB-X)
レバーのオンオフだけでラインテンションの切り替えが行える機能のことで、主にフカセ釣り専用リールに備わっています。フカセ釣りの対象魚となる、メジナ(グレ・クロ)やクロダイ(チヌ)などの引きは強烈なため、竿がのされることが多く、ラインブレイクの危険があります。その際、レバーブレーキを使って瞬時にラインテンションをフリーにすることで、竿の体勢を持ち直すことが容易になります。それ以外にも、テンションフリーのオンオフを頻繁に行う「テンヤ釣り」「泳がせ釣り」などでも大きなアドバンテージとなるリールといえます。
- ダイワ:モデル名に「LB」が付きます『例:バトルゲーム LBQD』
- シマノ:モデル名に「LBかBB-X」が付きます『例:BB-X レマーレ』
ダイワ・シマノのリール表記一覧表
最後に今回紹介したリール表記を一覧表にしましたので、忘れた時などに参考にして頂ければと思います。
名称 | ダイワ | シマノ |
---|---|---|
スーパーシャロースプール | LT2000SS-P | 1000SSpg |
シャロースプール | LT2500S | 2500S |
ミディアムディープスプール | - | 3000MHG |
ディープスプール | LT4000D-H | - |
コンパクトボディー | LT4000-C | C5000XG |
パワーギア(ローギア) | LT2000S-P | 1000SSPG |
ハイギア | LT2500S-H | 2500SHG |
エクストラハイギア | LT3000-XH | C5000XG |
ダブルハンドル | LT2500S-DH | C3000SDH |
LTコンセプト | LT2500S | - |
フィネスカスタム | FCLT2500S | - |
クイックドラグ | SS4000QD | - |
レバーブレーキ | LBQD | LB〜,BB-X〜 |