ヴァンキッシュC2500SXGはアングラーのポテンシャルを限界まで引き上げる高性能リール!
シマノの汎用スピニングリールには、リールの設計思想の違いで、「コアソリッドシリーズ」と「クイックレスポンスシリーズ」の2タイプがあります。ステラを頂点とし、金属素材を多用し、慣性モーメントを残したローターにより、回転力をアシストしながらアングラーの疲労を軽減し、一日中タフな釣りをサポートする「コアソリッドシリーズ」に対し、樹脂パーツと軽量金属素材を複合した軽量高感度ボディに、慣性モーメントを極力排した超軽量ローターを合わせ、リーリングのゴー、ストップなどのアクションをよりシビアにルアーに伝え、よりリアルな生命感を与えるためのタックルが「クイックレスポンスシリーズ」となります。ヴァンキッシュシリーズは、クイックレスポンスシリーズの頂点として、比類ない高感度と軽量性を武器に、ステラと双璧をなす、シマノを代表する高性能汎用スピニングリールとなっています。今回は、コンパクトながら超ハイスピード、ベイトフィネスやチニングなど、様々なライトゲームにおすすめのC2500SXGを紹介します。
軽い、とにかく軽い! 異次元の155g!
ヴァンキッシュは、クイックレスポンスシリーズの頂点に君臨するスピニングリールとして、異次元の軽さを誇ります。ヴァンキッシュ C2500SXGの自重は155gです。155gがどれだけ軽いかというと、あまりピンと来ないかもしれませんが、分かりやすく説明すると、単1乾電池1本の重量が約138g、単3乾電池1本の重量が約22gと言えばイメージ出来ますか? 合わせて160gです。ヴァンキッシュ C2500SXGはそれより軽いのです。そこまでな軽さを求める理由は何なのか?もちろん、軽いタックルは披露が少ないと言うのも大きな理由ですが、一番の理由は「感度」です。特に近年は、ベイトフィネスやアジングなど、数グラムの超軽量ルアーを細いラインでキャストする釣りのメソッドが進化しています。全身を研ぎ澄まし、僅かなアタリを確実に捉える必要があります。場合によっては人差指一本でアタリを感じなければならない場面もあります。そんな時は、ロッドを含めたタックル全体の軽量化と重心の最適化が必須となります。
ヴァンキッシュ C2500SXGの基本スペック
ヴァンキッシュ C2500SXGの基本スペックを見て行きましょう。ギア比は6.5、ハンドル1回転あたりの最大巻き上げ量は86cmです。C2500Sは、2000番相当のコンパクトボディのモデルですので、エキストラハイギアとなります。ドラグは、最大釣力3kgの、滑り出しの大変滑らかな高性能ドラグとなっています。ラインキャパは、ナイロン5lbで110m、8lbで70m、フロロカーボン4lbで130m、6lbで80m、PE0.6号で200m、1号で120mとなります。細いラインでのライトゲームを想定したリールですね。PEラインを使用すれば、ある程度の距離のキャスティングも可能です。自重は上述の155gです。
圧倒的な軽さはマグネシウム合金とCI4+から叩き出される!
ヴァンキッシュは、その圧倒的な軽さを実現するために、シマノの最高峰のテクノロジーが最大限注がれています。ボディには、シマノのスピニングリールではステラ、エクセンス、ヴァンキッシュ、BB-Xテクニウム、BB-Xハイパーフォースにしか採用されていない、軽量高剛性のマグネシウム合金が使われています。しかし錆に弱く、酸洗→研磨→化成処理という、手間のかかる工程を経て防錆処理をする必要があります。また、マグネシウムの切屑には引火性があり、水と反応すると爆発する危険もあるため、特殊な保管設備、加工設備、消火設備が必要になります。このため、ミドルクラス以下には使いづらく、各社ともハイエンドクラスの、一部の機種に使用が限定されています。ヴァンキッシュは、ボディはマグネシウム合金の「HAGANEボディ」で固め、ローターはシマノ独自のカーボン繊維強化樹脂の「CI4+」を使い、軽量・低慣性に仕上げ、さらにチタンベールを装着し、より軽くて強いマグナムライトローターを、ハンドルでも軽量化を行い、ハンドルシャフトはチタン化、ハンドルバーもCI4+製に変更、こうした鬼のこだわりで「1g」を削り出しています。
全身が高感度センサーのようなリールだ!
軽い、とにかく軽い。これはお分かりいただけたのではないでしょうか?モチロン、軽いだけではありません。ヴァンキッシュ C2500SXGは、全身が高感度センサーのようなリールです。外部からの小さなアタリやルアーの動きなどを正確に拾い、アングラーの手元、或いは指先に伝えます。この研ぎ澄まされた高感度を発揮するために、回転による雑音は「ゼロ」にしなければなりません。そのため、ギアの、歯数を増やし、歯面形状の見直しを行い、滑らかなギアフィールと音鳴りの低減をする「マイクロモジュールギアⅡ」、そして各ギア部品の配置やクリアランスを徹底的に見直し、微細なガタや揺れも許さない「サイレントドライブ」により、静謐さが極限にまで高まっています。これこそがヴァンキッシュの「クイックレスポンスシリーズ」の頂点たる理由です。「リールを動かしたら回転雑音が出て、アタリがわかりづらくなった」では高感度リール失格です。
ライバルはダイワ・21ルビアスエアリティ FC LT2500S-XH
ヴァンキッシュ C2500SXGのライバルは、価格帯や自重、マグネシウムボディを使っている点で、ズバリ、ダイワ・ルビアスエアリティ FC LT2500S-XHです。ルビアスエアリティは、マグネシウムモノコックボディを採用しています。正直、どちらにも欠点はありません。好みで選んでも全く問題ありません。ただし、どちらを選んでも、リール本来の性能を100%引き出すには、アングラーの技量が必要です。十分な経験を積んでいないアングラーが求めても、これらの真価を体感するのは難しいかもしれません。己の技量は棚上げでも、「とんでもない軽さ、感度」を経験したいというなら、まずは購入して、ひたすら実戦あるのみというのでもいいかも知れませんね。その場合は、ぜひロッドも新たに求めてください!
こんな超軽量、高感度リールはどこで使うか?
超軽量、高感度のヴァンキッシュ C2500SXGはどんなシーンで使うのが正しいのでしょうか?色んなシーンで使えることは使えますが、これまで仮に220g程度のリールを使っていたようなアングラーが突然ヴァンキッシュ C2500SXGの155gを使うと、「凄まじく軽い」と感じるでしょう。と同時に、今まで使っていたロッドではダメだと思うはずです。タックルの重量バランスが極端に変わり、変に疲れてしまうでしょう。ついでにロッドも軽量で高感度のモノに買い替えましょう。そして、究極のライトタックルを作り上げてください。ベイトフィネスでバス釣りするもヨシ、エリアトラウトで2g前後のスプーンを投げまくるもヨシ、アジングヨシ、チニングまで余裕でこなせるでしょう。軽量ルアーを投げ、全身の感覚を研ぎ澄まし、魚からの一瞬のコンタクトを確実に仕留める、S級難度の釣りにやはり向いています。ズバリ、上級者専用です!