ライトショアジギングにも使える?19ヴァンキッシュC5000HGについてインプレッション
ヴァンキッシュと言えば、巻き出しの軽さや感度を重視した「クイックレスポンスシリーズ」のフラッグシップモデルです。その特性上、大きい番手の活躍は少ない印象ですが、実際の使用感はどんなものなのでしょうか?シマノの19ヴァンキッシュC5000HGについて詳しく解説していきます。
19ヴァンキッシュC5000HGの特徴
初めに解説するのは、19ヴァンキッシュC5000HGの特徴についてです。ショアジギングやキャスティングゲームを想定されているこのリールは、他の番手と装備が少し異なります。ここではそうした違いを中心に解説していきます。
ラウンドハンドルノブとアルミ製ハンドルシャンク
外見からも目に付きますが、19ヴァンキッシュC5000HGのハンドルノブは、より力を入れやすいラウンドハンドルノブとなっています。これにより重量のあるルアーの使用や大型の魚とのやり取りも少し楽になるでしょう。なおハンドルシャンク自体も通常のものから変更されており、アルミ製でより強度の高いものが採用されています。
カーボンクロスワッシャー
4000番までの19ヴァンキッシュのドラグは、より滑り出しの滑らかさを重視してフェルト製のワッシャーが搭載されています。C5000HGではより大きい負荷がかかることを想定し、カーボンクロス製のワッシャーに変更されています。カーボンクロスはフェルトに比べて耐摩耗性が優れており、青物などの強い引きに対応します。ただし、カーボンクロス製のワッシャーは使用感もフェルトと異なるため、人によって好みが分かれる部分でもあります。フェルトワッシャーの滑らかさがより好ましいという方は、購入後にカスタムしても良いかもしれません。
C5000番ながらも220g
19ヴァンキッシュC5000HGの重さは220gと、従来のC3000番並みの軽さとなっています。数年前までは考えられなかった数字ではないでしょうか?ショアジギングはひたすらシャクリを繰り返すため、リールが重いと釣りに集中することが難しくなってしまいます。しかし、これだけ軽ければ腕への負担も少なくて済みますし、集中できる時間が増えることでチャンスも増えます。
剛性・耐久性には注意
220gという重さを実現している19ヴァンキッシュC5000HGですが、ボディの一部とローターは樹脂製になっています。ショアジギングやキャスティングゲームでは、思わぬ大物がヒットすることもありますし、リールの剛性や耐久性も非常に重要です。決して19ヴァンキッシュC5000HGがショアジギングなどに向かないということはありませんが、19ステラのように金属ボディ・金属ローターのリールと比べると不安が残ります。
20ツインパワー、19セルテートとの違い
次は20ツインパワー、19セルテートとの違いを確認していきましょう。どちらも剛性や耐久性が特徴のリールで、19ヴァンキッシュとは異なったリールです。ただ、今回はC5000番ですので、ショアジギングやキャスティングで良く使用されるリールをピックアップして比較していきます。
20ツインパワーC5000XGとの違い
20ツインパワーC5000XGは、18ステラを頂点とした「コアソリッドシリーズ」に属するリールです、コアソリッドシリーズは、非常に滑らかな巻き心地をテーマの1つとしています。重さは260gと少々重めですが、剛性の高い金属製のローターが搭載されています。19ヴァンキッシュC5000HGのローターは樹脂製となっているため、より強いリールを求める方は20ツインパワーC5000XGを選ぶと良いでしょう。なお20ツインパワーは19ヴァンキッシュよりも下位のモデルで、本体価格も46,500円と少し安く設定されています。
19セルテートLT5000D-CXHとの違い
19セルテートLT5000D-CXHはダイワのハイエンドモデルの1つです。ボディは全て金属製で、「モノコックボディ」という構造が剛性や防水性、ギアの大径化に貢献しています。ローターはZAIONと呼ばれる樹脂素材が採用され、巻き出しも軽く19ヴァンキッシュのようなクイックさも持ち合わせたリールです。ただ、ボディが金属で出来ている分、重さは250gと19ヴァンキッシュC5000HGに劣ります。価格は19ヴァンキッシュC5000HGよりも4~5,000円ほど安く、「多少重くなっても、コストを抑えたい」という方におすすめです。
19ヴァンキッシュC5000HGの良い点
1日中使っても疲れにくい
19ヴァンキッシュC5000HGの最大の武器である軽さは、ショアジギングやキャスティングゲームでもしっかりと貢献してくれます。1日中ジグをシャクり続けても疲れにくく、ストレスを感じません。また、軽いながらも強いトルク感があるため、重たいジグも不安なく巻いてこれます。
高感度で状況を把握しやすい
こちらも軽さによる恩恵ですが、19ヴァンキッシュC5000HGは非常に高感度なリールとなっています。潮流や地形の変化、ルアーの動きを素早く把握でき、自分が今どんな釣りをしているのかしっかりとイメージすることができます。ポイントの情報をどれだけ把握できているかは釣果にも確実に影響するため、19ヴァンキッシュC5000HGを使う上では大きなメリットになるでしょう。
19ヴァンキッシュC5000HGの悪い点
タックルバランスには注意
非常に軽量な19ヴァンキッシュC5000HGですが、タックルバランスには注意が必要です。パワーのあるロッドや長いロッドは重たいものも多く、先重りを感じて余計に疲れてしまう可能性があります。このリールを使用するのであれば、ロッドも軽量で扱いやすいものを選ぶようにしましょう。
大型狙いには不向き
19ヴァンキッシュC5000HGは、ローターとボディの一部が樹脂で作られているため、より剛性が求められる大型狙いの釣りには不向きです。もちろん全く使い物にならないということはありませんが、強い負荷がかかることが想定される釣りではボディ・ローターともに金属製のリールがおすすめです。シマノの場合はSWカスタムのモデルでも良いでしょう。
どんなスタイルに最適か
19ヴァンキッシュC5000HGを使用する場合、ライトショアジギングやサーフゲームが最適です。軽さや感度による機動力を活かして、ポイントを幅広く探ると良いでしょう。また、普段の釣行時間が長い方にもおすすめできます。適切なタックルバランスのロッドと組み合わせれば、腕への負担も少なく長時間の釣行が可能です。
他のリールが適しているスタイル
19ヴァンキッシュC5000HGは、ショアジギングやキャスティングゲームでも十分使用可能なリールです。しかし、これらの釣りでは思わぬ大型に出会ったり、初めから大型狙いの釣りになることも少なくありません。そのためより高い剛性を持つリールを使用した方が安心です。
比較的ライトなスタイルで、機動力を活かすリール
今回インプレッションしたリールは、シマノの19ヴァンキッシュC5000HGでした。C5000番ながら220gという衝撃的な軽さは、ポイントの素早い状況把握や長時間の釣りで真価を発揮します。ショアジギングやキャスティングゲームに必要な剛性も持ち合わせていますが、金属製のリールと比べると多少の不安が残る点に注意しましょう。