2009年にシーバス用のリールとして発売された「エクスセンス」。今では「エクスセンスBB」「エクスセンスCI4+」「エクスセンス」というブランドに派生され、黒を主体とする引き締まったデザインは、シマノのシーバス専用機の象徴です。エクスセンスはエクスセンスブランドの最高峰に君臨しています。現行モデルである17エクスセンスはクイックレスポンスシリーズに属する、自重の軽さとレスポンスの良さが特徴のリールです。ボディには軽量かつ剛性が高いマグネシウムが使用されているため、軽量でありながらもカッチリとした質感と金属ボディ特有のカチッとした極上の巻き心地が魅力的です。現行の汎用スピニングリールでフルマグネシウムボディであるのはステラとエクスセンスのみです。高剛性かつ軽量でハイレスポンスのエクスセンスはシーバスフィッシングのエキスパートにおすすめのリールです。
エクスセンスの
スペック
SPEC
- 17エクスセンス
品番 | 番手 | ギア 比 | 最大ドラグ ・耐力 | 自重 | B/R | ハンドル 長 | 糸巻量 | ナイロン 糸巻量(lb) | PE 糸巻量(号) | 価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
C3000M | 3000 | 5.3 | 9kg | 200g | 11/1 | 50mm | 77cm | 30-130 / 35-110 / 40-85 | 0.8-300 / 1-220 / 1.2-150 | ¥ 45,420 |
C3000MHG | 3000 | 6 | 9kg | 200g | 11/1 | 55mm | 88cm | 30-130 / 35-110 / 40-85 | 0.8-300 / 1-220 / 1.2-150 | ¥ 45,489 |
3000MHG | 3000 | 5.8 | 9kg | 215g | 11/1 | 55mm | 85cm | 30-130 / 35-110 / 40-85 | 0.8-300 / 1-220 / 1.2-150 | ¥ 48,009 |
4000MXG | 4000 | 6.2 | 11kg | 245g | 11/1 | 55mm | 99cm | 35-160 / 40-120 / 55-90 | 1.2-250 / 1.5-200 / 2-150 | ¥ 48,344 |
基本情報
- ボディ
- マグネシウム素材
- ローター
- CI4+素材
- スプールリング
-
- アルミ素材
- 高耐久硬質コート表面処理
- ラインローラー
- DLC表面処理
- ハンドル
-
- アルミ素材
- ネジ込式取付
- ドラグノブ
- 樹脂素材
- ピニオンギア
- 超高強度真鍮素材
- ドライブギア
- HAGANE素材
搭載機能・機構
- S A-RB
- マイクロモジュールギア
- X-SHIP
- Xプロテクト
- リジットサポートドラグ
- ウォータープルーフドラグ
- ウォームシャフトオシュレーション
- NEWマグナムライトローター
S A-RB
特殊な防錆処理が施されたベアリングです。リールにおいて、回転部に必ず入っているパーツが「ベアリング」です。この部品のおかげで、ハンドルの回転を滑らかにしたり、ラインローラー部ではラインの巻き取りをスムーズにする事ができます。この巻き心地に関わる重要な部品は非常に繊細で、少し水が入り込むだけも錆びやすいです。S A-RBというものは、特殊防錆処理をベアリング自体に施すことで、錆びに対する耐久性が大幅...にアップしているため、リール自体を長持ちさせることに繋がります。
マイクロモジュールギア
マイクロモジュールギアは、コンピュータ解析により、ギアの歯を可能な限り小型化し、従来のギアよりも歯数が多いギアを使い、ドライブギアとピニオンギア、ウォームギアなどを細かく密に噛み合わせることで、限られたスペースの中でも、効率良いなめらかなハンドル、ローターの回転運動、オシレーションの前後運動を同時にこなします。当然ながら、ギアの加工精度がいくら高くても、ギアモジュールを組んだ時に寸分違わず噛み合っ...た状態を発揮するには、歪みの一切発生しない高剛性のハウジングに正しく固定されなければいけません。マイクロモジュールは、ギアの精度とハウジングの剛性の両立が必須です。
X-SHIP
リールを回転させる駆動ギアの仕組みを見直し、より精度の高いバランスとパワーを兼ね揃えた設計です。大きな違いは、従来のモデルよりもギアを太くする事によってギアの精度を向上させたことです。ギアは太いほど力強く、噛み合わせもしっかりとしたものになります。またその太くなったギアの配置位置を最適な所に見直す設計する事で、太くても爽快なリーリングが保たれています。この頑強なギアの噛み合わせ・ギアの最適配置こそ...が、負荷に強く、気持ちの良い巻き心地を実現する仕組みです。
Xプロテクト
※ 搭載箇所:ラインローラー、ボディ
Xプロテクトとは、シマノの防水機構である、「コアプロテクト」の非接触防水機構の進化版です。コアプロテクトの撥水処理による水の浸入防止に加え、中・小型リールの場合は、水の経路を何度もクランク状に折れ曲がるラビリンス構造により、水がギア内部まで入れない構造にしてあります。大型リールの場合は、この構造に加え、撥水グリスを封入した物理的なシールド加工も施されています。Xプロテクトは撥水機能がなくならない限...りは原則メンテナンスフリーで、オイル等の注油は禁止されています。シマノ純正の特殊撥水グリース「DG-18」のみ使用が許可されています。
リジットサポートドラグ
大型の魚などが掛かった際に発生するスプールのガタつきは、ドラグのスムーズさに悪影響を及ぼし、魚を逃してしまうリスクを高めてしまいます。そこで、スプールを支えているメインシャフトとスプールを「ベアリングで固定」する事で、ドラグ機能によるラインの放出をより円滑に行えるようにした機能です。大型の魚が掛かった時に初めて恩恵を感じる、シマノのハイエンド機にしか搭載されていない非常に贅沢な機能です。
ウォータープルーフドラグ
ドラグノブに水の侵入を防ぐパーツが装備されているものです。ドラグノブとスプールの間には微妙に隙間があり、ドラグを緩めていたりすると、そこからの浸水を許してしまう可能性があります。これが、サビの原因や劣化、結果としてリール機能の低下を招いてしまいます。そこで、ドラグノブの裏側にゴム製のシールを設置する事で、ドラグノブからの水の侵入を防ぐ事ができるようになっています。雨天であったり、水しぶきを浴びても...内部まで水が入り込みにくい工夫がなされています。
ウォームシャフトオシュレーション
オシレーションとはスプールを上下運動させることを指します。オシレーションをさせるには、「カム式」と、直接ギアを噛み合わせる「クロスギア式」というものがあります。ウォームシャフトオシュレーションというものは、「クロスギア式」でオシュレーションをさせる機構です。ギアの力をダイレクトに伝えるこの方式は、「カム式」と比較をして、力が分散してくれるようになるため、魚が掛かっても巻きが重くなりにくいというメリ...ットがあります。これは、ギア製造の技術力の高いシマノだからこそ成せる技術です。一方でこの機能は非常に複雑であるため、製造コストが上がってしまうというデメリットがあります。低価格のエントリーモデルには導入することができない機能の一つです。
NEWマグナムライトローター
ローターを軽量化し、さらに形状を左右非対称にする事で、リールの操作性を向上させた技術です。シマノの2大設計思想の一つである「クイックレスポンスシリーズ」に代表されるこのローターは、俊敏な動きが必要とされるルアーアクションなどにおいて重宝されます。ローターは軽量化されているほど巻き心地が軽くなるため、連続した細かいアクションを行っても疲れにくくなります。また設計が左右非対称である事は、回転軸の重心を...ずらせるので、高速回転を急停止させるようなアクションも容易に行いやすくなります。巻き始めの軽さ・操作性・高感度を可能にするパーツです。
エクスセンスのライバル
比較対象モデル
RIVAL
ヴァンキッシュ

クイックレスポンスの最高峰に君臨するヴァンキッシュ。レスポンスにおいて右に出るリールはありません。他の追随を許さない圧倒的な軽さによる操作性の高さはエクスセンスを上回ります。設計そのものがエクスセンスよりも新しく、ロングストロークスプール・マイクロモジュールギアⅡ・サイレントドライブなどエクスセンスには搭載されていないテクノロジーが搭載されています。ボディの片面がCI4+であるため、人によっては安っぽさを感じるかもしれません。金属ボディ特有の質感を求めるのであればエクスセンスですが、性能面ではヴァンキッシュが上回ります。
モアザン

ダイワのシーバスブランドであるモアザン。ボディはスーパーメタルボディ、剛性重視のアルミ素材が使用されています。ギアには耐久性が高いハイパーデジギアが搭載されており、非常に高剛性・高耐久のリールに仕上がっています。ローターにはZAION製のエアローターが搭載されているため、レスポンスも良く、巻き感度も高いです。磯でのマルスズキ・ヒラスズキゲームや大型河川でのタイリクスズキ狙いなど、高負荷が掛かることが想定される釣りではモアザンの方が向いているでしょう。
ツインパワー XD

究極の耐久性「XD(extreme durability)」をテーマに開発されたツインパワーXD。ボディにはアルミ、ドラグワッシャにはカーボンクロスワッシャが使用され、テーマ通り耐久性重視の仕上がりとなっています。マグナムライトローターが搭載されているので、耐久性重視のリールでありながら、レスポンスの良さも実現されています。剛性を重視するのであればエクスセンスよりもツインパワーXDを選ぶべきでしょう。