タフデジギアとは - 具体的な説明と搭載されているダイワのリール機種一覧

作成:2020.07.26更新:2020.12.09

ダイワ公式サイト - ルビアス

ダイワの技術、タフデジギアとは何なのか、そしてタフデジギアを搭載するリールは何がいいのかに迫ります。タフデジギアの名前的に、タフなデジギアというのが連想できますが、そもそも、デジギアって何でしょうか?ゆっくり解説したいと思います。

デジギアとは?

リールにとってギアってどんな存在?

一般的にギアは釣り業界だけではなく、あらゆる生活用品に使われています。しかし、釣り業界、つまりリールに対するギア精度は他の業界より高い精度が求められます。このギアから少しでもガリッとした引っかかりや違和感を感じるだけで、それが魚のアタリなのか、魚とのやりとりとは関係のない不具合なのか分からなくなってしまいます。このように、リールにとってギアは製品の重要な役割を担っています。

ギアの力の伝わり方がリールの巻き心地を左右する

リールのハンドルをくるくる回すだけでスプールにラインが巻き付けられますが、よく見るとハンドルの回転方向と、スプールに巻き付けられる回転方向が全然違います。これは、リールの中で力の方向が転換されているから回転方向も変わっているわけですが、この力の方向を変えて伝達しているのがギアです。 この力の伝達を行う際に、余計な力が余計なところへかかってしまうと、巻き上げるために必要のない力まで入れなければなりません。逆に、必要な力が必要なところだけにかかっていれば、ちょっと力を入れただけで巻けます。これが、スルスルッというしたリールの巻き心地を実現します。

どうなっていれば力の伝達効率が良くなるのか?

この力の伝達効率に重要とされるのが、ギアとギアの噛み合い効率です。噛み合い効率を上げるにはギアのデコボコした歯の輪郭(これを歯面という)次第であり、少しでもズレがあれば力はうまく伝わらず、余計な力がかかってしまいます。

そこでダイワは、どういった歯の形状をしていたらギアの噛み合い効率「歯面精度」を高められるかを考えました。コンピュータで力の伝達効率を数値化し、導き出された形状を正確に型どる加工技術により実現されたギアが、デジギアです。

名前的に、デジタル + ギア、つまり高い力の伝達効率を数値化した形状を精密に加工したギア、というのが連想できますね。このダイワの独自技術・デジギアは1998年ごろから開発が始まり、当時のソルティガ開発に大きく寄与した歴史があるようです。 参考:DAIWA公式サイト「ソルティガ開発ストーリー」

デジギアに関する開発当時の資料や名前の由来など、公式的にデジギアの説明をしている資料がほとんど残っていないのですが、唯一2002年にダイワが報道関係者向けに発信した資料には以下のように記載されています。

独自のコンピュータによるデジタル解析と超精密加工技術により、驚異的耐久性とパワーの効率的伝達を達成する「デジギヤ」を完成させました。このデジギアの採用により、ギヤの理想的噛み合いを実現し、従来では考えられない程の滑らかな巻き上げ性能を持続的に得る事に成功しました。 グローブライド株式会社

デジギアが進化したデジギアⅡ

デジギアが開発されてから20年以上が経過しました。その間にデジタル分野における分析技術も精密加工技術も発展し、デジギアも進化しました。シンプルにその名前をデジギアⅡとし、現在のダイワの多くの現役モデルで使われている技術です。タフデジギアはこのデジギアⅡから進化(派生)して生まれたギアです。

デジギアⅡについて、ダイワの公式サイトには以下のように説明されています。

ダイワ独自のデジタル設計技術「デジギア」がさらに進化。デジタル解析によって導き出された理想的な歯面を実現するために 、超高精度マシンカット技術を採用し、鍛造ギヤーの数倍以上の歯面精度を実現。ドライブギヤーに特殊ラッピング加工を施し、ピニオンギヤーとドライブギヤーの最適バランスを取ることで耐久性が向上している。 DAIWA - トーナメントサーフ45

単純に、デジタル解析技術が発展したことによりデジギアもさらに進化したということが分かりますが、ここで重要な新しいキーワードが出てきました。

マシンカット技術

どれだけデジタル解析技術で効率的な歯面形状を計算できたとしても、実際にその形状へと加工できなければ意味がありません。金属をギアの形にするには大きく2つの製法に分かれます。それが、鍛造(たんぞう)または鋳造(ちゅうぞう)です。鍛造は叩いて形にしていくものに対し、鋳造は金型へ液状に溶かした金属を流し込んで形にします。鋳造は溶かして流すだけですが、鍛造は叩いたり圧縮して形にしていくので鋳造よりコストがかかります。その分、鋳造より強度が高くなることがメリットです。

鍛造の製造工程
鋳造の製造工程

鍛造はたたく過程で金属の結晶を整え、気泡などの内部欠陥を圧着させるため、粘り強さが生まれます。 シンエイコーポレーション

マシンカットは鍛造からさらに磨きをかけてより効率的な歯面へと精度を高めたものとなります。「超高精度マシンカット技術を採用し、鍛造ギヤーの数倍以上の歯面精度を実現」ということは、元祖デジギアからさらにギアの噛み合い効率を高めるためにマシンカットで細かく歯面を整えたという理解で正しいでしょう。

ドライブギアとピニオンギア

当記事の冒頭で「リールの中で力の方向が転換されている」と説明しましたが、これを実現しているのがドライブギア(メインギア)とピニオンギアです。

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写真のとおりドライブギア(メインギア)はハンドルノブから伸びており、ドライブギアからピニオンギアへ力を伝えてスプールを巻く力へと転換しています。ハンドル操作、つまり運転する方に付いているのがドライブギアと考えれば覚えやすいですね 「ドライブギヤーに特殊ラッピング加工を施し、ピニオンギヤーとドライブギヤーの最適バランスを取ることで耐久性が向上している」ということは、ハンドル側に近い方のギアに特殊ラッピングをしているということですが、これはどういう意味なのか。明確な資料を見つけることができなかったのですが、ギアとギアが噛み合う部分には遊び(小さな隙間)が生まれてしまうところへ、特殊なラッピング加工をすることで金属間の余計な摩擦を消し、スムーズな力の伝達を実現したということでしょう。

ここまでをまとめると、デジギアⅡは元祖デジギアより、以下のことが改善したと解釈できます。

  1. マシンカットで緻密な切削加工を施し、細部の歯面形状を整えている
  2. 金属同士が噛み合うギア間に特殊ラッピングを埋めて余計な摩擦を軽減

デジギアⅡからの派生系 タフデジギアとは

タフデジギアの定義としては、デジギヤⅡから以下2点が変化しました。

  1. ギアの歯面の面積(ギザギザ部分)を大きくした
  2. ギアの半径を大きくした(大径化)

なぜこれらの変化を施したのか?まず上記2点を単純に変えただけだと、耐久性と強度が増します。しかし、タフデジギアが搭載されているリールはすべて耐久性と強度が増したとは判断できません。それが、2018年より導入された「LTコンセプト」の存在です。

通常、リールのボディを小型化すると耐久性と強度が落ちますが、その代わりにタフデジギアでそれらを補填し、結果的にリール全体の耐久性と強度を落とさずに小型化を実現しました。 よって、タフデジギアが搭載されていても、ボディが小型化されていなければそれは単純に耐久性と強度が強くなったと判断できます。

タフデジギアはリールを小型化するための技術

デジギヤⅡから派生したタフデジギアは、その名のとおりギア自体の耐久性や強度は上がりますが、リールそのものの耐久性が上がっているかはボディサイズや他の素材との兼ね合いとなります。多くはLTシリーズに搭載されていますので、LTシリーズにおいては、タフデジギアは耐久性と強度をそのままに、小型化を実現するためのギア、という解釈になります。 タフデジギアが搭載されているモデルは以下のモデルとなりますので、ご参考ください。

この記事を書いた人

ショアジギング・マスター
けーやん

 青物、イナダ、タチウオ、シーバス、メバル、アオリイカ、ショアジギング、ライトショアジギング、メバリング、エギング、三浦半島・三崎周辺(神奈川県)、富津市(千葉県)、館山市(千葉県)

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