オフショアでサワラをルアーで狙おう!釣って楽しく食べて美味しい魅惑のターゲット!
作成:2021.06.11更新:2021.08.20
目次
オフショアルアーフィッシングで人気のサワラの特徴
春の訪れを知らせる魚として日本人には馴染みの深い魚として知られる出世魚のサワラ。小型サイズを「サゴシ」大きくなると「サワラ」と呼び方が変わる出世魚で、群れで回遊し貪欲にベイトを捕食する性質がある為、ゲーム性が非常に高く、ルアーフィッシングでは非常に人気のあるターゲットです。基本的には北海道南部から九州南部まで幅広い地域で回遊がみられる魚で、どの地域でも釣りのターゲットとして狙う事が出来ることもあり、オフショアルアーゲームでは気軽に狙う事が出来る比較的手軽な魚種と言えます。
サワラのベイトの食べ方
ソルトルアーの代表魚種であるシーバスやジギングゲームで人気のあるブリやヒラマサ、カンパチと言った青物はベイトを水ごと吸い込み捕食しますが、サワラは鋭い歯で一度イワシ等のベイトに噛み付き、弱ったり、半分に千切れた魚を食べるという性質がある様です。キャストして広範囲を探るミノーゲームなどでは、一撃で噛みついて来るバイトは独特の面白さがあります。シーバスや青物の様なショートバイトは比較的少なく、一撃で突進して食らい付いてくる為、アワセなども決まり易い傾向にあります。
オフショアでのルアーフィッシングのサワラの釣り方
キャスティングサワラゲーム
サワラゲームの人気が高い理由はやはりキャスティングゲームで狙える点にあるのではないでしょうか。夏場のカツオやキハダキャスティングゲームと同様に、サワラの跳ねを目視して狙う「ナブラ撃ち」に近いゲームは非常にゲーム性が高く、アングラーのモチベーションを最大限に引き上げてくれます。
またサワラは、カツオやキハダのキャスティングゲームとは異なり、ナブラが沈んだ後も周囲にルアーをキャストすることで釣れることも多々あり、ブラインドフィッシングも出来る為、より釣れるチャンスが多いです。東京湾内でのキャスティングゲームでは、ナブラ撃ち以外にもブラインドフィッシングによるジャーキングメソッドが盛んに実施され、様々な釣り方で楽しむことが出来ます。一般的にはダイビングペンシルよりもヘビーシンキングミノーやシンキングペンシルが良く使用されます。
ジギングサワラゲーム
キャスティング以外にサワラを狙う釣り方としてはジギングも有効です。特にサワラジギングでは、ブリやヒラマサの様にワンピッチジャーク等でシャクリ上げながら狙うより、センターバランスのジグを比較的ゆっくりとフォールを意識することで釣れる可能性が高い様に感じます。勿論日によってはシャクリ上げている際にヒットすることもありますが、基本はフォールでのバイトが多く、サワラジギング向けに最初のタックルを揃えようと考えている方は、スピニングタックルよりもジグを落としてる最中のバイトを得やすいベイトタックルがおすすめです。
また魚のベイトの食い付き方やフォール主体のアクションで攻めることが多い為、ジグのフックはリアとフロントの双方に装着しましょう。こうすることでジグのフォール姿勢が良くなり、よりヒットチャンスが増えてきます。
アングラー泣かせの通称「サワラカッター」に注意!
サワラは非常に歯が鋭い為、多少太いリーダーでもサワラがバイトしてきた際に、少しでも歯が当たると簡単にラインが切れてしまいます。特にラインのスラッグが出やすいジギングやジャーキングメソッドによるキャスティングゲームではサワラがバイトし損なってスパッと一瞬でラインが切れることが多々あります。私も最高で30分の間に4つのジグをロストしたことがあります。
このサワラカッター対策として、ワイヤーを入れて対処する等の様々な案がありますが、100%全面的にはおすすめできません。確かにワイヤーを入れることでジグのロストを減らすことが出来ますが、その分サワラにワイヤーを見切れてしまうのか、もしくはルアーアクションが変わるのか、いずれかの理由で少し食いが悪くなることがある様に感じます。状況に応じてあまりにもカットが多い場面では使用する選択肢もあると思いますが、まずは通常のセッティングでトライしてみることをおすすめします。
サワラは非常に美味しい魚
実は冬場が最も美味しい時期
一般的にサワラは春にスーパー等に出回ることが多く、春の魚として認知している人も多いのではないでしょうか。しかし春は産卵の為に浅瀬に接岸してくるので、栄養や養分が白子や卵に行ってしまい身に脂が乗り難く、さっぱりとした味わいになります。釣り人には少々厳しい環境になりますが、12月~2月頃に釣れるサワラは大きさによっては全身に脂が乗っており絶品です。この時期にベイトフィッシュを食べ丸々と太ったサワラは引き味も強く、ファイトも食味も格別で非常に魅力的で、市場の取引額としても真冬に獲れる丸々と太ったサワラが一年の中でも最も高値で取引されています。
刺身や炙りが究極の味
サワラと言えば西京焼きが有名ですが、個人的におすすめなのは刺身と炙りです。サワラは鮮度が落ちるのが速く、数日経つと臭みが回る為、おすすめできませんが、釣り上げてからすぐの鮮度を保ったサワラであれば臭みは皆無で、脂と身の旨味が凝縮した非常に濃厚な味になります。個人的に今まで釣り上げた魚の中でもトップ3に入る程美味しく、まさに釣り人の特権と言え、ぜひ皆さんに一度は食べて頂きたい魚種の一つです。
生食の際は寄生虫「アニサキス」に要注意!
近年、鮮魚の食中毒に関するニュースが度々報道されています。食中毒と一括りに言っても、保冷不足によるヒスタミン中毒から寄生虫による被害まで原因は様々です。また寄生虫と言っても人体には無害のものも多く、すべてが食中毒に直結する訳ではありません。しかしサワラやサバと言った青魚には目視で確認できる大きさの「アニサキス」と呼ばれる寄生虫の代表各の様なものが、寄生している可能性があり、気付かずに食べてしまうと、非常に強い腹痛や嘔吐などの症状を引き起こします。
サバと比較するとサワラのアニサキスの被害はそれほど多くない印象ですが、生食で食べる際は注意が必要です。心配な方は火を通すことで寄生虫を殺すことが出来るので、塩焼き等に調理して食べることをおすすめします。
日ムラが大きいゲーム性の高いターゲット
サワラは一部の釣り人の間では幽霊と言われるほど移動が速く、前日に大爆釣しても翌日は何もないなんてことが、他の魚種と比較しても多いムラのある魚です。しかしながら良い日に当たれば爆発力は凄まじく、短時間で一人で10本釣れることもザラにあります。
またシイラゲームと並んでオフショアキャスティングゲームの入門として、キャストからファイトを覚えるには最適な一面もあり、将来的にキハダマグロ等のビッグゲームを想定される方にもおすすめの釣って良し、食べて良しの魅力のターゲットと言えます。