オフショアジギングのアシストフックで悩んでいる方必見、ベストなフックセッティングはこれだ!
作成:2022.05.23更新:2022.05.23

目次
アシストフックとは

アシストフックとはケプラーや太いPEラインなどのアシストラインでソリッドリングとフックを接続したもので、オフショアでの青物ジギングやSLJなどで使われるフックのことを言います。別名をスイミングフックともいい、トリプルフックよりもフック自体が動く為自由度の高いフックとなっています。ジグを激しく動かすジギングには欠かせないフックとなっていますが、そのセッティングや選び方次第では大きく釣果を左右する部分でもあります。
今回はそんなアシストフックのサイズや種類、様々なセッティング方法などについてご紹介したいと思います。ターゲットごとにセッティングを変える必要性やシチュエーション別のおすすめセッティング、多くの方が悩んでいるソリッドリングやスイベルを付けたいシチュエーションなど、筆者の個人的見解から解説したいと思います。
ターゲットによってフックを変えよう
青物(ヒラマサ、カンパチ、ブリ)
ヒラマサやカンパチ、ブリなどの所謂青物御三家を釣る時には、フックサイズは大きめにしておきたいです。特にヒラマサやカンパチは引きが強くファイトが強烈です。そのファイトに負けないような太軸のフックでサイズは4/0~6/0くらいは使いたいところです。フックの形状はホールド力に優れたナローゲイブにロングシャンク、上げでバイトしてくることが多い魚なのでフロントのみのシングルフックセッティングがおすすめです。
通常のワンピッチジャークなどの上げの釣りをメインに攻略する時は、ジグを飛ばすことが多くなります。そのような場合にはリアにもフックを付けているとリアフックがラインに絡む「エビ」状態になりやすくなってしまいます。エビになってしまったら再度巻き上げて投入し直す手間が増えてしまいますので、フロントフックのみの方がトラブルを未然に防げるでしょう。
青物(マグロ、カツオ)
同じ青物でもマグロやカツオ、サバなどはバイトのタイミングが違うことが多いです。これらの魚は上げのアクションだけでなく、ジグをフォールさせているタイミングでのバイトも多くあります。ジグ本体にバイトしてきていることが多く、フォール中のジグが横を向いた状態でのバイトを取る為にはリアフックは必須です。ヒットした後に突っ走るマグロやカツオもホールド力を意識したフックセレクトをしたいところです。サイズはカツオ狙いの場合には2/0~4/0、マグロ狙いには太軸の5/0~6/0くらいが良いと思います。
マグロやカツオを狙う時にはゆっくりめのワンピッチジャークにロングフォールを織り交ぜたりするアクションが多く、ロングフォールが食わせの間となってヒットすることが多いです。あまり激しくアクションさせるとリアフックが絡んでトラブルが増えるので注意しましょう。フォール中のバイトはリアフックにかかるケースがほとんどなので、その日の魚の食い方次第ではリアフックのみというセッティングもありだと思います。
その他の魚(根魚、真鯛、中深海など)
根魚や中深海のアラやムツなどをジギングで狙う場合には、フォールを多用するスロージギングで狙うケースが多いと思います。一部の大型化する根魚(クエ、スジアラなど)を除けば青物ほどは引きが強くないので、耐久性よりもフッキング率を重視したフックセッティングがおすすめです。特に中深海での釣りはフッキング重視の細軸、フックサイズは1/0~3/0くらいでティンセルなどのついているフックがフォール中のアピール力が増すのでおすすめです。
根魚やアラ、ムツ系の魚もフォール中のバイトが多いですが、青物のようにガッツリとジグを咥えるケースは少ないと言えます。どちらかというとジグにじゃれついてくるアタリをフッキングさせるイメージでしょうか。フックにティンセルがついているとフックにバイトしてくるケースが増えます。フッキング率を上げる為にフロント、リア共にツインフックというセッティングが良いでしょう。
オフショアジギングにおけるアシストフックの考察

シングルフックのメリットとデメリット
オフショアジギングでのフックセッティングで最も悩むのがフックの本数ではないでしょうか。まずはシングルフックのメリットとデメリットを考察します。シングルフックのメリットとして考えられるのが、フックの貫通率の良さです。フックが1本なのでフッキングの力が伝わりやすく、魚の口をフックがしっかりと貫通してくれます。特に大型魚になると口の周りが硬くなるので、貫通率はキャッチ率に直結します。その点では大物狙いにはシングルフックが適していると言えます。ファイト中のすっぽ抜けが多い方はシングルフックに変えてみると良いかもしれません。
ではシングルフックのデメリットとはなんでしょうか。それはフックが1本しかないが故に、アタリがあった時にしっかりとフッキングをしないと魚にハリが残る確率が下がってしまうことです。ツインフックであればアタリがあればどちらかのフックに初期掛かりしてくれる確率は高いですが、シングルフックでは魚のアタックに応じてアングラー側からしっかりとフックを刺してやる必要があります。つまり1本針は大型青物向けのフックであり、アタリがあったら確実にフッキングすることでデメリットを補えるフックということになります。
ツインフックのメリットとデメリット
続いてはツインフックのメリットとデメリットについて考察してみましょう。ツインフックの最大のメリットはフックが2本あるということです。フックが2本あることで、魚からのコンタクトで対してどちらかのフックが残ってくれる確率が上がります。とにかく初期掛かり重視のセッティングにしたい方にはツインフックがおすすめです。初期掛かりが良くなる分魚とのコンタクト率もアップする為、結果的にキャッチ率が上がるケースも当然ありうるセッティングです。またフックが2本ともしっかりとかかっていれば当然バラシも減ります。
ツインフックのデメリットはフックが2本とも掛かってしまった時に、ファイトに時間がかかってしまい、結果バラシが発生してしまう可能性があることです。フックが魚の口にのみ掛かっている場合には魚の頭の向きをコントロールしやすくなり、アングラー主導に魚をいなせるファイトがしやすくなります。しかし2本のフックのうち1本が魚の体にフッキングしている場合には魚をコントロールしづらく、更にフックのかかっている部分が固定されてしまう為、アングラー側への負担が大きくなってしまいます。またフックのテンションも均一にかかりにくい為、浅掛かりになってバラしてしまうケースもあります。一長一短のフックセッティングですが、中型以下の青物や根魚、中深海の魚など激しいファイトが必要でない魚相手であればそれほど問題ではないと思います。
リアにシングルフックのみというセッティング
大型青物でも上げの釣りでバイトしてくることが多いヒラマサ、カンパチ、ブリと比べて、クロマグロやキハダマグロ、ビンチョウマグロはフォールでのバイトが多くなります。当然上げでのバイトもある上に大型化するターゲットなのでフックセッティングも悩ましいところです。フロントシングルフック1本でもありだとは思いますが、フォールでのバイトのみに集中する為にリアにシングルフックのみというのもよいかもしれません。バイトに対してのフッキング率もそうですが、リアにシングルフックのみというセッティングはフックアップ率以外にも利点があります。
リアにシングルフックのみのセッティングの利点は、ファイト中にラインのスイベルとの結束部からフックまでが一直線になることです。アングラーから魚まで一直線になることでパワーロスも少なく、魚の顔の向きもコントロールしやすくなる為、プレッシャーもかけやすくアングラー主導のファイトがしやすくなります。またマグロのように長時間のファイトが必要になってくる場合には、パワーロスがないと疲れにくくなる為アングラーへの負担もグッと減らすこともできます。またファイト中にフックが暴れにくくなる為、リアシングルフックはキャッチ率の向上にもつながると考えられます。
スイベルの必要性
マグロ、カツオ狙いの場合には必須
ジグとの接続にスイベルをつけるかどうかも好みが分かれるところです。できるだけ余計なパーツを使いたくないといった方は、スイベルに対して否定的な考えをお持ちかもしれません。またスイベルをつけるとアクション中に余計にジグ回転してしまってジグの動きが殺されてしまうのでは?と思う方もいるでしょう。もちろんそれらの考え方はあながち間違いではないと言えるかもしれません。しかしマグロ、カツオ狙いのジギングの場合にはスイベルの使用を推奨します。
その理由は魚のファイト中の動きです。マグロはファイト中に他の青物のように下へ突っ込むようなファイトだけでなく、いろいろな方向へ走り回ることが多い魚です。ファイト中のマグロは時計回りに回転する傾向が強く、上がってくる時もクルクルと回っていることが多いので、一方向へばかり回った場合には「糸ヨレ」が発生してしまいます。糸ヨレが溜まりすぎるとラインがキンクしてしまい、最悪のケースではそこからラインブレイクに繋がります。それを防ぐ為にもマグロ、カツオジギングではスイベルは必須であると考えます。
接続金具が増える分多少強度が落ちるがメリットもある
オフショアのビッグゲームの場合、少しの間違いが仇となって魚がキャッチできない極限状態でのファイトが必要とされるケースがあります。その為不安要素はできるだけ排除したくなるのが人の性と言えるでしょう。スイベルをつけることで余計なパーツが入り、直線強度はどうしても下がってしまうのも事実です。またソリッドリングを使用した場合に比べて、ジグが回転してしまう為若干感度も落ちてしまいます。スイベルがある分ルアーの動きへの悪影響としてアクションを逃がしてしまうので、多少動きにキレがなくなってしまうかもしれません。
しかし当然スイベルを使うメリットもあります。前述したファイト時もそうですが、オフショアジギングでは水深が深くなればなるほどラインに負荷がかかる為、潮流などの影響でライン自体にストレスが溜まってそれが糸ヨレが発生しやすくなってしまいます。特に水深100m前後でのジギングでスイベルを使用していない場合には、回収したジグが勢いよく回転しているのを体感した方もいるのではないでしょうか。スイベルはよくも悪くも回転して動きを逃がしてくれるので、しっかりと強度のでているものを使用すればむしろメリットの方が多いように思います。浅場のヒラマサジギングのような糸ヨレが発生しづらい場合には必要ないかと思いますが、基本的には筆者はスイベルの使用推奨派です。
自分のスタイルに合ったフックセッティングを見つけよう

今回はオフショアジギングでのアシストフックについてご紹介しました。シングルフック、ツインフックそれぞれに一長一短があり、それをフロントにつけるかリアにつけるかで特徴がさらに際立ちます。またフックの形状、数、アシストラインの長さ、ティンセルの有無など、一言にアシストフックと言っても各メーカーから莫大な数のアシストフックが発売されています。好みもあると思いますがそれらの特性をしっかりと理解して、自分のスタイルとマッチする組み合わせを色々と検証してみることから始めてみてはいかがでしょうか。
正解があるようでないのがアシストフックの世界です。魚が釣れればその日の状況ではそれが正解だと言えますし、釣れなければ不正解と言ってもよいでしょう。狙うターゲットやその日のバイトのでるタイミングによって、臨機応変にフックセッティングを変えるとキャッチ率は確実にアップします。バイトしてきた魚にフックを刺せる確率の高いツインフックか、フッキングした魚をキャッチできる確率の高いシングルフックか、自分のなかでの魚とのコンタクト時やファイト時の優先順位を決めて、現場で試行錯誤して自分なりのフックセッティングを見つけてください。