エリアトラウト用リール、ハイギアとローギアどちらか悩んでいる方必見!おすすめリールをご紹介
作成:2021.11.08更新:2023.04.17
目次
エリアトラウトで使用するスピニングリールのスペック
細糸を使用するので、サイズは1000番か2000番の浅溝スプールのリールがおすすめ
エリアトラウトは非常に繊細な釣りです。状況によっては使うルアーもかなりスローに動かさなければいけません。その為リールの巻き取り長は1000~2000番クラスの60~70㎝台であれば活性の高い状況から低い状況まで幅広く対応できるでしょう。また使用するラインはナイロンラインやフロロカーボンラインであれば2~4lb、PEラインは0.2~0.3号、エステルラインは0.25~0.4号と、かなり細めのラインを使用します。その為スプールが浅溝タイプのものを選ぶと良いでしょう。リールに「1000S」や「2000SS」と表記されているものが浅溝(シャロースプール)を意味しています。
ドラグ性能の良いものを選びましょう
前述したように、エリアトラウトで使用するラインは非常に細いです。例えばナイロンラインやフロロカーボンラインのライン強度(これ以上の負荷がかかると切れる重さ)は、2lbで0.9kgほどです。極限の状態ではフロロカーボンライン1lbなども使用することもあるので、ドラグ性能がお粗末だと細かいドラグ調整ができずにたちまちラインブレイクしてしまうでしょう。最近ではエントリーモデルでも、ダイワであればATDという上位機種と遜色ないクラスのドラグシステムになっています。ドラグの出が悪かったり出すぎたりと調子が悪いと感じたら、市販のドラググリスなどを使用してメンテナンスするのが良いです。
自重の軽さは必須
エリアトラウト用のロッドは5ft中盤~6ft台のものがほとんどです。またロッド自体の重量も年々軽量化されていて、ハイエンドモデルでは60g台のロッドがスタンダードとなってきています。そうなるとリールの自重もある程度の軽さがないと、ロッドとのバランスが悪くなってしまいます。タックルバランスというのは非常に重要で、手元が軽いと強いアタリを弾いてしまったり、弱いアタリを見逃してしまうことがあります。なのでリールは予算内で買えるものの一番軽いモデルを選ぶと良いです。
できるだけ巻き感度の良いものを
最後に必要なのはリールの「巻き感度」です。巻き感度とはハンドルを回した時にルアーの受けている水流や魚の細かなアタリをハンドルで感じることを言います。エントリーモデルはあまり巻き感度の良いものはないので、できれば中堅クラスのリールの購入をおすすめします。筆者の考え方としては、タックルをそろえる時にはロッドやルアーよりもリールに1番予算をかけるべきだと思っています。自分の投げているルアーが受けている水の流れに変化を感じることができれば、そのタイミングで何かしらのアクションを加えてやると魚がヒットしてくることがよくあります。ハンドルを回していて「モゾッ」と違和感を感じてアワセてみると魚だったということもあるので、巻き感度は釣果に直結してることがわかるでしょう。
ハイギアを使うメリットとデメリット
メリット①:ミノーやボトムなどの速い釣りに向いている
ハイギアを使用する最大のメリットはやはりその巻き取り長の多さでしょう。ミノーのハイフロート釣法やボトムルアーのリフト&フォールやボトムバンプなど、ハイギアのリールではラインスラッグをきっちりと処理しながらテンポ良く釣りができます。ローギアに拘る場合にはリールのサイズを2500番クラスに上げれば巻き取り長は増えますが、その分リールの自重が増すのでタックルバランスが取りづらくなってしまいます。そうなると2000番クラスのハイギアモデルが1台あればいろいろな釣りに対応しやすくなりますね。
メリット②:魚がヒットしてからランディングまでスピーディーに行える
巻き取り長の多さは操作系ルアーの使いやすさだけではありません。魚がヒットしてから取り込むまでの一連の流れが非常にスピーディーに行えます。手返しが求められるような状況ではハイギアのリールに分があります。ただしあまり強引にやり取りをすると、口切れなどで魚をバラシてしまう原因になるので注意しましょう。しっかりとロッドの曲がりを使って、魚にプレッシャーを与えないように丁寧なファイトを心がければスムーズに取り込みできるでしょう。
デメリット :デッドスローの釣りには不向き
魚の活性の低い状況では、デッドスローで軽量スプーンかクランクベイトを巻くか、リアクションバイトを狙った釣りを展開するかしかありません。リアクションバイト系の釣りは瞬発力は凄まじいですが、余程パターンにハマらない限り魚がスレるのも早いです。そのような展開になるとどうしてもローギアのリールには勝てません。ハイギアのリールを使いこなすには、ハイギアの必要なシチュエーションや釣法をしっかりと理解することが重要です。
ローギアを使うメリットとデメリット
メリット①:マイクロスプーンやクランクベイトのようなデッドスローにぴったり
エリアトラウトでの主力ルアーであるスプーンやクランクベイトは、重さやタイプにもよりますが2~3秒でハンドルを1回転くらいの巻きスピードが最も一般的です。状況や使うルアーによってはより遅く巻くことも当然あり、この領域ではローギア以外の選択肢は考えられません。またスピニングリールに40㎜以下のショートハンドルを装着すると、テコの原理により巻き感度がアップします。これはローギア、ハイギア関係なく感度は上がるのですが、ハイギアは特有の巻き重りがある為ハンドルが短すぎると重すぎて巻けないことがあります。特に大型の魚がヒットした時にはおそらく全くハンドルが巻けなくなるでしょう。その点ローギアにリールは巻き上げパワーがあるので、ショートハンドルとの相性もぴったりです。
メリット②:大物がヒットしてもパワー負けしない
ローギアのリールはドライブギアの歯車の数がハイギアのリールよりも少なくなっています。その為一つ一つの歯の面積が大きくなっている為、巻き上げトルクはローギアの方が圧倒的に高くなります。なので大物がヒットした場合にはハイギアよりもローギアのリールの方がはるかに楽にファイトができるでしょう。ハイギアでもロングハンドルにすれば問題なくファイトはできますが、ロングハンドルにすると巻き感度が下がるというデメリットが発生します。それぞれ一長一短なので、それぞれのリールに合った使い分けをしましょう。
デメリット :ミノーイングやボトムのようなメリハリのある釣りには不向き
ローギアのリールではマジックジャークやハイフロート釣法のような釣りを展開するのは難しいです。ロングハンドルにすれば多少はその欠点を緩和できますが、ミノーはいかに速く潜らせて魚の気を引き浮上する時に食わせるかがキモです。そうなるとやはりハイギアモデルを使用した方が釣り人への負担は少なくて済むでしょう。ボトムの釣りもそうですが、リアクションバイトを誘発する釣りは速いラインの巻き取りができるのとできないのでは有効性が全く変わってきます。ローギアのリールでそれをするには2500番以上のリール使うしかありません。テンポの良いラインメンディングはやはりハイギアモデルに分があります。
一般的にはローギアが主流、ではなぜハイギアが必要なのか?
一昔前のエリアフィッシングが「管理釣り場」と呼ばれていた時代には、まだまだボトムの釣りは発展途上で開拓されておらず、ミノーイングも一発大物狙いの釣りで60~70㎜というネイティブで使われているものが主流でした。その頃はスプーンとクランクベイト以外の釣り方はまだまだ発展途上であり、ほとんどの人たちがローギアモデルでスローにタダ巻きの釣りをしている時代でした。しかし現在では様々な釣り方やルアーが開発され、渋くなればボトムの釣りを展開し、クリアなエリアでは中層にいるマスを45~60㎜クラスのミノーでハイフロート釣法をすることがポピュラーになってきています。1つのジャンルの釣りが時の流れと共に成熟していくことは、釣り人にとっても業界にとってもとても良いことです。そのような時代の変化により、今まで一部の人しか使っていなかったハイギアモデルの需要が生まれたのでしょう。
おすすめのエリアトラウト用リールはこれ!
それでは最後におすすめのエリアトラウトリールをご紹介したいと思います。巻き感度と自重の軽さが必須であるエリアトラウトで、最低限これくらいは使ってほしいと思う中堅クラス以上のリールになりますので、価格帯は少し高くなってしまいます。しかしリールはメンテナンスさえしっかりしていれば、にわたって長年使い続けることができるものです。良いリールは良い状態を長くキープしやすいので、この機会に是非ご検討いただければと思います。
ダイワ 19バリスティック LT2000SS-P
ダイワスピニングリールの中でも隠れた名機と言われているのが19バリスティックです。ZAIONボディーにZAIONエアローター、ATDにマシンカットタフデジギアという、ベアリング数を除けばスペック的にはほぼ15イグジストシリーズと遜色ないモデルなのです。ラインキャパシティーはナイロン2.5lbが100mとエリアトラウトにはぴったりです。ドライブギアは上位機種と同等の超々ジュラルミン、巻き心地や感度も申し分なしです。感度と軽さを重視するなら、19バリスティックはハイエンドモデルにも勝るとも劣らないお買い得なモデルであると言えるでしょう。
ダイワ 20ルビアス FC LT2000S
2018年よりダイワが新たに打ち出した新基準「LTコンセプト」は、軽さ(LIGHT)と頑丈さ(TOUGH)という相反するリールのスペックを共存させるというものでした。その核となるのが継ぎ目のないワンピース構造の「モノコックボディー」と呼ばれるリールのボディー構造で、これまでのリールにはない強固かつ軽量化を実現し、さらに防水性能までアップするといったものでした。そのLTコンセプトの「到達点」という触れ込みで発売されたのが20ルビアスシリーズです。その最小番手のFC LT2000Sは自重150gという軽さになりました。20ルビアス FC LT2000Sがおすすめな理由は、巻き取り長67㎝という長さと小型番手としては特殊な5.1:1というギア比です。ダイワスピニングリールの1000~2000番のギア比は4.9:1のものが多いのですが、このモデルはシマノのノーマルギアモデルと同じこのギア比なのです。ダイワスピニングリールの中では異色なモデルですが、ちょうどハイギアとローギアの中間であり、少し展開の速い放流でのスプーニングからボトムやミノーイングまで熟せる特殊なマルチユースモデルなのです。1本のタックルで色々やりたい方には是非おすすめしたい1台です。
シマノ 19ストラディック C2000SHG
シマノの中堅機種の雄と言えば19ストラディックシリーズでしょう。ハイエンドモデルのステラやシマノ最軽量モデルのヴァンキッシュに投入されている技術を使いながら、非常にコストパフォーマンスに優れたモデルに仕上がっています。マイクロモジュールギアにロングストロークスプール、Xプロテクトという技術を惜しみなく注ぎ込んでおり、ユーザーが長く使い込めるモデルとなっています。19ストラディック C2000SHGの巻き取り長は82㎝とやや多めですが、速い釣りを展開していきたい方にはおすすめなモデルです。
シマノ 20ヴァンフォード C2000S
2万円前半で買えるモデルの限界では?と思えるスペックのモデルが20ヴァンフォードです。C2000Sの自重はなんと150gとダイワの20ルビアス FC LT2000Sと同じ、更にはマグナムライトローター、マイクロモジュールギアⅡ、サイレントドライブ、HAGANEギアと至れり尽くせりなモデルとなっています。自重の軽さは勿論特筆すべきはその巻き心地です。まさに超軽量、超高感度をこの価格帯で実現したことは素晴らしいですね。2000Sは巻取り長68㎝と幅広い釣りに使えるスペックとなっていて、エリアフィッシングだけでなくアジングなどにも使いたくなる1台です。