ストラディックCI4+の後継機はヴァンキッシュに迫るハイスペックモデルに変貌!
もともとシマノのスピニングリールの高性能ミドルエンド機として人気の高かった、16ストラディック CI4+が、2020年にフルモデルチェンジし、ヴァンフォードと名を変えて生まれ変わりました。シマノの軽量高感度スピニングリール製品群・クイックレスポンスシリーズの最高峰機種であるヴァンキッシュを意識したネーミングのインパクトと、16ストラディック CI4+比での機能の大幅な進化、それでいてヴァンキッシュの半額近い価格設定などが、ジャパンフィッシングショー2020のシマノブースの話題を独占しました。シマノのヴァンフォード開発に賭ける意気込みが随所に感じられるフルラインアップモデルです。そんな20ヴァンフォードシリーズより、極細仕掛けのライトゲーム卓越した適性を示す、C2000Sについて紹介します。
16ストラディック CI4+とは?
20ヴァンフォードの前身モデルである、16ストラディック CI4+は、ストラディックの系譜とは異なり、12レアニウム CI4+がベースモデルとなっています。現行モデルの19ストラディックは、ショアジギングなど、パワフルでハイスピードな巻きの釣りに対し、アングラーの体力的負担を軽減するべく、慣性モーメントをパワーアシストに利用する性格をもつ、コアソリッドシリーズのモデルで、ステラを頂点とする製品群に分類されるモデルです。従って、16ストラディック CI4+と19ストラディックは全く別のモデルです。徹底的な軽さと感度を追求した16ストラディック CI4+は当時、2500番手で185gという、驚きの軽量モデルとして人気を博しました。185gは、今でも充分に闘えるスペックと言えます。そんな16ストラディック CI4+の後継機種が20ヴァンフォードとなります。
ヴァンフォード C2000Sの基本スペック
それでは、20ヴァンフォード C2000Sの基本スペックを見て行きましょう。ギア比は5.1、ハンドル1回転あたりの最大巻き上げ長さは69cmのノーマルギアタイプです。ドラグは最大釣力3kg,実用釣力2kgのドラグが搭載されています。大口径ドラグノブはツマミを掴みやすく、例えば冬場、フィッシンググローブをしたままの手でもドラグ力調整がやりやすいのはアドバンテージです。ラインキャパは、ナイロン3lbで125m、4lbで100m、PE0.6号で150m、0.8号で110mです。自重は、1000番ボディを使用していることを差し引いても、群を抜く軽さの150gです。この自重は、2021年7月現在、アブガルシア・ZENON 1000Sの142g、シマノ・ヴァンキッシュ 1000SSSPG、C2000S、C2000SSS、C2000SHGの145gに次ぐ軽さとなっています。
16ストラディック CI4+からの進化点
20ヴァンフォードは16ストラディック CI4+と比較して、次のような大幅な進化点があります。まず、ギアがマイクロモジュールギアⅡになり、さらに、各駆動系部品の設計、レイアウトを見直し、緻密なギアリングを実現したサイレントドライブがあります。ローターも、旧マグナムライトローターから、より軽く感度の良い、19ヴァンキッシュと同じ、新マグナムライトローターに変更されています。さらにスプールもロングストローク化され、キャスタビリティが向上しています。防水機能も、16ストラディック CI4+のコアプロテクト防水からXプロテクト防水へと大幅に強化されています。ボールベアリング数も1個増え、20ヴァンフォードには7個採用されています。このように、20ヴァンフォードは16ストラディック CI4+には採用されていなかったハイエンドクラスの機能が惜しげもなく投入され、実質2万円台で手に入る超コスパモデルと言えます。
20ヴァンフォード C2000Sが適するフィールド
20ヴァンフォード C2000Sは、クイックレスポンスシリーズ最高峰モデルのヴァンキッシュと比較すれば、巻きの滑らかさは及ばないものの、ヴァンキッシュの半額と思えば大変レベルの高い仕上がりになっています。ミドルクラス以下のモデルと比較しても巻きは滑らかですし、ボディの剛性感も感度も充分です。どんなフィールドにも対応出来る万能リールであることは間違いありませんが、やはりこのリールの本領を発揮出来るのは、超軽量リグを投げて行うアジング、メバリングだと思います。もちろん、青物やシーバスなど、パワーを要求される釣りにも適正を示しますが、やはりパワーよりも、軽さと高感度を前面に押し出して、テクニカルな釣りがしたいですね。ロングストロークスプールの効果もあり、エギングにも十分な対応力があります。
しかし、20ヴァンフォードには、ドラグ機構の支持をメインシャフトのスプール受け部とスプール内部の計2箇所のベアリングで強固に行うリジッドサポートドラグは残念ながら搭載されていません。スプール内部へのベアリング追加もできません。ドラグをキンキン鳴らしながらパワフルなファイトをする、本流のビッグトラウトのような釣りには、20ツインパワーC2000Sのほうが向いているでしょう。
汎用小型スピニングリール、現時点で迷ったらコレ!
もちろん、予算との兼ね合いもありますが、特に欲しい機種が他にあり、理由も明確な場合はその機種を求めれば良いと思います。ただし、予算には問題がないものの、候補が絞りきれておらず、アレにしようかコレにしようか迷っているという貴兄には、このヴァンフォード C2000Sは大変おすすめしたい機種であります。とにかくコスパがものすごく良く、性能も万能なため、替えスプールを用意しておき、自分が行う釣りに応じて、スプールを交換し、あらゆるメソッドに対応できるようにしておきたいです。黒いボディに赤い差し色というスパルタンなカラーリングは好みの分かれるところではないかと思いますが、シマノらしさが感じられて好感が持てますね。