【インプレ】第三のモノコックボディー、20ルビアス FC LT2000Sはステップアップしたいライトゲーマーにぴったり
ルビアスシリーズとは
ルビアスシリーズとは2004年の初代登場から、16年経っても多くのアングラーから支持され続けているダイワのロングセラーモデルです。イグジスト、セルテートと並ぶ人気モデルですが、クラスとしては中堅機種でダイワリール内では軽量モデルに位置づけられているリールです。LTコンセプトの「TOUGH」を重視したモデルが19セルテートならば、「LIGHT」を強く意識したのが20ルビアスといったところでしょうか。07ルビアスからZAIONボディーを貫き通しているシリーズですが、大方の予測通り20ルビアスではZAIONモノコックボディーを実現しました。
技術革新となったZAIONモノコックボディー
16セルテートHDから始まったモノコックボディーですが、ZAIONモノコックボディーの開発が難航した事がモデルチェンジが遅れた原因の一つではないかと思います。通常モノコックボディー成型の場合、エンジンプレート部のみがねじ形状になりそれ以外は1ピースで作られます。そのエンジンプレート部のねじ切りの精度と強度が、CFRP樹脂であるZAIONではかなり難しいのではと予測していました。実際に07ルビアスは私の所有していた個体は何度かバラして組み立ててを繰り返していると、ネジ山部分が潰れてしまった箇所がありました。おそらく当時と今のZAIONはカーボン含有率などが同じではないと思いますし、歴代のイグジストを通じて素材自体も改良されてきていると思います。それでもCFRP素材のメインギア部のねじ切りを構築するには、非常に高い技術が必要だと思います。今後のモノコック機種にこの技術が活かされる事に期待したいですね。
フィネスカスタムシリーズは2000~2500番まで
20ルビアスのフィネスカスタムシリーズの最小番手はFC LT2000Sとなっています。フィネスゲームに向けたモデルなのに1000番がないのは不思議ですが、LT2000Sのリール重量は驚きの150gとこれでも十分なくらいに軽くなっています。ダイワリールでは最軽量で、同じ150gなのはなんと18イグジスト FC LT1000S-Pのみとなります。リール自体の軽さというのはチューンではどうにもできない部分もありますので、ここは20ルビアス最大の武器であると言えるでしょう。またフィネスカスタムでは細軸のハンドルアームが採用されていて、ここも軽量化に一役買っています。
シックなデザインでどんなロッドにも合わせやすい
LT化されモノコックボディーになったダイワ汎用リール御三家、どれも飽きのこないカラーリングにデザインも落ち着いたシックなイメージですが、20ルビアスではボディーエンドの形状が変わりました。18イグジストと19セルテートはやや丸みを帯びた形状をしていましたが、20ルビアスではスマートかつシャープになった印象です。カラーリングやデザインは好みがありますが、個人的には20ルビアスは長年使えるデザインだと思います。
軽量化だけで終わらないのが20ルビアス
ここまで軽さについて触れてきましたが、20ルビアスではモノコックボディーを採用した事でボディー内部の空間が広がり、以前よりも1ランク上の大口径ギアを搭載できるようになりました。ギアは冷間鍛造のタフデジギアが使われていて、前モデルよりも巻き上げトルクもアップしています。ルビアスは決して軽いだけのモデルではない、というダイワのメーカーとしての意地を感じます。
FC LT2000Sを選んだ理由
今回の20ルビアスではFC LT2000Sをライトゲーム用に、LT3000S-CXHをソルトゲームでもエギングやライトなロックフィッシュ用のPE0.6~0.8号を使用する為に購入しました。中でもFC LT2000Sはエリアフィッシングなどのフレッシュウォーターと、アジングなどライトSWにも使えるだろうと期待して発売前から予約をしていました。それではどの辺りがライトゲーム用としてマッチしているのか、いくつかのポイントを詳しくご紹介したいと思います。
使い勝手の良い5.1という抜群なギア比
ギア比は5.1という、いわゆるノーマルギアなので、いろいろな釣りに使えて非常に汎用性が高いです。エリアフィッシングでは67センチという巻き取り長を活かしてテンポ良く放流魚を獲っていったり、ボトム系ルアーやミノープラグのハイフロート釣法といった操作系の釣りを手返し良く行えます。アジングではジグ単やジグヘッドリグワームのスイミング、プラグのリトリーブ系の釣りなどのスローな展開の釣りにもぴったりです。
ライトゲーマーをターゲットにしたサイズのシャロースプール
20ルビアス FC LT2000Sのラインキャパシティーはナイロン3lbが150m、PE0.4号が200m。おおよそのライトゲームと言われるジャンルはほぼほぼカバーできるスペックとなっています。淡水でのライトゲームやショアからのアジングにはもちろん、最近じわじわと人気の出ているバチコンアジングなどでも使えるスペックです。PE0.6号を巻けば、ラバージグやジグヘッドワームを使ったボトムチニングなどにも対応できそうです。
手が出しやすい価格帯
20ルビアス FC LT2000Sの実売価格は2万円後半~3万円前後と、少し手を伸ばせば買える価格帯となっています。今までは片手間にやっていたライトゲームを本格的に始めたい、もしくはそろそろ1ランク上のリールを買ってステップアップしたいというライトゲーマーにはスペック的にもちょうど良いリールだと思います。
20ルビアス FC LT2000Sに向いている釣り
スペック的には各種ライトゲームにドンピシャなのですが、ロッドを含めた全体的なバランスを考えると6ft前後までのレングスのロッドを使う釣りに特におすすめしたいです。
FWゲームではエリアフィッシング
淡水でのライトゲームの代表と言えばエリアフィッシングでのトラウトの釣りでしょう。20ルビアス FC LT2000Sはスペック的にもエリアフィッシングにはぴったりのモデルだと思います。巻き取り長は67センチと少し多めなので好みがわかれるところですが、テンポ良く釣っていくボトム系やトップ、ミノーなどのプラグとは特に相性が良いでしょう。
SWゲームではアジングに
ライトゲーム全般とマッチしやすい20ルビアス FC LT2000Sは、ソルトウォーターでは特にスローな展開のアジングに使いやすい1台でしょう。150gというリール重量は、ジグ単などで使う6ft前後のショートロッドとのバランスが取りやすく、エステルラインなどとも相性抜群です。タフデジギア搭載なので不意の大物にも余裕を持って対応できます。
その他のライトラインを使用する釣り全般に
スペック的には最早ライトゲーム専用機とも言える20ルビアス FC LT2000Sは、上記の釣り以外にも細いラインを使う釣りであればほとんどをカバーできるでしょう。人気のバスフィッシングはもちろん、ここ数年で人口の増えたハゼング(ルアーを使ったハゼ釣り)、ライトな堤防からのロックフィッシュ、湖でのボートからのワカサギ釣りにもぴったりです。4lb以下のナイロン、フロロカーボンラインと0.6号以下のPEラインを使う釣りにはぴったりなリールですが、スピーディーな展開の釣りとの相性はあまり良くないので、その点だけは気を付けましょう。
20ルビアス FC LT2000Sに向いていない釣り
ライトゲームに特化したといえる20ルビアス FC LT2000Sですが、ラインキャパシティーやローギアといった特徴から速い展開や大物狙いの釣りには不向きです。また7ftを超えるロッドではリールが軽すぎるが故に、相性があまり良くないと思います。
シーバスにはラインキャパシティーに不満が
基本的にライトゲーム向けのスペックとなっているFC LT2000Sでは、最低でもPE0.8号以上が欲しいシーバスフィッシングではラインキャパシティーが物足りないかもしれません。巻き取り長もシーバスゲームでは80~90センチ前後は欲しいところなので、同じ20ルビアスではオリジナルモデルのLT3000S-CXHかLT3000-XHがおすすめです。
エギングには短い巻き取り長
一般的にエギングでは、70センチ後半から80センチ台くらいの巻き取り長がエギの操作も含めて向いていると言われています。20ルビアスから選ぶのであれば、FC LT2500S-XHかLT2500-XHが良いと思います。風が強い時はXHクラスの方がラインメンディングもしやすいです。
19バリスティック LT2000SS-Pは、20ルビアス FC LT2000Sの競合機種なのか?
スペック的に非常に似た部分の多い19バリスティックシリーズと20ルビアスシリーズ。クラスや価格帯も近い両機の違いは、実はあまり明確に語られていません。ここではこの2機種の相違点をいくつか上げたいと思います。どちらを選べばよいのか、購入を悩まれている方は是非参考にしてください。
素材は共にZAIONが使われているが工法が違う
ボディーとローターの素材は両機ともにZAIONが使われている為、どちらもダイワ汎用リールの中では最軽量クラスに仕上がっています。リール重量は19バリスティック LT2000SS-Pが160gに対し、20ルビアス FC LT2000Sは150gと10gの差があります。その理由の一つとしては19バリスティックは従来の蓋形状であり、20ルビアスはモノコックボディーとボディーの成形工法が違う事が影響しているでしょう。そして強度やパワーでもモノコックボディーである20ルビアスに軍配が上がるでしょう。
19バリスティックはメインギアにマシンカットタフデジギアが採用されている巻き感度重視モデル
19バリスティックでは、18イグジストと19セルテートと同じマシンカットタフデジギアが搭載されています。マシンカットタフデジギアは歯面の面精度が高く、巻き感度が非常に良いギアです。20ルビアスは通常の冷間鍛造のタフデジギアなので、リールの心臓部であるメインギアは19バリスティックに軍配が上がります。
メンテナンス性の違い
20ルビアスはマグシールドを搭載しているので、基本的には使用後の水洗いと注油のみでOKです。逆に言うとそれ以上のメンテナンス、つまりオーバーホールまでは専用工具が必要になるので基本メーカー任せになってしまいます。日頃からバラしてパーツ交換をしたり、オーバーホールも自分でやりたい!という方には蓋形状の19バリスティックをおすすめします。
20ルビアス FC LT2000Sは一つ上のランクを目指すライトゲーマーにおすすめ
今回はご紹介させていただいた20ルビアス FC LT2000S-Pは、ラインキャパシティーやギア比などを見てもライトゲーム全般をターゲットに絞った一台といえるでしょう。稀代のライトゲーム専用機とも言える20ルビアス FC LT2000Sは非常に軽量なモデルでそこが最大の武器ではありますが、軽すぎるが故にロッドとのバランスには注意したいところです。これから本腰を入れてライトゲームを始めたい方や、1ランク上のリールの購入を検討しているライトゲーマーの方は選択肢の一つに加えてみてはいかがでしょうか?