バランスの良いエントリーモデル!18フリームスLT4000D-CXHについてインプレッション
ダイワのエントリーモデルとして販売されているフリームスシリーズの中でも、シーバスからライトショアジギング向けの「18フリームスLT4000D-CXH」についてインプレッションしていきます。初心者向けのモデルとは思えない軽量さと性能で人気のリールですが、この価格帯のリールにありがちなハンドルのブレや他の機種との違いが気になる方も多いのではないでしょうか?この記事では、18フリームスLTの性能についてはもちろん、同じくエントリーモデルの18レガリスLTや17アルテグラとの違いについても解説していきます。
フリームスシリーズとは
フリームスシリーズは、2000年代初頭に初めて発表されたダイワのエントリーモデルです。値段以上の基本性能の高さとどんな釣りにも使用できる汎用性が特徴で、15年以上様々なアングラーに愛されてきました。モデルチェンジが繰り返されるたびにその特徴は洗練されており、近年ではエントリーモデルとしての使用のみならず、中・上級者のサブ機としても十分に活躍するリールとなっています。
18フリームスLTの特徴
2015年から3年振りにモデルチェンジが行われた18フリームスLTですが、それまでのモデルとは大きく仕様が変更されています。そこでこの項目では、仕様変更が行われた点を中心に18フリームスLTの特徴について解説していきます。
LTコンセプト
18フリームスLTは、ダイワが小型スピニングリールの新基準として発表した「LT(LIGHT TOUGH)」コンセプトをもとに開発されています。このコンセプトは軽さと耐久性を向上し、アングラーとリールの一体感を追求することをテーマにしています。18フリームスLT4000D-CXHの重さは240g、前作15フリームス3000※は305gと大幅に軽量化されていることがわかります。※LTコンセプトとして開発されたリールは番手が従来のモデルと異なり、3000番はLT4000に相当する。
ボディ素材の違い
前作15フリームスには、「スーパーメタル」と呼ばれる特殊なアルミニウム素材が使用されていました。この素材は剛性には大変優れていますが、金属であるためボディが重くなりやすいというデメリットがあります。18フリームスLTのボディに使用される素材は、カーボン繊維を配合した特殊プラスチック「DS5」です。こちらは軽さと耐食性に優れており、240gという数字に大きく貢献しています。
18レガリスLT、17アルテグラとの違い
この項目では、18フリームスLT4000D-CXHとほぼ同じ重さで価格の安い18レガリスLT4000D-CXHや、同価格帯の17アルテグラ4000XGとの違いについて解説していきます。
18レガリスLT4000D-CXHとの違い
18レガリスLT4000D-CXHは実売価格8,000円前後のエントリーモデルです。スペック上は18フリームスLTとほとんど変わらず、重量差はわずか5gに抑えられています。両者の大きな違いは、「マグシールドの搭載」と「ハンドルの固定方式」です。マグシールドは、リールの回転性能を低下させることなく水の浸入を防ぐダイワの防水技術で、18レガリスLTには搭載されていません。ハンドルの固定方式は18フリームスLTがねじ込み式、18レガリスLTは供回り式です。これらのコストカットにより、8,000円という安さが実現されています。
17アルテグラとの違い
実売価格13,000円前後と、18フリームスLT4000D-CXHと同価格帯で販売されている17アルテグラ4000XGですが、285gとかなりの重量のあるリールです。1回転あたりの巻き上げ長はどちらも99cm、ボールベアリング数も同じく5個とそれ以外の違いはほとんどありません。17アルテグラやシマノ製のリールに強いこだわりがなければ、18フリームスLTを選んでも問題ないでしょう。
ハンドルノブのカスタムについて
18フリームスLT4000D-CXHのハンドルには、T字型のノブが採用されています。ライトショアジギング等でこのリールを使用する場合は力が入れづらくストレスになるため、カスタムするのも1つの手です。ダイワのハンドルノブには大きさが2種類ありますが、こちらは「Sサイズ」に該当します。社外品も含めるとかなり選択肢が多く、好みのハンドルノブを見つけやすいかと思います。特に丸形で大きなものは力が入れやすくおすすめです。
18フリームスLT4000D-CXHの良い点
巻きに安定感がある
18フリームスLTにはねじ込み式ハンドルが採用されているため、ガタつきが少なく巻きに安定感があります。以前の同価格帯のエントリーモデルは、供回り式のものが多く釣行を重ねるにつれてガタつきやブレ感が顕著になっていました。またタフデジギアと呼ばれる精度の高いギアが搭載されており、その巻き感には滑らかさも感じられます。
※参考記事:タフデジギアとは - 具体的な説明と搭載されているダイワのリール機種一覧コストパフォーマンスが高い
実売価格13,000円前後ながら全体の性能がバランス良く、非常にコストパフォーマンスの高いモデルです。ピニオンギア部分に搭載されたマグシールド、240gという軽さ、ねじ込み式ハンドルの採用など価格以上の技術が詰め込まれています。このリールはシーバスからライトショアジギングまで幅広く使用できるため、1台持っておけば様々な釣りを楽しむことが可能です。
18フリームスLT4000D-CXHの悪い点
ギア比が高く巻きが重たい
巻き上げ長は99cmと非常に長く、ギア比は6.2と高めです。そのため負荷の大きい釣りや長時間の使用では疲れを感じやすいので注意しましょう。ギア比が高くなると、どうしても巻きの重さは大きくなります。なお18フリームスLTの4000番はノーマルギアモデルである18フリームスLT4000D-Cも販売されているので、そちらを選んでも良いでしょう。
巻き上げ力不足
18フリームスLTの軽さは大きな魅力ですが、その分ボディの剛性は犠牲になっているように感じます。そのため大物がかかるとファイトしづらく、巻き上げ力不足に陥ります。このリールで大物を狙う場合はドラグを最大限活用して長時間ファイトするか、普段より大きめの番手を選ぶことをおすすめします。
18フリームスLT4000D-CXHが向いている人
18フリームスLT4000D-CXHは、初心者のステップアップや中・上級者のサブ機におすすめです。実売価格13,000円前後のエントリーモデルとしては非常に軽量で、どんな釣りにも対応するバランスの良い性能を誇ります。特に初心者の中には、コストを抑えて様々な釣りを楽しみたいという方も多いのではないでしょうか?このリールと適度なロッド(シーバスもしくはライトショアジギング向け)を揃えれば、防波堤から磯までタックル1つで釣りに使用可能です。
18フリームスLT4000D-CXHが向いていない人
より本格的なショアジギングやキャスティングゲームでの使用を検討している方にはあまりおすすめできません。剛性や巻き上げ力には期待できないため、大型の魚とやり取りするには不安が残ります。同価格帯でよりパワーのあるものが欲しい場合は17エクセラー、予算に余裕がある場合は上位機種のブラストシリーズを選ぶと良いでしょう。重量は18フリームスLTと比べてかなり重たく汎用性には欠けますが、大型狙いの釣りには最適なリールです。
バランスの良い性能と軽さが魅力だが、大きい魚には不安
今回は、18フリームスLT4000D-CXHについてインプレッションしました。エントリーモデルながらも非常に軽量でバランスが良く、どんな釣りでも楽しめる汎用性が魅力です。初心者のステップアップや中・上級者のサブ機に最適で、ハンドルノブをカスタムすることでより扱いやすいリールになります。しかし剛性や巻き上げ力には不安が残るため、より大型を意識した釣りでの使用は不向きです。