サビキ釣りは、様々な魚が釣れます。基本、あみこませを食う種であればすべてサビキ釣りの対象魚と言えますが、サビキ釣りのメソッドにより、タックルや仕掛けの耐力が違いますのでターゲットとなる魚は変わってきますが、一般的なターゲットについて説明します。
サビキ釣りで最も簡単で一般的な、漁港や堤防などで主に足元付近を狙うサビキ釣りで釣れる魚は、小型のアジ、サバ、イワシがメインとなります。10cm未満の小さな個体であることがほとんどですが、時合がハマれば短時間でバケツいっぱいに魚が釣れるなんてことも少なくありません。
この、漁港や堤防で足元を狙うサビキ釣りでは、外道と呼ばれるゲストが大変多いのが特徴です。主なゲストを紹介します。
サビキ釣りのみならず、フカセ釣り、穴釣りなど、どこでも現れる魚です。ベラ類は種類が多く、独特のカラーリングをしたものが多いため、観賞用としては良いかもしれませんが・・・
フグ類も種類、絶対数が多く、エサ取りの代表格です。ハリスを何度も切られてしまう、もっともタチの悪い外道です。漁港や堤防に多いのはクサフグ、キタマクラ、アカメフグです。猛毒で、毎年素人釣り師が自分でさばいて食べ、中毒事故を起こしています。調理の腕に自信があっても、フグ調理師免許のない人は、絶対に食べてはいけません。
トウゴロウイワシは、イワシと名がついていますが、ニシン科のマイワシ、ウルメイワシ、カタクチイワシ科のカタクチイワシの3種、すなわち、水産業上重要な「イワシ3種」とは別モノの魚です。食用にされることは殆どありませんが、一夜干しや唐揚げで美味しい魚です。
ウミタナゴはほぼ通年、サビキ釣りの可愛い外道として、子供たちに人気の魚です。延べ竿を使い、専門に狙う人もいます。著しく扁平している魚なので可食部は少ないのですが、白身は塩焼きにして美味しい魚です。20cmを超えるサイズになると引きも十分楽しむことができます。
漁港や堤防のサビキ仕掛けに掛かるメジナはサイズが10cmに満たない木っ端(コッパ)と呼ばれるものばかりですが、小さくともしっかりと引きを楽しむことができます。このサイズでは可食部も少ないため、あまりに小さいものはリリースしてあげましょう。
カワハギも堤防では通年釣れる嬉しい外道です。「コッ、コッ」という、鋭くて小さなアタリが特徴です。漁港などではワッペンサイズと呼ばれる、10cm前後のものが殆どですが、大規模堤防や沖堤などでは25cm級の大型魚がかかることもあります。アタリは頻繁にあるけどフッキング出来ない場合はカワハギの仕業かもしれません。
磯が近くにある堤防ではよく釣れるのがシマダイ(イシダイの幼魚)です。サンバソウとも呼ばれます。シマダイの引きは小さくても強烈ですので、釣りをする分には十分楽しめますが、このサイズでは可食部はほとんどありませんのでリリースしましょう。
10cm級のスズキの幼魚のことは「コッパ」と言いますが、それ以上〜40cm前後までは「セイゴ」と言います。セイゴも河口部に近い堤防などではサビキ仕掛けにかかる嬉しい外道です。
漁港や堤防などでのんびりとサビキ釣りをしていて、掛かったら最も厄介なのがこのボラかも知れません。仕掛けに対して魚が大きすぎ、掛かってもまず抜き上げることができません。タモがあればランディングは出来るでしょうが、ボラは青物並みに走るので、ランディングができたとしても仕掛けはメチャクチャになってしまうことが多いです。コマセに大きなボラが群がってきたら、一旦休憩したほうが良いかも知れません。
遠投ウキと、大型のコマセカゴをつけた仕掛けを50m〜70m程度フルキャストし、青物の回遊ルートを直撃できる遠投カゴ釣りは、釣り味も食味も最高に良い魅力的な青物だらけのダイナミックな釣法です。青物の回遊は、毎日決まったルートというわけではありません。回遊に関する情報をいかにキャッチするかが勝負の分かれ目です。
ブリの幼魚であるワカシ(〜40cm程度)、イナダ(〜60cm程度)が、夏のショアからの遠投カゴ釣りのメインターゲットとなります。引きは強烈で、ワカシサイズといえども侮れません。また、ぶっこ抜きはほとんど不可能ですので、玉網は必須です。足場から水面までの高さに応じた玉の柄を用意しておきましょう。だいたい5mくらいまでがロッドと玉網をひとりで扱える長さの限界です。それ以上の長さのものは、高価な超軽量玉の柄でないと扱えません。
ヒラソウダ、マルソウダは「ソウダカツオ」と一緒くたにされることが多いですが、ヒラソウダとマルソウダでは食味が全く違います。ヒラソウダはクセがなく美味ですが、マルソウダは血合いを中心にクセが強く、好みが分かれます。またマルソウダの血液には弱い毒がありますので、アレルギー体質の人、体調の優れない人は食べないほうが無難です。釣り味はどちらもパワフルで楽しいですが、カツオと同じく、仕掛けはメチャクチャにされてしまうのが玉に瑕です。
サゴシはサワラの幼魚で、ショアからの遠投カゴ釣りでは50cm前後のものがよく釣れます。サゴシは非常に歯が鋭いため、サゴシが掛かるときは、ハリスを通常のサイズより上げる必要があります。体表面が臭いの強い粘液で覆われるため嫌われがちですが、非常に美味な魚です。新鮮なものは皮目を炙ったあぶりが美味しいです。
日中の釣りでは滅多にかかりませんが、朝夕の間詰め時、夜釣りで良くかかる魚です。タチウオはオフショアのイメージがあるかもしれませんが、夜行性で、夜間はエサを求めてシャローエリアまで上がってきます。タチウオを専門的に狙う場合は、付け餌をオキアミではなく魚の切り身にします。夜釣りの際は飛ばしウキに大型のケミホタルを取り付け、視認性を確保します。また、歯が非常に鋭いため、ハリスはワイヤーに変更する必要があります。
シイラはショアから釣れることは多くはありませんが、真夏のトップウォーターで青物やシーバスがベイトを追い回す中にシイラが混じることがあります。シイラは別名「マンリキ(万力)」と呼ばれるパワーの強い魚です。日本では臭みがあるなどのイメージで、あまり積極的に食されることはありませんが、ハワイでは「マヒマヒ」と呼ばれ、地元民に一般的に食べられている魚です。
遠投カゴ釣りでキハダマグロがかかることがあります。嘘のような話ですが、私の地元である神奈川県・江ノ島裏磯では、イナダ狙いの遠投カゴ仕掛けに40cm〜50cmのキハダマグロの若魚が掛かるのを何度か目撃したことがあります(残念ながら私は釣ったことはありません)。
チャンスとしては激レアの部類になりますが、黒潮に乗って沿岸にやってきたキハダマグロの一部が、ベイトを追って相模湾奥の江ノ島まで入って来ますのて、キハダマグロをピンポイントで狙うため、周囲の釣り師より強力なタックルでかご仕掛けをフルキャストしているアングラーもいます。
いかがでしたでしょうか? サビキ釣りは小魚から中型青物まで、あらゆる魚が釣れる釣法です。ファミリーフィッシングから本気の青物狙いまでメソッドが確立していますので、まずは堤防でのアジサバ狙いから始めて、サビキ釣りの基本をひと通り覚えたら、遠投カゴ釣りにチャレンジしてみてください。その場合、青物用の大型のクーラーボックスを購入しておくことをお忘れなく!
この記事を書いた人
合わせてよく読まれる記事
「釣りの豆知識」関連の記事
新着記事