ボートロックで使用するロッドに必要なスペックを徹底考察!こだわりのおすすめロッド3選!

作成:2021.11.01更新:2021.11.01

須崎沖でメタルジグで釣れたマハタ

ボートロックに向いているロッドの条件とは

須崎港での出船前、港に置かれたタックル

ここ数年でダイワの「HRF」シリーズやシマノの「ハードロッカー」シリーズなど、ロックフィッシュ専用のロッドが非常に充実してきています。勿論ボートロック専用のロッドも数多く発売されていますが、遊漁船で狙うポイントでの攻め方によっては不向きなシチュエーションも多々あります狙う水深や潮流の速さなどで使用するジグヘッドやシンカーの重さは変わり、キャスティングで狙うのかバーチカルに狙うのかでも必要な条件は大きく変わってきます。ではある程度バーサタイルに色々なスタイルで使用できるロッドの条件とはいったいどのようなものなのでしょうか?

レングス(長さ)

ボートからの釣りで一番重要なのがレングスです。乗合船でミヨシに立てればオーバーハンドでキャストできますが、トモや胴の間ではアンダーでキャストするしかありません。バーチカルに狙う場合でも、潮上にちょい投げすることは必須となります。使用する方の身長によってベストなレングスは変わりますが、概ね7ft前後~長くても8ftくらいまでだと思います。8ft中盤よりも長いロッドは取り回しが悪く、ランディングの時にも非常に扱いづらいです。個人的には7ft後半(7'8"~7'11")くらいがキャスト時の飛距離や船上での取り回しも良く最も使い勝手が良いと思います。またそれくらいのレングスであればショアからの釣りでも十分使用できるので、遠征時のようなロッドの本数が制限されてしまう場合にも色々と使いまわせるのは良い点です。

パワー

ロッドのパワー表記については各社それぞれの基準で設計されているので、一概にこの硬さがいい!とは言えません。筆者は今まで10本以上のロックフィッシュ用ロッドを使用してきましたが、それぞれのメーカーの表記と使用感がまちまちであることは間違いありません。これには後述するそのロッドのテーパーとルアーウェイトとの関係性が深いのです。

例えばルアーウェイトがMAX35gだがレギュラーテーパーのロッドであれば、ベリー辺りから曲がることが多いので柔らかいと感じる方もいると思います。なのでロッド選びの際にはまずテーパーを気にしましょう。ロックフィッシュ用のロッドはファーストテーパーのものが多いので、ファーストテーパーもしくはエクストラファーストのものがおすすめです。パワー表記の目安として「最低限これくらいは使いたいパワー表記」と言うのはありますが、この辺りは釣り方によっても必要なパワーが変わってきます。ある程度バーサタイルに使用する1本を選ぶのであれば、MH(ミディアムヘビー)~H(ヘビー)クラスがあれば問題ないでしょう

ルアーウェイト

ボートロックで使用するルアーウェイトは、釣りをする水深や潮流の速さと釣り方によって大きく変わってきます。使うシンカーの重さは水深×1.5~2程度を目安にし、ボトム系の釣り方であれば15g以上、スイミング用のジグヘッドであれば25g以上を使用するケースが多いでしょう。深いところや潮流の速いところでは2oz以上を使用することもあるので、キャスティング用はMAX35~40g、バーチカル用はMAX56g以上あると使い勝手が良いです。パワー表記と同じく、ルアーウェイトMAX表記もメーカーによりまちまちなのであくまでも目安として考えましょう。

シチュエーション別の必要条件

須崎沖で釣れたアカハタとタックル

前述した通り、ボートロックは遊漁船によってポイントへのアプローチの仕方が違います。比較的シャローなエリアを、岸や沖磯などに向かってキャストするスタイルの船もあれば、20m以深の根の点在するエリアをバーチカルに流しながら釣るスタイルなど様々です。そうなると当然使用するルアーの種類やシンカーの重さも変わってきます。そのようなシチュエーション別にロッドに必要なスペックについて解説したいと思います。

キャスティングで水深5~15m前後までを狙う

浅いエリアを岸と平行に船を流しながら、シャローエリアに点在するシモリについている魚を狙うスタイルの場合は、ほとんどショアからと同条件であると考えればよいでしょう。使うシンカーは14~30g前後で、キャスト時には飛距離は当然必要となります。飛距離を出すことが必須とはいえ、9ftクラスのロッドではランディング時に非常に取り回しが悪くストレスを感じてしまいます。これらを考慮すると8ft前半~長くても8'6"程度までのロッドで、パワーはM~MHクラスが良いと思います。組み合わせるリールは巻き取り長の多い4000番クラスがおすすめです。

バーチカルに水深20~40m前後までを狙う

沖にある根の上をダイレクトに狙い撃ちするスタイルでは、最もロッドに求められる条件は重いシンカーを扱えるか否かです。40mまでいくと2oz以上のタングステンシンカーでなければボトムを取れないことがしばしばあります。そうならない為にもロッドのパワーはMH~XHクラスが絶対条件となります。深場ではほぼバーチカルな釣りになるのであまり長さは必要ありませんが、時期によっては15m程度のエリアでも釣りをすることがあります。そうなるとちょい投げをしてできるだけ広範囲に探る必要があるので、7ft後半~8ftくらいのロッドが良いと思います。ディープの釣りになるとメインラインにかかる水圧も増すので、組み合わせるリールはノーマルギアかパワーギアがおすすめです

釣り方によってさらに必要な条件は変わる

須崎沖で釣れたオオモンハタ、口にはバルト4in赤金

スピニングロッドでキャストするスイミングメソッド

ジグヘッドリグにシャッドテールやピンテールのワームを合わせて使うスイミングメソッドに適しているのは、安定した巻きの釣りがしやすいスピニングタックルでしょう。スイミングメソッドではキャストして広範囲をサーチし、手返し良く釣りをしなければなりません。また水深にもよりますが、ボートロックでのスイミングで使用するジグヘッドは軽くても25g、重ければ50gクラスのものを使用することが多いです。そうなると長さは8ft前後、ルアーウェイトMAXは40g辺りのMH~XHクラスのスピニングロッドがベストマッチでしょう。50gのジグヘッドをオーバーハンドでフルキャストできるロックフィッシュ用のロッドではあまり見当たりません。ルアーウェイトMAXを超えた重さのものをキャストする時は、ロッドに負荷がかかりにくいようにタラシを長くするなどの対策も必要になるかと思います。

ベイトロッドでボトムのリフト&フォール、ズル引き

ボトムに張り付いたアカハタやキジハタ、カサゴを狙うには、ボトムタッチの手返しが良いベイトタックル一択です。クラッチを切ればすぐにラインをフリーにできるのはベイトタックルの最大の利点でしょう。最近のベイトリールは飛距離の出しやすいものが多いので、特別長めのロッドを選ぶ必要もなく8ft前半くらいあればキャスト時に不満を感じることもないかと思います。ベイトタックルでボトムの釣りをする時に最も重要視しなければならないのは、掛けた魚を一気にリフトアップするロッドのパワーです

バーチカルに狙うのであれば最初の数mを頑張ればキャッチできると思いますが、シャローエリアを打っていく場合にはショアからの釣りと同じく一気に寄せてくるパワーが必要不可欠、パワー表記はH~XHは欲しいところです。ベイトリールであればスピニングよりも太糸が多く巻けるというメリットがあるので、PE1.5~2号にリーダーは30lb以上はほしいところです。大型魚の根に対する執着心とトルクのあるパワーは凄まじいものがあります。ある程度の水深のあるセーフティゾーンまでは気を抜かないようにしましょう。

ボートロックで使ってみて欲しいロッド3選

朝焼けの中、須崎港から出船する赤沼丸

上記に挙げた様々な条件を考慮して、筆者が実際に使用した感覚から独断と偏見で決めた「ボートロックフィッシュで是非使ってほしいロッド」を3機種ご紹介したいと思います。これらはボートロック専用と謳われたロッドではなく、ショアからも使えるモデルばかりです。それでもボートロックで是非使ってみていただきたいロッドですので、現在ロッドでお悩みの方は是非参考にしてみてください。

ノリーズ ロックフィッシュボトム パワーオーシャン RPO710XHS2 EXTRA HEAVY LONG CAST

言わずと知れたロックフィッシュロッドのハイエンドモデル。ルアーウェイトMAX表記は30gとなっていますが、40gくらいまでなら問題なく使用できるパワーを持っています。価格は4万円後半と高価なモデルですが、おかっぱりでも使いやすいレングスと50㎝オーバーのオオモンハタとも余裕を持ってやり取りできるパワーのバランスが非常に良いロッドですキャスト→ヒット→キャッチまでの一連の流れをとてもスムーズに行える高いポテンシャルを持ったロッドです。バイブレーションのような巻き抵抗の強いハードルアーも、チューブラーティップにより非常に扱いやすくオールラウンドに対応できるロッドです。ボートロックでスピニングロッドで1本だけ選ばなければいけない状況であれば、間違いなくこのロッドを選びます。

ジャクソン ハイドアウトハンター HHS-710MH-MST

個人的に最も使用頻度が高いのがこのロッドです。ソリッドティップが使用されているので、スイミングメソッド時の絡みつくようなバイトも弾かずに魚をキャッチできます。スペック的にはスイミング専用になると思いますが、50gのジグヘッドも問題なく使用しています(オーバーハンドでのフルキャストはしていません)。7'10"というレングスは船上での取り回しも良く、50㎝近いオオモンハタや3キロオーバーのマハタなどの大型魚が来ても問題なく対応できます。現在は廃盤となってしまっているようで新品を置いているショップはほぼありませんが、中古市場では2万円前後で売られていることが多いです。もし店頭で見つけた際には是非手に取って見ていただきたいロッドです。

ダイワ HRF®KJ 711HB

ボートロックで釣りをする時間の90%以上をスピニングタックルでのスイミングメソッドに費やす筆者ですが、ボトムに張り付いたキジハタやカサゴを狙いたい時はやはりベイトタックルを使用します。ボトムタッチの頻度が高い釣りでは圧倒的にベイトタックルが有利です。このロッドは全体的に張りがあり、ボトムでのリフト&フォールやズル引きなどに対応できるティップと、魚が掛かった後に一気にリフトアップできる強靭なバットパワーがあります。レングスも7'11"なので、キャストする際の飛距離も特に問題ありません。

自身のスタイルに合ったタックルを選んでビッグフィッシュを目指しましょう

須崎沖で釣れた47センチのオオモンハタ

一口にボートロックと言ってもよく行く海域や狙う魚種、釣り方や使うルアーなどによって人それぞれスタイルは全く違います。シャッド系ワームのスイミングで大物に狙いを絞りたい場合にはスピニングタックル、ベイトフィッシュがいない時にはボトムの甲殻類パターンを狙ったベイトタックルなど、ターゲットやシチュエーションごとに上手くタックルとルアーを使い分けましょう。ショアからの釣りより数もサイズも狙えるボートロックはとても攻略しがいのある釣りです。釣りたい魚種をいかにシステマチックに釣るか、ロッドだけでなくリール、ラインの太さからルアーの重さまで全てのバランスが上手く取れた時に、ランカーサイズのロックフィッシュを獲ることができると思います。こだわりを持って楽しみましょう!

この記事を書いた人

YSNOのプロフィール写真

ダイワマニア
YSNO

 トラウト(エリア、湖)、青物全般、ロックフィッシュ、シーバス、アオリイカ、ショアジギング、オフショアジギング、エリアトラウト、ウェーディング、ボートロック、エギング、東京湾、東伊豆(静岡県)、房総半島(千葉県)、上越地方(新潟県)、芦ノ湖(神奈川県)、本栖湖(山梨県)


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