ロックフィッシュのリーダーはラインシステムの要!釣果アップのセッティング
作成:2020.05.23更新:2021.08.20
目次
ロックフィッシュにリーダーが必要な理由
ソルトゲームでは様々な釣りにおいてPEラインが使用されており、それは全国のロックフィッシュシーンでも例外ではありません。PEラインは根ズレに弱いことからショックリーダーを使うことでそのポテンシャルを存分に発揮できます。特にロックフィッシュのエキスパートアングラーの多くは、PEラインとショックリーダーを組み合わせたラインシステムを採用しています。
ラインブレイクの防止
沈み根や岩礁帯の周辺に生息する根魚を狙うロックフィッシュではラインとストラクチャーが接触する根ズレが頻繁に発生します。PEラインはテンションのかかった状態で硬いものや鋭利なものに擦れると簡単にラインブレイクするため、ナイロンやフロロカーボンのショックリーダーをメインラインの先に結束してラインブレイクを防止します。
特に大型魚の強烈なファイトはファイト後にリーダーを確認すると切れる寸前までボロボロになっていることも珍しくなく、ショックリーダーの恩恵を感じるシチュエーションはトーナメントに出場するエキスパートアングラーでも非常に多いです。
バラシの軽減
ショックリーダーのもう一つの役割は魚とのファイト時におけるバラシの軽減です。PEラインは伸びない性質を持っているので、単体で使うとフックポイント、ロッド、ドラグなどに急激な負荷がかかりバラシにつながりやすいデメリットがあります。魚とのファイト中に急に走られたり方向転換をされた時はロッドやリールのドラグ性能で対応することになりますが、ショックリーダーにはそれを補う役割も期待できます。
高切れの防止
ショックリーダーはラインの高切れを防止する効果もあります。PEラインだけでロックフィッシュをすると、根掛りを外す時に過度なラインテンションがかかり、手元に近いところからラインが切れてしまう高切れが頻繁に起こります。高切れはラインを大量に失ってしまうので精神的にも経済的にもダメージが大きいです。そこでメインラインとは強度、素材の違うショックリーダーを使うことでリーダーや結束部分からラインが切れ高切れを防ぐ効果も期待できます。
ロックフィッシュの精度を高めるために!
リーダーには上記3点以外にもロックフィッシュの釣果アップに繋がる要素がいくつかあります。極端にリーダーを細くして魚へのプレッシャーを抑える、水に対する比重の違いを利用しラインの角度を変える、ルアーの沈下スピードをコントロールすることもできます。少しでも飛距離を伸ばすために細めのPEラインを使うことが多い近年のロックフィッシュシーンではショックリーダーを含めた独自のラインシステムが大切です。
ロックフィッシュにおすすめのリーダー
ロックフィッシュのショックリーダーとして使うラインの種類は複数ありますが、ここでは代表的な2種類を紹介します。
フロロカーボンライン
ショックリーダーとしては最も一般的なフロロカーボンライン。硬い、感度が良い、水に対する比重が重い、根ズレに強いといった特徴があげられます。ロックフィッシュにおいても使用するアングラーが多く、最も適しているリーダーと言っても過言ではありません。フロロカーボンラインは比較的硬く感度が高いとされています。硬さゆえにスプールへの馴染みが悪く、糸癖がつきやすいというデメリットがありますがある程度慣れてしまえば気にならなくなります。
フロロカーボンはなぜロックフィッシュに向いている?
フロロカーボンラインがロックフィッシュに適しているといわれる最大の特徴が根ズレへの強さです。フロロカーボンは素材がひとまとまりで糸を形成しているように見えますが、縦方向の繊維として構成されています。わかりやすく例えるならさけるチーズです。根ズレにより傷が入った場合、その部分から縦方向に剥がれるようにダメージを受けることで完全に切断はされずにラインの一部で耐えることができます。とはいえフロロカーボンも過度なテンションがかかったり激しい根ズレでは切れてしまうので、特徴を押さえたうえで使用しましょう。
ナイロンライン
釣り糸として一般的なライン素材。名前の通りナイロン素材でできており、しなやかで伸縮性が高いのが特徴です。糸癖がつきにくいので、長めのリーダーを組むのに適しています。比重が軽いのでリグを上方向から操作したい場合にはナイロンリーダーが活躍します。ロックフィッシュではライトゲームと呼ばれるメバルなどを狙った釣りで使用されることがあります。しかし、根ズレに弱く、激しい根がある場所には不向きなデメリットもあります。また、吸水性があり劣化が早いのでこまめなラインチェックが大切です。
ロックフィッシュのリーダーのセッティング
ロックフィッシュのリーダーのセッティングには強さ、長さ、結束方法の3つの要素があります。ここではロックフィッシュのリーダーを組む時に定番のセッティングを簡単に解説します。
ショックリーダーの強さ
ショックリーダーの強さは大きく分けて2つの考え方があります。それぞれのフィールドやターゲットに合わせて強さのセッティングを使い分けてみましょう。
根ズレが多発するフィールドでは強めのリーダー
1つ目はメインラインより強いポンド表記のショックリーダーを結ぶこと。大型魚を狙う時やファイト時に根ズレが頻発するようなポイントではこのセッティングが活躍します。多少強引なやり取りをする時におすすめで、昆布やホンダワラなど太くて強い海藻が多いエリアでもこのセッティングが有効になります。
- メインライン:14lb ショックリーダー:16lb
根掛かりが多発するフィールドでは弱めのリーダー
2つ目はメインラインより弱いポンド表記のショックリーダーを結ぶこと。根掛かりが頻発しても手返し良く釣りを続けたいシチュエーションにはこのセッティングがおすすめです。繊細なアクションを演出したりラインの存在感を消したい場合にもショックリーダーを細くすることが有効です。細いラインやリーダーを使う場合にはリールのドラグを使ってラインブレイクに気を付けながらファイトしましょう。
- メインライン:12lbu3000ショックリーダー:10lb
ショックリーダーの長さ
ショックリーダーの長さはフィールドやタックルに合わせた、ショックリーダーの基本性能とキャストフィールのバランスが重要になります。ショックリーダーは長ければ長いほどショック吸収の性能は上がりますし、根ズレに対しても有利です。しかし、ショックリーダーが長いとロッドのガイド部分にノットを巻き込んでキャストすることになるため、ガイドに結束部分が引っ掛かり飛距離が落ちてしまうことがあります。また、ラインがガイドに絡むライントラブルも発生しやすくなります。
ショックリーダーの定番の長さは70〜150cm
ショックリーダーの長さに悩んでいる方は70〜150cmを目安に考えてみましょう。150cmは1ヒロと呼ばれ、おおよそ両腕を広げた長さ、その半分にあたる約70mは矢引とよばれ胸の中心から片腕の先までと覚えておくと便利です。
リーダーの結束方法
PEラインとショックリーダーの結束方法は様々な種類がありますが、強度と結束時間が反比例することが多いのが現実です。ここではおすすめのノットを3つ紹介するので状況や自分に合ったノットを身に付けて実践に投入してみてください。
フィッシャーマンズノット(電車結び)
フィッシャーマンズノットはPEラインとショックリーダーを結束する最も簡単な方法です。結束強度は落ちるデメリットはあるものの、リーダーの結束に慣れてない初心者の方や現場で素早く結束したいシチュエーションで活躍します。
FGノット
ノッター派、手編み派に分かれるほど手間がかかるFGノット。強度はショックリーダーの結束方法ではトップクラスで多くのソルトアングラーが採用しているノットです。近年は口と両手を使って簡単に編み込める方法もあります。
イージーブラッドノット
8ノットと摩擦系ノットを組み合わせた良いとこ取りのノット。編み込みの手間はあるもののそこまで複雑ではなく、強度も安定しています。現場で時間をかけずに結べて強度を確保したいシチュエーションにおすすめです。
エキスパートアングラーのおすすめリーダーとセッティング
今回は北海道のロックフィッシュシーンで活躍するエキスパートアングラーにそれぞれのリーダーセッティングについて伺いました。ロックフィッシュでのショックリーダー選びやセッティングに悩んでいる方は参考にしてみましょう。
北海道屈指のジャッカルフリーク甲斐さん
人気メーカージャッカルのアイテムでロックフィッシュを楽しむ札幌市のアングラー。北海道では最大規模のロックフィッシュトーナメント長万部カップで優勝経験もあります。ショックリーダー選びでは愛用するジャッカルのラインを活用しています。
おすすめリーダー①ジャッカル レッドスプールレグナム
ベイトPEのタックルでメインに使用しています。硬質なフロロカーボンラインなので強いボトムコンタクトでも安心感があるのが強みです。PEラインとの馴染みは少し悪いのですが、そこは編み込みの回数を増やして対応しています。
おすすめリーダー②ジャッカル レッドスプール ベイトフィネススペック
スピニングでのPEラインを用いた釣りに使用しています。細糸との相性も良く、前者のラインよりも柔らかいのでPEラインとの馴染みも非常に良いです。ハードボトムを攻める釣りではマメにラインチェックをしなければならないのがやや気になります。
ベイトタックルの結束方法
1〜1.5号のPEラインを使うベイトタックルではFGノット、SCノットの2種類を使っています。基本的にはFGですが、ラインテンションをかけにくい状態ではSCノットで結ぶこともあります。メインラインとリーダーの太さによって巻き付け回数を変えなければならないので慣れと経験が必要ですが、PEライン1号ならレッドスプール BFスペック 12lbで巻き付け回数25〜30回程度を目安にしています。
スピニングタックルの結束方法
0.5〜0.8号のPEラインはFGノットがほとんどです。結びコブが小さいのでガイド抜けが良いです。編み込み時はテンションをかけた状態で編み込まなければ結束部が抜けやすく、濡らさずに締め込むとノットが痛んでしまうので注意が必要です。
リーダーの長さ
スピニングタックルは1〜1.5ヒロ程度。結びコブを巻き込むと飛距離やガイド抜けに影響が出る意見もありますが、自分はそれは大きく影響を感じないので巻き込んで使っています。
ベイトタックルでは2〜3ヒロほどとっています。リグが基本的に重いものになるのでリーダーは長めにして、メインラインをボトムに干渉しないようにセッティングすることも大事だと考えています。
ベイトタックル情報
- ロッド: ジャッカル リボルテージ RV-C73H
- リール:シマノ 05 メタニウムXT
- メインライン:PE 1.5号
- リーダー: ジャッカル レッドスプールレグナム 14lb or 16lb
- リグ: ジャングルジム ビフテキリグ 14〜35g
スピニングタックル情報
- ロッド: ジャッカル リボルテージ RV-S69MH-MON
- リール: シマノ 14 ステラ 2500S
- メインライン:PE 0.6号
- リーダー: ジャッカル レッドスプール BFスペック 10lb or 12lb
- リグ: ジャングルジム ビフテキリグ 7〜21g
北海道屈指のトーナメント実績を誇る玉川さん
パワーオーシャンカップを中心に北海道のロックフィッシュトーナメントで抜群の成績を残している玉川さん。ハードルアーのエキスパートとしての印象が強いですが、2019年度は遠投を軸にしたタックルセッティングでもトーナメントで結果を残しています。
おすすめリーダー①シーガー プレミアムマックス
伸びが少なくキャスト時にロッドにルアーウエイトを乗せやすため、ロングロッドとの相性も良いリーダーだと感じます。遠投先での魚にもフッキングパワーを伝えやすいため、遠投を軸にしたセッティングで重宝しています。フロロカーボン素材のショックリーダー専用アイテムなので根ズレにも強く、多少荒めのボトムを攻略するシチュエーションにもおすすめです。これらの2つの性能がある上でしなやかなので非常に扱いやすい点も魅力です。
遠投タックルの結束方法
0.8号のPEラインに12〜14lbのショックリーダーを結束するときはノッター利用したFGノットを使っています。FGノットは手編みでも結束できますが、ノッターを使う方が結束部の品質を一定以上保つことが出来、遠投する時も自信を持ってフルキャスト出来るからです。ノッターは第一精工 ノットアシスト 2.0を愛用しています。
リーダーの長さ
遠投タックルではロッドの竿先から一番根元のガイドまでの距離より、少し短めの長さに設定しています。これはキャスト時の垂らしの長さに合わせており、根ズレ回避のためにリーダーをできるだけ長くしたい反面、ノットの結び目をガイドに入れない長さのセッティングにしています。
タックル情報
- ロッド: バレーヒル サイファリストHRX プロスペック CPRS-911H
- リール: シマノ ステラ C3000MHG
- メインライン: よつあみ XBRAID UPGRADE X8 0.8号
- ショックリーダー: シーガー プレミアム マックス 12〜14lb
- リグ: ジャングルジム ビフテキリグ28〜35g
室蘭でランカーアイナメを多数キャッチするhirokiさん
ロックフィッシュの聖地室蘭でランカーサイズのアイナメを毎シーズン釣っているhirokiさん。エコギア、ノリーズのアイテムを愛用し、初心者、ローカルアングラー、トーナメンターといった釣り人同士の垣根を超えた釣りをモットーにロックフィッシュを楽しんでいます。
おすすめのリーダー①シーガー フロロマイスター
シーガーのコストパフォーマンス抜群のフロロカーボンライン。ロックフィッシュではベイトタックルのメインラインとして合わせるアングラーが多いですが、安価で320m巻きになっているため、小さな根ズレでも積極的に交換できることから重宝しています。リーダー結束に慣れない初心者の方の練習にもおすすめのラインです。
オリジナルの結束方法
0.6号のPEラインに12lbのリーダーを結束する時はオリジナルノットを使っています。釣り場が自宅の近くなので、ほぼ毎日のようにアイナメを狙っていますが、結束部からのラインブレイクはほとんどありません。オリジナルの結び方なので説明が難しいですが、自分に相性が良い結束方法であれば定番のノットを使う必要はないと思っています。
リーダーの長さ
ショックリーダーの長さは1ヒロを目安にしています。リーダーの長さを長く取ったほうが魚に違和感を感じさせずに食わせられると思っているので、リーダーが短くなってきたら1から組み直すように心がけています。今回は遠投用タックルのセッティングですが、7ftクラスのスピニングロッドでも同様の長さを使っています。
タックル情報
- ロッド: ノリーズ RPO 94XXHS2
- リール: シマノ ストラディック4000MHG
- メインライン:PEライン 0.6号
- ショックリーダー: シーガー フロロマイスター 12lb
- リグ: ジャングルジム ビフテキ 35g
ショックリーダー選びでロックフィッシュの釣果アップ
ショックリーダーはラインブレイクや魚のバラシを防ぐなどロックフィッシュにおいて重要な役割があります。ショックリーダー単体の性能だけではなくチョイスするアングラーによっても性能の善し悪しが変わってくるので、シチュエーション、タックルバランス、ターゲットなどに合わせて適切なリーダーを選択することが釣果アップに繋がります。ロックフィッシュはショックリーダーが釣果に影響しやすい、ジャンルの釣りになるので基本を押さえれば他の釣りにも活用できます。
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