エリアトラウトにPEラインはマストな存在!PEラインの使いどころとおすすめPEライン3選
作成:2022.05.18更新:2023.04.17
目次
エリアトラウトにPEラインは必要?
エリアトラウトといえば繊細な釣りで、極細のラインを使うイメージを持っている方が多いかと思います。フィネスな釣りでのPEラインの必要性については懐疑的な方もいると思いますが、その特性を利用すればトラウトの繊細なアタリも明確にとらえることができます。エリアトラウトで使用するPEラインは0.2~0.3号が一般的で、非常に細いですが強度もしっかりしているものが多いです。それではエリアトラウトでPEラインを使用するメリットとデメリットについてご紹介します。
エリアトラウトでPEラインを使うメリット
伸びがほとんどないので感度が良い
PEラインの最大の特徴はその感度の良さです。ナイロンラインやフロロカーボンラインなどと比べても圧倒的に伸びが少なく、小さなトラウトのアタリもハッキリとわかります。ルアーとの相性を考えてタックルセッティングを組むと、エリアトラウトでも万能に使えるラインです。PEラインやエステルラインなどの低伸縮のラインは今やエリアトラウトのメインストリームであり、それに合わせて設計されたロッドも多く発売されています。またPEラインは伸びがないのでダイレクトにアタリが分かる為、初心者の方にもおすすめなラインです。
強度があるので不意の大物にも対応できる
PEラインは大物が多く放流されているエリアでも活躍してくれます。PEラインは何本もの細い糸が編み込まれて作られている為、同じ号数でもナイロンラインなどと比べても強度が段違いに強くできています。ラインが細くて強度があるので、ドラグ設定には気を付けましょう。ドラグが弱すぎると魚がよってきませんし、強いとラインが食い込んでしまい次のキャスト時にトラブルが起こりやすくなります。ラインが食い込まないギリギリのドラグの強さを見つけ出しましょう。
PEラインにはリーダーが必須となり、結束部分からのラインブレイクの可能性があります。エリアトラウトで使用するPEラインは細いので、FGノットのような摩擦系ノットでは結束強度が安定しづらいです。リーダーの結束にはサージェンスノットや3.5ノットがおすすめです。ノットの結束は結束強度がちゃんと出るようにしっかりと練習しましょう。
寿命が長い
PEラインは他のラインに比べて極端に長持ちしやすく、1度巻くと1~2年は平気で使えるくらいです。またある程度経ったら逆から巻き直せば更に寿命は延びます。エリアトラウトで使用する長さはせいぜい40mくらいなので、一回目に75~80mほど巻いておけば逆から巻く直すことも考えると3~4年は使えるでしょう。ただしラインの製法などによって品質にバラつきなどがある場合もありますので、過信しすぎないようにしましょう。長く使うものなので、小まめなラインチェックをおすすめします。
PEラインにはリーダーは必須ですが、そのリーダーの長さはどれくらい必要になるでしょうか?答えは人それぞれで、1ヒロ(両手を広げた分くらいの長さ)という人もいれば3ヒロくらいとるという人もいます。PEラインの場合リーダーが長くなれば手元に来るアタリの大きさが小さくなります。逆に短いとダイレクトにアタリが出るため、リールを巻いている手がショックでハンドルから離れるくらいになります。一般的には1ヒロ半くらいの長さにしている人が多いと思います。
エリアトラウトでPEラインを使うデメリット
水切り音を魚が嫌う場合がある
PEラインの最大の弱点は水切り音が出てしまうことです。ミノーやボトム系ルアーを使用する時には、ロッドを煽ってルアーの操作をします。その際にラインが水を切る音が発生し、水中でその音が鳴り響きます。釣り場によってはこの音を魚が極端に嫌う場合があり、釣果が下がってしまうことがあります。この水切り音はPEラインを使う場合には避けられない現象です。どうしても水切り音が気になる場合には、0.4号くらいの太めのエステルラインで対応しましょう。
またPEラインは細い糸を編み込んでできている為、カラーラインしかありません。構造上透明なPEラインは現状販売されていないので、カラーラインを嫌う釣り場でも魚からの反応は悪くなってしまうことがあります。そのような場合にはリーダーを長めにとって対応しましょう。
高価である
PEラインは製造のコストがかかってしまう為、他のラインに比べて高価になります。メーカーにもよりますが、0.3号が75mで3000~4000円前後程度とそれなりの価格になってしまいます。PEラインは細くなればなるほど製法が難しく、値段がアップしてしまう傾向があります。その為致し方ない部分ではありますが、初期投資として高額なラインを買わなければいけません。
しかし前述した通りに一度買ってしまえば数年は使用できるので、長く使用して元を取るといった考えで購入するとよいと思います。PEラインのメリットはデメリット分を補って余るほどで、使ってみて損はないラインだと思います。
PEラインのルアー別おすすめタックルセッティング
PEラインは伸びがなく感度が良い分ピーキーなラインですが、タックルセッティングをしっかりと出しておけばその特性を遺憾なく発揮できます。タックルセッティング次第では他のラインと比べても扱いやすくなり、魚のキャッチ率もアップするでしょう。逆にセッティングを間違えるとピーキーさ故に使いづらく感じてしまうこともあります。ここではルアー別のおすすめタックルセッティングをご紹介します。
スプーン
PEラインでスプーンを使う場面は、放流時などの高活性なタイミングの使用が良いです。魚がしっかりと反転してくれる状況で、伸びのないPEラインに柔らかめのテーパーのロッドで向こうアワセを狙うと良いでしょう。所謂「乗せの釣り」で効果を発揮するタックルセッティングを組みましょう。波動の強いスプーンの振幅をラインで感じながら釣ることもでき、その時の釣れるスプーンの速度もわかりやすくなります。
- ロッド:6ft前後のLクラス、全体的に張りがありつつも胴から曲がるレギュラー~スローテーパーのロッド
- リール:2000番クラスのノーマルギアかハイギア、巻き取り長60㎝台のリール
クランクベイト
クランクベイトとPEラインは非常に相性が良く、ルアーに絡みつくようなアタリもフッキングに持ち込むことができます。ラインスラッグでルアーの振幅を感じて、その時に釣れるルアーの速度がわかりやすくなって操作性もアップします。クランクベイトの場合はアタリが強く出る傾向にあるので、ショックを吸収しやすいテーパーのロッドやグラスロッドなどもおすすめです。
- ロッド:5ft後半~6ft前後のLクラス、レギュラーテーパーの柔らかめのロッド、ソリッドティップもおすすめです
- リール:2000番クラスのノーマルギア、巻き取り長60㎝前半のリール
ミノー
ミノーはロッドを煽って操作することが多いルアーで、伸びがなくダイレクトに操作できるPEラインとの相性が良いルアーの1つです。リーリングと共にロッドでルアーを潜らせるミノーには多少張りのあるロッドがおすすめです。しかしパワーのありすぎるロッドではアタリを弾いてしまうことがあるので、適度な張りが必要です。またリールはテンポ良くミノーを操作する為に巻き取り長が多めの方がおすすめです。
- ロッド:5ft後半くらいのL~MLクラスのファーストテーパーの強すぎないロッド
- リール:2000番クラスのハイギアもしくは2500番のノーマルギア、巻き取り長60㎝後半~70㎝前半くらいのリール
ボトム系ルアー
ダイレクトな操作感が必要なボトム系ルアーにはPEラインに最も適しているルアーであると言えるでしょう。キビキビとルアーを動かしてリアクションでの釣りを展開するボトム系ルアーには、全体的に張りのあるブランクスのロッドがおすすめです。ボトムシェイクを多用する場合にはソリッドティップも良いと思います。リールはテンポ良く探れるハイギアも良いでしょう。特にリフト&フォールやボトムシェイク系のアクションを多用するボトム系ルアーは特にPEラインとの相性が良いです。
- ロッド:6ft前後のML~Mクラスのファーストテーパーのロッド、ソリッドティップもおすすめです
- リール:2000番クラスのノーマルギアかハイギア、巻き取り長60㎝台のリール
トップウォーター
水面にルアーを浮かべて魚を誘うトップウォータープラグもPEラインとの相性が良い釣りです。特にポーズ(止め)で食わせる時には、ラインテンションが掛かっていない状態でも初期掛かりしやすいPEラインならではの特性を活かすことができる釣りです。トップウォーターではラインを張らず緩めずで釣りをすることが多いので、PEラインのフッキング率の良さが光ります。ロッドは張りのあるもの、リールはラインスラッグを回収しやすい巻き取り長多めがおすすめです。
- ロッド:5ft後半~6ft前半のMLクラスの全体的に張りのあるファーストテーパーのロッド
- リール:2000番クラスのハイギアか2500番クラスのノーマルギア、巻き取り長60㎝後半~70㎝前半のリール
おすすめPEライン3選
ダイワ プレッソUVFセンサー+2Si
鮮やかなオレンジ色が際立つエリアトラウト専用PEラインです。前作よりも更に線径が細くなり感度、飛距離共に大幅にアップしました。細めの0.15号でも安心の強度を保ち、不意の大物にも余裕を持って対応できます。ライン自体がしなやかなのでトラブルも少なく快適に釣りに集中できます。全体的なトータルバランスに優れたラインなので、初めてのPEラインにおすすめです。
バリバス スーパートラウトエリア インフィニティPE X8
エリアトラウトトーナメントシーンで活躍するトーナメンターから絶大な信頼を得ているのがインフィニティPE X8です。エリア用PEラインとしては馬頭来意高密度の8本編みのラインな為高価な部類に入りますが、8本編みになったことにより感度やしなやかさ、飛距離は異次元です。水中でも魚に見切られにくいナチュラルカラーを採用することで無駄なプレッシャーを与えません。線径がかなり細いラインになりますので、ドラグ設定には気をつけたいところです。
ユニチカ シルバースレッド アイキャッチPEⅡ
エリアトラウト用PEラインの老舗、ユニチカのシルバースレッド アイキャッチPEは視認性の良い蛍光イエローが特徴のラインです。ラインでアタリを取る人にとっては嬉しい視認性の良さで、トラウトの僅かなアタリも見逃しません。また価格が抑えめに設定されているのも嬉しいですね。太さも0.2~0.6号までと幅広くラインナップされているので、大物狙いの方から数釣り志向の方まで満足できるスペックになっています。
PEラインはメリットとデメリットを理解して使いこなそう
PEラインは伸びがないのでラインにテンションが掛かっていない状態でも初期掛かりしやすいラインです。その為ラインスラッグが出やすい釣りに向いていて、その特性を理解して使うことでそのメリットを最大に活かせるでしょう。常にテンションが掛かっている巻きの釣りではショックを吸収しやすいアブソーバーのようなロッド、テンションの抜けることが多い釣りでは張りのあるロッドでオートマチックにフッキングできるようにするとPEラインの良さがわかると思います。またデメリットも理解しながら上手く付き合うことで、逆にPEラインの良さに気づくことができるでしょう。
エリアトラウトではナイロン、フロロカーボン、エステル、PEと他の釣りと比べてもラインの選択肢の多い釣りです。それぞれの特性を理解して上手く使い分けることで釣果に確実に差が出ます。釣り場や魚の状態、使うルアーによってその時にベストなセッティングが存在し、それを自分の釣りのスタイルに合わせ込むことで快適に釣りができるようになると思います。使いどころを考えてPEラインと上手く付き合いましょう。