コスパ抜群の超軽量リール!ヴァンフォードC3000をインプレ
20ヴァンフォードについて
クイックレスポンスシリーズに属するミドルクラスのリールです。シマノ最新鋭の様々なテクノロジーが搭載され、前モデルである16ストラディックCI4+よりも大幅に性能UPしました。
20ヴァンフォードの特徴
CI4+が採用されたボディとローター(マグナムライトローター)による圧倒的な自重の軽さと立ち上がりのキレの良さが最大の特徴です。シマノ最新鋭のテクノロジーが多数盛り込まれた20ヴァンフォードは非常にコストパフォーマンスに優れたリールと言えるでしょう。それでは搭載されているテクノロジーを1つずつ見ていきましょう。
マイクロモジュールギアⅡ
シマノの製造技術の高さが可能とする非常に精密で細やかなギア。ノイズや音鳴りの軽減はもちろん、滑らかなフィーリングも生み出します。
サイレントドライブ
ボディの基本設計から駆動関連部品まで一つ一つが見直され、改良されています。部品間の僅かな隙間まで排除されたことにより、リーリング時のガタツキやノイズが排除されています。従来品にはなかったウェーブワッシャーが至る所に搭載されています。
ロングストロークスプール
従来よりも縦に長いスプールが飛距離UPに貢献します。体感できるほどの飛距離UPが期待できるでしょう。これまで届かなかった潮目やストラクチャーも狙う事ができます。
Xプロテクト
従来の撥水性能に加え、ラビリンス構造(シマノ独自の防水技術)を複合することで、非接触でありながら高い防水性能を実現しています。非接触であることで、リールの回転に抵抗を与えず軽い巻き心地が実現できます。短時間であれば水没しても内部まで水が入りません。
HAGANEギア
金属の塊を約200tの圧力でプレスされることで形成されるHAGANEギア。切削せずに仕上げられるためギアに傷が付かず、超高強度に仕上がります。20ヴァンフォードには18ステラ以降の新設計のHAGANEギアが搭載されています。これにより1サイズ上のリールのギア強度が実現されました。
マグナムライトローター
素材にCI4+を採用することで驚異的な軽さが実現されています。従来のマグナムライトローターを見直し、形・構造を変えることにより剛性が高められています。
低摩擦ローラークラッチ
ローラークラッチの摩擦は巻きの軽さに直結します。低摩擦でコンパクトなローラークラッチがリーリングの際の抵抗を軽減します。
前作16ストラディックCI4+との大きな違い
16ストラディックCI4+には搭載されていなかった最新のテクノロジーが搭載されたことにより、格段にレベルUPしています。ロングストロークスプールが搭載されたことによる飛距離の向上やマイクロモジュールギアⅡ・サイレントドライブが搭載されたことによる巻き心地の良さは16ストラディックCI4+にはなかった部分です。巻き出しが軽くなっている事、巻き心地が滑らかになっている事、余計なガタツキがなくなっている事などは分かる方なら少し回せば分かるでしょう。
ヴァンフォードを購入した理由
数あるリールの中からヴァンフォードを選んだ最大の理由は「軽さ」です。しかし「軽い」という一点だけを見て購入に至ったわけではありません。正直な話をすると、私は2度と樹脂ボディのリールを買う事はないと思っていました。巻いたときに樹脂ボディ特有のシャラつきがあるからです。(分かる人にしか分からない僅かなものです)チューニングしてしっかり内部を整えると限りなく小さくすることはできますが、その作業も簡単ではありません。しかしヴァンフォードは何も手を加えない状態でも、シャラつきをあまり感じませんでした。恐るべき精度です。このレベルなら使ってみる価値があるかもしれないと思い購入に至りました。(本当は無理をしてでもヴァンキッシュを買うつもりでしたが、無理をしても届かなかったので諦めました...)
ヴァンフォードC3000実釣インプレ
ヴァンフォードC3000を使用した感想を項目と釣種ごとに分けてご紹介します。
ロングストロークスプールの恩恵による飛距離の向上
従来のスプールを搭載しているリールと比べると、体感できるほど飛距離が伸びています。特にエギを使用しているときに失速が少ないことが体感しやすかったです。
圧倒的な初動の軽さと滑らかさ
ガタツキや引っ掛かりは一切なく、滑らかに立ち上がります。あまりにも初動が軽く滑らかなので慣れるまでは気持ち悪いと感じるほどでした。止めるときもピタッと止まります。このピタッと止まるのが非常に重要。ブレることなくピタッと止まることでルアーに不自然な動きを与えないうえに、自分へのストレスも少ないです。特に「巻く」「止める」の動作が多いキャロやフロートでのアジ・メバル狙いの時に非常に使いやすいと感じています。
ドラグ性能は微妙
リジッドサポートドラグが非搭載という事もあり、ドラグ性能は良くありません。負荷が掛かってから1テンポ遅れて滑り始めるようなイメージです。これはあくまでも私の体感なのですが、下位機種の19ストラディックよりも滑り出しが悪いように感じます。
ヴァンフォードC3000をエギングで使用
先にはっきり言わせて頂きますと、エギングガチ勢の方にはおすすめしません。抵抗が大きいエギをシャクリによって動かして誘うエギングでは、リールに非常に大きな負荷が掛かるのですが、ヴァンフォードではその負荷を十分受け止めることができません。エギングで5回ほど使用した頃からシャクリを入れた際にガタツキを感じるようになりました。私のスタイルは他の方よりもリールに負荷が掛かりやすい釣り方なのですが、そうは言ってもメインラインはPE0.5号なので無茶苦茶な負荷は掛けられません。
つまり強度としてはその程度だという事です。非常に軽く操作が楽で疲れにくいことは間違いありませんが、強度不足です。月1~2回の釣行で、ゆったりしたシャクリがメインのスタイルでメインポイントがシャローエリアの方なら何の問題もないと思いますが、釣行回数の多い方やハードジャークを多用する方、ディープエリアがメインの方は避けた方が良いでしょう。エギングとライトゲームで併用するつもりでしたがエギングで使用することは止め、エギング用には20ルビアスLT2500を購入しました。
ヴァンフォードC3000をライトゲームで使用
アジ・メバル狙いのキャロ・フロートの釣りにも使用していました。自重が軽く、レスポンスも良いので非常に使いやすいです。レスポンスが良いことで、細かいアクションの調整も可能なのでキャロ・フロートの釣りには向いています。ただし巻き感度の面で、前作よりも劣っているように感じます。良いように言い換えると、巻き上げパワーが上がっているように感じます。
強度面について
エギングの欄で「強度不足」だと言いましたが、エギングは数多くの釣りの中でも特にリールに負荷が掛かりやすい特殊な釣りです。掛かるターゲットはエギングよりも大きいですが、リールに掛かる負荷自体は小さいシーバスゲームやフラットフィッシュゲームなどでは問題なく使用できるでしょう。
ヴァンフォードをルビアスと比べて
ヴァンフォード最大のライバルと言えばダイワのルビアスでしょう。この2機種はよく似た特徴を持ちますが、細かく見ていくと使い分けができるほど違います。
剛性面と巻き上げパワーはルビアスが上です。モノコックボディによりフレームが強化されたこと、大口径のギアが入っている事、ZAIONがCI4+よりも高剛性であることが理由です。したがって、強度が優先されるエギングなどの釣りではルビアスを選ぶと良いでしょう。
巻きの軽さや滑らかさ、レスポンス面ではヴァンフォードに軍配が上がります。マイクロモジュールギアⅡとサイレントドライブの恩恵でしょう。したがってライトゲームなど、レスポンスの良さが求められる釣りではヴァンフォードを選ぶと良いでしょう。
ヴァンフォードC3000はクラス最高レベルの軽さとレスポンスの良さを誇るハイコスパリール!
ヴァンフォードC3000はミドルクラスリールの中でもトップクラスの軽さ、レスポンスの良さ、巻きの滑らかさを誇る非常にハイレベルでコストパフォーマンスに優れたリールです。中級者のステップアップ機にはもちろんですが、上級者のサブ機としても十分に活躍してくれることでしょう。