20ヴァンフォード 4000はショアロックフィッシュで大活躍!
クイックレスポンスシリーズのフラッグシップであるヴァンキッシュの弟分として2020年デビューした20ヴァンフォード。ヴァンキッシュ譲りの黒を基調としたデザインとその軽さ、そしてクイックレスポンスシリーズならではのリーリングの操作性はとても魅力的です。ロックフィッシュをメインにするならば、XGやHGを選択するところですが、私はこの20ヴァンフォードにおいては4000番のノーマルギアを選択しました。それはなぜか、それを20ヴァンフォード4000のインプレとともに紹介させていただきます。
ショアロックフィッシュで活躍するリールの条件
私がなぜ20ヴァンフォード4000をショアのロックフィッシュゲームで愛用しているのか。それは、私がショアロックフィッシュに求める性能とマッチしていたからです。ショアのロックフィッシュでリールに求められる条件とは一体どのようなものがあるのでしょうか。
一日中使用しても疲れない軽さ
まず重要となってくるのがリールの軽さです。ショアのロックフィッシュゲームでは近年、遠投の釣りがベーシックになってきています。遠投の釣りでは、遠投先でもしっかりとリグを動かすことが重要となってきます。しかし、リールが重いとキャスティング時やロッドアクションを加える際に手首に大きな負担が掛かってしまいます。また、リールが重いことでしっかりとロッドを握りこむ必要が出て感度にも悪い影響がでてしまうこともあります。疲れず集中力を保てる、遠投先でも感度を損なわないという点でリールの軽さは大きなポイントです。
使用するロッドとのバランスが良い
リールは軽ければ良いのかというと、そうではありません。実際に一番大切なことはタックルのバランスです。それは強さのバランスもそうですが、タックルのウェイトバランスがとても重要です。タックルのウェイトバランスが悪いとリールが軽くても、手首への負担は大きくなってしまいます。ロッドにリールを装着した際にしっかりと重心が手元にくるようなウェイトのリールを選択することが重要です。
飛距離が出やすい
ショアのロックフィッシュゲームでは遠投性能も重要なポイントとなってきます。攻める距離が長ければ長いほど魚に出会う確率はもちろん上がりますし、足元や近距離の魚に比べてプレッシャーが低いというのも遠投ゲームの大きなメリットです。遠投性能といえばロッドの長さややラインの細さに注目が集まりがちですが、リールのスプール形状も重要なポイントです。
なぜ4000という大きさなのか
私がショアのロックフィッシュゲームをおこなうにあたって、なぜヴァンフォードの4000番というサイズを選択したのか。それは、手持ちのロッドとのバランスがちょうど良い自重であったという点と4000番というサイズから生まれる遠投能力を期待したからです。ここからは、それぞれについてより詳しくお伝えさせていただきます。
ロングロッドとのバランスが最高
まずは、ロッドとのバランスが良いという点です。私は8.8ft、MHクラスのロックフィッシュロッドを愛用しています。このロッドとヴァンフォード4000を合わせるとロッドの先重りがなく操作しやすいバランスになります。ちなみにロッドの自重は137gで、ヴァンフォード4000の自重は215g。以前使用していたリールからこのロッドには215g前後のリールがマッチするとわかっていたので、必然的にヴァンフォード4000を私は選択しました。
遠投性能が高い

続いて、遠投性能の高さについてです。リールのスプール径が大きければ大きいほど遠投するうえでは有利になります。そこが私が他機種の3000番台で自重が215gのモデルではなく、20ヴァンフォードの4000番を選択した決め手です。20ヴァンフォードはロングストロークスプールを搭載しているので尚更です。アイナメがオープンエリアに入ってくるタイミングでは遠投の釣りがメインになり、アフター時期やタフなタイミングなどでは比較的軽めのリグを遠投することも多くあるので、遠投性能はハズすことのできないポイントです。
なぜXGでもHGでもなくノーマルギアなのか
ロックフィッシュゲームにおいて主に使用されるリールのギア比は、根からすぐに魚を引き剥がせる手返しの良いXGやHGです。しかし、私はヴァンフォード4000のノーマルギアを選択しました。それはノーマルギア特有の巻きの軽さだったり、1回転86㎝という巻き取りスピードが私のショアロックフィッシュゲームにおいてベストだったからです。
巻き抵抗の大きいルアーでも無理なくリトリーブできる

私はオープンエリアを攻めるときに、18gほどのチャターベイトをスピニングタックルで遠投して巻いてくるという釣りを多々行います。18gのチャターベイトを巻いてくるときには巻き抵抗の大きさからノーマルギアの方が気持ちよく巻いてくることができます。そして、この釣りに関してはヴァンフォード4000がパワーという点でも巻き心地という点でも最高にマッチしています。
ハンドル1回転86cmというリズム感
漁港内のショアロックフィッシュでのテクニックでボトムリーリングというものがあります。これは、ボトムの障害物にリグをタッチしながらリーリングしてくるというものなのですが、このボトムリーリングにおいてハンドル1回転86㎝という巻き取りスピードがバイトが多く、絶妙なボトムのタッチ感でベストマッチします。
ヴァンフォード4000は50UPのアイナメでも余裕のファイトが可能
クイックレスポンスシリーズであるヴァンフォードは軽量であるがゆえに耐久性や剛性の部分でやや不安を感じる方もいるのではないでしょうか。しかし、そこは全く心配ありません。ドラグフルロックでも50upのアイナメと対峙しても不安を感じることもあるませんし、ライトラインでドラグを使用する際もドラグの滑り出しが良好で安心してやり取りができます。
ドラグフルロックでもたわみなし
クイックレスポンスシリーズはこれまで強引なファイトをするとローターがci4+素材であるため、たわみが発生しカクカクとした巻き取りになってしまいがちでした。しかし、19ヴァンキッシュからci4+のローターながら形状に改良が加えられて剛性がアップし、ファイト時のたわみを感じることがなくなりました。ヴァンフォードにはその19ヴァンキッシュと同じローターが使用されているためローターの剛性に関しても安心できます。実際にドラグフルロックで50upのアイナメとやり取りしても不安を感じることはありませんでした。
でもやっぱりヴァンキッシュには負ける
ここまでのスペックなら19ヴァンキッシュは必要ないのではと思う方もいると思います。しかし、やはり19ヴァンキッシュと20ヴァンフォードには価格差なりの違いがあります。
基本スペックが全然違う
19ヴァンキッシュと20ヴァンフォードでは価格差があるので当たり前ですがボディ素材やベアリング数、ドラグシステムなど基本スペックに大きく差があります。19ヴァンキッシュはクイックレスポンスシリーズのフラッグシップだけあって文句のつけようのないスペックです。
ヴァンキッシュの方が剛性が高い
ボディの素材が20ヴァンフォードは全体にci4+を使用しているのに対して、19ヴァンキッシュはハガネボディ(金属製)で一番負荷のかかる箇所はマグネシウム、反対側はci4+というハイブリッドボディを採用しているため剛性は20ヴァンフォードよりも高くなっています。
ドラグ性能には大きな差がある
19ヴァンキッシュにはリジットサポートドラグが採用されており、ドラグの滑り出しの良さや安定感は安心したファイトを可能にしてくれます。しかし、20ヴァンフォードにはリジットサポートドラグは採用されていません。実際に魚とファイトしてみるとこの差はとても大きく感じます。
ベアリング数の差がリールの精度の差
20ヴァンフォードのベアリング数は7個に対して19ヴァンキッシュのベアリング数は11個で4個ものベアリング数の差があります。4つのベアリングは前述したリジットサポートドラグで2個が使用され、リールの回転動作に直結するウォームシャフトギアやローターナット部分で1個ずつ使用されています。実際に回転動作の軽さや安定感、ドラグ性能などは20ヴァンフォードと19ヴァンキッシュでは大きな差を感じます。
デザインが微妙
19ヴァンキッシュはマットブラックで全身を包んでいて男心をくすぐる個人的にもカッコイイと思わせるデザインでした。20ヴァンフォードもマットなブラックを基調としていますが、差し色で赤をワンポイントに採用しています。この赤のワンポイントが個人的には微妙だなと思ってしまいました。スペックやコスパではなく、デザインで選ぶなら個人的には20ヴァンフォードは選択肢から外れていたと思います。
購入の決め手は圧倒的なコスパ
スペック最重視で選ぶなら間違いなく19ヴァンキッシュですが、私が20ヴァンフォードを購入した理由は圧倒的なコスパを感じたからです。19ヴァンキッシュと比較した場合には劣る部分もありますが、実釣するうえでは必要以上の性能を持っています。軽量であり、19ヴァンキッシュと同様のローターやスプール、マイクモジュールギアⅡ、Xプロテクトを搭載していながら実売価格25,000円ほどというコスパの高さは購入を決めるには十分でした。
20ヴァンフォード4000はコスパ最強のショアロックフィッシュリールだ!

ショアロックフィッシュにおいて、20ヴァンフォード4000はロッドとのバランスも取れ、巻きの釣りも撃ちの釣りも高次元で対応できるリールです。スペックにおいても、剛性も申し分なく、ドラグ性能はリジットサポートドラグ非搭載で不安を感じていましたが、実際にはしっかりとアイナメの首振りに対応してくれてファイト時のラインブレイクはなく問題を感じることはありません。ここまで、ショアロックフィッシュをストレスなく精度高く攻略できるリールが手に届きやすい価格でリリースされていることに驚きと喜びを感じます。20ヴァンフォード4000は間違いなくコスパ最強のショアロックフィッシュリールです。