穴釣りだけではもったいない!サハラ500は超小型ながら高性能、いつでもどこでも釣り三昧!
500番という、最も小型のスピニングリールがラインアップされているのは、シマノでは、ソアレBB、ナスキー、サハラ、セドナの4機種のみです。手のひらに軽く乗ってしまうような小型スピニングリールは、一般的にはあまり汎用性がなく、穴釣りや小物狙いのサビキ釣り程度にしか使う場面がないかも知れませんが、実はそれだけでは勿体ないんです。シマノ・サハラ 500は、いつでもどこでも持ち歩けるコンパクト性を生かし、水辺を見つけてはチョット遊んでみるという、肩肘張らずに気軽に釣り遊び。趣のある休日を楽しめる相棒にピッタリです。
手のひらに収まる極小リールは「何でも良い」のか?
500番のスピニングリールは、太いラインが巻けません。ナイロンやフロロカーボンなら2号までです。PEも1号までがなんとか巻ける程度です。ハンドル長もスピニングリール最短ですので、長い距離を速巻きして青物を狙うような芸当はできません。しかし、「いつでも持ち歩ける」という最大のセールスポイントがあります。ウィークポイントをセールスポイントに出来るのです。しかし、それをセールスポイントにするには、単に小さいだけではいけません。ある程度の距離まで仕掛けを飛ばせること、不意の大物がかかっても切られないように、ある程度のドラグ機能を備えていること、短いハンドルでもパワフルな巻き上げができることを求めなければなりません。極小リールは対象魚も小さいからといって何でも良いというものでは全くありません。また、極小スピニングリールは初心者向けのように思われがちですが、実は全く違い、ある程度の経験者(極小スピニングリールのデメリットを理解した上で使うこと)でないとなかなか使いこなせません。
サハラ 500の基本スペック
サハラ 500の基本スペックを見てみましょう。ギア比は5.6、ハンドル1回転当たりの最大巻き上げ量は69cmです。40mmという短いハンドル長を考慮すれば、ハイギアに近いノーマルギアといっても良いでしょう。ドラグは実用釣力2kg、最大釣力3kgのドラグがついています。スプールは、直径39mm、スプールストローク9mmという、極小スプールになっています。ラインキャパは、ナイロン1号で150m、2号で70m、フロロカーボン1号で130m、2号で60m、PE0.6号で185m、1号で110mです。ナイロンやフロロカーボンを巻いたものは穴釣りをはじめとして、波止サビキ、ウキフカセ五目など、PEを巻いたものはエリアトラウトやバス釣り、ヒイカエギング、メバリング、マイクロジギング、ボート釣り(シロギス、カワハギ)など、幅広い用途に対応できます。
小さいモデルが故の制約
サハラに限らず、上位機種のナスキー、ソアレBBにも、500番モデルだけに共通の制約があります。それは、1000番以上のモデルには搭載されている「X-SHIP(EXtra-Smooth & High Power)」が搭載されていないことと、ベアリング使用数が1000番以上のモデルよりそれぞれ一つずつ少ないこと(サハラの場合は500番のみピニオンギア受け部にベアリングが使用されておらず3/1ベアリング)です。ここはパッケージの都合上ですので、仕方ないでしょう。
小さいが故の利点/欠点
手のひらに乗るほど小さいスピニングリールのメリット、デメリットについて触れておきます。メリットは、なんと言っても小さいことです。いつでもどこでも、リュックのサイドポケットに忍ばせて持ち歩け、思い立ったらすぐに竿を出せる機動力ですね。そして、小さなボディに魚からのパワーが集中するため、小さな魚でもなかなかの引きが味わえます。デメリットとしては、太いラインが使えないことと、ラインに巻き癖がつきやすく、長くライン交換せずに釣りを続けると、ライントラブルが多くなることです。この、ラインの扱いがやや気をつかわなければならないのが最大のデメリットです。
ライバルはダイワ・MR750、MR1000!
サハラ500のライバルはズバリ、ダイワMR750、MR1000です。特に、MR750はサイズ的にも重なります。ダイワ MRシリーズは、穴釣りに特化して開発したモデルです。ボディ材質、ローター材質ともに汎用樹脂です。ドラグも最大釣力3kgのドラグが装備されていますが、ATD(オートマチックドラグシステム)やUTD(アルティメットトーナメントドラグ)と言った、ダイワ独自の高機能ドラグシステムではなく、汎用ドラグとなっています。穴釣りメインならMR750、MR1000が使い勝手が良いでしょう。しかし、穴釣り以外の釣りにも広く使いたいのであれば、冷間鍛造のHAGANEギアをドライブギアに使ったサハラ500に軍配が上がります。剛性が高く、キャスタビリティが良く、ライントラブルの少ないAR-C(All Round-Casting)スプールが搭載されたサハラ500の方が、パワフルで攻めの釣りには向いているでしょう。
シマノの超小型スピニングリール4種
シマノのスピニングリールの中で、500番がラインアップされているのは、価格が安い順に、セドナ500、サハラ500、ナスキー500、ソアレBB500Sとなります。アジングやメバリングなどの高感度を要求される釣りのために設計されたソアレBB500Sが、性能・価格とも頭ふたつほど抜けています。ナスキー500とサハラ500は、基本機能はほぼ同じですが、防水性能が上位機種のナスキーの方が上で、ボディには撥水処理が施されたパーツで水の侵入を防ぐ「コアプロテクト」が搭載され、ドラグノブも防水タイプが使われています。セドナ500は、ドライブギアが超々ジュラルミン製HAGANEギアではなく、亜鉛ダイキャスト品が使われ、さらにコストを抑え、5,000円でお釣りが来るエントリーモデルとなっています。
いつも持ち歩き、思い立ったら釣ってみよう。想像以上の釣りができるはず!
穴釣りだけではなく、気軽に様々な釣りが出来るサハラ500は、2021年2月現在、6,500円前後で手に入る、コストと性能のバランスに優れたモデルと言えますが、防水性能を重視するならば、プラス2,000円前後でナスキー500を手に入れれば良いと思います。もちろん、サハラ500もソルト対応モデルですので、釣行後の水洗いによる塩抜き、乾燥、注油を怠らなければ問題はありません。リュックのサイドポケットにサハラ500とモバイルロッドを忍ばせて、川でも湖沼でも海でも、思い立った時にすかさず竿を出し魚と遊ぶ。そんな贅沢な休日を過ごすのにピッタリなタックルです。