渓流でのミノーイングやマイクロジギングには20ルビアス FC LT2000S-XHがちょうどいい
20ルビアスとは?FCシリーズとは?
ここ数年、ダイワスピニングリールのモデルチェンジ周期は3年で行われることが多く、イグジストやセルテートを代表としてその法則は守られてきました。そして2018年に当然モデルチェンジが期待されていたルビアス、イグジストで採用されたモノコックボディーをZAIONで実現することは想像以上に難航したのか、ついに発売が発表されることはありませんでした。2019年には19バリスティックが発表され、スペックがルビアスに近いことから「もしかしてルビアスは廃盤?」などと囁かれはじめました。しかし2020年、ついにZAIONモノコックボディーが採用された20ルビアスが発表され、18イグジスト同様にオリジナルシリーズとフィネスカスタムシリーズが発売されました。
ダイワ初のZAIONモノコックボディー
同じZAIONボディーのカルディアは2018年にモデルチェンジしましたが、通常のねじ止めの蓋形状のボディーでした。ルビアスの発売周期を変更せざるを得ないほど、CFRP(カーボンコンポジット樹脂材料)であるZAIONのボディー成型技術は難しかったのでしょう。15ルビアスから5年かけてようやく実現したZAIONモノコックボディーは、剛性はもちろん大幅な軽量化に成功し「LT機の最終到達点」と言われるほど優れています。
タフデジギアの採用で巻き上げトルクアップ
今までのデジギアⅡよりも一つ一つの歯面の面積が広くなり、その分巻き上げのパワーロスが少なくなったのがタフデジギアです。しかし歯面の面積が広くなった分、ハンドルを巻く時の力が必要になります。その為巻き心地はそれほど変わらないように感じていても、巻き感度に関してはデジギアⅡよりも若干劣るように感じます。ちなみに18イグジストや19セルテートで採用されているMCタフデジギア(マシンカットタフデジギア)は歯面の面粗度を上げて巻き感度も良区なっています。
ハンドルシャフトの素材にまで拘ったフィネスカスタム(FC)シリーズ
20ルビアスは2500番以上のオリジナルシリーズとコンパクトボディーの2500番(2500C)以下のFCシリーズの2種類があり、オリジナルシリーズに比べてFCシリーズは更なる軽量化を目指したモデルとなっています。ハンドルシャフトはオリジナルシリーズでは強度的な問題からステンレスが使用されていますが、FCシリーズでは軽量化と巻き感度の向上を目指してアルミ合金が採用されています。
FCモデルはダイワ汎用スピニングリール最軽量
歴代のルビアスはダイワの汎用スピニングリールの中でも、常に最軽量モデルとして位置付けられてきました。20ルビアスでもそれは変わることなく、モノコック化されたことで18イグジストをも凌ぐ軽さを手に入れました。FCシリーズは1gでも軽くすることへの開発者の拘りを感じます。最軽量の2000番クラスは驚きの150gと、18イグジスト FC LT1000S-Pと同重量となっています。
20ルビアス FC LT2000S-XHの特徴
ライトライン専用のシャロースプール
20ルビアス FC LT2000S-XHのラインキャパシティーはナイロン3lb150m、PE0.4号200mと完全にライトゲーム向けのラインキャパシティーとなっています。150gという自重から、やはりショートロッドとの相性が抜群なリールなのでフロロカーボンラインやエステルライン、PE0.4号あたりのラインとの親和性は非常に高く、ロングキャストABSとの相乗効果で圧倒的な飛距離を出せることも魅力の一つだと思います。
巻き取り長81センチのエクストラハイギアモデル
2500番以上のモデルでは選択肢の多いエクストラハイギア(XH)モデルですが、2000番クラスでは19バリスティックFW 2000SS-XH(巻き取り長81cm)以外に選択肢はなく、それ以外では18イグジスト FC LT2000S-Hのハイギア(巻き取り長76cm)しか2000番クラスのハイギア以上のモデルはありませんでした。そういったモデルを待ち望んでいたユーザーにとっては、非常に嬉しい1台ではないでしょうか?
ショートロッドと相性の良い150gの自重
特に源流域のような渓流でのトラウトフィッシングでは、時には4ft〜5ftクラスのショートロッドを愛用されている方も多いかと思います。そうなると軽量モデルのリールでなければロッドとのバランスを取ることが非常に難しくなってしまいます。その為、近年ではスピニングリールよりも軽いモデルがあるベイトリールを使用するアングラーも増えています。しかしベイトリールは軽くて手返しが良いという利点もありますが、バックラッシュといったトラブルがつきものです。そういった点では150gという超軽量のスピニングモデルである20ルビアス FC LT2000S-XHがあれば、トラブルが少なくストレスフリーに釣りができるのではないでしょうか?
20ルビアス FC LT2000S-XHはこんな方におすすめ
ライトラインを使いたいけど、テンポ良い釣りがしたい
ライトラインを使用する釣りといえば、エリアトラウトやアジング、メバリングといったスローな展開の釣りがメインになると思います。しかし渓流でのミノーイングやライトソルトのデイゲームでは、スローに誘っていても魚にルアーを見切られてしまう為、思うような釣果はなかなか得ることは難しいです。そんなシチュエーション下においてテンポ良くルアーをピンスポットに打っていき、手返しよく魚を探して釣りたいアングラーにはまさに待望のリールであると思います。
ランガンする釣りをするので軽いモデルが欲しい
釣りの展開が非常に早く、ピンスポットを狙いながらどんどん移動して広く探って行くランガンの釣りは、キャストする腕にかかる負担が大きいです。そんな釣りにはやはり自重の軽いリールは不可欠であり、そこを埋めてくれるのが20ルビアス FC LT2000S-XHなのです。わずか150gのリールはロッドとのバランスをうまく取れば、1日中キャストしていてもストレスなく釣りに集中できる環境を作ってくれます。
20ルビアス FC LT2000S-XHに向いている釣り
渓流でのトラウトフィッシング
渓魚の潜んでそうな流れにピンポイントで狙いを定めて、テンポ良く渓流を釣り上がって行く。渓流でのトラウトフィッシングは手返しの良さが釣果を大きく左右します。警戒心の強い渓魚たちを仕留める為には、ライトラインで飛距離を出して遠くからアプローチしなければなりません。また速い流れの中でミノーなどをキビキビと泳がせる為にはエクストラハイギアのリールがベストマッチです。20ルビアス FC LT2000S-XHほどこの釣りにフィットするリールは他にはないかもしれません。
5g以下のマイクロジギング
近年デイゲームでのアンダー5gのマイクロジグの釣りが密かに注目されています。対象魚はアジやメバル、カサゴ、ソイ、カマス、メッキ、サバなど漁港にいる魚のほとんどを狙うことができます。またライトタックルでできることから手軽に誰でも簡単に釣れる非常に魅力的な釣りです。まだまだ発売しているメーカーも少ないですが、これから盛り上がって行く釣りのひとつだと思います。そんな釣りにも20ルビアス FC LT2000S-XHのスペックはマッチしやすいと思います。
漁港でのライトロックフィッシュ
カサゴやメバル、クロソイなどをターゲットとした漁港でのライトロックフィッシュゲームでも20ルビアス FC LT2000S-XHは活躍してくれるでしょう。ロックフィッシュはヒットした直後に一気に根に潜ろうとする習性があるので、それを止めるには巻き取り長81cmのギア比が役に立ちます。5g以下のジグヘッドリグを使用するので、PE0.4号程度のライトラインは必須ですね。
20ルビアス FC LT2000S-XHに向いていない釣り
エリアフィッシング
20ルビアス FC LT2000S-XHはラインキャパシティー的にはぴったりなエリアフィッシングですが、基本的にエリアの釣りはスローなタダ巻きや細かなシェイクなどがルアーアクションのメインとなる釣りです。その為81cmの巻き取り長は多すぎるので、意外とエリアフィッシングとの相性は良くないでしょう。ミノーのジャークなどで使えないこともないですが、余程大きなエリアで遠投しない限りはやはりもで余してしまうと思います。エリアフィッシングで使用するにはやはりノーマルギアモデルの20ルビアス FC LT2000S、専用機種のプレッソLTD 2025Cがぴったりです。
アジングでのジグ単やメバリングのようなスローな展開の釣り
20ルビアス FC LT2000S-XHはエリアトラウトと同様に、スローな展開の多いアジングやメバリングとも相性は良くないでしょう。特にナイターゲームでは常夜灯周りをネチネチと狙うことが釣果に繋がりやすい為、ノーマルギアモデルの20ルビアス FC LT2000S、もしくは専用機種の月下美人 AIR 2003などをお勧めします。
20ルビアス FC LT2000S-XHはテンポが速く、手返しの良いライトゲームにうってつけの1台
今回ご紹介した20ルビアス FC LT2000S-XHはライトゲームの中でもテンポの速い、ランガンスタイルな方にはぴったりなモデルです。特に渓流でのミノーイングやマイクロジギングのような手返し勝負の釣りではスピードが命です。そして広範囲を手早く探る為には飛距離は絶対的に必要なファクターです。ライトラインとロングキャストABSで竿抜けポイントを狙い、他のアングラーと釣果に差をつけましょう。しかしピーキーなスペックを持ったモデルなので、タックルのセッティングは勿論ですが、使いどころとその役割をきっちりと決めると、より深く釣りを楽しむことができると思います。