ハイエンド超える軽さ!20ルビアスFC LT2500Sについてインプレッション
「ダイワのリールと言えば?」という質問に対し、イグジストやセルテートといったリールを除いて特に名前が挙がりやすいルビアスシリーズ。今回はそんなルビアスシリーズの最新モデル20ルビアスFC LT2500Sについてインプレッションしていきます。5年ぶりにモデルチェンジが行われ、ダイワ最新の技術が搭載された本リールですが、具体的にどう進化したのか?どんな釣りに向いているのか?気になっている方も多いと思います。この記事では、20ルビアスの特徴について解説するとともに、このリールが向いている釣りなどについても紹介していきます。
ルビアスシリーズとは
ルビアスシリーズは、10年以上の歴史を持つダイワのミドルクラスで、長年様々なアングラーから人気を集めています。主にライトな釣りでの人気が高く、バスフィッシングやエリアトラウトはもちろん、アジング、エギングまで幅広く対応できるリールです。ハイエンド機種のイグジストやセルテートといったモデルに迫る技術が搭載されており、コストパフォーマンスの高さも人気を集めている理由と言えるでしょう。
20ルビアスの特徴
20ルビアスは前作から5年ぶりにモデルチェンジが行われましたが、この5年間でダイワのリールは大きく変化しました。16セルテートHDから初めて採用された「モノコックボディ」や、軽さと剛性の両立を目指した「LTコンセプト」と呼ばれる新基準など、それまでとは一新した技術が20ルビアスには詰め込まれています。
モノコックボディ
これまでセルテートやイグジストといったハイエンドモデルのみに搭載されてきた「モノコックボディ」。これはボディの部品をひとつなぎにすることで、剛性や耐久性の向上を可能にした技術です。従来のボディは2つのパーツから構成され、ネジによって固定されていました。ネジ止めの場合はその部分に負荷が掛かりやすくなりますし、ネジ穴を設けるためのスペースが必ず必要になります。モノコックボディは、片方のパーツ自体を大きなネジとして使用することで負荷を分散し、ネジ穴のスペースを削減することでより大きなドライブギアの搭載を可能にします。
ZAION
ZAIONは、カーボン繊維が配合された特殊プラスチック素材で、樹脂特有の剛性の低さを克服しています。その強度はマグネシウムに匹敵するほどですが、樹脂のため軽量で腐食にも強いというメリットがあります。現在はミドルクラス以上のリールに採用されており、ルビアスはその筆頭です。
FC(フィネスカスタム)とは
FC(フィネスカスタム)は、通常のモデルにさらなる軽量化を加え、より繊細な釣りを可能にした特別なモデルです。ハンドルシャフトの素材がステンレスから軽量なアルミに交換されていたり、内部パーツの素材も一部変更されています。なお2500番と表記されていますが、FCは全て1000番のボディが採用されていることに注意が必要です。1000番と聞くと少々不安にもなりますが、モノコックボディの採用で剛性は十分保たれています。
18イグジスト、19セルテート、19バリスティックとの違い
次はダイワのハイエンドモデルである18イグジストや19セルテート、20ルビアスに近い価格帯で販売されている19バリスティックとの違いを確認していきましょう。それぞれ異なる特性を持つため、スペックの違いだけではどのリールが適しているか判断が難しいかと思います。
18イグジストとの違い
18イグジストは、ボディ素材にマグネシウム合金が採用されています。そのため剛性は20ルビアス以上です。ただ重さを見てみると、FC2500Sで160gとなっており、実は20ルビアスが5g勝っています。僅かな差ではありますが、軽さを重視したいという方には20ルビアスがおすすめです。もちろん20,000円ほど価格帯も違いますし、軽さ以外の性能は18イグジストが優れています。
19セルテートとの違い
19セルテートは、ボディ素材にアルミを採用し、スプールは鍛造で製造される高剛性のリールです。こちらはFCのモデルが無く2500番で205gとなっています。かなり差があるようにも感じますが、そもそも20ルビアスFC LT2500Sのボディは1000番なので、比較は難しいかと思います。剛性や耐久性をより重視したいという方や、ライトゲームをメインにしない方は19セルテートを選択するのも良いでしょう。
19バリスティックとの違い
19バリスティックは、FCモデルが無くLT2500S-XHでの重さは170gとなっています。こちらは20ルビアスやその他ハイエンドモデルと異なり、モノコックボディが採用されていません。価格も20ルビアスとほとんど変わらないため、何か理由がない限りは20ルビアスの方がより満足できるのではないでしょうか。ただ、19バリスティックにはマグシールド非搭載の淡水向けモデルがあり、エリアトラウトをメインとされる方には19バリスティックが適しているかもしれません。
20ルビアスFC LT2500Sの良い点
巻き上げに安心感がある
20ルビアスFC LT2500Sは、1000番ボディながらも非常に巻き上げ力があります。これはモノコックボディによる剛性の向上やドライブギアのサイズアップの効果と言えるでしょう。
ダイワのリールで最も軽量
やはり20ルビアスFC LT2500Sの良い点といえば、155gという驚異的な軽さでしょう。その数値はさらなる操作性をもたらします。前述のモノコックボディによる剛性の高さもあり、エギングのような激しいアクションが必要な釣りでも十分使用可能です。ロッドも軽量なものを組み合わせることで、思い通りにルアーを動かせます。
20ルビアスFC LT2500Sの悪い点
ドライブギアの大径化で感度に差が
ドライブギアが大きくなったことにより、耐久性や巻き上げ力は確かに向上しています。しかし、巻き感度は少し物足りないように感じられました。ドライブギアは大きければ巻き上げ力が向上しますが、感度は小さいものに劣ります。巻き感度を重視するのであれば、モノコックボディ非搭載の19バリスティックの方が優れています。
ロッドの選択肢が少ない
155gという軽さは20カルディアの大きな魅力ですが、バランスの良いロッドを選ぶのが難しいというデメリットもあります。特に手元寄りのバランスを好まれる方は、選択肢が狭まるでしょう。軽量なロッドはその分価格帯も上がりますし、予算との相談が必要です。
20ルビアスFC LT2500Sが向いている人
20ルビアスFC LT2500Sは、軽さが求められるエギングにおすすめできるリールです。シャクリの動作はスムーズに行うことができますし、感度も十分高いため潮の変化やイカの当たりを逃しません。ボディ剛性と巻き上げ力の高さで、大型のイカとのやり取りも安心です。エギング以外では、バスフィッシングにもおすすめできます。
20ルビアスFC LT2500Sが向いていない人
20ルビアスFC LT2500Sは、コストを抑えたい方やエリアトラウトで使用したいという方にはおすすめできません。リール自体のコストパフォーマンスは高めですが、相性の良いロッドを選ぶとなるとその分の予算も考慮しなくてはならないためコストが抑えづらくなります。エリアトラウトでは、ドライブギアのサイズアップによる巻き感度の低さが気になるかと思います。同価格帯であれば、19バリスティックのFWモデルの方がより適しているでしょう。
155gとは思えない剛性の高さが魅力、ただしロッドとの相性に注意が必要
今回は、ダイワのリールの中でも人気のあるミドルクラス、20ルビアスFC LT2500Sについてインプレッションしました。1000番ボディを採用することで軽量化と操作性の向上を可能にしつつも、モノコックボディの搭載で剛性・巻き上げ力ともに十分な性能を確保しているのが魅力です。巻き感度は他のモデルに劣るためエリアトラウトには向きませんが、エギングやバスフィッシングには最適のリールと言えます。相性の良いロッドを選ぶのが少し難しいかもしれませんが、ロッドにも予算を出せる余裕がある方は、是非20ルビアスFC LT2500Sを試してみてください。