ZAION製モノコックボディの剛性は?20ルビアスLTの2500S-DHについてインプレッション
ダイワの20ルビアスLT2500S-DHについてインプレッションしていきます。様々なジャンルのアングラーから人気の高いルビアスですが、このリールは一体どんな釣りに最適なのでしょうか。仕様の近い2台のリールとも比較しながら、その性能に迫っていきます。
20ルビアスLT2500S-DHの特徴
まずは20ルビアスLT2500S-DHの特徴について解説していきます。長い歴史を持つルビアスシリーズですが、2020年モデルは一体どんなリールになっているのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
重さ185g
まず驚きなのがその軽さです。20ルビアスLT2500S-DHの重さは、僅か185gとなっています。シングルハンドル仕様のモデルと比べても、その差は10gしかありません。従来のリールはダブルハンドル仕様になるとかなり重さが増加し、それを嫌ってシングルハンドルを選択するアングラーも少なくありませんでした。しかしこれだけ軽ければ、どちらの仕様を選んでも快適な釣りができるでしょう。
ZAION製モノコックボディ
20ルビアスLT2500S-DHのボディは、軽さと剛性が特徴のカーボン樹脂素材ZAIONを使用した、モノコックボディとなっています。モノコックボディは、ボディ・ボディーカバー間のビス止めを廃止し、より高い剛性と省スペースを可能にしたボディ構造です。これは17ソルティガや19セルテートといった剛性を特徴としたリールや、フラッグシップモデルである18イグジストにも既に搭載されてきました。しかし、樹脂素材でこのボディ構造が採用されたのは、20ルビアスが初めてです。軽さに特化した樹脂製のリールは、金属製のものと比べて剛性が低いのが弱点ですが、20ルビアスはモノコックボディによってその弱点を克服しています。
ストッパーレスボディ
これは「使いづらくなった」と感じる方もいるかもしれませんが、20ルビアスLT2500S-DHでは、ストッパーが廃止されています。ストッパーには、重量の増加や防水性の低下を招くというデメリットがあるためです。加えて20ルビアスでは、不意なトラブルを最小限に抑えるという意味も込められています。
ラインローラーは2BB仕様
20ルビアスLT2500S-DHのラインローラーは、2BB仕様となっています。ラインローラー部にベアリングが搭載されていると、ラインの巻き上げが軽くなったり、糸ヨレによるライントラブルが軽減されるなどのメリットがあります。このリールは主にエギングでの使用が想定されますが、ひたすらシャクリを繰り返す釣りでは「いつの間にかラインが絡まっていた」ということも珍しくありません。追加でベアリングを購入する必要が無いのは嬉しいポイントです。
18エメラルダスAIR、19ヴァンキッシュとの違い
ここまで20ルビアスLT2500S-DHの特徴について解説してきましたが、次は18エメラルダスAIRや19ヴァンキッシュといった、同じくエギングで人気の高いリールとの違いを説明していきます。高性能で、どれを選んでも快適な釣りが可能ですが、迷っている方も多いのではないでしょうか。詳しく見ていきましょう。
18エメラルダスAIR LT3000S-CXH-DHとの違い
18エメラルダスAIR LT3000S-CXH-DHは、ダイワのエギング専用シリーズ「エメラルダス」の最上位機種です。こちらもZAION製ですが、モノコックボディは非搭載となっており、195gと少々重たくなっています。また、エクストラハイギア仕様で、1回転あたりの糸巻き量は93cmとかなり長めです。全体的には20ルビアスLT2500S-DHの方が優れていますが、20ルビアスにはエクストラハイギアかつダブルハンドル仕様のモデルがラインナップされていません。そのため、この条件を満たすリールが欲しい場合は18エメラルダスAIR LT3000S-CXH-DHを選ぶと良いでしょう。
19ヴァンキッシュC3000SDHとの違い
19ヴァンキッシュC3000SDHは、シマノの立ち上がり良さや感度の高さをテーマにした「クイックレスポンスシリーズ」に属するリールです。重さは175gと非常に軽量で、質感もハイエンドらしく滑らかな印象を受けます。スペック上は20ルビアスLT2500S-DHに勝りますが、20,000円ほどの価格差があることに注意しましょう。予算がある場合はもちろん19ヴァンキッシュを選んでも良いですが、20ルビアスLT2500S-DHも十分に軽量かつ高性能なリールですし、「果たして価格差だけのメリットが自分にあるのか?」を十分に考慮する必要があります。
20ルビアスLT2500S-DHの良い点
軽量で扱いやすい
20ルビアスLT2500S-DHの良さは、やはりその軽さにあります。1日中エギングで使い倒しても腕への負担が少なくて済みますし、思い通りにアクションさせることが可能です。また軽い分感度も高く、潮の僅かな変化やイカの当たりも分かりやすいめチャンスを逃しません。
モノコックボディによる高い剛性
軽量化に特化したリールは剛性に不安が残ることもありますが、20ルビアスLT2500S-DHでは、モノコックボディが採用されているため安心です。エギングでは軽さも重要ですが、シャクリに耐えるための剛性も大切な要素となってきます。もちろん金属製ボディには劣りますが、必要十分といえるでしょう。
20ルビアスLT2500S-DHの悪い点
巻き感度は低め
20ルビアスLT2500S-DHの巻き感度は、あまり良いとはいえません。モノコックボディが採用されたことでギアが大径化されていますが、大きなギアは巻き上げ力が向上する反面、感度は低下してしまいます。エギングでは巻き感度を重視する状況はそこまで多くありませんが、エギを水平スライドさせるたい時には巻きながら当たりを待つこともあるため、少し注意が必要です。
質感は上位機種に劣る
20ルビアスLT2500S-DHでは、滑らかな巻き心地は期待できません。より上位の機種では「マシンカットタフデジギア」と呼ばれる精度の高いギアが採用されていますが、20ルビアスのギアは通常のタフデジギアとなっています。シャクリの動作で滑らかさが気になることはあまりないかもしれませんが、気になる方は上位機種の購入を検討しましょう。
おすすめできる釣りのスタイル
20ルビアスLT25000S-DHは、エギングに最適な1台となっています。軽さや剛性といったエギングに必要な性能を十分に満たしていますし、前述のデメリットはエギングではそこまで気になりません。もちろんチニングやロックフィッシュなど様々な釣りに使用可能ですが、エギングでこそ真価を発揮するリールといえるでしょう。
他のリールが適したスタイル
エギング以外をメインとして釣りをする場合や、手返し良くエギングをしたいという場合は、他のリールがおすすめです。十分汎用性の高いモデルではありますが、釣りによっては「痒いところに手が届かない」可能性もあります。また、ノーマルギアのため出返しの良さは期待できません。特に秋イカシーズンはリズムよくポイントを探る釣りになるため、ハイギア以上の機種が最適です。
質感や巻き感度は値段相応だが、エギングに最適な1台
今回はダイワの20ルビアスLT2500S-DHについてインプレッションしました。ミドルクラスながらもハイエンド機種に肉薄する軽さと、モノコックボディによる剛性が印象的なリールで、LT(LIGHT TOUGH)コンセプトらしい1台となっています。上位機種のような滑らかな質感や巻き感度は期待できませんが、エギングでの使用がおすすめです。