21フリームスはFCモデルもラインアップ、より手軽に本格ライトゲームを楽しもう!
エントリークラスながらコスパの高い人気モデルであった18フリームスがフルモデルチェンジし、21フリームスとしてリリースされました。今回のモデルチェンジの大きな要素には、新素材「ZAION V」の採用があります。ダイワのカーボン長繊維強化樹脂である「ZAION」と、カーボン短繊維強化樹脂「DS5」の間を埋める素材として、ZAION同等の剛性を持ちつつコストを抑えたZAION Vは、今後エントリーエントリーグレードにまで一気に採用を広げて行くと思われる素材です。
2021年はカルディア(2021年3月発売)、フリームス(2021年5月)の2機種に採用されています。そんな21フリームスでは、FC(フィネスカスタム)モデルも追加され、より守備範囲の広いシリーズに生まれ変わりました。今回は、新たにラインアップされたフィネスカスタムモデルから、21フリームス FC LT2000Sを紹介します。
新素材 ZAION V を使用した新リールの試金石
ZAION Vは、2007年にダイワが発表した、カーボン長繊維強化樹脂である「ZAION」のバインダー(樹脂)を改変し、成形性(金型内の流動性)を改善した素材と考えられます(ダイワは詳細についての発表はなく、カーボン繊維の添加量)。これまでボディとローター、一部機種のハンドルノブに用途が限定されていましたが、ダイワによると、ZAION Vの「V」は、「万能(バーサタイル:Versatile)」の「V」ということですので、今後は様々なパーツにも転用されて行くものと思われます。強度、重量はZAIONよりわずかに劣るようですが、成形性が優り、価格も安価なため、ミドルクラス以下のモデル全体の品質の底上げに寄与するものと期待しています。
21フリームス FC LT2000Sの基本スペック
それでは、21フリームス FC LT2000Sの基本スペックを見て行きましょう。ギア比は、5.2、ハンドル1回転あたりの最大巻き上げ長さは68cmのノーマルギアモデルです。ドラグは最大釣力5kgのATD(オートマチックドラグシステム)が搭載されています。ラインキャパは、ナイロン2.5lbで200m、3lbで150m、4lbで100m、PE0.4号で200m、0.6号で150mあります。
自重は、このクラスのスピニングリールとしては格段に軽い185gとなっています。自重に関しては、ローター逆転ON/OFF切り替えスイッチの廃止、金属パーツの樹脂化などで、まだまだ軽くできる余地があります。ZAION Vを採用する商品が今後続々と登場し、比較的安価なカーボン強化樹脂であるDS5から置き換わって行くのではないかと思います。
18フリームスとの違い
旧モデルである18フリームスと、21フリームスの違いは、一番はボディ材質とローター材質です。18フリームスは、ボディはカーボン繊維強化樹脂DS5製、ローターはガラス繊維強化樹脂DS4製です。21フリームスはココがどちらもZAION Vになっているわけですから、これだけでも剛性が格段に向上し、かつ、軽くなっていることがわかります。ダイワのスピニングリールで、FC(フィネスカスタムモデル)がラインアップされている場合は重量軽減のため、ボディサイズを最小の1000番にして、かつノーマルモデルには採用されているマグシールド防水を廃したり、ベアリングを減らしてみたりして、ストイックなまでに軽量化を優先させた作りとなっていますが、21フリームスのFCモデルの場合は、ボディサイズが1000番のものになっている他はノーマルモデルと差異はありません。
21フリームス FC LT2000Sが活躍するシーン
21フリームス FC LT2000Sはどんな釣りに適しているのでしょうか? 18フリームスと比較すると剛性が格段に上がっています。エステルラインの2lb〜3lbを使用したアジングやメバリングはもちろん、ナイロン8lb〜10lbを使えば地磯からのメジナ、クロダイのフカセ釣り、あるいは中型のロックフィッシュ釣りにも向いています。フレッシュウォーターではエリアトラウトから本流トラウト、ミドルクラスのバス釣りまで対応できるでしょう。細いラインを使用してパワーのある魚を釣るようなシーンが似合います。逆にロングキャストして高速リトリーブするスーパーライトショアジギングのような釣りは、短いハンドルストローク、遅いギア比の点から、疲れてしまい一日持たないでしょう。
ライバルは21カルディア、21アルテグラ
21フリームス FC LT2000Sのライバル機種と言えば、同じく2021年にZAION Vを採用した、ダイワ・21カルディア FC LT2000Sおよび、シマノ・21アルテグラ C2000Sになるでしょう。どのモデルも、2021年のモデルチェンジで大きく商品力を上げています。21カルディアは、ZAION Vのモノコックボディを使用し、剛性を大幅に上げているのが最大の特徴で、21アルテグラは、マイクロモジュールギアⅡ、サイレントドライブなど、シマノのハイエンドクラスの機構をふんだんに取り入れた気鋭の超コスパモデルです。
ライトゲーム専用機としての巻き出しの軽さを求めるのであれば21フリームス FC LT2000Sを、モノコックボディによる力強い巻きを必要とする尺メバル、ロックフィッシュなど、一回り大きなサイズをライトタックルで狙う場合は21カルディア FC LT2000Sを、ショアからのキャスティングによるスーパーライバルジギングで、サゴシやショゴ、イナダなどの中小型青物を狙うなら21アルテグラ C2000Sと言ったところでしょうか? 3モデルとも、コンパクトボディならではの軽さを備えながら、これまでは上位モデルにしか使われてこなかった最新のテクノロジーを取り入れた気鋭のモデルです。今後、これらの性能、品質が、このクラスの価格帯のスピニングリールのスタンダードになって行くに違いありません。