上記のトレイに敷き詰めたり、部品についたオイルやグリスなどの汚れをふき取ることに使用します。ティッシュペーパーでももちろん代用できます。
スピニングリールには多くのねじが使用されています。基本的にはプラスドライバーで良いですが、ベールの部分などは、マイナスドライバーが必要なものもあります。また、先端が小さいものも用意しましょう。通常のドライバーに加え、精密ドライバーというさらに先端が細いドライバーを所有しておけば安心です。
複数のドライバーを用意する理由として、リールに使用されているねじの大きさが非常に小さいという点があります。小さいねじはサイズに比例して、ドライバーを充てる凹みも小さくなります。サイズの合っていないドライバーを使用してしまうと凹みをつぶしてしまい、取ることも戻すこともできなくなってしまうため、注意が必要です。
スピニングリールに使用されているねじは、付け直す際に注意が必要です。特にボディの中に行くにつれてタッピングねじが多用されてきます。タッピングねじとは、ねじ自身が直接部材にねじ立てしながらねじ込みするタイプのねじであるため、適当に付け直すとすでに出来ているねじ穴をつぶしてしまう恐れがあります。これを防止するために、慣れないうちは一度ねじを逆回転させ、ねじがはまったことを確認してから付け直すようにしましょう。
ローターを固定している個所には逆ねじのナットが使用されています。これを外すためには六角スパナが必要です。サイズは、対辺が10mm、11mm、12mmの物を揃えておけばたいていのものには対応できるでしょう。メガネ型の方が作業性が良い場合もありますが、どちらでも構いません。逆ねじのため、外す際には通常ねじを外す時とは反対に回すことに注意しましょう。
スピニングリールには小さいねじ、部品、ワッシャーなどがたくさんあります。指先のみでの作業は非常に難しく、特にボディ内部に行くにつれて指は入らなくなるため、ピンセットがある方がはるかに作業がしやすくなります。また、ピンセットの形状は、先端が曲がっている方が個人的には使いやすく感じます。
スピニングリールに使用されているねじは、たいていプラスドライバーで外すことはできますが、ベールやボディを固定しているものの中には六角レンチが必要なものもあります。写真のようにセットになっているものは重宝するため、一つ持っておくことをオススメします。また、メインシャフトの六角穴付き止めねじは細部まで分解するためには必ず外さなくてはいけません。このねじを外すためにはセットになっているものの中にはサイズがないことが多いため、対辺0.89mmのものを別で一つ用意しましょう。L型ではなく、ストレートタイプの方が使いやすいと感じます。
トルクスとは、海外のねじの規格で、ねじの頭の凹みの形が六角とは微妙に異なっているため、専用の工具が必要です。このねじもベールやボディに使用されていることがあるため、専用工具は用意しておきましょう。
ベアリングのサイズを調べたり、脱脂やグリス重点に使用できる工具です。ベアリング交換の頻度が多い方は一つ持っておいて損はありません。
脱脂、洗浄にはパーツクリーナーが一番です。油や汚れも簡単に落としてくれますし、揮発するため洗浄後すぐに乾きます。ベアリングをパーツクリーナで洗浄するだけでゴリ感が解消することもありますし、ギアにグリスを塗りなおす際には、一度ギアをパーツクリーナーで洗浄してきれいにする必要があります。値段も安くホームセンターで簡単に購入できるため、1本は用意しておきましょう。
メンテナンスにも使用するオイルやグリスですが、種類が非常に多く最初はどれを選べばよいかわからないと思います。初めて使用する際は、まず自身が所有しているリールのメーカーから発売されているオイルとグリスを揃えておけば良いと思います。慣れてきたら各社から発売されているオイルやグリスの特性を調べ、自身の使い方にあったものを選んでいきましょう。
道具は基本ホームセンターですべて揃いますし、100円ショップでも売っています。初めて挑戦される方であれば、高い工具は必要ありませんので、まずはなるべくお金を掛けずに揃えることに注力してください。
スピニングリールに使用されている部品はかなり小さいものも多く、中には少し複雑な組み方をされているものもあります。分解図を用意し、外した部品を一つずつ確実に並べてトレイに置くことを心がけましょう。また、部品を落としてしまうこともあるため、なるべく分解時には周囲をきれいに整え、部品がなくならないように注意が必要です。そして何より無理をしないことが大切です。せっかく分解しても元に戻せなければ意味がありません。最初からすべて分解するのではなく、少しずつ慣らしながら進めていきましょう。
リールの分解と聞くと、ハードルが高く無理だと思われる方も多いかもしれませんが、しっかりと準備して取り掛かればそこまで難しいものではありません。リールは必ずメンテナンスが必要であり、オイルやグリスは使用するに従い減ったり汚れたりする消耗品です。愛用のリールを長く使用するために、自分でオーバーホールを行うことができれば、お財布にも優しく、さらにリールの事も理解することができます。ぜひ簡単な所からチャレンジし、メンテナンスをしてみてください。
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