スーパーライトジギングの魚種別誘い方講座!ターゲットごとにアクションを変えて五目釣り!
作成:2021.06.25更新:2021.08.20
目次
スーパーライトジギングとは
スーパーライトジギング(SLJ)とは、一般的には100g以下のメタルジグを使用したジギングのことを言います。一般的に狙う水深は15m~40m程度が多いですが、時には100mと深場まで狙うこともあります。ジグが軽くロッドも柔らかいものが多いので、繊細な釣りではないかと思われる方もいらっしゃるかと思います。しかしSLJは自由度の高い釣りであり、初心者の方でもコツさえ掴めば十分な釣果を得られる釣りです。ではSLJの特徴をいくつか挙げてみましょう。
スーパーライトジギングの特徴
鉛製とタングステン製のジグを使い分ける
よく使用されるのがタングステンというレアメタル製のメタルジグです。タングステンは鉛など通常のメタルジグで使用される素材よりも比重が高く、小さなシルエットでも重くできるという特性があります。しかしその分フォールが速くなってしまうので、スローな誘いが有効な場面では通常の鉛素材のジグを使うと良いでしょう。このように素材の違うジグを使い分けることも釣果を伸ばす為のコツと言えます。ただしタングステン製のジグは非常に高価なものが多いので、根掛かりでロストしないような釣り方をしましょう。
誘い方が沢山ある
通常のジギングではワンピッチワンジャークが基本となりますが、SLJではワンピッチジャーク以外にもスローピッチジャーク、ただ巻き、それらのコンビネーションと幅広いアクションで魚にアプローチできます。その時の状況や、魚探を見ている船長のアナウンスを基に戦略を考えて魚種を推測してアクションを加える、もしくは一流しの間に様々なアクションを試して自らパターンを見つけていく、など個々で違うアプローチで答えに辿り着くというゲーム性の高さも魅力ですね。
釣れる魚種が多い
SLJでは通常のジギングでは釣りづらいターゲットも狙うことができ、多種多彩な魚種を狙うことができます。その理由としては、ジグのシルエットが小さい為、普段小さなベイト捕食している魚も狙うことができるからです。SLJで釣れる人気のイサキなどは、セミロングのジグではほとんど釣れることはありません。そのような魚を釣る為に比重が重くてもシルエットを小さくできるタングステン製ジグは必須となります。釣れる魚種が多いと、水面に上がってくるまで魚がわからないドキドキ感も楽しめますね。
スーパーライトジギングのタックル選び
SLJで使われるタックルについてですが、スピニングタックルとベイトタックルに分かれます。できればそれぞれ1タックルずつ持って行くのが理想的ですが、予算の都合上であったりとりあえず始めてみたいといった方は、どちらか1タックルでも良いと思います。ここではそれぞれのタックルの利点と欠点、おすすめのタックルについて触れたいと思います。これらを踏まえた上で、ご自身に向いているタックルをセレクトしていただければよいと思います。
スピニングタックルの利点
キャストできるので広範囲を探れる
浅い海域で釣りをすることが多いSLJでは、キャストすることでより広範囲を探ることができます。そうすると真下にジグを落としてバーチカルに探るよりも効率よく、チャンスも圧倒的に多くなります。ベイトリールでも当然キャストはできますが、バックラッシュなどのライントラブルが多く飛距離もあまり出ません。キャストする時は潮上に向かってキャストしましょう。
ドラグ性能が良い
SLJで使用するクラスのスピニングリールはダイワ、シマノ共に3000~4000番クラスなのでドラグMAXが10キロ程度のものがほとんどです。対してベイトリールはドラグMAX5キロ程度なので、スピニングリールの方がより繊細なドラグ調整が可能です。PE0.8~1号を使用するSLJでは、スピニングリールの方が不意の大物がかかっても安心です。
スピニングタックルの欠点
フォールのアタリがとりづらい
スピニングリールの最大の欠点は、フォールでのアタリが非常にわかりづらく、アタリがわかっても一旦ベールを返してからハンドルを巻き、その後にフッキングしなければなりません。そうなるとフォールでのアタリをキャッチできる確率も下がってしまい、せっかくのアタリを逃すことになってしまうのです。スローピッチジャークでのアタリが多い場合は、素直にベイトタックルを使いましょう。
ベイトタックルの利点
フォールのアタリが取りやすい
前述したのスピニングリールの欠点であるフォールのアタリ、これを取りやすいのがベイトリール最大の利点とも言えるでしょう。特にハタ系など根魚はフォールに反応しやすく、そのアタリが取れると釣果は大幅にアップします。ベイトリールの場合、フォールでアタったらそのままハンドルを回してクラッチを切るだけです。あとは魚の重みを感じたら、しっかりとフッキングしましょう。根魚はヒットした直後に根に向かって猛突進するので、主導権を与えずに一気に勝負をつけましょう。
巻き上げパワーがある
ベイトリールは、構造上ハンドルからスプールの巻き上げのパワーロスが少ないので、スピニングリールよりも楽に巻きあげることができます。スピニングリールではパワーのある魚が掛かった場合に、ボディーが撓んで巻けなくなる場合もあります。特に一瞬の突っ込みのパワーの強い根魚などの場合には、ベイトリールの方が余裕を持ってファイトできるでしょう。
ベイトタックルの欠点
慣れないとライントラブルが発生しやすい
ベイトタックルはスプールをフリーにした時、適度にサミング(親指でスプールに軽く触れてブレーキをかける)しながらフォールさせなければなりません。またメカニカルブレーキの調整などを適度にしていなければ、ジグがボトムに着底した瞬間にバックラッシュしてしまうこともあります。一度ベイトリールに慣れてしまえばトラブルも起きにくくなりますが、使ったことのない人は少し苦労するかもしれません。
おすすめのタックル
おすすめのタックルは、ロッドはスピニング、ベイト共に専用のものが使いやすくて良いです。タイラバ用やテンヤ用のロッドでも代用はできますが、少し柔らかめのものが良いでしょう。リールは、スピニングリールは3000~4000番のノーマルギア、ベイトリールは100~200番のハイギアのものがおすすめです。ロッドが6ft程度の短いものが多いので、軽量なリールがおすすめです。スピニングリールはシマノでは19ストラディック C3000、20ツインパワー 4000PG、ダイワでは20ルビアス LT4000-C、19セルテート LT3000などが、ベイトリールはシマノではグラップラー 150HG/151HG、ダイワでは紅牙TW 7.3L/Rがおすすめです。
スーパーライトジギングの誘い方の基本
スーパーライトジギングには、通常のジギングよりも多彩な誘い方があります。その誘い方をいろいろと組み合わせたり、使い分けることが釣果アップに繋がります。更にスーパーライトジギング最大の魅了であり、ゲーム性の高さと言えるのがアクションによる魚種の釣り分けができるという点です。では具体的に誘い方と注意点を解説します。
ただ巻き
文字通り、ジグが着底したらただ巻くだけというシンプルな釣り方です。だかしかしシンプルが故に奥が深く、巻くスピードや巻きに変化をつけるなど実は奥が深いのがただ巻きなのです。その日によって当たりの巻きスピードというのがありますので、いろいろなスピードを試してみましょう。魚がヒットしたらそのまま巻き続けることが巻き合わせになるので、確実に魚の重みが乗ってからフッキングしましょう。
ワンピッチジャーク
ロッド1しゃくりにつきリールのハンドルを1回転巻くのが基本操作となります。ワンピッチジャークは広範囲をテンポ良く探ることができ、活性の高い魚にリアクションでバイトに持ち込むことができます。慣れるまではギクシャクしたり少しぎこちなくなりがちですが、慣れてくると自分のしゃくりやすいスピードやテンポが見つかってくると思います。時折ストップやしゃくりの幅を変えると良い時もあります。
スローピッチジャーク
こちらはロッド1しゃくりにつきハンドルを1/4~1/2回転と、ワンピッチジャークよりも細かく巻くことでジグの移動距離を抑えることで、狭い範囲をネチネチと誘うことができます。イメージはボトムから5m以上浮かせないで何度もしつこく誘うことです。スローピッチの場合、フォールの瞬間にバイトしてくることがほとんどですので、フォール時にはラインの動きに注意しましょう。
スーパーライトジギングで釣れる魚と効果的な誘い方
真鯛、ホウボウ
ただ巻きで釣れやすい魚の代表格が真鯛やホウボウです。真鯛は巻きスピードにシビアな魚ですが、その日の当たりスピードを見つけられれば連続ヒットも夢ではありません。ただしただ巻き以外にもワンピッチやスローピッチでヒットすることもありますので、ただ巻きに固執しすぎないように柔軟に対応しましょう。特にベイトフィッシュがいる時はワンピッチやスローピッチに時折食わせの間としてフォールを入れると反応が良いです。
イサキ
イサキはただ巻きでもフォールでも釣れる魚です。アクションはその時のベイトに依存し、SLJではベイトフィッシュを捕食している時に釣りやすいです。イサキの口は非常に柔らかく、強引なファイトをすると口切れしてしまってバラしが多発しやすい魚です。他のルアーではなかなか釣ることの難しい、SLJ特有の魚と言っても良いかもしれません。またSLJで釣れるイサキはサイズの良いものが多く、食べてもとても美味しい魚なので、アングラーからも人気の高いターゲットです。イサキもただ巻きだけでなくフォールにも反応が良い時もあります。ただ巻きで反応がなければ長めのフォールを交えたアクションも試してみましょう。
ハタ系、カサゴ、メバル
こちらはスローピッチでよく釣れる魚たちです。フォールへの反応が非常に良く、アクション後に再度ボトムを取りなおした着底の瞬間にバイトが多いです。根魚系を狙いたい時は、ボトムから3~5mあたりでネチネチとジグをアクションさせ、魚をイライラさせたり怒らせるようなイメージで釣ると良いでしょう。根魚はヒットした瞬間にいかにボトムから浮かせることができるかが勝負になります。掛けた瞬間に魚の頭を水面に向かせ、強引にでもボトムから引き剥がしましょう。
青物
青物といえばワンピッチジャークが定番です。勿論ただワンピッチジャークをしているだけでも釣れますが、途中に食わせの間を入れてやるとより反応が良くなる場合もあります。やり方としては、ジグがボトムに着底後、ラインスラッグを取ってからワンピッチジャークを15~20回やります。それでアタリがなければロングフォールを1回入れたり2秒ほどストップを入れたりなどし、再びワンピッチジャークを5回やった後にもう一度ロングフォール、といった具合に一定の動きに変化を加えてやるとより魚からのコンタクトが増えることがあります。ただしやりすぎると魚がスレてしまうのでやりすぎには注意しましょう。
YSNO流、スーパーライトジギングの攻め方
ここでは筆者が実践しているSLJの攻め方の一連の流れをご紹介したいと思います。まずは基本はスピニングタックルを使用します。船がポイントに到着したら、船長が水深と共に魚探の反応をアナウンスしてくれると思います。そして船長の合図と共に潮上にキャストし、まず一度ボトムを取ったら10~15m(ハンドル15~20周程度)ほどただ巻きします。反応がなければ再度ボトムまでジグを落として、次はボトムから5mくらいまでの範囲をゆっくりとスローピッチで探ります。それを2回ほど繰り返して、反応がなければ一旦ジグを回収します。回収時もただ回収するのではなく、回収中に一瞬ハンドルを止めたりして、もし追尾してきた魚がいた場合の食わせの間を作ります。
これを基本に、真鯛やイサキの反応がある場合にはただ巻きメインで攻め、青物の反応がある場合はワンピッチジャークを主体に、根回りを流している時は根魚狙いにスローピッチを主体にするなど、状況によって誘い方を臨機応変に変えて攻めるようにします。あくまでも個人的な攻め方ですがよろしければ試してみてください。
様々な誘い方をマスターして、あなたもスーパーライトジギングマスターに!
SLJとは実に多彩なアクションで誘い、様々な魚種をねらうことができるゲーム性の高い釣りです。狙った誘い方でお目当ての魚が釣れた時の喜びは格別です。アクションの多彩さゆえに、初めはどうすれば良いのかわからないことが多いかと思います。まずは一つ一つのアクションをしっかりと研究してマスターしていくことで、自ずと魚からの答えが返ってくるでしょう。魚種ごとのアクションの違いをマスターしていけば、それぞれを狙って釣ることのできるSLJの楽しさと奥の深さにハマること間違いなしです。