釣りに関する法律ってあるの?知っているようで知らないルールをご紹介!

作成:2021.04.13更新:2021.08.20

マナー違反な釣り人がいたりすると、どうしても苛立ってしまいますよね。釣りをしていてトラブルに巻き込まれたご経験のある方も多いと思います。この記事では、釣りで「絶対にやってはいけない事」と、「モラル的にNGな事」、「トラブルになりやすい釣りのマナー」についてまとめています。知っておいて損は無い情報だと思いますので、是非最後まで読んでみてください。

釣りに関わる法律で「絶対にやってはいけない」事

1.処理した内臓などを海に捨ててはいけない

魚の新鮮さを保つためには、その場で締めることが多いですよね。丁寧な方は血抜きだけではなく、しっかり腹ワタやエラまで取り出し、血合いまで洗う方もいるくらいです。その外した内臓を海に投げ飛ばしていませんか?残念ながらそれは「不法投棄」になるため立派な犯罪です。過去に逮捕事例もあるようですので注意しましょう。

【第一章 第五条「清潔の保持等」】何人も、公園、広場、キャンプ場、スキー場、海水浴場、道路、河川、港湾その他の公共の場所を汚さないようにしなければならない。

【第四章 第十六条「投棄禁止」】何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。

e-GOV法令検索:廃棄物の処理及び清掃に関する法律

魚を丁寧に締めたい時は、取り外した内臓やエラは袋などに入れてしっかり持って帰る必要があります。家が臭くなるのが嫌だという人は、内臓の入った袋ごと冷凍庫にぶち込んでおき、ごみの日の朝に捨てましょう。凍らせるとあの悪臭が拡散しなくなるのでオススメです。

2.死んでしまった魚はリリースしてはいけない

外道で釣れるものやリリースサイズの魚が針を飲み込んでしまい、外すのに手間取ってしまい、残念ながら絶命させてしまう事もあると思います。本当に申し訳ない気持ちになりながらも、そのまま海に流す方も多いのでは無いでしょうか。ですが、こちらも残念ながら「不法投棄」です。死んだ魚は廃棄物扱いとなってしまいますので、しっかり持って帰って処分をする必要があります。

3.生きた特定外来生物は持ち帰ってはいけない

こちらはご存知の方も多いかと思います。有名な魚種でいうと「ブラックバス」や「ブルーギル」などですね。生かしたまま他の場所などに移動してしまうとそこの生態系が狂ってしまうのでNGというわけです。あまり無いと思いますが、食用にすることを考えている場合は、必ず締めてから持ち出すようにしましょう。その場でしっかりと締めさえすればお持ち帰りをしてもOKです。

ちなみに日本最大の湖「琵琶湖」では、外来魚のリリース自体を禁止しています。もし釣り上げたら、定点されている「回収ボックス」に入れなければなりません。このように地域によって細かいルールがありますので、普段行っている釣り場でもチェックをしておくと良さそうです。

4.釣ってはいけない魚がいる

地域や時期によって、禁漁対象となる魚種があります。例えば、渓流釣りは全国の各河川で毎年細かく制限されておりますし、九州地方の島(壱岐島など)はイカ釣りなども時期に応じて禁漁となります。知らないで釣っていると「水産資源保護法」や「漁業法違反」に触れてしまい、最悪の場合逮捕されてしまいます。遠征などで普段行った事の無い場所で釣りをする際には、予めその地域の禁漁対象を調べておくようにしましょう。

5.橋の上から釣りをしてはいけない

こちらは明確に定義をされているわけでは無いのですが、道路交通法に触れてしまう可能性があります。法律では、道路では交通の妨げとなるような行為は禁止されています。場所にもよりますが、橋の上で釣りなんかしていたら確実に邪魔ですからね。法に触れるからという事ではなく、そもそも通行人に針が刺さるような事があったら大変なことになってしまいますので、一般常識的にNGです。

道路において、交通の妨害となるような方法で寝そべり、すわり、しやがみ、又は立ちどまつていること。

e-GOV法令検索:道路交通法 第五章 第一節 「道路における禁止行為」

6.小型船舶に乗船する時は、ライフジャケットの着用が必須

実は遊漁船にて釣りをする場合、ライフジャケットの着用義務はありませんでしたが、2018年2月からは完全義務化となりました。そしてライフジャケットならなんでも良いという訳ではなく、国土交通省が認可した「桜マーク」のついたものでなければなりません。また、フィールドによっては桜マークがついていてもNGな製品もありますので、しっかりと確認をしておきましょう。「タイプA」というものであれば全ての海域が対象となるので安全です。国土交通省によれば、ライフジャケットを着用すると、落水時の生存率が2倍以上になるようですので、着用の義務の無い場所であってもライフジャケットを身に着ける習慣を付けましょう。

7.立ち入り禁止区域での釣り

堤防などでは「漁業関係者以外立ち入り禁止」といったような看板がよく見られます。しかしその先を覗けば、多くの釣り人で賑わっていることも多いです。あまり気にしていない人も多いと思いますが、これは「建造物侵入罪」という罪に問われる可能性があります。立ち入り禁止となっているのは、過去にその場所で事故が発生しているなどのしっかりとした理由があります。どうしても釣果を上げたいという気持ちはわかりますが、単なる犯罪者になってしまうだけでなく、最悪の場合命を落としてしまう危険もあるので、ルールは守るようにしましょう。

8.刃物の携帯

釣った魚を新鮮に持ち帰るため、ナイフやハサミを持って行かれる人も多いと思います。銃刀法では、正当な理由があれば、刃渡り6cmを超える刃物であっても持ち歩いても良いとされているため、その日の釣り目的としてバッグに入れておくことに問題は無いようです。ただ、普段の外出用のバッグと釣りのバッグを一緒にしているような方は、刃物を入れっぱなしにしないように注意をしましょう。釣りにも行かないのに刃物を所持していると、立派な銃刀法違反となってしまいます。

何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが六センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない。

e-GOV法令検索:銃砲刀剣類所持等取締法 第四章 第二十二条

法律違反ではないが、モラル的にNGなもの

利益目的で必要以上に魚を釣る

「釣り過ぎてしまった」「冷凍庫に入りきらずに保存できない」そんな時は、親戚や友人に配る方も多いと思います。中には魚を買い取ってくれるお店もあるので、そのようなところに持って行かれる人もいると思います。法律では、釣った魚を売る事自体は規制されていません。しかし、釣り人皆んなが利益目的で沢山の魚を捕獲した場合、市場価格は狂い、漁業組合に大きな影響を及ぼします。最悪の場合、漁業組合は釣り人の漁獲量を抑えるために釣り場を制限することになるでしょう。もちろん意図せず釣り過ぎてしまった場合に販売するのは良い事と思いますが、最初から売買目的で乱獲をするというのは、何か大切な事を忘れているような気がします。

ふぐを自分で捌いて食べる

釣りとは少し離れてしまいますが、自分でふぐを捌く一般人など、釣り人くらいしかありえないと思うので紹介します。一般的にふぐを調理するには「ふぐ調理師免許」が必要と思われがちですが、この資格は第三者に提供する場合であって、自身で捌いて自分で食べる分には免許は必要ありません。しかし、ご存知の通りふぐの内臓などには「テトロドトキシン」という猛毒が含まれているため大変危険です。毎年数名がフグによって命を落としているようですので、自分で捌いて食べるのはオススメしません。釣ったフグを持ち込めば、プロが捌いてくれるような飲食店などもチラホラあるようですので、そのようなところにお願いするのが良さそうですね。

その他トラブルになりやすい釣りのマナー

挨拶をしないで釣りを始める

混んでる釣り場で、釣りができそうなスペースがあった時、黙ってそこで釣りを始める人が多いと思います。海は誰のものでもないので、許可を取る必要なんて無いですが、左右の釣り人に一言挨拶をしておくと丁寧でしょう。その後オマツリなどをしてしまった時に、挨拶をしておいて良かったと心から思います。

夜釣りで海面をライトで照らす

初心者にありがちですが、海の様子が気になって海面をライトで照らしている人がいます。この行為は魚が逃げてしまう可能性が高く、とっても迷惑なマナー違反です。周りに誰もいないポイントなら良いですが、他の釣り人がいる場合は海面を照らさないようにしましょう。

ウキを放置

飛ばしウキで遠投し、そのままずっと放置している人がいます。海は流れがありますので、当然周りの釣り人に迷惑が掛かってしまいます。左右の釣り人のキャスト範囲に入ってしまったら直ちに回収しましょう。

場所取り

釣りをしないのにそこに荷物を置き、その場を離れる行為の事です。自販機に飲み物を買いに行く程度なら良いのですが、潮目を狙って前日から場所取りをしている強者もいます。場所を取りたいというその気持ちは本当に良く伝わるのですが、トラブルになってしまう可能性が非常に高いです。もし場所取りしたはずの荷物が無くなっていても、きっと誰も擁護してくれませんのでやめましょう。

ルールとマナーを守って楽しく釣りをしましょう!

いかがでしたでしょうか?知っているようで知らなかった事もあったと思います。法律と聞くと少し厄介な印象がありますが、環境保全や、魚の生態系、釣り人の命を守るためにあるものです。また法律に無かったとしても、モラルを超えたマナー違反はトラブルの元です。「みんなやってるんだからOK」という事ではなく、気持ち良く釣りを楽しむためにも、一人一人の心掛けが大切ですね。釣り禁止エリアをこれ以上増やさないためにも、ルールとマナーを守って紳士な釣りを楽しみましょう。

この記事を書いた人

釣りクラウド編集長
ヤギング

 メバル、青物、タチウオ、シーバス、アオリイカ、メバリング、エギング、ライトショアジギング、穴釣り、三浦半島(神奈川)、横須賀沖(神奈川)、富津(千葉)、館山(千葉)、二級小型船舶操縦士

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