タコをテンヤで狙う釣り方を紹介!堤防から狙うコツやテクニックを生態から考えてみよう!

作成:2019.11.28更新:2021.08.20

岩にへばりついているタコ。8本の足を大きく広げている。

タコテンヤとは?

タコ釣りに使用するテンヤ。餌を固定する土台に大きなフックが付いている。

タコ専用の釣具となるタコテンヤは、蟹やイワシなどの餌を固定する台座に大きなフックがついた仕掛けです。蟹や海老など、タコが実際に好んで捕食する生餌を使用できるので釣果が上がりやすい釣具として知られています。

テンヤにはオモリが取りつけられているか、台座がオモリを兼ねているのが普通です。日本の伝統的な釣り具で、住居と職場が一体化した昔の店屋(テンヤ)のように針とオモリが一体化していることからこう呼ばれているという説もあります。さらに樹脂製の擬似餌も標準で備わっている商品も存在するので、ルアーフィッシングのような感覚で楽しむことも可能です。

岩礁地帯の海底を狙う釣り方の性質上、根掛かりが多く頻繁にロストするため、事前にネットで多めに購入しておくことをおすすめします。比較的単純な仕掛けですが、店舗で販売しているテンヤは1,000円を超える高額なアイテムが多いので、自作にチャレンジしてみるのいいかもしれませんね。

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堤防からテンヤで狙えるタコたち

一言にタコと言っても、日本近海だけでも50種類のタコが生息していると言われています。沿岸部から狙える釣りの対象となるタコは、主に「マダコ」と「イイダコ」の2種類となります。テンヤでのタコ釣りでメインのターゲットとなる、2種類のタコの特徴を解説していきましょう。

マダコ

一般的にタコは「マダコ」と呼ばれる品種を指すことが多く、東アジア一帯の広い生息地から日本の各地で狙えるターゲットとして知られています。ただし日本海側には生息していないので、住まいによっては注意が必要です。サイズも最大で60cmと大きくなりやすく、時には堤防に引き上げれないほどの大物がかかることもあるロマン溢れるターゲットですね。

イイダコ

マダコよりも小型のサイズで、波打ち際から水深10m付近の波静かな内海に生息する品種となります。産卵時期になると卵を抱えた姿がご飯のように見えることから、「飯蛸=イイダコ」と呼ばれる由来。クセのない味から食用として、古くから日本で親しまれています。特に白いものに対しての好奇心が旺盛で釣りやすいので初心者にもおすすめのターゲットです。

タコの生態から釣り方を考える

水槽の中にいるタコ。今にも泳ぎ出しそうな様子。

普段から口にしているものの、詳しくタコの生態について知っている方は少ないのではないでしょうか。生きている姿も、水族館くらいでしか見る機会がないのも事実。テンヤで効率よく釣果を上げる釣り方を編み出すためにも、タコの基本的な生態について解説していきましょう。

夜行性のタコに時間帯を合わせる

基本的にタコは夜行性で、昼間は岩礁帯に身を潜め、周囲が暗くなると這い出してきます。昼間でも狙えないことはないのですが、巣穴や物陰に隠れているので夜間に比べると釣果が落ちやすい傾向にあるようです。特に堤防から狙うのであれば、夜間の方が岸辺へ接近するので夜釣りをおすすめ致します。

テンヤでタコの釣れる季節

タコは基本的に年間を通して釣ることができるターゲットです。ただし季節や品種によって、数が釣れやすい季節や良型が狙いやすい季節が存在します。そこで釣りのメインターゲットとなる「マダコ」と「イイダコ」の季節による特徴の違いを順を追って解説していきましょう。

マダコ

マダコは夏の暖かい季節に繁殖期が訪れます。生殖に必要なエネルギーを蓄えるため餌を求めて活性が上がるので、数釣りを楽しめるのは6〜10月が全盛期11月を過ぎた寒い季節には数が落ちる代わりに良型のタコが狙える季節となり、キロオーバーの大物が上がることも珍しくありません。

イイダコ

イイダコは春の産卵期に備えて、体力を蓄えるため好物の二枚貝を求めて浅い岸辺へやって来るので9〜12月が最も活性が上がる季節です。特にオスよりも、春頃に釣れる卵を抱えたメスが美味とされており市場では高級食材として取り扱われております。

テンヤに取りつける餌

タコに使用するテンヤに縛りつける、代表的な餌を紹介していきます。更に海洋生物でも高い知能を保有するタコは、物を集める習性を持っています。特に白い物に反応を示すと言われており、捕食対象である餌を使わなくても白い物や派手なものなら何でも反応を示します。好奇心旺盛な知性から、一例で紹介する餌以外にも反応を示すためオリジナルの擬餌を作成する楽しみが存在するのもタコ釣りの魅力です。

硬い甲羅に覆われた蟹の一番の天敵はタコ。甲殻類はタコの大好物とされており、魚が手を出せない殻を全身が筋肉でできた体で破る能力を持っています。やはり釣果が抜群に現れる餌の代表ですが、デメリットとしては餌としてなかなか売っていないことと、仮に売っていたしても高額という点が挙げられます。現地調達が手っ取り早いですが、やはり安定感に欠ける釣り餌となります。

イワシ・アジ(1匹)

手頃に入手可能で食いつきも良好なのが、イワシやアジなどの青魚を使用した方法です。デメリットとしては、身が柔らかいためキャスティング時に外れやすくロストする確率が高い点があげられるでしょう。

らっきょう

知る人ぞ知る、らっきょうもタコ釣りにおいては餌として用いられます。タコはアサリやハマグリを捕食する前に抱き抱えて窒息させる性質があり、らっきょうの形が二枚貝に似ているため勘違いすることから餌として釣果が上がるそうです。特にイイダコをターゲットとする際に好まれて使用される釣り餌です。

タコのアタリの特徴

タコのアタリは魚のような振動が伝わる辺りではなく、ジワっとした重みを感じる程度の繊細なアタリです。この状態は脚一本で餌の様子を伺っている状態なので、アタリを確認したら完全に抱くまで数十秒待機した後に大アワセを行ます。

巻き取り時は絶対に手を止めない

テンヤをはじめとしたタコ釣りに使用する道具にはカエシがついていないものが多いため、ラインが緩んだ瞬間にタコがバレる可能性が非常に高い釣りとなります。そのため明らかな重みを感じ取ったら、海藻であろうが一気に巻き取ってしまうことを意識しましょう。

タコは逃げやすいので釣り上げた後も油断大敵

タコは骨を保有していないため、どんなに狭い隙間でも入り込んでしまいます。クーラーボックスに放り込んでおく程度だと、こじ開けて逃走するほど逃げられやすいターゲットです。デビルネットと呼ばれる商品が販売されているので、釣れた後はネットへ放り込んでおくと安心ですね。目の間が急所なので、釣り上げた後にナイフで刺すことにすぐに締めてしまうのも有効な対策です。ビックトリノックスのマルチツールが、丈夫な上に切れ味抜群で釣り以外のアウトドアでも活躍するおすすめの商品となります。

タコを堤防からテンヤで狙う時のポイント

タコ釣りは乗合船で沖に出て釣る方法が一般的ですが、ポイントと条件さえ揃えば堤防からでも十分狙えるターゲットです。ただし一定以上の基礎知識が無ければ、釣果が出にくい釣り方となります。そこで堤防から釣果を上げるための基礎知識やテクニックについて順を追って解説いたしましょう。

底をしっかり取る

タコは餌を追って浮上することはないので、底をしっかりとることが基本です。特に障害物付近に生息してることが多いので、岩のような感触を察知した場所で誘いをかけると釣れやすい傾向にあります。ただし底を引き摺る釣りとなるため、非常に根掛かりしやすいので替えの仕掛けは多めに用意しておきましょう。

昼間の堤防からは日陰側を狙う

暗闇を好むタコの性質上から日向側より、日陰側の方が活性が上がりやすい傾向にあります。日中に堤防の壁側を探る場合は日陰側を集中的に探りを入れてみましょう。

夜は常夜灯近辺を探る

夜間の常夜灯近辺はプランクトンが集まるため、タコの餌となるベイトが発生しやすいポイントです。ただし大型のタコになるほど明るい場所を嫌がるため、常夜灯の光が届かないギリギリを探るのがポイントとなります。

河口付近に注意

タコは塩分濃度の低い海域を嫌う性質があるため、淡水が流れ込む河口周辺では、釣果が上がりにくい傾向があります。雨天時には釣れにくいという噂もありますが、多少の天候はあまり関係がないようです。淡水が流れ込まない、川から極力離れたポイントを探ってみましょう。

障害物・カケアガリ周辺を探る

イイダコが発生しやすい障害物の少ない砂浜では、テンヤを引いていると時々ゴツゴツとした感触や一定の重みを感じる場所があります。その場所は岩場や、砂浜が急に深くなっている「カケアガリ」と呼ばれるタコの住処です。そのような場所を見つけたら、リールを巻かずに仕掛けを揺らしてみましょう。近くに潜んでる可能性が非常に高いのでアタリが来る可能性がグッと上がりますよ。

タコが1匹釣れたら場所を変える

タコは一定距離ごとに縄張りを持っており、同じ場所に何匹もいないケースが多い動物です。よって1匹釣り上げるごとにポイントを移動する方が効率よく釣れます。

タコテンヤ以外の釣り方との使い分け

タコエギング

タコを狙うにはテンヤの他に、エギにシンカーを装着した「タコエギング」と呼ばれる釣り方が存在します。イカ釣りを行う際のエギとシンカーさえ用意できればすぐに始めることができるので、周囲にタコの釣果を確認したのち急遽タコにターゲットを変更することが可能です。擬似餌で簡単に仕掛けをセットできるので、常に釣り道具に忍ばせておけるのが魅力的な仕掛けですね。ただしイカ専用のエギはカンナの形状から地面を金具で引っ掛けるため、根掛かりしやすいデメリットが存在します。余裕があればデメリットを解決した専用のタコエギを用意すると、根掛かりが格段に減るのでストレスなくタコを狙えます。

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タコゆらハンター

さらにお手軽な方法として、小型のタコの様な見た目をした「タコゆらハンター」と呼ばれる擬似餌を用いた方法も存在します。こちらはヒラヒラとした見た目がアピール抜群で、堤防の壁際のタコを狙うのに効果が現れやすいと言われております。特に堤防はタコの餌となる甲殻類が発生しやすいポイントです。更に連結することも可能なので堤防の壁側縦一直線を効率的に探ることができますよ。

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テンヤでのタコ釣りにオススメのタックル

ロッド

テンヤでの船釣りではロッドなしでも釣れますが、特に堤防などでの釣りでは投げ竿などの可能な限り耐久度の高いロッドがオススメです。理由としては頻繁に根掛かりを起こすことと繊細なアタリを竿先で読み取る釣りではないこと、底を捉える仕掛けのため重たいシンカーを用いることが多い点が挙げられます。

予算が許すのであれば、タコ専用ロッドとして発売されるメジャークラフトの3代目シリーズがおすすめです。魚とは違うタコ独特の繊細なアタリを読み取れる機能が備わっているなど、タコ釣りへと特化されたロッドでストレスなく釣りを楽しむことができるでしょう。

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リール

タコ釣りにおいてはハリ掛かり後に一気に巻き取るパワーが非常に重要なため、3,000番以上の大きめのリールの使用がおすすめです。コストパフォーマンスに優れ、発売当初からトラブルが少なく扱いやすいと売れ続けているダイワ レブロスシリーズを選べば間違いないでしょう。

タコ釣りを行う上での注意点

蛸壺漁を行っている海域での漁業権

一部の地域によっては漁業権でタコを保護している場所が存在します。そのような場所でのタコ釣りは密漁扱いとなってしまうので注意しましょう。特に神奈川県では横浜周辺、大磯港や江ノ島など一部の地域を覗いてほとんどの場所が漁業権のエリアとなるので注意が必要です。ネット上の情報で分からない場合は釣り場付近の釣具屋や漁港などで簡単な地域情報は教えてもらえます。更に詳しい情報を知りたい場合は各地区の水産課へお問い合わせください。

猛毒のヒョウモンダコ

猛毒を有するヒョウモンダコ。縞々で派手な模様を呈している。

やたら縞々な模様をした派手な小型のタコが釣れたら、絶対に触らないでください。近年温暖化により日本周辺でも発生しているタコで、フグと同じテトロドキシンと呼ばれる強い毒を保有した危険なタコです。噛み付いて毒を注入する習性を持っており、体内にも毒を保有しているため食べれません。ゴンズイやセイゴのように痛いだけではなく、実際に死亡に繋がりかねない重大な事故を引き起こす恐れがあるので注意が必要です。特に西日本での目撃情報が多いので、タコ釣りを行う場合は直接触らずにフィッシュクリップを使用して針外しを行いましょう。

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テンヤでのタコ釣りの魅力

実は希少な国産タコを味わう

スーパーで売られているタコはほとんどがモロッコ産なので、国産のタコを味わえるのは釣り人ならではの楽しみとなります。海外産のタコは、どうしても輸送の関係で鮮度が落ちているケースが多いとされています。釣りたてのタコは新鮮なので、本来の旨味が凝縮されており美味だと評判。刺身や唐揚げ、タコ飯と料理の豊富なバリエーションを誇るのもタコを狙う楽しみですね。

テンヤで堤防からでも大物のタコを狙おう

数ある釣りの中でも特殊な釣り方となるタコ釣りですが、テンヤはもちろん臨機応変に様々な釣り方で狙うことができる奥深い釣りとなります。堤防からでも数キロ単位の大物が上がることも珍しくないターゲットなので、自己ベストの記録を更新していく楽しみもタコ釣りならではですね。

ただし視界が悪くなりやすい夜間には、夢中になるあまりに転落などの危険が潜んでいるので十分注意してタコ釣りを楽しみましょう。堤防からタコを狙った釣りを行う際に、当記事が参考になれば幸いです。

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