穴釣りじゃもったいない! アジングにメバリングに、考える楽しさがある!
500番のリールって使ったことありますか? 筆者は30年以上前、リョービ・カーボマスターmini 500という、超小型スピニングリールをつかっていましたが、用途は穴釣りとハゼ釣りのみでした。ラインはナイロン2号を50mくらい巻いていたのではないかと記憶しています。とにかく、小さくて軽いタックルを詰めたリュックを背負い、50ccスクーターであちこち釣り歩いていました。
17ソアレ CI4+ 500Sはメーカー希望小売価格34,200円という、これまでの500番の超小型スピニングリールにはなかった価格となっています。17ソアレ CI4+は、発売当初はC2000SS PG、2000S HGの2モデルだけでしたが、発売から数カ月後、500Sが追加発売となりました。この17ソアレ CI4+ 500Sは単純にC2000SS PG、2000S HGの小型版と言う訳ではないようですが、圧倒的な軽さがアドバンテージです。
17ソアレ CI4+ とは?
17ソアレ CI4+とは、2017年7月に発売が開始された、アジングやメバリングなどのライトゲーム用チューン機で、ベースモデルは汎用スピニングリールの16ストラディック CI4+です。それをライトゲーム用にスペシャルチューンしたものが17ソアレ CI4+です。ベアリングの数を増やしてあったり、専用のCI4+製肉抜きハンドルに付け替えられていたり、リジッドサポートドラグ化されてよりスプールのガタがなく、リーリングフィールも滑らかになっています。
なぜ500番が出たのか?
今どき、500番の小型リールは、子供向けのメーカー不明の980円リールくらいしかありませんが、シマノにはなんと5機種もあります。上から、17ソアレ CI4+ 500S、18ソアレBB 500S、18ナスキー 500、18サハラ 500、18セドナ500となります。なぜシマノはこんなにたくさんの機種で500番手を出しているのでしょうか?
例えばダイワには、500番手のスピニングリールは現在ありません。ダイワで最も小さいスピニングリールはMR750ですが、これは特定の釣りにフォーカスしたものでなく、気軽に持ち歩き、いつでもどこでも釣りができることを最大の目的とした汎用スピニングリールとなっています。シマノでいえば、18セドナ 500、18サハラ 500はそうした小型汎用スピニングリールとして、穴釣りやハゼ釣りなど、小物エサ釣り用リールの色が強く、18ナスキー 500以上のモデルがライトゲーム対応タックルといえるでしょう。
17ソアレ CI4+ 500Sは、そうしたシマノの500番手スピニングリールのスペシャリティモデルとして、アジング、メバリングをより繊細に、かつ、よりエキサイティングにおこなうためのギリギリの超小型超軽量ハイエンドタックルとしての位置づけとなっています。もちろん、汎用スピニングリールというわけではなく、使い手を選ぶツールです。
17ソアレ CI4+ 500Sの基本スペック
17ソアレ CI4+ 500Sの基本スペックを見て行きましょう。ギア比は5.6、ハンドル1回転あたりの最大巻き上げ長さは69cmのノーマルギアモデルです。ドラグは最大釣力3kg、実用釣力2kgのドラグが搭載されていますが、16ストラディックには搭載されていなかった、リジッドサポートドラグが搭載されています。これは、スプールをメインシャフトとスプール内部の2か所に組み入れたボールベアリングによって強固に支え、ブレのない、滑らかなドラグの始動を発現させる機構です。
極細のエステルラインを使ったアジング等に絶大な効果を発揮します。ラインキャパはナイロン2lbで110m、2.5lbで100m、3lbで70m、PE0,3号で140m、0.4号で100m、0.6号で80mです。ドライブギアは、超々ジュラルミンの冷間鍛造品「HAGANEギア」が使用されており、駆動部の剛性は十分担保されています。そして、マグナムライトローターの採用、CI4+製軽量ハンドルなどの効果で、自重は140gと、スピニングリールとしては最軽量のモデルとなっています。
2000番手と500番手の仕様の違い
17ソアレ CI4+は、先行して発売された2000番手(C2000SS PG、2000S HG)と500Sとでは、仕様がやや異なりますので注意が必要です。まず、ローターの構造ですが、2000番手は16ストラディックと同じ、NEWマグナムライトローターが搭載されていますが、500Sのローターは、一世代前のマグナムライトローターとなっています。
これは恐らく500番の超小型ローターの金型新造を避けたことが理由であると容易に想像できますが、もう一つ違いがあり、防水機構のひとつである、コアプロテクトが500Sは非搭載となっています。こちらはパーツの撥水処理設備の問題なのかどうかわかりかねますが、この価格帯であれば是非とも搭載して欲しかった機能です。さらに、X-SHIPも非搭載です。これは、ボディーサイズに起因するもので、仕方がないことであると思われます。もし、17ソアレ CI4+ 500Sの購入を検討している方は、そこを十分に理解したうえで購入されることをおすすめします。
超軽量のCI4+製肉抜きショートハンドルは感度抜群!
17ソアレ CI4+ 500Sは、軽量・コンパクトな低慣性ローターが、軽い巻き出しと滑らかな回転、ハンドルの手を止めれば即座にローターの動きが止まる、感度重視のクイックレスポンスシリーズの商品です。CI4+という高感度素材の威力は、17ソアレ CI4+に至っては、ハンドル素材にまで使われています。限界まで肉抜きされ、さらに35mmという最短のハンドル長も相俟って、ハンドルからアングラーに伝わる情報も非常に多く、流れる潮のわずかな変化もキャッチすることができます。
そして、コンパクトなボディと、直径39.5mm、ストローク8mmという極小スプールのおかげで、パーミングやサミングなどの操作も容易にでき、ラインに触れながら全身を研ぎ澄ませてアタリを感じ取ることもできるでしょう。こうしたコンパクトで感度の高いスピニングリールは、目からの情報が制限される夜釣りで圧倒的なアドバンテージとなります。
夜のアジング、メバリングに好適、他に何に使うか考えるのも楽しい!
17ソアレ CI4+ 500Sは、シマノの500番手スピニングリールのハイエンド機種ですので、正直、穴釣りなどに使うようなリールではありません。やはりアジング、メバリングと言った、極細ラインと超軽量リグを扱うライトゲームを快適に行うためのタックルであると思いますか、他に何ができるか考えるのも楽しいです。
例えば小型エギをキャストする冬の内湾での夜ヒイカ釣り、秋の新仔狙いのエギング、2g程度のスプーンやマイクロプラグを投げる渓流トラウトなど、軽量ルアーを使った感度命の釣り全般に使えます。1000番の高感度リールを使うよりも釣り味はエキサイティングになります。ただし、ライントラブルを回避するために、使用するラインは高性能のものが必要で、取り回しにも気を遣うなど、初心者にはあまりおすすめできる製品ではありませんが、ある程度の経験がある方には、超小型スピニングリールの魅力を十二分に堪能できる楽しいツールだと思います。