2019年モデルは買い?19セフィアSS C3000SDHについてインプレッション
2015年の発売から4年ぶりにモデルチェンジが行われたシマノの19セフィアSS C3000SDHのインプレッションです。モデルチェンジによるスペックの変化や、価格に見合うだけの性能があるのかといった点が気になっている方も多いのでは無いでしょうか?そこでこの記事では、19セフィアSS C3000SDHの特徴、前作15セフィアSSや17エメラルダスMXといったリールとの違い、相性の良いロッドなどについて解説していきます。
セフィアシリーズとは
セフィアシリーズは、シマノから販売されているエギング向けシリーズです。ロッドやリールはもちろん、タックルバッグやラインなども展開されています。どの製品もエギングでの使用を想定して開発されており、使い勝手の良さが特徴です。なお今回インプレッションする19セフィアSSは全3機種あるリールの中間に位置するモデルで、実売価格20,000円前後で販売されています。次の項目から、19セフィアSSの特徴について詳しく解説していきます。
セフィアSSの特徴
それでは19セフィアSSの特徴について見ていきましょう。今回は、エギングリールに求められる「巻きの軽さ」や「ドラグ性能」に関わる技術を中心に解説していきます。
マグナムライトローター
「マグナムライトローター」は、ローターを左右非対称に設計することで巻きの軽さや操作性・感度の向上を可能にします。左右対称のローターは、慣性が働く分自走するような滑らかな巻き心地になりますが、エギングのシャクる動作においてはクイックさが求められるため不向きです。
リジットサポートドラグ
メインシャフトとスプールにベアリングを設け、フラつきの低減と安定性をもたらすのが、「リジットサポートドラグ」です。エギングはシャクリ、ファイト中ともにドラグを活用する釣りになります。シャクリでは細かなアクションの調整、ファイト中は合わせによる身切れを防ぎイカの引きをいなします。
ラピッドファイアドラグ
「ラピッドファイアドラグ」は、素早いドラグ調整を可能にします。ドラグノブを少し回すだけで大きく変化するため、「シャクる時は緩いドラグでじっくり誘い、ファイト中はイカの引きに合わせて強くしていく。」といった操作が楽に行なえます。ただし通常のドラグの感覚では回し過ぎてしまうこともあるため、ある程度慣れが必要です。
コアプロテクト
「コアプロテクト」は、回転抵抗を増加させることなく防水性能を向上させる技術です。非接触であることから摩耗もせず、長い間防水効果を維持してくれます。エギングは磯で行うこともありますし、激しいシャクリの動作を繰り返すため耐久性はかなり重要です。防水性能が高いと、塩ガミ等を防止してくれるので安心できます。
前作15セフィアSSからの変更点
前作15セフィアSSのからの変更点ですが、実はコアプロテクト程度しかありません。4年を経てモデルチェンジされたにもかかわらず、表記されているスペックも同じです。そのため前作が値落ちしているようであれば、19セフィアSSを選ぶ理由は少し薄いかと思われます。しかしデザインはかなり変更されており、赤と黒のグラデーションが美しく高級感があります。前作と迷われているという方は、見た目で選んでしまって良いでしょう。
17エメラルダスMX、17セフィアCI4+との違い
次は同じ価格帯で販売されているダイワの17エメラルダスMX、19セフィアSSの上位機種にあたる17セフィアCI4+との違いについて解説していきます。
17エメラルダスMXとの違い
17エメラルダスMXもエギング向けのリールとして開発されており、性能自体は19セフィアSSと良く似ています。実売価格にもほとんど差がありませんが、重さは19セフィアSSより5gほど軽量な215g※です。大きく違うのはデザインで、17エメラルダスMXは明るいエメラルドグリーンとゴールドを基調としており、19セフィアSSと全く違う印象を受けます。15セフィアSS同様、見た目で選んでも良いでしょう。ただし、ダイワ製とシマノ製で巻き心地が異なるため、一度確認できると安心です※ダブルハンドルモデルの重さ
17セフィアCI4+との違い
17セフィアCI4+は、実売化価格26,000円前後で販売されているセフィアシリーズの最上位機種です。搭載されている技術やドラグ力に違いはありませんが、重さはダブルハンドルモデルでも195gと非常に軽量で、ベアリング数も9/1と19セフィアSSよりも強化されています。6,000円ほどの価格差がありますが、予算が許すようであればこちらを選んでおくと更に快適です。
ロッドとの相性
エギングをする上で、ロッドとリールの相性は非常に重要です。相性の悪いものを組み合わせるとタックルバランスが悪くなり、感度や操作性が低下したり、腕への負担が大きくなります。19セフィアSSと相性の良いロッドですが、やはり同シリーズのセフィアSSが最適です。こちらも実売価格は20000円ほどで、ラインナップ全体の平均の重さが95gを切ります。ネジレやつぶれに強い「スパイラルX」などの技術が搭載され、その性能はハイエンドのロッドに迫る勢いです。他のロッドを使用する場合でも、95gという重さを1つの基準にしておくと選びやすいでしょう。
19セフィアSS C3000SDHの良い点
バランスの取れた性能
19セフィアSS C3000SDHは、エギングに必要なスペックを全てバランス良く満たしており、ストレスフリーで釣りを楽しめます。同シリーズのエントリーモデル、18セフィアBBでは重さやドラグの安定性が気になることもありますが、19セフィアSSの性能なら十分です。これだけバランスが良ければシーバスゲームやチニングなど、エギング以外の釣りでも快適にこなせるでしょう。
高級感のある見た目
もう一つの良い点は、デザインにあります。ボディ全体のつや消しや、赤と黒のグラデーションが上位機種を思わせるほどの高級感です。中には17セフィアCI4+よりも良いという方もいるのではないでしょうか?リールはあくまで魚を釣るための道具ですが、見た目が良ければそれだけ愛着も湧きますし、お気に入りの道具で釣った魚の満足度は大きくなります。
19セフィアSS C3000SDHの悪い点
前作からの進化点が少なく、他のリールに見劣りする。
19セフィアSS C3000SDHは前作からスペックがほとんど変わらず、同じ年に発売された他のリールと比べると埋もれている印象です。特にダイワ製のLTコンセプトをもとに開発されたモデルは、実売価格20,000円を切るものでもかなり軽量化されています。シマノ製の機種でも、ハイエンドモデルは軽量化が進められていますが、ミドルクラス以下のリールは大きな変化が見られません。より軽量なセフィアシリーズが発売されるのは、かなり先になりそうです。
Xプロテクトが非搭載。
モデルチェンジでコアプロテクトが搭載された19セフィアSS C3000SDHですが、欲を言えば「Xプロテクト」が欲しかったところです。Xプロテクトは、ラビリンス構造と呼ばれる特殊な構造をストッパーベアリング部やラインローラー部に採用することで、僅かな水の侵入も防ぐ技術になります。同じ2019年発売で、実売価格も変わらない19ストラディックには搭載されてることもあり、この点は非常に残念です。
19セフィアSS C3000SDHが向いている人
19セフィアSS C3000SDHは、これからエギングを始めたいという方におすすめのリールです。特に、ロッドとリールを同時に購入したいという方に最適と言えます。エギングをする上で必要な性能は持ち合わせていますし、同じセフィアSSのロッドとの相性は抜群です。2つをセットで購入しておけば、気軽なルアーフィッシングは何でも楽しめるでしょう。初心者の方は予算が厳しいかもしれませんが、このクラスのリールを購入しておくとかなり安心です。
19セフィアSS C3000SDHが向いていない人
「予算もあるし、性能に妥協したくない。」という方には、19セフィアSS C3000SDHはおすすめできません。2019年発売のモデルとしては性能が低く、予算があればより軽量で高性能なものを購入することが可能です。17セフィアCI4+はもちろん、ダイワの19バリスティックなども良いでしょう。
性能のバランスは良いが、2019年発売のモデルとしては弱い
今回はシマノのエギング向けに開発されたミドルクラス、19セフィアSS C3000SDHについてインプレッションしました。エギングを楽しむには十分な性能を備えていますし、それ以外の釣りにも広く対応するバランスの良さが魅力のリールです。しかし、4年ぶりにモデルチェンジが行われた機種としては進化した部分が少なく、同時期に発売された他のリールと比べて見劣りするのが19セフィアSSの弱点と言えます。性能に妥協したくないという方には向きませんが、エギング初心者で「ロッドもまとめて購入したい」という方にはおすすめです。同シリーズのロッドとの相性が良く、タックル1つで色々な釣りが楽しめます。