軽量で扱いやすい高剛性リール!19セルテートLT4000-CXHについてインプレッション
ダイワの19セルテートLT4000-CXHについてインプレッションしていきます。LTコンセプトによって前作から大幅な軽量化が施されたリールですが、剛性や耐久性の低下を心配されている方も多いのではないでしょうか。そこで、実際の剛性感や他のリールとの違いについても解説していきます。
19セルテートLT4000-CXHの特徴
まずは19セルテートLT4000-CXHの特徴について迫っていきましょう。4000番はシーバスやサーフ、ライトショアジギングに使用されることの多い番手ですし、剛性や耐久性が気になる方も多いのではないでしょうか。この項目では、そうした点をメインに解説していきます。
モノコックボディ採用
モノコックボディは、従来のボディ構造を一新し、高い剛性と省スペースを可能にした技術です。多くのリールに採用されているボディ構造は、ボディとボディカバーがビスによって固定されており、負荷がビス部分に集中してしまうという弱点があります。モノコックボディではボディカバー自体が大きなネジとして機能し、ボディ全体で負荷を受けることが可能です。また、ビスのために必要なスペースが削減されるため、ドライブギアの大径化にも貢献しています。なおモノコック構造は、ロケットやF1マシンのように、非常に高い耐久性や空間効率を求められる分野にも採用されています。
ストッパーは廃止
19セルテートLT4000-CXHは防水性の向上や軽量化を可能にするため、ストッパーが廃止されています。ストッパー部分は水や異物が侵入しやすい部分であり、現在では少しずつですがストッパーレスボディを採用しているモデルも増えてきました。また、セルテートシリーズは防水の観点だけでなく、過酷な状況下でやり取りする際のトラブルを抑えるという点も考慮されています。
ローターはZAION製
ボディはアルミ製の19セルテートLT4000-CXHですが、ローターには軽量なカーボン素材のZAIONが採用されています。軽量なローターは操作性や感度の面で非常にメリットがあり、ルアーを快適にアクション可能です。金属に比べて剛性が低いという点が気になる方も多いかもしれませんが、ZAIONはマグネシウム並みの剛性がありますし、ボディはアルミ製かつモノコックボディなので、リール全体の剛性は十分といえます。
17ツインパワーXD、19ヴァンキッシュとの違い
19セルテートLT4000-CXHの特徴が分かったことろで、次は17ツインパワーXDや19ヴァンキッシュといった近い価格帯のモデルとの違いを確認していきましょう。どちらもシーバスやライトショアジギングでの愛用者が多いリールですし、迷っている方も多いのではないでしょうか。
17ツインパワーXD4000XGとの違い
17ツインパワーXD4000XGは、通常のツインパワーをチューンアップし、より耐久性を向上させたリールです。その強さは従来モデルのワンサイズ大きい番手に相当し、Xプロテクトによる防水性も魅力となっています。また、ローターには軽量で立ち上がりの良いマグナムローターが採用されており、アクションも楽に行えます。リール全体の重さは295gと少々重ためですが、19セルテートLT4000-CXHよりも4,000円ほど安く入手できるため、可能な限りコストを抑えたいという場合におすすめです。ただ、2017年に発売されたリールなので、モデルチェンジの可能性や最新モデルとの性能差には注意が必要です。
19ヴァンキッシュ4000XGとの違い
19ヴァンキッシュ4000XGは、軽さや感度が特徴のシマノのハイエンドモデルです。重さは200gと19セルテートLT4000-CXHよりも35g軽く、より楽に扱えます。性能自体に大きな差はなく価格差も3,000円程度と小さいため、質感の好みで選んでも良いでしょう。可能であれば、一度店頭で触れて見ることをおすすめします。また実用の範囲内では特に問題ありませんが、19ヴァンキッシュ4000XGのボディは半分(カバー側)がカーボン樹脂素材が使用されています。この点が気になるという方は、フルメタルボディの19セルテートLT4000-CXHがおすすめです。
19セルテートLT4000-CXHの良い点
軽快かつ滑らかな巻き心地
19セルテートLT4000-CXHは、軽快な巻き心地の中にも滑らかさが感じられます。現行の18カルディアなどと比べても、その差は歴然です。従来のダイワ製リールの巻き心地はスカスカとした印象があり、質感が良いとは言えませんでした。好みの部分ではありますが、巻き心地を理由にダイワ製リールを避けていたという方も多いのではないでしょうか。そうした方も是非試してみることをおすすめします。
カチッとした剛性感
19セルテートLT4000-CXHは、ガタつきが少なく非常にカチッとした剛性感があります。重量のあるジグの操作や、大型の魚とのやり取りでも不安になる場面はほとんどありません。アルミ製のモノコックボディの強さがしっかり機能しているといえるでしょう。
19セルテートLT4000-CXHの悪い点
ドラグ・スプールはベアリング非搭載
19セルテートLT4000-CXHは、ドラグ・スプールのベアリングが非搭載となっているため注意が必要です。最上位機種である18イグジストでは、両方にベアリングが搭載されており、より滑らかなドラグ性能を発揮します。初期状態でも十分高性能ではありますが、よりドラグ性能にこだわりたいという方はベアリングの追加を検討しましょう。
ラインローラーのノイズが気になる
これは従来のセルテートでも挙げられていた点ですが、ラインローラーに僅かなノイズがあります。シーバスやショアジギングのように繊細な操作や感度を重視しない釣りの場合、大きな問題にはなりませんが、解消されていないのは残念です。
おすすめできる釣りのスタイル
19セルテートLT4000-CXHは、大型のシーバス狙いやライトショアジギングなど、3000番では少しパワー不足になる釣りをされる方におすすめできます。モノコックボディによる剛性や滑らかな巻き心地、ストッパーを取り去る徹底した防水性により、快適な釣りが可能です。もちろんサーフゲームにも最適です。
他のリールが適したスタイル
より大型を狙う本格的なジギングやキャスティングゲームに使用する場合、19セルテートLT4000-CXHはあまりおすすめできません。これらの釣りではより高い剛性や巻き上げ力が必要になるため、ボディ・ローターともに金属製のリールや、オフショア向けにカスタムされたリールが適しています。
ノイズなど気になる点はあるが、剛性は確かなリール
今回インプレッションしたのは、ダイワの19セルテートLT4000-CXHでした。従来のモデルから大きく軽量化されていますが、剛性の低下は感じらず、非常に安心感があります。ラインローラーのノイズやベアリングの非搭載など、マイナスポイントもありますが、シーバスやライトショアジギングといった釣りではほとんど気にならないでしょう。