スピニングリールの右利きと左利きベストな関係は?
作成:2022.07.25更新:2022.07.25
目次
あなたは右利き?左利き?
さて、釣り人というより人間は性別以外で大きく2つに分類されるのが右利きと左利きです。これは全人類共通です。人口の約8〜10%の人が左利きと言われています。国によっては両利きが多い国もあります。これは天性的(生まれもった)な数字ですが後天的(利き手を矯正)に左利きにする人がいます。
例えばスポーツ選手。特に球技の野球やテニス、卓球など本来右利きなのに左手を利き手にする選手がいます。野球だと右投げ左打ちもそうですね。右ピッチャーが多いので左打席の方が有利という認識からでしょう。球技以外ではボクシングや柔道などの格闘技でもサウスポースタイルは有利とされることが多いですね。左を利き手にすることで元の利き手の右手を有利に使うことが出来ることも利点でしょう。
では『釣り』では有利なのでしょうか?ロッドには右や左利き用はありませんね。リールはスピニングリールもベイトリールも左右のタイプがあります。でもリールは左ハンドルを使用しているアングラーを多く見かけますね。なぜでしょう?TVでよく見るプロアングラーが左ハンドルでカッコイイから!という安易な理由の人は少ないと思いますがプロアングラーでも右ハンドルの人はいます。では右利きの人が左ハンドルを利用する本当の理由って何なのでしょうか?
昔は左で巻いている人いなかった!?
1970年代、私の子供のころ周りにはリールを左手で巻く人はいなかったです。でも実際にはリールの右巻き左巻き専用があって左で巻いている人は存在していたのです。でも父から教わった釣りはサーフでの投げ釣りで右でキャストして左に持ち替えてリールを右手で巻くことを父から教わったことが始まりでした。その後ルアーフィッシングを始めるのですが同じスピニングリールを使っていたので無意識に右巻きでした。おかげでキャストして持ち変えるのが早くなりましたね(笑)。ということは釣りを教えた人や始めた釣りによるのですね。川や湖でのルアーフィッシングから始めた人は左巻きが多いかもしれませんね。あとはベイトリールを使ったバスフィッシングなどもそうでしょう。
利き腕で釣りのスタイルが変わる
この考え方で行くとこれまでのスタイルで釣りをして損をしている(釣果が少ない)可能性がありますね。利き腕や利き手の使い方と逆の腕や手の使い方で釣りの幅が広がるということです。例えばロングキャストしてすぐ巻かなくていい投げ釣りなどは利き手でフルキャストし持ち変えて利き手で巻けるので有利。逆に着水してすぐ巻くバス釣りや河川などの場合はキャストして持ち変えずに逆の手でそのまま巻くのが有効などです。ではそれ以外に有利なことはあるのでしょうか?
利き手と非利き手の特性とは?
ここからは右利き、左利きともに利き手とその逆を非利き手としてご説明していきます。まず利き手と非利き手の特性・特徴について考えてみましょう。利き手は文字を書いたり何かをつかまえたり押したり持ったりします。では非利き手はどうでしょうか?普段の動きで利き手と非利き手を比べてみます。
動作 | 利き手 | 非利き手 | 理由 |
持つ | ◎ | 〇 | 重いものは利き手 |
引く | ◎ | 〇 | 利き手の方が力が強い |
押す | ◎ | 〇 | 利き手の方が力が強い |
掴む | 〇 | 〇 | 意外と非利き手でも |
支える | 〇 | ◎ | 非利き手が多い |
スマホを持つ手 | 〇 | ◎ | 意外! |
スマホを操作する手 | ◎ | 〇 | 利き手の指で操作する? |
意外と非利き手を使っていますね。簡単に考えると鞄の中を探すときは非利き手で鞄を持って利き手で探しませんか?ドライバーでネジを回すとき非利き手でネジを押えて、利き手でドライバーを回しませんか?意外と非利き手って持ったり押さえたりするのに適しているんです。
釣り全般では利き手より非利き手が有利?
キャスト後にロッドを持ち変えることが格好悪いという方がいます。釣りは格好だけつけても釣れませんからね。釣れないほうがよっぽど格好が悪いのでもっと論理的に考えてみましょう。釣りと利き手を使う利点というと1つにロッドの操作があると思います。例えば渓流ルアーでよく行うトゥイッチは利き手のほうが操作しやすい?ジャークは利き手はあまり関係がない?などロッドやネット、リール(スピニングリール)でどのように有利かまとめてみました。やはり利き手が有利ですが利き手だけで釣りはできません。あなたが釣行するフィッシングスタイルがキャストメインなのか?トゥイッチなど繊細な操作がメインなのかで考えてみるといいかもしれませんね。
道具 | 操作 | 利き手 | 非利き手 | 理由 |
リール | キャスト | 〇 | 〇 | |
リール | リーリング | 〇 | 〇 | |
リール | アクション | 〇 | 〇 | |
リール | ファイト中 | ◎ | 〇 | 大物なほど |
リール | 巻取り持久力 | ◎ | 〇 | 大物なほど |
ロッド | キャスト | ◎ | 〇 | 飛距離が出る |
ロッド | トゥイッチ | ◎ | ▲ | 利き手が繊細 |
ロッド | ジャーク | 〇 | 〇 | |
ロッド | フッキング | 〇 | 〇 | |
ロッド | バイト (アタリ) | 〇 | 〇 | |
ロッド | ファイト中 | ◎ | 〇 | 大物有利 |
ロッド | キャッチ (寄せる) | 〇 | 〇 | |
ロッド | 操作持久力 | ◎ | 〇 | 大物有利 |
ネット | キャッチ (取込む) | ◎ | 〇 | 大物有利 |
いろんなフィッシングシーンと利き手の優位性
では釣りの種類によって利き手はどう関わっているでしょうか。今後利き手の使い方を考えるための参考にしてください。
河川でのルアーフィッシング
河川の特徴はロングキャストする必要はあまりありませんがルアーを着水させるポイントの正確性とその後の操作性が求められます。着水後の即巻きが必須でトゥイッチなどでルアー操作がメインでしょう。ターゲットサイズは大きくて40㎝程度ですが河川の流れの強さによってはある程度パワーも必要。釣行時は藪漕ぎや川を遡上する必要があるのでタックルバランスも重視。これらを踏まえるとトゥイッチしやすい利き手でキャストしてそのまま非利き手でリーリングするのが効率的ということになります。また川をのぼるような最上流や渓流など転倒の危険がある場合は極力利き手を空けておくために非利き手でキャストし利き手でリーリングといったことも必要と思います。
湖でのルアーフィッシング
湖の特徴はある程度のロングキャストが必要であることとジャークでのジグなどの操作も必要です。それなりにトゥイッチなどの繊細なルアー操作も必要になります。サイズは40~80cmぐらいまでのファイトパワーがある個体が多くネットへの取込みが必要なのでキャッチするときのロッドワークやネット操作が重要になる。これらを踏まえると湖では遠投しやすい利き手でキャストしヒット後のファイトを考えて非利き手に持ち変えて利き手で強くリーリングする。そうすることでファイトパワーにも耐えられ取込時のランディングネット操作も利き手で行えるので有利となります。
サーフでのルアーフィッシング
サーフの特徴は強いキャストによる遠投とヒットする魚のサイズが大きいことです。サイズは1mオーバーなんて場合もあります。着水してから糸フケをとりながらのリーリングですので基本的に素早く巻く必要はありません。サーフは利き手で思いっきりロングキャストすることが有利です。そしてファイトを考えると持ち替えて利き手で強いリーリングするがよいでしょう。リーリングよりロッドを強く支えるほうが重要な場合は非利き手でのリーリングもよいでしょう。
ロックでのルアーフィッシング
ロックフィッシングでは繊細なフッキングと手返しよくキャストすることが求められますね。サイズは40㎝前後ですが根魚のパワーはなかなかなもので特に波がある場合や堤防など海面から離れている場合にネットインするまでのロッドとネット操作が必要になります。ロックは遠投が必要なければ非利き手でキャストして利き手でリーリングもいいのでは?利き手でネットを持つこともできるのでより効率的と思います。あまりネットを使用せず引っこ抜く場合は利き手キャストで非利き手でのリーリングが良いでしょう。ロックはアングラーの釣りスタイルにより分かれますね。
オフショアでのルアーフィッシング
一番の大物が掛かる釣りでタックルも一番タフです。キャスティングはほとんど必要ありませんが何といっても重いルアーでのジギングは修行といっていい状態が続くのでロッドをシャクる腕力とスタミナがポイントになります。しかもヒットしてからのファイトパワーはルアーフィッシングの中でもダントツの1位です。私はブリジギングの時は左右両方のセットを持っていきます。1尾釣ったら腕パンパンになるので左右持ち変えるんです。超便利ですよ。
結局ベストな関係は?
アングラーの釣り方と釣法によりますがロッドで繊細なアタリやアワセを取る場合は利き手の方が絶対有利なのでリールを巻くのは非利き手です。逆に豪快に合わせる、送り合わせする場合は非利き手でロッドを持って力がある利き手でリールを巻くのが有利です。力が強い魚の場合はロッドを押える力ももちろん必要なんですが巻く力が弱いと結局バラシが多くなるので注意が必要です。
今後の釣りを有利に楽しくするために
利き手と非利き手を使いこなすことで釣りを有利にそして楽しくすることが出来ます。私は練習して両方できるようになりました、その時に感じた意外なメリットをご紹介します。
右利きの人で渓流や河川で繊細な釣りをする場合は左手を使おう!
左利きの方も同じなのですが渓流や河川でルアーフィッシングをしていると困ることがあります。
着水と同時にバイトした時
渓流での釣りで経験したことがあると思います。ルアー着水と同時にバイト!この時はきちんと合わせなければなりません。たまたまガッチリ魚がルアーを咥えてくれていればいいのですがそうもいきません。右手でキャストして右巻きで飛距離がない河川の場合はロッドを持ち替える間にルアーが先に着水しています。ということはラインのフケも取れていないのでルアーはフリーで流されています。バイトしても合わせられないということになります。これを防ぐには2つの方法しかありません。1つは非利き手でリーリングする。もう1つは非利き手でキャストすることを覚えるです。
渓流や河川では左右どちらでもキャストできるということが一番有利
河川では右岸か左岸を攻めていきますね。川の流れと木の張り出しは左右によって逆になります。そんな時以下のようなことがありませんか?
- 利き手でキャストしやすいポイントとキャストしにくいポイントがある。
- 利き手でのキャストだと木や枝に引っかかる場所がある
- また軽いルアーをキャストすることがあ多く風があると逆の向きでキャストしたい
もしあなたが左右両方でキャスト出来たらどうですか?特に人気の河川でプレッシャーがキツイ時など魚はキャストされにくい場所へ逃げます。周りの人がキャストしないポイントにあなたが逆手でキャストしたら?と想像しただけでもお解りと思います。是非練習してください。絶対釣果に繋がります。
釣りは創意工夫で釣果が変わる
釣りは道具で釣果が変わることも多いですがアングラー本人の利き手の使い方でも釣果が変わることがお解りいただけたと思います。道具も進化していますがアングラー自身も進化する必要があるのですね。いろいろ創意工夫をして釣りを楽しみましょう!