支笏湖のブラウントラウトをルアーテクニックで釣り上げろ!

作成:2021.05.20更新:2023.04.17

北海道を代表するトラウトレイク『支笏湖』について

支笏湖は北海道千歳市の支笏洞爺国立公園内にあるカルデラ湖です。日本一のカルデラ湖は同じく北海道にある屈斜路湖で支笏湖は日本で2番目に大きい湖です。その面積は78.7㎡で日本の湖の中でも8番目に大きい湖になります。

しかし支笏湖の凄いところは面積ではありません。なんと湖の貯水量(湖容積)は1位の琵琶湖に続き2位なんです。面積は全国で8位なのに貯水量が2位ということはそれだけ深いということになります。その深さは363mです。東京タワーが沈んでも見えません…怖すぎる深さです。そんな広さと深さがある支笏湖にはどんなトラウトが生息しているのでしょうか?まずは生息しているトラウトをご紹介していきます。

支笏湖に生息するトラウトたち

アメマス

支笏湖の代表的なトラウトでネイティブトラウトのアメマス(岩魚の陸封魚)で大きいもので50cmを超える個体も生息します。

ニジマス

支笏湖ではニジマスは数が少なくシコニジの愛称で呼ばれています。ニジマスも50cmを超えるモンスターが生息しておりニジマス特有のエラ洗いのパワーは他のトラウトでは体感できない魅力があり支笏湖アングラーの中では憧れのトラウトのひとつとされています。

サクラマス

ヤマメの陸封魚です。ニジマスよりは数が多いですがサクラマスもなかなか釣るのが難しくその魚体は同じく50cmを超える個体もおり海のサクラマス同様スピードとパワーは支笏湖のトラウトでも一番でしょう。秋~晩秋にかけては支笏湖アングラーがサクラマスを狙って釣行しています。

ヒメマス

支笏湖で唯一漁業権が設定されているトラウトで漁協が放流しており釣るためには遊漁料を支払う必要があります。(期間・禁漁区の設定があります)秋になるとオスはセッパリになり真っ赤に染まった婚姻色はとても綺麗なトラウトです。最大でも35cm程度です。

ブラウントラウト

支笏湖に訪れるアングラーのほとんどがこのブラウントラウトをメインターゲットとしています。大物は80cmを超えるメガブラウンが生息しています。このクラスを狙うアングラーが多く、湖にも関わらず10f以上のロッドを握りしめ、背中のランディングネットは人間が入るんじゃないか?と思うようなデカいネットを背負っているアングラーがいます。大げさに見えますが本当にキャッチするにはこのぐらいの装備は決して大げさではありません。

支笏湖のブラウントラウトの生態

今回は支笏湖のモンスタートラウトでもある『ブラウントラウト』を特集します。ニジマスと同様に外来種であるブラウントラウトは北海道で生息している場所は多くありません(北海道では日本古来の生物保護の為、他の水域への移植禁止、指定外来種とされています)なぜそんな外来種が日本にいるのか?

支笏湖では1920年代にニジマスの放流を開始しています、その際にアメリカなどから輸入したニジマスの卵の中にブラウントラウトの卵が混じっており繁殖したとされています。そして大型化したブラウントラウトがアングラーを魅了しています。

ブラウントラウトが好む場所は季節によって変わる。

まずはどんなポイントが狙い目なのか?をご紹介します。支笏湖にはワンド(湾→岬→湾)という地形のポイントとインレット(河口)、テトラ地帯、砂浜と大きく分けて4つの地形に分かれます。

ワンドエリア

支笏湖で一番多くそして人気なのがワンドです。特に南側のほとんどがこの地形となっており国道からも近く入渓しやすい人気ポイントが多いです。人気なわけは入渓しやすいというだけではなく実釣の実績が一番多いからと言っていいでしょう。特にシーズン通してブラウントラウトのギガモンスタークラス80cmオーバーが上げられているポイントです。

さてそんなワンドエリアですが、ブラウントラウトが好む場所はどこか?岬の遠浅の場合が多いのですが遠投してカケアガリを狙うと回遊しているブラウントラウトを狙うことが出来ます。ワンドアリアの一番のポイントは湾になっているエリアです。しかも初夏や秋以降で木が張り出いしていて日陰になっている場所などは狙い目です。ブラウントラウトは意外と近くにいます。

インレット(河口)

支笏湖のメインインレットは美笛川です。支笏湖の西側に美笛川河口周辺は美笛キャンプ場があり入渓しやすく人気ポイントの一つです。秋口になると産卵のために岸寄りしたブラウントラウトを狙うことが出来ます。次に大きい川はオコタンペ川ですがこの河口に行くための道路は数年前の台風で道路が封鎖されて依頼開通していません。ボートで行くしかありませんが支笏湖の中では超一級ポイントで河口周辺にはドン深、砂浜、ワンドと全ての地形があります。釣行する方は熊に気を付けて下さい。

テトラ地帯

支笏湖の元有料道路(東側)はテトラが設置されていています。ここは足元からドン深なので回遊しているブラウントラウトを狙うことが出来ます。テトラで足元が悪いので必ずライフジャケットを着て釣行しましょう。淡水なので浮きません落ちたら沈みます(死骨湖と呼ばれた時代もあるようです*諸説あり)

砂浜

支笏湖の北側に旧ポロピナイキャンプ場(閉鎖)周辺、南西側のモラップキャンプ場周辺が砂浜になっており掛け上がりまで遠浅になっていますが回遊しているブラウントラウトを狙うことが出来ます。入渓しやすいので初心者やフライマンにはおすすめです。特に春先や冬には近くに温泉があるため水温が高くベイトを追いかけてくるブラウントラウトが狙えます。

支笏湖の風とターンオーバーについて

ポイントの他に重要な要素があります。それは風です。風は波とターンオーバーに影響します。少し詳しくご説明します。

風と波が釣果に影響する

支笏湖の場合、大きく分けて東向きの風か西向きの風の2種類の風が吹きます。ブラウントラウトは風があり波が立っている方が釣れます。風速にして1~5mぐらいがベストです。それ以上の風だとキャストするのが大変なのと濁りが入ってしまいます。問題は無風の時です。支笏湖はカルデラ湖なので山に囲まれており風が無い天気が多いんです。鏡の様な湖面だとルアーが見切られるのと活性が低く釣果が下がりやすいです。

湖のターンオーバーを知っていますか?

ある日、湖がとても透き通った水になる時があることをご存じですか?湖で釣りをされている方は聞いたことがあるかも知れません、深さのある湖は表層の水と深層の水が入れ替わる時期があるんです。それをターンオーバーと言います。

支笏湖の場合はとある秋の東向の風が強く吹いた翌日ぐらいに始まります。表層の水が風で押され岸に当たり深く沈んでいきます。そして深い水が表層に上がってくるんです。実際には風だけではなく水温も関係し秋口の冷たい空気で表層の水が冷やされます。冷たい水は重くなりますので深層に潜っていく代わりに温かい水が上がってきます。このターンオーバーが行われると湖の水が上下逆になるため、深場のプランクトンが上がってきて小魚やベイトも釣られて上がりトラウトたちも活性が上がるというわけです。

このターンオーバーが行われたかどうかは湖の水を見るとわかります。夏に日差しを浴び藻などが発生して少し濁るのですが、ターンオーバー後は澄み切った透明度の高い水になります。このタイミングが夏枯れが終わり秋のトラウトシーズン到来を告げる役目もしています。このような何気ない自然現象を知って釣りに生かすのもアングラーの特権ですよね。

支笏湖で釣果を上げるルアーテクニック

ルアーテクニックは大きく分けて2種類あります。風の状況や気温、天候などで使い分けましょう。

スロージャークとフォールを操り縦の釣りで狙う

スロージャークとは、ルアーにテンションがかかった状態で約5秒ぐらいかけてゆっくりジャークする事です。これをすることで水中でルアー本来のアクションをさせます。ルアータイプはスプーン、ジグスプーン、ジグミノー、ジグの4種類です。それぞれ水の抵抗が違う為、ヒラヒラ落ちる速度が違う為、アピールする時間が変わるのでアピールしたい速度で使い分けます。シーズン通して使えるテクニックで特に湖が凪ぎの状態で有効です。

スプーン

スプーンはキャスト後、ゆっくりヒラヒラ落ちていきます。スロージャークするとユラユラしながら浮き上がり、止めるとまたゆっくりヒラヒラ落ちる。

ジグスプーン

ジグスプーンはスプーンより細身で重いため、ヒラヒラしますが落ちる速度はスプーンより早く、右か左に流れて落ちていくタイプが多いです。スロージャークするとフック側をユラユラ振りながら浮き上がります。

ジグミノー

ジグミノーはスプーンよりは落ちる速度は速いですがユラユラ落ちていきます。スロージャークするとフック側を振りながら浮き上がり、止めるとユラユラ落ちます。

ジグ

ジグは水の抵抗が少ない形状が多いのでスーっと落ちていきます、スロージャークすると少しフック側を揺らしながら浮き上がります。

スロージャーク時のフォールテクニック

ルアーをフォールさせるにもいくつか方法があります。スロージャークとの組み合わせでビッグトラウトを狙いましょう。

フリーフォール

キャストしルアー着水後にリールのベールを起こし(ラインがフリーの状態)そのままテンションを掛けないでルアーをフォールさせる。トラウトが警戒している、チェイスが少ない時にスプーンやジグスプーンが有効です。ラインにテンションが掛かっていないので沈んでいくラインが止まったら合わせます、これが結構難しいです。リールはハイギアタイプをおすすめします。

テンションフォール

キャストしルアー着水後リールのベールを起こし(ラインがフリーの状態)スプールの上に指でラインを止めテンションを掛けながらルアーをフォールさせる。ジグミノーやジグの様にあちる速度が速いルアーに有効、指で止めたときにルアーが跳ねるアクションしトラウトにアピールします。

スライドフォール

支笏湖で私がよく使うテクニックです。キャストしルアー着水後、一度ロッドをスライドさせたい方(右か左)に斜め45度ぐらいでジャークします。その後フリーフォールさせます。特にジグスプーンで行うとルアーが斜めにスライドしながらフォールしていきます。カケアガリを斜めに攻める場合などに有効です。

スローリトリーブを操り横の釣りで狙う

スローリトリーブは基本的な誘い方ですが意外と理解できない方が多いと思います。特にスローリトリーブで釣れたことが無い方は必見です。スプーン、ジグスプーン、ミノー、スピナーで有効です。初夏と秋の風と波があるときに有効です。

スプーン

キャストしルアー着水後、探る深さまでフォールさせます。リーリングしていくわけですが、スプーンはそれぞれ一番いいアクションをするスピードがあります。特に波がある場合と凪の状態とではリーリングのスピードでスプーンのアクションが変わります。波がある場合、水が動いていますので超デッドスローでもアクションしています。逆に凪で水の動きが無い場合は少し早めにリーリングします。これだけでトラウトへのアピールは全く違い釣果に差が出ます。

ジグスプーン

スプーンより重く細身で長いタイプが多く沈みやすいのでルアー着水後すぐリーリングします。細身な分早くリーリングすると回転するだけでジグスプーンの良さが出ません。これが釣れない人のパターンでジグスプーンは釣れないと勘違いします。ジグスプーンもスプーンなのでそれそれリーリングスピードが違います。一度近くでどのぐらいの速度でルアーがアクションするのか見てください。びっくりするぐらいゆっくりリーリングすると左右にフック側を振りながらアクションすることがわかります。そのスピードで超々デッドスローでリーリングしてみましょう!これであなたもジグスプーンマスターです。

ミノー

支笏湖でブラウントラウトを狙える一番効くのがミノーです。たまに見かけるアングラーで6㎝前後のミノーを使っている方がいますが多分小さいアメマスぐらいしかかからないと思います。おすすめは9cm以上のフローティングミノーです。これをキャスト後デッドスローでリーリングします。残念ながら波の無い凪状態の支笏湖では見切られて釣れません。適度な風があり波が出ている状態では

ルアーテクニックのワンポイントアドバイス

ルアーを変えても同じ速度でリーリングしてはルアー本来のアクションをしていない可能あります。どのスピードが一番アクションするのかを確認してからキャストすることを心掛けましょう。これだけでもかなり釣果が違います。

支笏湖でのブラウントラウトの実績ルアーは?

実際にブラウントラウトを上げたルアーの一部をご紹介しちゃいます!

  • SOULS(ソウルズ) BE-BOP-Ⅱ(左から1番目):隣のProviaに似ていますが少しライン側は細くなっており、厚みがあり重いです。私は18gを良く使っています。
  • ssyLABEL(シーレーベル) adrowa Provia(左から2番目):支笏湖ではジグスプーンの定番。これは限定カラーの12gですが他のカラーでも良く釣れます。
  • GOD HANDS(ゴッドハンズ) RAiGA (右2つ):最近良く使って釣果を上げているのがRAiGAの14gです。フォールでもデッドスローでも釣れます。おすすめです。

ブラウントラウトのタックルシステム

ロッド

8から9fのMLがおすすめです。キャスティングの飛距離と取り込むときに暴れますのである程度しなやかなロッドでいなしましょう。

リール

2500番手のハイギアタイプが万能です。3000番のノーマルギアでも良いと思います。

ラインシステム

メインラインはPE1.0、リーダーはフロロ4lb程度を40~50cm

支笏湖のブラウントラウトは狙って釣る!

川のブラウントラウトは意外と釣りやすいのですが、支笏湖のブラウントラウトはモンスター級がいますのでテクニックが必要です。今回ご説明したテクニックを活用してあなたも是非モンスターブラウンをGETしましょう!

この記事を書いた人

釣りは一生できる趣味!
Z@KU

 ネイティブトラウト全般(ソルト・ナチュラル)、アイナメ、ソイ、メバル、ルアー全般(ショア・ナチュラル)、ロックフィッシュ、エギング、北海道全域:湖(支笏湖、屈斜路湖など)・河川(尻別川、千歳川など)・ダム湖・サーフ・磯

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