ニジマスは習性を考察してルアーで釣る!そのキャスティングテクニックとは?(河川編)

作成:2021.02.26更新:2023.04.17

ニジマスを知るとヒントが見えてくる

まずはニジマスという魚を知ることが必要です。既に知っている方でも新たな気づきがあると思います。

なぜ?日本にレインボートラウト(ニジマス)が生息してるのか。

アングラーのみなさん、ニジマスは釣ったことありますか?釣り堀や管理釣り場で釣ったことがある!という方が多いと思います。レインボートラウトと呼ばれているように日本固有の在来魚の鱒(トラウト)ではありません。養殖のためにアメリカから輸入されたのが始まりで、その歴史は古く約150年前とされ現在も輸入・養殖されています。スーパーでトラウトサーモン・アトランティックサーモンという魚を目にすることがあるでしょう。これらは養殖されたニジマスです。意外とニジマスは身近にいますね。現在では日本の多くの河川・湖に日本固有の岩魚(イワナ)山女魚(ヤマメ)と共に生息しています。

最高のルアーフィッシングターゲット『ニジマス』とは?

ニジマスはトラウトフィッシャーにとても人気のあるトラウトです。理由は『ゲーム性が高い』ということであると考えます。特に管理釣り場で多くターゲットとされますが自然の河川、湖のニジマスの場合はもっと複雑です。トラウトアングラーの方はご存じの方が多いと思いますが、ニジマスは釣れやすいと感じる(良く釣れる)場合と、釣りにくいと感じる(釣れない)場合が顕著に表れるトラウトです。しかし水温、天気、時期、時合で急につれたりピタッと釣れなくなったりします。何故なんだ?と考えてニジマスと勝負する。このゲーム性がニジマスの人気がある理由のひとつです。

もうひとつはフィッシングファイトです。内水面(淡水域)の魚では珍しくブラックバスと同じく様にジャンプしてエラ洗い(ルアーを外そうと頭を振る)をします。しかもニジマスは遊泳力もあるのでパワーが違います。大きなニジマスはもちろん、小さなニジマスも魚体を全て飛び出しながら大ジャンプします。他のトラウトにはないジャンプとパワーのファイトを楽しめる、これも人気のひとつです。それになんと言ってもとても綺麗な魚だからです。

ニジマスをルアーで釣るには習性を考えないと釣れない

ではニジマスをルアーで釣るにはどのようにすれば良いのでしょうか?何度か釣ったことはあるものの、イワナやヤマメの方が釣れるので楽しいという方も多いでしょう。ニジマスは警戒能力と学習能力が高いと私は考えています。ニジマスは釣り人がいると察知したら周囲に何らかの警戒信号・匂い(フェロモン)などを発して他のニジマスにも警戒させる。学習能力ではルアーの色や形を覚えるということです。これは私個人の経験からの主観ですが、同じような経験された方も多いと思います。ニジマスはこの習性を利用して釣る必要があります。

どうやってニジマスの習性を利用しルアーで釣るのか?

ニジマスの警戒能力を利用して釣る

一番厄介なのは警戒能力です。人がどんなに警戒しても水に入った足や音などでニジマスにはバレています。そしてラインやルアーもバッチリ見えています。ではどのようにニジマスの警戒能力を利用するのか?私が利用する河川でのテクニックの1つをご説明します。

ポイントに着いたら、入渓し水に入ります。しかし、静かに入ってもニジマスは気づいています。ではどうするのか?それは「最低5分ルアーをキャストしない」という事です。偏向グラスをかけて水の流れ、底の状況や流れてくる虫などをよく観察する。そしてキャストするポイントをじっくり考えておきます。この時注意することは「水の中で足を動かさず水を濁さない」、「音を立てない」という2点です。約5分ほど経ったら狙ったポイントに厳選したルアーをキャストしてください。キャストする場所は次項で解説します。

魚影にもよりますが、これで1投目で釣れなくても2~3投目でかなりの確率で釣れます。ニジマスからすると人は来たが、ルアーこないし足音も無く釣りじゃないのか?と思わせるということです。特に河川は水が流れていますので、1分もじっとしていると、ニジマスの周りの水が入れ替わります。もし警戒信号やフェロモンが出たとしても5分も経つと下流に流れているということです。そんな時にルアーをキャストすると!なんだ?このキラキラした奴は!とルアーにバイトするわけです。

ニジマスの学習能力を利用して釣る

次に学習能力を利用した釣り方です。ニジマスはルアーを見切る能力が高いです。ルアーの選び方も合わせて考える必要があるのですが一番必要なのは、このニジマスの学習能力を利用したルアーテクニックが必要です。このテクニックは河川と湖で異なりますので今回は河川を詳しくキャストごとにご説明します。

河川(本流・渓流)のキャストポイント

まずは河川です。上の写真をご覧ください。アングラーが立ってキャストする場合、上流から

  1. アップ
  2. アップクロス
  3. クロス
  4. ダウンクロス
  5. ダウン

と大きく5方向あります。この5方向にどのようにキャストするかがポイントです。

普段安易にキャストしていませんか?キャストして攻める順番を考えると釣果が上がります。

  • パターン1:③クロス⇒④ダウンクロス⇒⑤ダウン
  • パターン2:①アップ
  • パターン3:②アップクロス⇒③クロス⇒④ダウンクロス⇒⑤ダウン

なぜパターン1から始めるのかの理由はわかりますか?クロスは立ち位置から向かい側です。ニジマスから見られている可能性がある位置、ダウンクロスは角度的にニジマスから見えている、ダウンはほとんど見えているとイメージします。見えている可能性があるニジマスがいるということです。アングラーが見えているのに逃げていないということは、警戒していない可能性が高いということです。①アップや②アップクロスの場合、バイトした場合やバラした場合に上流でニジマスが警戒信号やフェロモンを出す可能性があります、そうなると一気に下流側のニジマスも警戒心が上がってしまうのです。ですので最初は③クロスからのニジマスにアプローチするのが最善なのです。
ではパターンごとに詳しくご説明いたします。

パターン1:ニジマスを下流に誘って釣る

上記の写真はクロスにキャストして下流までルアーを流しているイメージです。Ⓐにキャストします。クロスからダウンクロスまでいるニジマスはルアーを追いかけます。 バイトしてくればキャッチも可能ですが、ルアーを見切ったニジマスも追いかけて下流に下がってくれればいいのです。ⒶにキャストⒷでルアー回収する。リーリングはルアーが十分に動く程度で巻きます。これを最低3回行います。するとⒷの周辺にニジマスが複数溜まります。3回目のキャストはⒶ→Ⓑまでデッドスローで川底を取りながらルアーを転がす様に水流に任せます、でもラインにテンションは掛けてください。反応があればもう1回、無反応であればパターン2を試します。
このテクニックの理由です。Ⓑには追いかけてきたニジマスと元々Ⓑに定位しているニジマスの2種類が集まります。そこにルアーが来ると定位していたニジマスが初めて見るので反応します、それにつられて先程1度見切ったニジマスが俺のものだと横取りしようと反応するんです。このニジマスの学習能力と習性を利用します。

パターン2:アップは落ちてきた虫をイメージして釣る

上記の写真はアップにキャストしたイメージです。アングラーの位置から見るとニジマスは上流を向いていますのでこちらに気が付いていない場合が多いです。キャストはできるだけ山なりにキャストします。張り出した枝や風に注意してください。Ⓐに着水したら、糸ふけは一気に回収してリーリングします①最初は早巻きです。ニジマスが追いつけないほどでいいです。②次にできるだけ水流に任せてゆっくりルアーを流します、根掛かりしやすいのでロッドを立ててかわします。これを着水するポイントを3か所ほど攻めてください。
このテクニックの理由です。山なりでキャストし上を見ているニジマスに何か落ちてきたと感じさせる、①で何かが早く流れていったと気付かせる。②でゆっくり何かが流れてきたと感じてバイトします。

パターン3:一番アツイポイントを最後に攻める

上記の写真はアップクロスにキャストしたイメージです。このキャストはニジマスが上流を向いていて、アングラーから遠くニジマスが一番釣れる確率が高いです。先程のパターン1と2を合わせた攻め方になりますが、それに加えて深さを調整することでより釣果率を上げます。キャストはできるだけ山なりでキャスト、Ⓐに着水後、糸ふけを回収してリーリングし表層~水面直下を意識してⒷまで早巻きします。次は水流に任せてゆっくりルアーを流します(根掛かり注意)。これを2回ほど繰り返して反応が無ければ、底を探ります。Ⓐに着水後、底までルアーを落とします、着底したと感じたら、早巻きします。次は底を取った後デットスローで根掛かりに注意しながらルアーを転がします。
このテクニックの理由はパターン1と2の合わせた攻め方ができることです。

ニジマスに有効なルアーとは?

河川のニジマスに効くルアーについて、ご説明します。本流域と渓流・源流域で違いがあります。

基本ルアー(スプーン・ミノー・スピナー)

  • スプーン:河川全域で有効です。重さは3~8gは渓流・源流域、7~18gは本流域で有効です。特に底を取る釣り方の場合はスプーンに限ります。
  • ミノー:河川全域で有効です。重さは3~7gは渓流・源流域、6~10gは本流域で有効です。ただ底を取る場合は不向きです。
  • スピナー:渓流・源流域で有効です。重さは3~7g。本流域でも使えますがニジマスの反応は薄いです。

他のルアー(テレストリアル・ジグミノー・ジグスプーン)

  • テレストリアル:最近流行りのセミルアーやバッタを模したルアーです。渓流・源流域ではかなり効果があります。本流域も流れがゆっくりで木が張り出しているようなポイントでは効果的です。
  • ジグミノー:形はリップが無いミノーなんですが、ミノーと違い重さがあります。6~10g本流域で有効です。渓流の函や深場でも使用可能です。
  • ジグスプーン:形はスプーンを厚く細長くした形状です、本来は湖で使用することが多いのですが、7~12gで本流域で有効です。中層から底を攻めるには最適です。

このテクニックを使用するための推奨タックル

リールとロッドについて少し触れておきます。このテクニックについては着水後の糸ふけ回収がポイントになりますのでリールはハイギアで巻上長が長いものが良いと思います。河川の規模にもよりますが渓流・源流域では1000~2000番クラスの軽い方が取り回しが利きます。ロッドは長さは河川の規模で決めましょう。渓流・源流域はUL~ML、本流域はML~Mが良いと思います。

やはりニジマスの釣果を上げるにはキャスティングテクニックが必要!

いかがでしたか?もちろんアングラーのみなさんは他の釣法やテクニックをお持ちと思います。今回ご説明した内容も私の経験での一部です。これから経験してもっといいテクニックも見つかることでしょう。今後のニジマス釣行の際にこんなテクニックがあったなぁと、試して頂ければと思います。きっとあなたの釣果が変わることでしょう。次回は湖・ダム湖(止水域)のテクニックやタックル、ルアーカラーなどをご紹介します。

このテクニックを使用するための推奨タックル

リールとロッドについて少し触れておきます。このテクニックについては着水後の糸ふけ回収がポイントになりますのでリールはハイギアで巻上長が長いものが良いと思います。河川の規模にもよりますが渓流・源流域では1000~2000番クラスの軽い方が取り回しが利きます。ロッドは長さは河川の規模で決めましょう。渓流・源流域はUL~ML、本流域はML~Mが良いと思います。

やはりニジマスの釣果を上げるにはルアーキャスティングとテクニックが必要

いかがでしたか?もちろんアングラーのみなさんは他の釣法やテクニックをお持ちと思います。今回ご説明した内容も私の経験での一部です。これから経験してもっといいテクニックも見つかることでしょう。今後のニジマス釣行の際にこんなテクニックがあったなぁと、試して頂ければと思います。きっとあなたの釣果が変わることでしょう。

この記事を書いた人

釣りは一生できる趣味!
Z@KU

 ネイティブトラウト全般(ソルト・ナチュラル)、アイナメ、ソイ、メバル、ルアー全般(ショア・ナチュラル)、ロックフィッシュ、エギング、北海道全域:湖(支笏湖、屈斜路湖など)・河川(尻別川、千歳川など)・ダム湖・サーフ・磯

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